北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2022年7月号の感想

 次号とほぼ同時期に『モンハン』が控えているという事実。恐ろしい。
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「表紙」フライ

 フライ先生の表紙イラスト、出しはしないけど……というギリギリ感が楽しいんですが、今回はついに(?)下の毛が見えた……のか? というギリギリ感になってて最高。
 カラーの2ページ漫画があるんですが、そちらは漫画単体として楽しませるよりも、あくまでも表紙イラストの背景を描くことに注力してるような内容でそちらも面白かったです。単に表紙イラストを見たときには感じられなかったヒロインのずるさみたいなものが浮かび上がってくる。

『フリーライド』楝蛙

 ドライブ先の道の駅で元カレによく似たヒッチハイカーと出会ったが、彼の職業が特殊で……。旅の恥はかき捨てみたいな感じで、旅先での行きずりセックスってめちゃくちゃ憧れるし、その願望は男女を問わないのでしょう。ちゃんと本作には女性主人公ならではの独自性があるんですよね。これが男主人公で元カノにそっくりのエロを仕事とした女性と出会ってたらもっと下心が剥き出しになってて、本作みたいな警戒心と下心と期待が混ざった感じにはならなかったのではないか。
 自立した女性が気の迷いでエロの世界に足を踏み入れてしまう……という部分が最高。ドライバーと助手席のヒッチハイカーだったらどう考えてもドライバーのが立場が上じゃないですか。それ故の余裕もあって試してみようとなるんですが、ホテルに入るとその優位性はなくなり、むしろ彼のテリトリーなので緊張感が増していく。ただ、緊張した女性の相手をすることにも彼は慣れっこなので……という手際の良さがまた不気味というか、いつまでも相手のペースのままになってて緊張混じりのエロさ。
 本気にしない主人公と、本気にさせようとする男の心理的な攻防みたいなのがエロパートに通底してて、それもまたエロさの支えになっている。男が好き好き言ってくるんだけど、どこまで本気なのか分からないし、たぶん「女性はこう言われながら攻められるのが好き」というテクニックの一つなんじゃないかなぁ。胡散臭さは感じつつ、その魅力に溺れていく流れとか素晴らしかったし、快楽堕ちに近い話ではあるんだけど、暴力的ではない、というバランスも珍しくて新鮮。男からの「好き」に返事はしないけど延長はする、みたいなヒロイン側の心理描写も超良かった。そして、そのすべては男に誘導されてる。悔しいけど手の上で踊ってしまう感覚。たまに差し込まれる男の冷静な表情(視線)が良い味出してました。
 タイトルが意味する「ただ乗り」をしたのは果たしてどっちなのか、という読後感も良い。主人公は今後、ヒッチハイク旅の中継拠点の一つになってしまうのかもしれないw

『アマイアイマイ』ごさいじ

 後編。前編から変わって今度はヒロイン視点での進行。さらには前編主人公と出会う前の、彼女が心を閉ざすようになった理由まで語られる。他者と描かれることで彼がどんなに良い奴か染み入る展開になってるのも素晴らしかったですね。ああいう状況で助けに入る展開は定番だけど、事前に確認してるので笑いました。笑ったけど、そういうとこが良い奴……。
 前編はエロパートにおいてヒロインが常に主人公のことをジッと見つめているのが印象的だったんですが、後編だと逆。回想のクズ男に対しても目を逸らすし、トラウマを思い出してしまったのでその後のエロパートでも心を閉ざすかのように目を合わせない。生で一度やってしまったが、ゴムを着けてからが2人にとっての本番、という構成も素晴らしかったし、それを境にヒロインと目が合うようになる。目が合うだけだったら前編と同じだけど、今回は明らかに彼女の表情が違う。いや、表情は全然崩れないタイプではあるんだけど、その中でも明らかに違いはある、という機微が素晴らしすぎる。前後編ならではの味わい深さ。
 ヒロインの「見る/見ない」がドラマになってたんだけど、エピローグでは彼女が谷地くんとは別の第三者に見られていた、とオチがつくのも最高。思えば前編のオープニングも友人による紹介だったんですよね。当たり前ではあるけど、谷地くんと出会う前からの付き合いがある女友達たちだって大きな理解者である、という真っ当かつ優しい世界。前編の頭と後編のケツがキレイに鏡合わせになってるのも漫画的にオシャレで好き。

『ふたり立ちのススメ』雛原えみ

 『ピザを待ちながらの』の前日譚。セーラー服だったりパッと見のビジュアルが全然違うのですが、同居とイチャイチャを邪魔する来訪者というテーマは同じなのですね。『ピザ』の方は一緒にいることが完全に日常になった2人の良さだったけど、本作は一緒になったワクワク感というか舞い上がってる感じが出てて超可愛い。生き生きとした女性キャラの解像度が高すぎるというか、たった2作しかないのにヒロインのキャラクターのリアリティがすごい。主人公の母に対して愛嬌を振りまくくだりのギャップも最高だったし、そっからの “ずっとチン毛 唇の裏にはりついてた…” も笑った。あそこまで猫被れるとか強すぎるw
 2人だけの空間なので何も気にせず満足するまで続けられる、という2回戦突入の場面とか大好き。ヒロインが急に素直に喜びを漏らしててめちゃくちゃ可愛いし、「家」という空間による多幸感が満ちている。
 「家」だからこそ後処理も自分でしなくては、というエピローグも素敵。面倒な仕事なんだけど、そこに幸せを感じてしまう心理とかめっちゃリアルだし、その幸せに満ちた彼女を見てキュンとくる男側も良い。

『結婚協定』南北

 患者と女医。退院時の告白から始まるんですが、そこでのスタートダッシュぶりがすごいというか、2ページ目におけるヒロインの返事がキャラ濃すぎて最高。人物紹介として完璧だったのではないか。ヒロインは相当な変人なんだけど、それに対する主人公の “その打算的なトコが好きですッ” も相当おかしいw
 ということでセックスなしの夫婦生活。性生活は手コキのみ。フェラとかセックス以上にあり得ないんだろうなぁ。ヒロインにお伺いを立てて “いいよ” となれば抜いてもらえる、という関係性がどうかしてるんだけど、正直グッときてしまう。手コキなのにゴム手袋、別の場面ではコンドームと女医らしい衛生管理の徹底ぶりも最高でした。彼女なりの守りたい一線は必ず守るし、一切の妥協はしない。女医らしさとヒロインの優位性という意味ではメガネも象徴的だったと思うんですが、メガネの死守ぶりも彼女の強さが感じられて良かったです。ダイジェスト的に風呂場でクンニする場面ではメガネ外してたりして、漫画として絶対に外さないというよりは、常に彼女に選択権がある、という感じでしょうか。
 本作のクライマックスとしてナマでのセックスになるんですが、その理屈としてのパイプカット。「その手があったか」という面白さもあったんですが、究極の射精管理という感じですよね。射精はするので精子管理、もしくは妊娠のリスクの管理。パイプカットって男が無責任に中出しするため、みたいな印象があったんですが、本作では真逆で女性側がチンコを完全に支配する、という意味合いになっててすごい。
 パイプカットの承諾を得たことで気を良くしたのか、ヒロインがちょっとした譲歩をするんですが、それとラストシーンがヒロインの快楽堕ちを示してるのか、あくまでも彼女が勝手に満喫してるだけなのか、という部分にちょっと解釈の幅がありそう。個人的には彼女は一切折れないと思うので、男側に期待しちゃう余地が少しだけ用意されてる、みたいなバランスですかね。このほんのわずかな揺れがあるラストシーンも素晴らしかったです。まぁ、中出しの魅力に酔いしれたことでパイプカットをさせる意志をより強めてそうな気もするんですがw

『あまい期待』桃月すず

 口数が少なくクール系と誤解されやすいヒロインだが実は。コミュニケーションというか感情表現、それも主に表情がテーマになっているような印象。多彩な表情がいちいち可愛く、それも「ここでこの表情!」という収まりの良さ、それと意外性による破壊力が全編通じて描かれる。大きなジャンルとしてはツンデレになるかもしれないんですが、それとはまた細かいニュアンスが違う気もします。
 基本的に受け、リアクションとしての表情が多く、それがめちゃくちゃ可愛いんですが、ドラマ的に最高に盛り上がる場面では彼女の方から、能動的に何かを伝えてくる。このレアさの魅力、いじらしさが本当に良い。まぁ、彼女としては常に何かを伝えようとしていたのでしょうが。そんなリアクションからアクションへの転換として象徴的だったのが、 “あまねがイヤなら止めるからそう言って?” に対する “イヤなわけ ないでしょ…っ” だったと思います。「イヤ」という拒否の言葉を否定することで肯定する。この回りくどさが可愛らしい。このセリフはかなり序盤でエロパートの開幕を告げるような場面なんですが、セックスを通じて彼女がさらに殻を破り、 “やめちゃ…やだ” になり、最終的には “しよ…?” となる。この変遷、三段活用が最高。
 驚きだったのがエピローグに出てきたヒロインの友人。厳密に言うと序盤にも名前が出てきて、勘の良い読者だと「おいおいまさか……」となってたんでしょうが(まったく気づきませんでしたw)、それが『夏夜の太陽』及びその続編のヒロイン。褐色ナースの学生時代が飛び出るとかとんだサプライズでした。細かい時代設定があるのかは知りませんが、本作は思ってた以上に昔の話だったのですね。『夏夜の太陽』が数年前の作品で、その劇中の時制からさらに昔になるので。案外時代設定って分からないものですね。油断ならねぇ……。

『久遠の縁』だいじ

 田舎のおねショタ。しかも男の方がヒロインとは別方向に可愛いので大好物ですね……とかニコニコしながら読み進めてたら、田舎の因習モノだったのかよ!! 地元嫌いなショタとそんな彼を優しく包み込むヒロインの話かと思ったら違った。いや、厳密にはそれほど違わないんだけど……という捻りの面白さ。
 一応ヒロインに対する寝取られ的な要素もなくはないんですが、本作のストーリーで描かれるのはおねとショタの享楽的なものなのでエロ漫画として大充実の内容。ただ、ショタ視点の物語としてそのエロをいけないもの、自身が反対するものとして描く。このインモラルさであり、エロに対して素直に喜べない捻れが良い。さらには主人公は優しいのでヒロインに対して助けなきゃいけないとすら考える。その理性が徐々に……という変遷が最高。おねショタで、因習モノでこんなストーリーがあり得たのですね。とにかく驚きであり、そのストーリーによる予想外ながら独自の魅力、エロさが満ちてて素晴らしかったです。因習モノでありつつ、超常的な要素も加わってくるのでいよいよ少年のチカラではどうすることもできない、という絶望感。
 ショタの悲恋、寝取られ的な要素もあるんですが、メインとして描かれるのは女性側の増量。こういう因習モノってヒロインが1人で村の男たちの相手をするみたいなイメージあったけど、複数の女性で1人の男を囲んで村に縛り付ける、という意外性。めちゃくちゃエロいんだけど、ショタ的には「こんなのおかしい」になっていてその捻れが最高なんだよなぁ。一応複数の女性は出てくるけど、メインで描かれるのは最初から同じ相手……なんだけど、最後の場面が別の女性に挿入していて、そのままフェードアウトするように作品が終わっていくことで「彼は堕ちてしまったか」という余韻になってて素晴らしい。彼のセリフなどは一切ないんだけど、女性側が交代してるだけで因習を受け入れてしまったと伝わってくる。

『ふらすとれーしょん』みやぜん

 文化祭実行委員長になったヒロインが荒む。まさに文化祭の担当という意味では私にも身に覚えがあるというか、似たようなポストになり(じゃんけんで負けた)、似たようにクラスをまとめることができなかった記憶が……。あまり思い出したくなかったなぁw なので本作の設定の部分にリアリティを痛いほど感じた。文化祭ってのが味噌で、「生徒の自主性」が第一なイベントなので人望とか強力なリーダーシップで引っ張るタイプでないとキツいのよね。文化祭を仕切る立場がクラスの中では本来隅っこにいるような人たちで……というシチュエーション、リアルすぎる。
 身の上話で申し訳なかったんですが、本作の魅力としては何と言ってもヒロインの目つき。悪すぎる。ビフォーアフターの変化だけで心を掴まれてしまった。単に目つきの悪い女の子ではなく、ストレスによってそうなってしまった、という物語があるのが最高なんですよね。個人的には「目つき悪いのも可愛いよね」とのんきに感じる部分もあるんですが、ヒロインがああなってしまったのは紛れもない悲劇なので「目つき悪いままでいて!」とはとてもじゃないが言いづらい。そのジレンマ込みで好き。
 委員長が実はエロくて教室でオナニーしてた、という部分だけ切り取ったら割とある話だと思うんですが、本作は先ほどの目つきと同じで、彼女はストレスによってああなってしまった。「実はエロい」の部分に物語や可哀想ってのが乗っかる。だからこそ “私のストレス解消… 付き合ってよ” という彼女の誘いに説得力が生まれる。ここまでドラマが絡んでくるオナバレも珍しいと思います。さらに言うと「彼女の助けになるなら」という男側の罪悪感を軽減させるシチュエーションでもあったと思います。ドラマチックでありながら、男側に都合の良さもあってエロ漫画としての強度がすごい。
 ヒロインが抱えるストレスの指針として目つき及び表情があるので、エロパートのクライマックスで “その顔すごく可愛くて…” となるのがまた良いんだよなぁ。冒頭の場面では飛び道具みたいな印象もあったけど、ここまで2人の関係性のドラマとしてしっかりしたものになるとは。エロ的な盛り上がり、女の子の可愛さ、さらにはドラマの盛り上がりが終盤の一点に集約されるのでこんなん面白いに決まってる。

異世界通信』mogg

 後編。前話ラストに出てきた豚が後編のメインかと思ったら、その貴族は序の口に過ぎず、本当のラスボスは魔王様であった……というインフレ好き。もはや神像というビジュアルも予想外。醜悪な路線が続くと思ったら別ジャンルの作品のキャラが出てきたかのような印象。
 ヒロインが異世界の言葉を覚える、という順応が主人公にとって絶望感のあるイベントだったんですが、それが行き着くとこまで行き、もう彼女との交流は望めない……と思った頃のラストの衝撃で笑った。本作のスマホを通じて見てるしかできないという設定って要するに漫画のコマという四角を通じて見てるしかできない漫画読者のメタファーというか、重なる部分があると思ってたんですが、最後の最後に魔王が「こちらを見てくる」という衝撃。やっぱ魔王は格が違うぜw
 ゲートが開くことでヒロインの正気が戻るのも唐突なんだけど、ちょっとホッとしますね。 “GO GO!” の脳天気すぎる姿超好きw そういう意味ではハッピーエンドなんだけど、魔王がこっちの世界に居座るとなると、それは異世界侵略なのでは……とは今後のことも心配になってしまうw あと、窮屈そうにしてる馬もちょっと好きです。妙にキャラが立ってるというか。

『カノジョになってあげよっか?』亜美寿真

 従兄のお兄ちゃんに対して憧れを抱く少女。背伸びしたキャラクターがとにかく秀逸。目のキラキラ具合から言動の子供っぽさまで可愛いの解像度がめちゃくちゃ高くて最高なんですが、読み進めると「あれ?」と作品に対する印象がガラッと反転する。ここがマジで鮮やか。そもそも、「ロリと大学生という設定の時点で男がクズなのは確定なんだよ」とちょっと考えれば分かる話でもありますね。読者を驚かせる仕掛けとしてのオモシロも感じつつ、ちょっと誠実さのようなものも感じました。
 子供のヒロインに対して大人はしたたかで、端的に言ってずるい。そういう意味では過去作『まなばせ』がかなり近いんじゃないでしょうか。ヒロインのことを昔から狙っていたわけではなく、不意のタイミングで「行けそうなら行っちゃおうかな?」というスタンスなのが本当にイヤというか、悪い大人という印象が強まってて最高。特に本作はその細かい心境が小さい描写ながらもめちゃくちゃ丁寧に描かれてるので、ひたすらクズという印象が積み重なっていくw うっすらと常に失礼というか、ヒロインのことをまともに取り合ってない感。
 クズ男の系譜ではないけど、大人の方が遙かにしたたかでずるい世界を生きている、みたいな話としては『なぎさ先生』も意外と本作と近かった気がします。男の学生と家庭教師の話で定番ジャンルなんですが、エロに至ることに関してヒロインの方が詳細に理解していた、と主人公が思い知る場面がある種の逆転のように描かれててあれも素晴らしい作品。ヒロインの魅力としては結構トップクラスに好き。……過去作との比較をするつもりがただの過去作の話になりそうなので切り上げますが、多岐にわたるジャンルを扱ってるようで一貫するものも感じられる。最も尖ったジャンルと思われる本作を読むことでそういう印象が強くなりました。
 エロパートにおける男の言動がいちいちクズで最高かつ、ヒロインがそれにまったく気づかないもどかしさ。事後の処理をすべてヒロインに任せるのもクズすぎて笑ってしまったんですが、仕事を与えられて誇らしそうに明るい表情を見せるのとか子供あるあるというか、子供の可愛いところだよなぁ……それを利用しやがってw そっからのラストページも面白くて。ラストページでは久しぶりにヒロインが独りになるんですが、この最後の1ページだけ切り取ったら絶対に本作のことを誤解してしまう。それくらい彼女の中で今回の一件についてどう感じているのかが読者が客観的に見たものと乖離してる。背伸びをしていた少女が大人になれたという実感を得るという意味では成長のドラマとして真っ当な気もするんだけど……。ラストシーンの上辺だけを見た場合と、本作の実体が違いすぎる。

『幼馴染から恋仲へ』Beなんとか

 腐れ縁の幼馴染の2人がついに。互いに意識してなかったわけではなく、めちゃくちゃ意識してるし、何なら意識してるのがバレバレ。そんな今にも決壊してしまいそうな関係性から、ついに一線を越える開放感が最高。タイトルから約束された勝利。
 約束されたとは逆になるんですが、冒頭の場面で子宮にキュンとくる描写として、子宮と共に満杯の膀胱が描かれるので、クライマックスでうれションしてしまうのではないかとハラハラしました。ちょうど場所が風呂でちょうどいいし……と思ったらセーフ。
 ヒロインの方は元から一線越える気満々だったと窺い知れる描写として、下の毛が処理されてる、と丁寧に描かれてるので驚きました。「エロ漫画はパイパンがデフォルト」という扱いではなく、明らかに処理した痕跡(黒い点)が見えるんですよね。この細かさには感動しました。まぁ、パイパンの目的がエロだと決めつけるのも少し怪しいかもしれないんですが、本作の場合はそういう認識で大丈夫なんじゃないかしら。

『ぷれいがーる』まきん

 風紀委員長に着替えを没収されたが、彼が没収品でオナニーしていた。真面目なメガネくんに対する逆転、という関係性が素晴らしい。ヒロインとしては、日頃の復讐、憂さ晴らしとしてエロを始めてるというのも面白い。エロが直接の目的ではなく、彼女が出せる最大の攻撃がエロだったという感じ。委員長の方は没収した下着でオナってしまうくらいなので、2人のエロに対する距離感が如実に出ていて、それが2人のパワーバランスに直結し、その関係性によってエロパートがぐいぐい進行していく。
 ただ、徐々にヒロインの方の興が乗ってきてしまい……という盛り上がりも良い。どんどんエロくなっていく良さもあるし、広いが普通にエロを堪能するようになっていくので「男は普通においしい思いしてるだけでは?」みたいな感覚にもなる良さ。その機微を委員長もしっかり感じ取ってるようで、終盤とか普通にメロメロになってるだけのようにも見えました。意識が飛んだまま話は終わってしまったけど、ひょっとしたら彼としては恋愛感情みたいなものが芽生えていてもおかしくないと思う。

ハカセの異常な成長』りんごくらぶ

 博士(科学部の部長?)が巨乳化薬によって巨乳になる。ヒロインの暴走っぷり、2人の掛け合いがめちゃくちゃ楽しく、ラブコメとして一級品。かと思ったら終盤ではちょっと驚くほどに甘い展開になっていくのも良い。エロの盛り上がりがヒロインの感情の盛り上がりとイコールで、そこで出てくる言葉があまりに直球、あまりに気持ちが剥き出しのなので眩しい。 “いいから黙って抱かれろ” とか告白のフレーズとしていろいろ間違いまくってるんだけど、漫画として読んでる際はめちゃくちゃ甘い、とにかく素敵な場面。
 終盤。騎乗位でヒロインが覆い被さるような体位で、垂れ下がった巨乳が助手くんの胸に当たるものすごい絵面になってるんですが、助手くんが “僕も好きですッ!” と返事をすると同時にヒロインを強く抱きしめると、抱きしめたままフィニッシュまで至る。つまりヒロインとしては大きくなった自分の武器を見せびらかすような体位になっていたが、助手くんとしては「大きさなんて関係ない」ということですよね。いや、実際にあの抱きしめるような体位になったら圧迫された胸を強く感じることになるとは思うんですが、エロ漫画として、絵として見る分には巨乳という要素がまったく感じられなくなる。そこに助手くんの真意が隠されているのではないかと思います。まぁ、あと読者的には「小さくなっても全然可愛いんですけど?」という話でもありますね。とりあえず当日の帰りのブラは心配になってくるw

『宵に憧る』シャモナベ

 パパ活やってる女の子が友人を同じパパ活に誘う。とにかく冒頭の場面、パパ活の待ち合わせ場所まで2人で移動してるくだりが最高すぎるのよ。2人のキャラクター紹介にもなってるんだけど、それが説明臭くなく、それでいて感覚的に強く伝わってきて、さらにはクライマックス直前における「ヒロインが決定的に変わってしまった」という描写に向けた伏線でもある。2人が前後になって歩いてるだけ、その足下をアップで映すだけでこれだけの効果が生まれるんだからマジですごい。すれ違いや、追い越してしまったという印象も少なからず湧くんですが、ヒロインとしては「追いつきたかった」という心理が第一なんじゃないかなぁ、と直接は語られてないのに強烈に感じてしまう。変則的な百合と言ってもいいんじゃないかしら。
 セリフは多いけど、意外とキャラクターが本心を直接吐露する場面は少なくて、それ故の味わい深さ。個人的な印象としては、おじさんのテクがすごくてヒロインはどんどん堕ちていってしまったわけではなく、あくまでもヒロインの気持ちが向いてるのは常に友人の方。そんな気がした。なのでおっさんは出てくるけど濃厚な百合の波動を感じる。
 ヒロインの初々しさからの変化も最高だし、3Pの場面での2人のリアクション、アクションの細かい違いとかも丁寧で、とにかく全場面見逃せないというか、見所しかないんだよなぁ。最高としか。桃杏の方はほとんどの場面(エロ)で嫌そうな顔をしていて、本心が漏れるような顔は見られないようにしてるんだけど、逆に瑚瑚は対照的に常に心から気持ちよさそうで、それを隠さず積極的。セックスとしてはおっさんが攻めるので瑚瑚は受け身なんだけど、明らかにただ受け身でいるだけではない、と分かるバランス。それが物語ともマッチしていて、エロの迫力にもなりつつ、物語の面白さも底上げしてる。

『みくろ』九十九弐級

 モデルの彼女と世話焼きの彼氏。2人の主従関係というか、パワーバランスが冒頭から端的に説明され、その様が生き生きとした会話で描かれるのでこの時点で既に魅力的。そこに彼氏が下着モデルの仕事を発見することで話が動き出す。男女の下着モデル観が違うおかしさもあるし、彼氏の嫉妬する様にヒロインがきゅーんとするくだりとか2人揃って可愛い。
 かっこいい彼女と振り回される彼氏、という時点で個人的に大好物なんですが、そこに先ほどの下着モデルのくだりが関係したエロパートが加わってくるので強い。エロ下着なんだけど、厳密にはモデルの仕事で使ったものではない。仕事用を買い取ったのではなく、プライベートの中で見つけて買ったもの。つまり、仕事で着たものよりもエロい、という点が物語的にもエロ漫画的にも重要。てか、女性のエロ下着(衣装でもいい)ってどうしても男性本位というか、男のリクエストとか、男の欲望を満たすためのニュアンスの作品が多いと思うんですが、本作は完全にヒロインの意志によって用意されてるものなので、そういう良さもありますね。モデルである彼女にとってはある意味で戦闘力を上げる鎧のような意味合いも感じてしまう。それが結果的に男にとって(彼氏にとって)もご褒美です、というのが幸せな世界。ヒロインの優位性を決定づけるためのアイテムとしてエロ下着が使われてるのが秀逸だったし、それ故に「おっぱいは不要」と最後まで下着を脱がずに終わったのも適切だったと思います。一応透けて乳首は見えるのでみんなハッピー。

『三人の幸せな生活』うぱ西

 学校でイチャイチャしてるように見えるが、実は彼女の母親と結婚している。何を言っているんだ、と混乱してしまうような設定が明らかになる最初の2ページが面白すぎる。娘の方の明るく元気なキャラクターがめちゃくちゃ魅力的でそこに惹かれていたら……2ページ目でひっくり返る。
 要するに親子丼。ただ、親子丼ってどうしても男性の支配的なイメージが強かったり、ダークな雰囲気を連想してしまうんですが、本作はそういう心配を吹き飛ばすほどに明るく楽しいノリで進行するから最高。思えばうぱ西。先生の前作は「BSSかと思ったら超絶ハッピーエンド」という作品だったので、そういう連なりも感じる。豪腕なんだけど、話としての面白さもしっかりある。
 親子に限らないけど複数ヒロインモノだとやっぱり各ヒロインの個性が大事になってくるんですが、本作の2人は美女としての方向性が正反対で「どっちも大好き」とならざるを得ない作り。ぶっちゃけ、それぞれが単独のヒロインを飾る作品があってもおかしくないのよ。贅沢な話やで……。

『真夏ちゃんの勉強会』昼寝

 優等生とお猿さん。勉強会からのエロで逆転。逆転なんだけど、思ってたよりもダークな話にはならないというか、男の方の第一印象から1ミリもブレないキャラクターというか、最初から最後まで一貫したバカなので妙な安心感がw めちゃくちゃハードなことにはなるんだけど、謎の微笑ましさというか、少なくとも彼に悪意があるようには見えないバランス。ただ性欲が強すぎるバカであって、彼も悪い人じゃないです……みたいなバランスがめちゃくちゃ面白いというか、暗いのか明るいのか判断がつかないような作品。基本的にはコメディなんだけど、それにしては激しすぎるw
 事の発端とも言える先生。後半になったら絶対こいつが悪いことしてくると思うじゃないですか。まったくそんなことはないw クライマックス直前、ブリッジ的な日常パートで顔を出したときは絶望を覚悟したんですが、普通に良い先生なので反省しました……。

異世界はこう抜く』F4U

 第29射。ユニコーン処女厨スラングとしてもお馴染みのユニコーン。要は馬なので絵面がいつもにも増してヤバい。マジでただの獣なのでコミュニケート不可能な雰囲気なんですが、それを手懐けるまくら嬢!! という良さ。ほぼセリフもなく、いつものオモシロロジックみたいなものもなく、ただ手コキ(角です)で抜くまくら嬢にいつもと違った妖艶さがあって素晴らしかった。ミステリアスな雰囲気込みのエロさあるよね。
 ユニコーンもまくら嬢も全然セリフがないんですが、代わりにボーイくんが怒濤の勢いで喋りまくる。ユニコーン処女厨という話だったのに途中から「まくら処女説」に動揺&興奮してるボーイくんが一番の処女厨なのでは……みたいな印象にもなってくるw 個人的に嬉しい、ボーイくんの圧がすごい回。
 てか、次号も載るみたいですね。目を疑ってしまった(嬉しい)。

「読者コーナー」

 初めてのオナクラとか、初めてのアダルトグッズ購入とかコラムに偏りがあって面白い。やっぱこういう体験談は良いよなぁ。何にも代え難い面白さがあると思う。
 身体改造の経過報告にも期待しちゃうんですが、そこまで行くと正直ちょっと怖いw(ビビリ)
forms.gle
 終わりました。日曜までに終わらせるつもりだったのに実現できず、悔しかったので月曜に延長。そうすると今度はジャンプ記事が遅れるんだよなぁ……。
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