北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.14の感想

 暖かくなって花粉症が深刻化した人も周りに多いのですが、私は逆にかなり回復傾向にあります。自律神経よわよわ人間なので暖かく安定してくれると助かる。これで急に寒くなられたりすると死。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

『偏食なふたり』春待うろ

 彼女との関係は順調で、ついに初めての日が訪れるが……。そもそも順調な関係を築けてなかったというヒロインの逆襲が怖いと同時にあまりの申し訳なさに居たたまれなくなるw 男は良好な関係だと思っているが、彼女からしたら支配的な振る舞いが多い、という反転はちょうど先週やってた ゆぶね先生の『巣立ち』と似た話(仕掛け)だと思いますが、本作の場合は徹底して彼氏視点で話が進むので絶望感とか屈服感がやばい。それと『巣立ち』のときの感想にも書いたんですが、男が勝手に良好だと思ってるシーンを読んでる時点で読者である我々は「この男感じ悪くない?」と違和感に気づけたか、と作者に突きつけられてるような気持ちになるんですよね。本作の場合は不穏さの演出が絶品で「何か様子がおかしい」みたいな違和感はもちろん抱いたんですが、主人公の言動に明確な非があったということには気づけなかったいうか……完全に見落としてたというか……。読み返すとちゃんと「トマト喰えないくせに偉そうにしてんなよ」とは思えてしまうからすごいというか、これを見落としていた事実が怖いw ここで主人公がヒロインに対してミニトマトを「あーん」するんですが、これもよく考えると支配的な振る舞いになってて良いですね。この機微が見事ですわ。そして、それを静かに噛み潰すヒロインのアップのコマが不穏すぎて最高。
 ちなみに、親がいないと誘いを受けた主人公が “まー どうしてもって言うなら…” と回りくどい返事をするのとか『巣立ち』で描かれた共感性羞恥とまったく同じなので笑ってしまいました。哀れな男あるある、という感じですね。ほんとね、嬉しいときは素直に嬉しいって言わないとダメですね。言われてみれば当たり前なんだけど、弁当作ってもらったらまず感謝するべきだしさぁ……と気づきが多すぎるw
 エロパート。あまりにサクサク進むが、すべて彼女主導の内容で、そのまま支配の関係が逆転する。ヒロインの変貌ぶりが最高でしたね。極端に悪人顔になるわけじゃないんだけど、ちょっとした表情の違いに「彼女の知らない一面」というのを痛感させられる。その彼女の様子があまりに生き生きとしてるので客観的に見ればヒロインがより魅力的になったので嬉しいし、主人公に肩入れして見れば圧倒的な絶望感、屈服感なので嬉しい。
 ヒロインのやってることは明確に逆襲なんだけど、セックスは普通に続けるし、彼女が主人公のことを好きな気持ちは変わらないんですよね。ここが普通の感覚からすると「なんで?」となるポイントで、そここそが今の彼女の本質。調子に乗って大きく振る舞うようになった彼氏に対して「かわいい」として愛情が続く。おそらく昔の、主人公が素直に感謝の言葉を継げてた頃は彼女もまともだったと思うんですよね。あのままキラキラした関係が続く未来もあり得たんだは思います。主人公が変わってしまい、そのことが彼女のことも変えてしまった、という因果応報感が痛快であると同時に「ごめんなさい……」とか反省の念も湧いてくるw 人には優しく、感謝の気持ちはその都度伝えましょうね。マジで……。
 というのとは別に、オラオラモード入って主人公を攻め倒すヒロインの姿には正直とてつもない魅力を感じてしまうので、こっちの道で正しかったのかも……とか少し。いや、彼女が(も)精神的に不健康なのは明らかなので望むようなものじゃないんですけど。

『無法痴女ひーちゃん☆』ぱてくらー

 最終回。ついに魔王との対決。一度敗れてしまうが、想いのチカラを強くするために……セックス。なんでだよ。前話で修得したクリンちゃんをイケメン竿役にする魔法に味を占めてやがる。前話まではビビってセックスまでいけなかったが、世界が滅びるかもしれないという破れかぶれでセックス完遂。本シリーズは全編通じてヒロインが暴走してクリンちゃんが振り回されるんですが、いざセックスが始まったらクリンちゃん(イケメン竿役)が積極的にセックスしてくれるのが何かエロい。ツッコミ役が役割を放棄したというか、彼(彼なのか?)が堕ちてしまった感じが妙に生々しいというか。あと、1回目に関してはヒロインが大人しく受け身に徹してるのも急にしおらしくて可愛いですね。
 からの魔王との対決。某パロディなんですが、構図の完コピぶりに笑ってしまった。ヒロインのポーズとか、ぱてくらー先生の今までの画力からするとちょっと違和感あったんですが、元ネタ見てみたら完全になぞってるので強い。

エロマンガアカデミー」

 #67。だいじ先生による「ギャグの描き方」。扉及びイラストが『大泥棒アンリエット』の新規短編になってて嬉しすぎる。私はあの作品のオオカミちゃんが大好きでねぇ……。スーツ着て真顔ですっとぼけてるだけでも満足なんですが、扉ではしっかりエロなので嬉しい。ご褒美。てか、新規短編を描く余地のあるコーナーだとは思わなかったなw(けどちゃんとインタビューに添えるイラストとしても成立してる)
 エロギャグは抜きにくい、とあまりに身も蓋もない話のところも最高。それでも抜けるようにでエロシーンのギャグを控えるという工夫が語られるんですが、『大泥棒アンリエット』とかまさにそうでしたよね。おかげでギャグがエロシーンに向けたフリとして機能して、その緩急でエロシーンの迫力が増してたように思います。エロギャグにしか出せないエロさを感じる作品でした(逆にエロがあるからより笑えるギャグもあると思う)。そしてやはりオオカミちゃんの魅力が圧倒的。オオカミちゃんはいいぞ。
 あと盲点だったのがフォントの話。これは書き手に回らないと意識することがない……のに読者として受ける効果はかなり大きい要素なんだろうなぁ。ここらへんはホント社会科見学みたいな楽しさがありました。日常的に触れてる知ってる世界なはずなのに全然知らなかった世界。


 終わり。今週に限った話ではなく、感想の中で他作との比較をめっちゃしたくなる性分なのですが、それもあまり良くないのかな(というか嫌う人もいそう)と悩みます。
kitaku2kitaku.hatenablog.com