北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2022年11月号の感想

 今月はあとweekly記事のみになります。来月からは、本館が通常運行に戻れるかどうかによります。ふがいねぇ……。
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『夢見るアプリ』えーすけ

 #3。いよいよ最終回。前話ラストから直接続く形で、主人公による逆転後の大迫力3P。つまり、もう催眠アプリは一切出てこない。アプリ(嘘)による細かい心理の揺れなどはなくなり、完全に本能に身を任せるようなハードな内容。ただ、アプリ(という建前)を介した調教の結果、主人公は性豪になってしまった、とい考えはあると思う。まぁ、えーすけ作品の主人公なんだからチンコつよつよで当然って話ではあるんですが、あそこまで無尽蔵にリチャージされるのはパブロフの犬的に弄ばれた結果でもあるのかなぁ、と勝手に思って納得してます。
 中盤の見せ場としては、危険日のひとみにナマで挿入してしまい、フィニッシュをどうするか。普通の作品だったら我慢できなくてそのまま中に、となりそうだし、私も読みながらそんなことを予想してたんですが、本作は3Pの特性を活かして中出しは回避しながらも、それに負けないほどのエロさになってるのですごい。射精の寸前、ふたばが口で誘惑してくる。3Pの快楽をこの上なく魅力的に描いた展開であると同時に、ここを境にふたばが能動的にエロを求めるようになり、それに影響されたひとみも乗り気になる。前話ラストで逆転したのでそのまま主人公のペースで3Pになるかと思いきや、3人それぞれが前のめり。チンコは1本しかないので必然的にヒロイン2人が競い合うようなニュアンスもなくはないんですが、ギスギスした感じというよりは交互に襲いかかってくる無限ループのような良さ。てか、何気にひとみの方には中出しすることなく最後まで完走してるんですよね(したように見える)。あの状況でよくぞ最後まで……と妙に感動してしまうw 中出しはしないけど、日焼けした肌に精液が……という別のエロさがあるのが嬉しいところでもありますね。先ほどのヒロイン2人がスイッチするくだりもそうだったけど、中出しキャンセルによるガッカリはまったく感じられない。

『天使を捕まえた』肉棒魔羅ノ進

 クラスの高嶺の花になぜか気に入られる。憧れはするが、手が届かないと遠くから見ていただけの主人公なんですが、ヒロインはその視線に気づき、それ故に主人公のことを気に入る。要するにエロい目で見られていたことに興奮していると同時に「見込みあり」と判定してたわけですね。
 主人公からしたらあまりに都合の良い展開が続くんですが、その裏に彼女の異常性が潜んでいた、と徐々に明らかになるのが不気味でもあり、やっぱりエロい。「ちょっとヤバい子なんじゃないかなぁ」と焦る気持ちもあるんですが、それ以上に惹かれてしまうし、最終的には憧れてた気持ちを裏切られたと逆ギレ、からの逆転。ただ、その主人公の暴走こそヒロインは望んでいたのでは……と最後まで彼女の優位性というか不気味さが残ってるのが素敵でした。とにかく本作はヒロインの顔が良いんですよね。そして表情が良い。最初はまさに天使という雰囲気だったんだけど、その裏側のヤバさが垣間見えるようになっていく感じとかが絶品。主人公を誘惑、挑発するような強い顔も最高だし、逆転後の負けながらもそれを喜んでるような印象が常にある。
 タイトルに反して捕まったのは主人公の方では……と思ったら最後の最後に主人公が彼女を捕まえた証拠が描かれて終わる、というが素晴らしかったです。捕まえた証拠であると同時に、主人公が堕ちたことの証でもありますね。「捕まえる」の象徴として握るという行為を強調したのがシンプルなアイディアながらめちゃくちゃ意外で面白かったです。

『1999』藤丸

 世界の終わりを好きな人と過ごす。退廃的だがロマンチックでもある……と思ったら2人目のヒロインが飛び込んできたので笑った。元気いっぱいの子が登場することで作品の雰囲気が一変するようで好き。
 タイトルの通り世紀末かつ、世界の終わり。ただ、アンゴルモアの大王ではなく彗星の衝突によるもの。どうせ世界が終わるなら、というヤケクソ感でおもくそ享楽的な3Pに興じる、という内容なんですが、そこにやっぱりどこか情緒というかエロだけじゃない味わいが生まれるのが最高。脳味噌空っぽにして楽しんじゃおう、という話なんだけど、当人たちの頭の中には常にそれだけじゃない何かがあるのではないか……という余地がある。ヤケクソになった場面ではコメディっぽくなるんだけど、どこか寂しげな雰囲気が漂い続けるのが本作の終末設定の妙でしょうね。
 海の場面で印象的に描かれる、ラジオから流れる音楽の譜面。音楽の素養がないのでチンプンカンプンだったし、もはや調べる術も分からないレベルなんですが、komifloのコメント欄によると「蛍の光」らしい。それがラジオから流れてくるという状況がものすごく終末っぽい。もっと楽しい曲かけてくれよ、という話なんだけど、そうもいかないのが世紀末。
 演出としてめちゃくちゃ印象的だったラジオというアイテムがエピローグに再び出てくる終わり方も素晴らしかったです。

『二兎に追われりゃどうすれば!?』オクモト悠太

 これまた3P。すごい、今号の前半が3Pまみれだ。それぞれ色が違って面白いんですが、本作は圧倒的にラブコメ。冒頭からカラッと楽しいノリに包まれてて本当に良い。最初の3P、3人のやりとりがしょうもなくもあり、めちゃくちゃ可愛い。
 ラブレターを代わりに渡したことによるすれ違い。そっから「あわよくば」と欲を出したことでヒロイン2人に対決構図が生まれ、そのまま3P突入。2人のキャラクターのコントラストが楽しいし、内向的な子の方が沸々と気持ちをため込んでいた分いざとなったら思い切りがよくて、逆に明るそうな子はその逆。その2人が競い合うことで主人公の眼前に広がるエロさが加速度的に増していく。ラブコメ的な楽しさが魅力だけど、その軽いノリにふさわしいほどエロシーンにも勢いがあって最高。とにかくヒロイン2人の魅力がとんでもないレベルになってるというか、まぁ端的に言って私の好みなんでしょうね。めちゃくちゃ良かった……。最近のオクモト作品の中でもぶっちぎりの刺さり具合だったかもしれない。
 3P作品となると最終的な決着をどうするかが気になるんですが、これも良かった。エロシーン読んでるときはそれほど気にならなかったけど、「そういや気づけば百合的に盛り上がってた雰囲気が……」と後から。対決という言葉を使ったけど、2人にとっては同じ目標を共にした同士でもあったのですねw

『デリヘル嬢は恋愛なんかしません!』翁賀馬乃助

 『デリヘル嬢は本番なんかしません!』の続編。今号にはカラーが2ページもあって、ヒロインの配信時代。思ってたよりも過激。これはBAN不可避。そして、イラストの中のコメントに「うまのすけ」さんがいて、1人だけ場違いなキモいコメントしてるので爆笑してしまった。
 本編。前作で一線を越えてしまったが、関係はそれっきり。それどころかヒロインは店をやめてしまって……と思ったら彼女から連絡。次の店で女王やってて正直それはそれで興味あるんですが、ドラマとしては「過激化してるが主人公は行けない店」という扱い。店の中での関係が強制的に解除されてしまった形。からのもう一度、今度は店ではなく個人として一線を越えるんですが、このドキドキからの一歩踏み出してそのままドン! とエロシーンに飛躍する感じが最高。ドラマ性も高いんだけど、そこでの感情の盛り上がりがそのままエロに直結する良さ。
 仕事としての関係から一線を越え、そのままむさぼるようなエロシーンに突入というのでは過去作の『蜜月』も思い出したんですが、本作がそれと違うのは2人に明確な上下関係がある点。終電はまだ間に合うけど、このまま終わりでいいのか、とヒロイン側から念を押してくる感じとかホント最高。単にムラムラしてた可能性もあるけど、結果的に主人公のことを優しくリードしてくれた感じもあるじゃないですか。大好物。主人公にとってある種の成長でもある話なんだけど、それをヒロインが優しく先導してくれた(気もする)。そんな大人感のあるヒロインがエロシーンではその余裕がなくなるのもエロいし、エピローグの独りになった際に年上としての仮面がはがれる瞬間も描かれてて熱い。前作も失神寝落ちという年上の威厳ズタボロでしたが、本作はもっと可愛い姿として描かれる。あのラブコメ感が最高でしたね。ギャルいノリがめちゃくちゃ魅力的なヒロインですが、最後になると急に乙女。てか、まだ付き合うと決まらずに終わってしまったw(ほぼ確定ですが)
 上下のある2人がエロシーンではフラットとなるどころかほとんど逆転してるようにしか見えないハードなことになっててエロいんですが、特筆すべきは腋舐めの場面でしょうか。前作を知らないと「急にすごい変態なことしてきたんですけど?」となりそうですが、前作の続きであることをエロシーンでも感じさせてくれる良い場面。前作は見るだけで果ててしまったけど、今回はそれを堪能する。元から腋フェチという話ではなかったと思うけど、前作の思い出が強烈にあるおかげで目覚めてしまった感がある。特定できた喜びの象徴なので分からんでもない。

『月夜の魔女』mogg

 魔女の飛行訓練(墜落)。ビキニでびっくりするんですが、これがすげぇ可愛い。エロエロでもあるけど、場面によってはどこか爽やかさみたいなものも感じる絶妙なバランス。そんな魅力的な衣装が最後のエロパートでは徐々に脱げていく、という良さもある。野球拳かよという具合に1つずつ脱げていくので徐々に変わっていくヒロインの姿に見応えある。最後に脱ぐのは魔女の象徴たる帽子なんだけど、最後の最後まで手袋はキープ、という美意識も良かった。全裸手袋という世界。脱ぎは絶対ヤダという人は前半パートで満足しよう。
 コメディ色の強い作品なんですが、劇中に出てくる主な魔法は飛行のみで、他は媚薬。コメディのノリがどんどん頭悪くなっていくんですが、媚薬の効果で実際に頭悪くなってるので仕方ないw そんな酩酊ヒロインに対して真面目に対応する後半の竿役もコントラストとして良い味出してる。ヒロインがトロトロに出来上がった状態で出会い、そのまま彼女のペースで、という関係性の魅力。ワケも分からず突然出会う、というシチュエーションの土台として飛行訓練からの墜落がある。唐突な出会いとしてこれ以上の設定はないのかもしれないw

『刺激のグルメ』すずのもく

 weeklyよりの使者。weeklyウォッチャーとしてはやはり嬉しい。制服のデザイン的にweeklyでの過去作と同じ学校の生徒だと思われるし、背景に過去キャラと思われる人が映っていたりして楽しい。あのいろいろありすぎる学校にまた新たな逸材が……。
 ヒロインは外オナの求道者。冒頭から「お前のこと女として見れないわー」的な仲の良い男友達が出てくるので、どうせこいつらと……と予想したし、実際に片方とは今回そういうことになるんですが、ヒロインの最終的な結論がガチすぎて笑った。セックスは気持ちいいけど、彼女が求めてるエロはもはやセックスとは別の場所にある、というレベルにまで達してしまったw エログッズに友達の名前つけてるから彼女も密かに2人のこと意識してるのかと思ったけど、関係なかったのね。今回セックスすることになるのは蒼くんの方なんですが、彼の名前はアナルパールに使われてます。よりによってそっちかよw まぁ、おかげで蒼くんとそうくん(パール)による2つ穴同時挿入が実現したので結果オーライと言える。結果オーライとは一体。蒼とヒロインは幼馴染だったので、良い話に着地する余地はめちゃくちゃあったじゃないですか。そういう関係性の蓄積があるから今回の変態プレイが燃えたってのもあるだろうし。なんだけど、最後のギャグ的な着地があまりにカラッとしてて失恋的な湿っぽさが皆無なのが素晴らしかったですね。

『ご近所さん』ほしとラッキー

 受付を担当してくれた市役所職員が実は同じマンションの住人。そこから始まる交流というのにもドキドキするんですが、大人しそうに見えた彼女には実は別の顔が……と明らかになっていくのも熱い。当然エロ的な意外性なんですが、そのスイッチとしての酒。絶対に外では飲まないでほしいタイプの人だw
 メガネで落ち着いた雰囲気の美人が酒で変貌という話なんだけど、その変貌ぶりがやりすぎないという意味で絶妙。エロ方面にはぶっ飛んでるんですが、酔った際の表情の崩れ方とかがそこまで極端じゃないんですよね。いつも通りの落ち着いた雰囲気にも見える。見えるのにとんでもないことをしてくる、というギャップ。この手のギャップ表現だと、「メガネを外す」をやりがちだと思うんですが、本作はメガネを最後までキープしたままで彼女の二面性を丁寧に描ききったのが本当にありがたい。
 酔うと暴走してしまうタイプではあるものの、 “わたしはしたい人としか飲みません” と自分のことを理解し、酩酊前からコントロールできてるのがまた良い。隠れ痴女みたいなことなんですが、彼女は一般生活とキレイに折り合いをつけてる。そこに彼女の強さみたいなものが感じられる。大人しめ美人と素敵な交流とか感じてた印象がガラッと変わるというか、ナメた態度でいたら一気に逆転された感。要するに主人公は見定められた上で捕まった、という話ですよね。その魔性性が素敵。エピローグでは再び表の顔と会うことになるんですが、別に記憶を失ってるわけではなく、昨夜のことを考えた上で「合格」をいただけた、という感じ。主人公が積極的にアプローチしてる形ではあるけど、実際は逆。
 今月の読者ページでの扉イラストが本作ヒロインなんですが、それがまた良かった。彼女の二面性が1つの絵にまとまってる感じで素晴らしい。「実際そうはならんやろ」という状況なんだけど、だからこそイメージとしての魅力がすごい。

『パパっこ』kanbe

 父娘。全編通じてヒロインのモノローグで進行するんですが、この語りがちょっと回想に近いというか、どこか距離のある語りなのが特徴。妙に冷静。この手のインモラル作品だとヒロインが快楽堕ちするのが定番だと思うんですが、本作はただそれだけでは終わらない深み(不気味さ)がある。そもそも最初に一線を越えたのはヒロインの方。ギャルのノリと酒の勢いで彼女の方からいってしまう。それを境に父に対する価値観が反転してどんどんハマっていく。単に体だけの関係、快楽のみの追求ではない、というのが彼女の語りで丁寧に描かれる。相手の趣味に対して憧れとリスペクトを抱いて、自分も同化しようとするくだりなんか、相手が父親でさえなければめちゃくちゃ乙女な話じゃないですか。それなのに父、というのが面白い。以前は嫌いだった要素が見方を変えれば大好きになってしまう、という父娘特有の相性の良さ、というのがドツボにハマった感あって見事でしたね。ヒロインの心理に対して妙な説得力を感じてしまう恐ろしさ。
 そんな親父趣味の中の一つとして「コブラ会」らしきものが映ってるので笑った。たしかに元は親父世代の作品だけどさぁ……(めっちゃ好き)

『抜け忍、それは苦しい』ニコライの嫁

 ブラック企業で働く抜け忍。本格忍者モノの風格を備えた1ページ目が面白すぎるのよ。縦長にコマを割るのとか無駄にかっこよすぎる。
 ブラック労働に疲弊してるものの、このままだと会社が潰れ、里を抜けた身としては詰み。なので持てるスキルを駆使して契約を取りに行く。要するに色仕掛けなんですが、ここでの豹変ぶりが素敵すぎる。ニコライの嫁先生、ゼロス時代にも女子が本気でメイクして美人になる作品やってて最高だったけど、その魅力を本作でさらに更新してきた感。ページめくると変貌してるのでドキッとしてしまいました。とはいえ、冒頭の疲弊しきったOL状態もそれはそれで可愛かったりしますね。あと、最終的にメガネに戻るのも大変ありがたかったです。
 籠絡しようとした相手もまた忍者。あちらもブラック労働による限界抜け忍。取引を有利なものにすべく互いに全力でぶつかり合う。こっから完全にバトル漫画になるので笑う。笑うんだけど、バトルの盛り上がりがエロの盛り上がりとイコールなので間違いなくエロい。ヒロインの手技(手コキ)のくだりとか見るからに只者じゃない手付きで超エロかったし、そのときのヒロインの顔、視線が仕事人のそれで超かっこいい。エロを楽しむ顔ではないw
 エピローグ。抜け忍モノらしい追っ手という要素が加わってからの、まさかのハッピーエンド。気づかなかったけど、ヒロインに抜けられた里の方も滅亡の危機だったのですね。そういう意味では今回は運命の出会いだし、里も父さんも喜ぶ全方位的なハッピーエンドですわ。すごい勢いですべてがまとまった。恨んでた会社も潰れてそういう意味でもハッピー度が高い。
 てか、エピローグで小さく出てきた婚姻のコマのヒロインが可愛すぎる。何気に衝撃でした。晴れの舞台にメガネしてるのが最高なのよ……。

『ラピダリィ』層積

 大学の飲み会で高値の花に目を付けられる。主人公はいわゆる陰キャのラジオ好きなんですが、同じ陰キャの映画好きの2人がカップルになってしまって居場所がない……という1コマがweekly時代の『幕間にて』の2人。オタク趣味の2人が結ばれる話として最高だったんですが、友人からしたら取り残されてつらい、という話だったのですね。ありがちな話だわw
 ざっくりと括るとオタクに優しいギャルの部類になると思うんですが、それのより精度が高い版というか、リアリティが増した版。タイトル、調べて初めて知ったんですが、宝石細工職人みたいな意味らしい。つまり、ヒロインは「磨けば光る原石」という人がタイプ。それが主人公に目を付けた理由。男側に都合の良い話に対する説得力として見事だったし、そんなヒロインの行動原理を考えると、彼女の取る一挙手一投足がめちゃくちゃ腑に落ちる。ちょっとしたアクション、仕草、視線とかが完全に相手を見定めてプロデュースするような立場なんですよね。エロの最中は、慣れない主人公を優しくリードしてくれるタイプなんですが、彼女はリードして何がしたいのかが明白になってることで彼女の本気度が伝わってくる。手の上で転がす……ほど支配的ではないバランスが絶妙。
 キャラクターの演技の良さという意味では主人公側も良かった。エピローグでの賢者モードでラジオ思い出す感じもラブコメとして面白かったし、中盤でのヒロインにタイプと言われた際の目を逸らしちゃう感じとか陰キャとしてのリアリティがすごい。そこでもラジオの話しちゃう感じとか端から見ると間違ってるんだけど、あそこで間違えちゃう感じめちゃくちゃ分かるw

『共鳴』ぼーかん

 彼女と喧嘩してたら彼女の姉に狙われる。風呂場でガラスに裸体を押し当てて誘惑してくるような扉がエロいし、何かを示唆しているような不気味さもあって最高。濡れた美女って普通色気を意味すると思うんですが、本作のヒロインはそこに不気味さが漂ってくる。目隠れ気味になるのも背中を這うように伸びた濡れた黒髪、というのも雰囲気がある。駅弁の体位をヒロインの背中から映したコマとか超好き。
 ヒロインは妹の彼氏に手を出してしまうヤバい奴なんですが、その理由が自分では判断できないから妹の判断に乗っかるというもの。人のものが欲しくなる、とかそういう作品は読んだことあったんですが、それとはひと味違う設定になってて面白かったです。彼女の弱さというか、どこか欠陥も感じさせつつ、妹のことを「好き」と明言しておきながらこんなことを平然とする矛盾、不気味さ。妹の方が人付き合いは得意だけど、姉は肉体的な魅力が段違いなので彼女のヤバさに気づいた男も、すべて分かった上でのめり込んでしまう。見事なまでの地獄コンボ。

『びーちはうす』おから

 海の家を手伝ってたら常連の子に気に入られる。子供っぽいヒロインに興味はなかったはずなのだが……とヒロインの猛アピールにほだされていくのが最高。すれ違いを経て結ばれることになるんですが、その当て馬となるナンパ野郎が誤解でただの良い人だったのには笑った。この世界には悪い人がいない。海の家のじいちゃんも優しくて好き。いや、強いて悪い人を挙げるとしたら、そんなじいちゃんのことを忘れてた主人公なのかもしれないw
 年下ヒロインの魅力が十二分に詰まってて可愛いんですが、海ということで水着。脱ぎはあるけど、水着を完全に脱ぎきるまでは至らない、という英断。ファッションとしての魅力、海らしさを感じさせるロマン、そしてヒロインのキャラクターという良いとこ取りと言える作品。外だから周りを汚しても大丈夫、とシチュエーションの魅力をフルで堪能できるような感覚。脱ぎの順番も意外性あってめちゃくちゃ良かったですね。裸は当然エロいけど、着てる魅力も間違いなくあるじゃん、という好みに刺さる。

『愛があればLOVE!!』鳥茶丸

 ジムにて、デカいメイさんに告白された付き合う。1ページ目にヒロインを出さない構成が見事でしたわ。デカい、黒い、強い(筋肉)、とヒロインの個性が衝撃的に感じられる。てか、1ページ目のフェイク役の子も普通に可愛いから贅沢な話ですね。あの子の話でも全然あり得そうなのよw
 そんな登場時のインパクトの通り、ヒロインのキャラクターとしての魅力がとにかく強い。ビジュアルの時点で大好きだし、読み進めて彼女の言動を見てさらに好き。ウェアも可愛いし、そこから見えるキレイに割れた腹筋も最高なんですが、やっぱエロ漫画なんで後半には脱ぐわけで、どうしても筋肉の動きには目が行ってしまう。いろんな体位で筋肉がどう動くのかとか、どのようにチカラを入れたからこうなるのかとか、通常時よりもヒロインの肉体に集中せざるを得ない。んで、よく見れば見るほど魅力が増す、という好循環。比較論として仕方ないとは思うんですが、主人公が頼りなく見えてしまう……のはいいけど、腰の振りに「ヘコヘコ」と擬音がついてるのには笑ってしまった。別にセックスに不慣れなわけでもないし、特別もやしというわけでもないんですけどね。とはいえ、相手の肉体の圧倒的な安定感を前にしたら、という話。てか、単純に体の柔らかさとは別に安定感という意味でも片方が筋肉質のセックスって違うんでしょうね。本作は強い方が受けに回ってるというのがまた特別な魅力を生んでたと思います。
 エピローグ。セックス以外でされてみたいこと、というオチで素晴らしかった。ものすごいシンプルなアイディアなんだけど、めっちゃ驚いてしまった。別に本作はおねショタというわけではないんだけど、年齢に極端な差がなくても肉体の差があればよかろう、という説得力。私がおねショタ好きなのはやっぱこの格差が良いんだろうな、と変な気づきを得てしまった。

『ココロエチガイ』余命3週間

 ジムで出会ったカップル。この2作を並べたのは編集部の意図で間違いないだろうけど、そもそもジムという設定が2本あることがすごいw 別に王道って感じではないだろうに。2作続けて読むと、本作がジムの特徴としてプールとシャワーを持ってきてるのが面白い。たしかに、水泳の授業のある学校を卒業したあとの年齢において、最も身近なプールはジムかもしれませんね。しかもそれが男女の出会いの場も兼ねるんだからシチュエーションとして強い。そこに「会員に誘う」という要素まで加わってくる。とにかくジム(という設定)を堪能してる作品と言える。
 そんなヒロインが自分以外の男を会員に誘ってるのを目撃してしまって……というのが本作の肝。「よくある兄弟とか親戚パターンね」とはなるし、それ自体様式美として好きなんですが、そこに「普通の兄弟はあんなベタベタしないでしょ」という冷静すぎる回答を持ってくるからすごい。ラスト1ページ半で作品が根底からひっくり返るような衝撃があるから面白い。最初は唐突なオチにも思ったんですが、読み返せば最初から彼女がヤバい人にしか見えなくなってるので驚きました。さっきの「実は兄弟」パターンもそうですが、エロ漫画特有のお約束をうまいことトリックとして利用してる形。エロシーンになるとそれまで男の方だったナレーションがヒロインに交代してるのもすごい。「俺以外に男が」とあの時点では疑ってるんですが、彼女の心情がナレーションとして語られ、そこに罪の意識や浮気のドキドキみたいなものが一切ないので「まぁやっぱ兄弟パターンね」と読者的には安心しちゃうというか、ナレーションやってる人は信用しちゃうじゃないですかw それがねぇ……そもそも彼女は悪いことと思ってなく、ヒロインはただ目の前のエロに集中してるだけだった(あの状況でもエロが優先する)という衝撃。
 てか、主人公とあの弟、ビジュアルが割と似てるというのもオチを知ったあとだと「そういうことね」となる。ガタイは違うんだけど、ああいう寝取られ(からの誤解)をやるんだったらもっと主人公と対照的なタイプにするのが定石だと思うんですが、彼女がどういうキャラクターかを考えると何となく腑に落ちる。

『ロッカーパニック』森シンリスク

 教室で角オナしてるヒロインをロッカーの中で見てる主人公。この教室でのオナ、からのバレ、そしてロッカーという視点及びキャラクターの移動が鮮やかで、オープニングの時点で超面白い。そして、最終的に今度はメガネ委員長が教室に現れて……というオチも含め完璧でしょ。キレイな円環構造というか「以下無限ループ」という感じ。このままロッカー内で3Pになる続きが容易に想像できるし、期待しちゃう。その調子で続くといつかはクラス全員がロッカーに入ってしまいそうな勢いも感じる。
 ただ、冒頭とラストの角オナには細かく違いもある。スカートを脱ぐか否か、そしてパンツのデザインなど。すごい凝ってるというか、モブになりそうなキャラにもしっかり個性が感じられる。ある種、あの場全体がおかしなことになってる、という作品全体の印象にも繋がるんじゃないですかね。教室の中のロッカー、という箱の中の箱。
 エロシーン。ロッカーというめちゃくちゃ制限のある空間だからこその独自性があって面白い。体位とかプレイ内容もそうだし、ロッカー歴は主人公の方が長いはずなのに、急遽入ったヒロインの方がロッカー内での変態行為が堂に入ってるw そんな2人の違い、上下関係、パワーバランス、そして脱ぎの有無、というのが活きてる。ヒロインが不自由な状況で最低限は脱ぐ、としっかりやってるのも良かったし、個人的にあの半脱ぎ感すごい好きです。

『青春リビドー山』位置原光Z

 大32回「魔女集会」。グチ兼相談ということで、ファミレスに集まったママ友とかでも成立しそうな話なんですが、そのテーマが弟子のパイズリ事情なので笑う。のっけから「なんでやねん」で終わりそうな感じなんですが、 “まさか皆してるの!?” と徐々に異常性がその場全体に広がっていく。1対3では疑問を持つ方が異常なのではないか、と次第に飲み込まれていくのも妙にリアルだし、最終的になんかめちゃくちゃエロい雰囲気が漂ってきて……終わる。毎回そうだけど、単に話題がエロというだけでなく、しっかり雰囲気がエロいのが見事ですよね。「たまたまエロ描写がなかっただけ」という感じのバランス。
forms.gle
 終わり。複数の記事を同時並行して書くのは無理と分かったので、今月はまず先に快楽天記事からやっつけよう、ということになりました。まぁ、それでも早くはないんですが。うちとしては早いからおk。
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