北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.08の感想

 快楽天本誌が月の最終日に発売されるの反則だと思う。毎年2月になると思ってる気がしますが。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

『お姫様になる方法!』すがる春

 新歓の飲み会で一女が捕まる。ワニマガジン作品に出てくる注釈って「そのくらい知ってるよ!」となることが多かったんですが、今回の「一女(一年生女子)」は初めて知りました……。
 エロに限らず大学の新歓コンパにおける飲酒問題。読者側が勝手に「2浪したんだね」と裏設定を作り上げて補強する読み方も好きですが、本作の場合はむしろ一女に飲ませるクズ男と、飲みたがる危なっかしいヒロイン、というニュアンスが込められてると思う。この機微に限らず、冒頭の飲み会の場面、マジで地獄でしたね……。エロパートも地獄なんですが、飲み会パートの最悪ぶりが異様なほど丁寧で、描写が細かい。1コマだけ出てきたサークルの別の女性たち、という情報もすごい。サークルの姫の話はかなり頻出されると思うんですが、他にも女性がいるという設定、とても新鮮で独特の魅力が生まれてる。元々男女混合のサークルで一部がヤリサー化してる状態なのか、あの他の女性たちも新しく誘い込まれた人で、飲み会の中でヤレそうな子を選別してた、という2つの線があると思うのですが、おそらく後者かな。ヒロインは他の女性を見て「勝ち残った」という意識でいるのが恐ろしいというか、人間臭くて好き(現実では嫌いw)。
 あとは、ヒロインの衣装とかも良いですよね。おそらく本人からしたら超オシャレしてきたんだろうけど……という絶妙の感じ。いやもちろん可愛いは可愛いんですが、そういう気合い入れた格好とか、サークルの姫らしい格好とは明らかに違う。あのピンポイントなバランスの垢抜けなさを描写できるのマジですごい。
 エロパート入ってからも当然地獄。読み終わってから本作が24ページだと知ったんですが、それだけしかなかったのか……。地獄の情報量がてんこ盛りでもっと特大ボリュームの作品かと錯覚してました。
 竿役の顔が描写されないタイプの作品なんですが、それにしては竿役たちのキャラクターがしっかりしてるのも面白い。無駄に個性豊かというか、ホモソーシャルな関係性、力関係とかが感じられる。とにかく地獄の解像度が高すぎるんですよね本作。
 ラスト。地獄に仏……とまでは言わないけど、「そういう後味!?」と驚いてしまうのが、最後にすべてを知ったヒロインが取る行動。たしかに序盤から単に危なっかしいだけではないニュアンスもあったけど、あそこまでとは思わなかったw まさかのハッピーエンド。ウルトラCすぎるだろ。いや、絶対に長続きしないし、破滅が待ってると思うので単にハッピーエンドとして受け取っていいかは少し怪しいですが。
 てか、ヤリサーとか同意とかの問題は一旦置いておくとして、酒で意識失わせて事に至るのはマジで危ないから「フィクションに限る」ですね。初飲酒(本人がそう言ってるだけかもしれないが)であの飲み方はダメだし、意識を落とす方法として酒を使うくらいだったら薬とか用意した方がまだマシなのでは……(嘘だよ全部ダメだよw)。まぁ、そう考えると飲み会の場面から、男たちもクズだがヒロインも相当……というバランスが徹底されてるのが分かりますね。

『メイドなカノジョ』多紋サカキ

 バレンタインに彼女が犬系地雷メイドに扮してくれる。とにかく可愛いだけで構成されたようなショート作品で癒される。この掲載順は沁みるぜ……。ただ、本作は『カワイイカノジョ』の後日譚で、あちらは結構闇(病み)も感じる作品だったんですよね。地獄サークル人間模様という意味では共通してるかもしれない。もちろん、『お姫様になる方法!』ほどではないですw 最終的にちゃんとヒロインが愛おしく思えるバランス(思えないのも面白いですが)。
 メイドコスが可愛い作品で、かつ犬なのでバックで挿入することになるんですが、そのせいもあってか、おっぱいが出るのが事後である最終ページ。とても意外な構成。ただ、1ページ目の可愛らしさとの対比としてめちゃくちゃ強烈で、事後を感じさせる一枚絵として最高のインパクトでした。元の衣装の可愛らしさを感じさせる構図、脱ぎ(ずらし)方が良いですよね。
 エピローグ。あまりにあっけらかんとしたヒロインの言動が彼女らしくて良い。自分大好きで性格終わってるキャラクターが感じられるんですが、それでいて不快さは全然ないバランスで微笑ましい。チョコをあげるのではなく「一緒に食べる」なのも最高ですね。キャラクター表現としても魅力的だし、同時に2人のイチャイチャ感もある。

エロマンガアカデミー」

 #63。まめでんきゅう先生による「ヒロインの表情」。分かる~!!! 表情が良い作品ほんと好き。。何なら一番エロい可能性すらある。結局のところそのキャラクターが好きだったり、主人公とそのヒロインとのコミュニケーションが好きなのでその情報が露骨に多く出るのが顔だと思う。実写でも結局のところ顔が一番好きなところかもしれない……。そうなるとエロ描写いらないじゃんってなるんですが、エロは欲しい(わがまま)。
 作者のお気に入りとして『一兎を追いかけて』の中盤のページが挙げられてて、思わず読み返してしまったんですが、たしかに超良かった……。バニースーツがめちゃくちゃ可愛くて、それでいてあくまでもコスプレとして着てるバランスが魅力的な作品でしたが、今回挙げられたのはそんな作品の中でもバニーを着てない(上からパーカーを着てる)場面。よく見たらエロマンガアカデミーの扉ページの背景に使われてた。凝ってていいね。あの場面、むしろ彼女の心がむき出しになってる場面だと思うんですが、その説得力を支える文句なしの表情だったと思います。こういう作者の自選、ファン的にめっちゃ良いですよね。嬉しくなってしまう。


 終わり。寒すぎて指の動きが悪く、文章量の割にやたら時間がかかった週でした。ミスが多くてその都度直すのが多くてストレス……。
kitaku2kitaku.hatenablog.com