北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2024年4月号の感想

[asin:B0CW1MFYSH:detail]

 花粉の時期になると肉体機能のほとんどが弱まります。ここ数日は謎に下痢なんですが、これもおそらく花粉症の余波。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

『どすけべシークレット ~お花見デート編~』どじろー

 フルカラー6ページであり、初表紙でめでたい。どじろー先生は元々同人界隈で有名だったらしいので古参ファンぶることはできませんが、それでもweeky快楽天デビューの作家がここまで上り詰めたことに勝手ながら感慨深いものがある。今回、weekly時代の代表作の続編ってのも嬉しいです。
 着物ということもあってめちゃくちゃカラーに映える。表紙イラストと漫画では前者の方が微妙に衣装が違うんですが(髪飾り)、漫画の方ではこれまた真っ赤な巨大リボンをつけてて最高……。大正ロマン感ありますな。ただ、そんなことを思ってたら劇中でヒロインが竿役に対して着物萌えしてるので笑った。こういう子だったわw たしかに軽い気持ちで着物レンタルしたにしては意外と男性の方も衣装が凝ってるので興奮する彼女の気持ちも想像に難くない。この性欲が双方向なのが本作らしくて良いですね。それでいて、男性の着物は黒系なのでカラーページではちょうどよく埋もれるというか、あくまでもヒロインの赤と肌の色が目立つようになってるのもありがたい。カラーページであることを最大限に生かしたような素敵な作品でした。

『リリード』スミヤ

 生徒会長兼文学少女に呼び出される。英語表記だと「Re;read」らしいんですが、読み直すだったり、読んだことへのリアクションみたいな意味合いなんですかね。小説に出てきたえっちなシーンで高ぶった気持ちを再現しつつ発散する話なので。
 立場的にヒロインの方が上なんですが、今回のテーマは御主人様にいろいろされちゃメイドなので、プレイ中は主従が逆転する。この捻れた関係性が魅力的。ヒロインが身勝手にリクエストしてくる感じも可愛いし、その要求に文句を言いつつも目の前のヒロインの誘惑に興が乗ってしまう主人公、という心理の機微も熱い。本作における主人公の「一線」は自分と相手の呼び方が変わる瞬間。あの主人公の理性が折れて、役に堕ちていく感じが素晴らしかったですね。当然そうなるように誘惑してくるヒロインも魅力的。
 言うても図書室に置いてある本なのでスパンキングまでするのには驚いた……と思ったら椅子に拘束までしてしまう。手を縛り、足は手すりに縛るんですが、あのジャストフィット感もすごい。そのためにデザインされてるんじゃないかと錯覚しそうw 極めつけが目隠し。おそらく小説の中でも目隠しはされてたんでしょうが、読書体験の再現という意味でもこの目隠しは意味深いものだったと思います。ただ、それに付き合わされてる主人公としては顔が見れないのはイヤなのですぐ取っちゃう。その際のヒロインの顔も絶品だったんですが、目隠しプレイは忠実に従ってあげない主人公の意地みたいな部分も少し可愛かったです。たしかに、せっかく恋人とセックスしてるのに顔が見れないし、しかも相手は顔が見れないことに満足してるというのに納得できないのは分かるw

『限界!? バレンタイン』雛原えみ

 バレンタインチョコを届けに来た彼女の本気ファッション&メイクが可愛すぎる……が彼氏はタイツに夢中。「雛原作品は毎回衣装が良すぎるんだよな~!」と日頃思ってるのでそのものズバリなテーマが来て大興奮ですわ。ただ、肝心の主人公は何を着てもタイツにしか目が行かないので笑う。そして服はすぐ脱がされるw すぐ脱がされる悲しさが感じられる話というのが最高。ヒロイン最大の頑張りはヘアメイクなんですが、そう思ってる彼女を見る目は黒タイツに注がれる、という捻れが面白すぎる。てか、プレイ中に彼女の頭を雑に扱うようなことがなくて本当に良かった……。もしもそんなことがあったら結構深刻なケンカになってたかもしれない。下半身にしか興味がないのが幸いしましたね。
 そんな男女の視点の違いを恋人の微笑ましさで包む話で終わるかと思ったら、予想以上にタイツへの愛がハードコア。タイツは脱がずに破いて(彼女に怒られる)ずらして挿入みたいな話だと思ったんですが、実際は破きはするが、そのまま挿入。「どこに!?」という話なんですが、マジでタイツの中に挿入することになるので驚いた。タイツがフェチの対象になること自体は理解してるつもりでしたが、こんなプレイが存在するとは露とも知らず……。いや、ただあの破れたタイツが絶妙にチンコに絡みついて挿入感やピストン感が得られる、というのはいくらなんでもウルトラCすぎるのでフィクション、それも漫画だからこそ成立するプレイなのかな。実際にやろうとしたらタイツの破れ方とか難しそう。少なくともあそこまで見栄えするレベルはかなり厳しいのでは。
 ということで、まさかの本番ナシというトリッキーな作品だったわけですが、疑似本番という絵面が迫力充分なので、「そういえば入れてないっけ」となるくらいだったと思います。挿入中にチンコが透けて見える演出とか漫画だとありますけど、常時そのノリだった、と考えればマジで普通の挿入作品と遜色ないというか、タイツの絡みという独自のビジュアルが本当に素晴らしかった。
 最高の作品だったんですが、ヒロインは満足できたのか? 大丈夫なのか? と少し心配にもなるので、エピローグでOKをくれるのが嬉しかったです。まぁ、あのプレイ自体が目的というよりは、バカみたいに夢中になる彼氏が可愛い。手玉に取るのが心地いい、みたいなニュアンスかもしれませんね。

『穴穴穴』いだ天ふにすけ

 限界ラノベ作家、魔が差してファンと会ってしまったが……。男女共にビジュアルが良い。ヒロインはおそらく数年堕落した生活を続けてるのでかつてよりだらしない体型になってる、のは分かるけど漫画としては全然魅力的という絶妙なライン。自己肯定感低そうなのも見た目から伝わってきて、キャラクターそのものに背景を感じる。竿役の方も、無垢で良い奴にも見えるけど、次の場面では悪魔に豹変してる感じがある。ただ、そのどちらも嘘ではなさそうなのが不気味。嘘ついてハメる、みたいなタイプではないと思うんですよね。常に本音で話してるけど、根本の部分がどうかしてる、みたいな。
 ヒロインが自暴自棄になり、自爆覚悟で会いに行ったら思いの外メンタルが回復する……がすぐに崩れ、そうすると見限ったように竿役が抱いてくる。作家へのリスペクトは本物だと思うんですが、それと性欲のはけ口にするのが彼の中で矛盾してなさそうで怖い。作家としてのヒロインをとにかくアゲる発言を繰り返すが、彼女が本当に悩んでることに対しては1ミリも興味がなく、慰めも励ましもしない。ヒロインに対してもそうだけど、おそらく世界全体に対して「自分に何をくれるか」でしか判断してなさそう。こえ~。ファンボーイの一面とかは共感できる読者も多いと思うんですよ(私も)。なのに、それが「嘘でした」とならないまま狂人ムーブを始めるので読んでて、少しでも共感した手前、印象がグチャグチャにになるw
 エロシーンとしては、おっぱい(乳首)出す場面の迫力がとんでもなかったですね。何あの乳首……。ブラからはみ出る描写もすごいんですが、あの胸と乳首の質感がやべぇ……。特別胸にフォーカスした話ではないので余計に不意打ちを食らったというか、

『ちょっと貸して♡』荒巻越前

 アパートの隣に住んでるダメ人間のお姉さんと、真面目メガネくん。良い……。ダメ人間お姉さんからしか生まれ得ない良さがあると思います。ひょんなことからお礼としてエロに発展するんですが、エロ漫画特有の雰囲気が一気にエロに飛躍する展開が、そのまま2人のエロに対するハードルの高さの違いになってるのとか最高。それまでは好感を抱きつつもダメ人間として下に見てる向きもあった真面目メガネくんがヒロインの奔放な姿にアワアワしていく。この関係、至高だぜ……。すぐに童貞もバレたこともあり、ヒロインが「お姉さん」というキャラクターをやや過剰に演じてるような印象もある。ただ優しくリードしてくれるのではなく、ちょっとわざとらしいというか、からかうかのように教えてくれる感じとか正直たまらないものがある。
 しかし、主人公が若さのチカラで逆転。ここで視点がヒロインにスイッチするんですが、暴走モードのメガネくんがからかわれたことに対してキレてるみたいなニュアンスはあまりないんですよね。おそらく彼の中でも気持ちが整理できない状態のまま暴走してるんだと思うんですが、多少は好意もあるのかな。とはいえ、好きの気持ちが爆発したイチャイチャ方向の雰囲気ではなく、攻められるヒロインの方にフォーカスしていく。「お姉さん」として最後までかっこつかない感じとかだらしないお姉さんの魅力として良かったと思います。
 そして、エピローグであかされるヒロインの職業が小説家。直前の『穴穴穴』と職業が(ほぼ)同じだったのかw あまりに作品の色が違うというか対照的なので面白い。

『この雪がとけるまで』桃雲

 久々に帰ってきた親戚のお姉さんが大雪で足止め。大学に入り、極端に変貌したわけじゃないけど間違いなく大人の色気を漂わせていて……という序盤の場面でもう最高ですね。この微妙な変化、というのを別にビフォーを見せるわけでもなく漫画の説得力として成立させれるのが強い。
 夜、眠れないと言うヒロインがやってきて一緒に寝る。これは明らかに誘ってやがる……と思ったら何もナシ。あそこで一旦焦らされるの、手玉に取られてるみたいで好き。布団はあくまでも様子見だったようで、翌朝以降が確信を持って攻めてくる。コタツかまくらといった狭くて暗いシチュエーションが続くのも超良かった。密着感もそうでし、日常空間から一部だけ切り取られた空間の中でだけヒロインの顔が変わる。
 からの本番。薄暗くはあるけど、普通に布団の上。それまでは散々翻弄してきたのにここで急にウブな顔を見せるのでずるい。それまで暗くて狭い場所だったのは彼女自身が隠れ、お姉さんを演じるためでもあったのか。そもそも最初に布団と共にしたときに何もしなかったのもそうか。遊び慣れてるわけじゃないから成り行きでそのまま始めることができない。逆に言うと布団に入ってきたのは彼女にとってかなりの冒険だったのでしょうね。可愛い……。
 本番に至ると予想以上に激甘な雰囲気に包まれることになるんですが、ここで雪による足止めという時限装置が効いてくる。ただ甘いだけではなく、今晩で終わってしまうという切なさを抱えながらの初本番なわけで、エモ……。
 日数の経過がある作品なんですが、初登場時で最高だった衣装をそのまま(たぶん)本番に至るのもありがてぇ。おそらく部屋着ってことなんでしょうけど、可愛すぎるだろ。何あれ。脱がずにそのままたくしあげて……というのをヒロインが自ら行っていたのも熱い。服は脱がないと嬉しいんですが、本作の場合はそこの寒い空気とか、布団の中の暖かさ、2人が密着してる部分の暑さみたいな温度感が伝わってくるようで素晴らしかったです。
 あと、読者コーナーのイラストが桃雲先生であり本作なんですが、例のニットの袖でハート作ってるのも可愛かったです。隣で主人公が照れながらピースしてるのも微笑ましい。

『思い切りシたほうがいいね』層積

 双子によるお兄ちゃん補完計画、後編。前回のあらすじでも「お兄ちゃん補完計画」と書かれてて笑いました。そこはよく分かってないのよw
 前編ではお兄ちゃんが半ば強引に迫られたわけですが、本作は逆。なかなか踏ん切りのつかない相手に対してお兄ちゃんの方からガバッと行く。ヒロインは今回キスするので精一杯だったのがめちゃくちゃ可愛いのですが、それでお兄ちゃんの方の理性が決壊。いや、ある程度理性的に補完計画に乗っかることを選択した、みたいなニュアンスかも。双子ヒロインが北風と太陽だとしたら、本作は太陽ですね。
 エロパート入ってからも、本作のこの設定からは予想できないほどに甘い。照れはあるが思い切りは良く、初々しいだけじゃない変態プレイ(パイズリ)も当たり前のようにやっちゃう。このバランスが成立するのはやはり後編ならではの強みでしょうね。2人のキャラクターと関係性が独特すぎる。挿入した際も、初めての痛みでテンパるものの、それをキスで緩和する。「ちゅー」なのが良いのよ。ひたすら可愛い。ちゅーの効果を中の感触の違いで実感する描写とかも絶品でしたね。派手なことはしてないんだけど、感触みたいな部分が想像させられる魅力がある。最後の最後、射精を促すように耳元で囁くのも甘くて最高なんですが、ただ囁くだけでなく耳に舌でグイッと攻めてくるのも予想外で熱い。層積先生の作品はちょくちょく耳責め描写が入ってきて好き。視覚や触覚とは違う感覚に急に迫ってくる、みたいな不意打ち。

『赤ちゃんつくろ!』しらないひとし

 惰性で毎日セックスしてた夫婦が子作りのため溜める。何気にweeklyで載ってたショート作品の続きですね。大晦日でもいつもと変わらずセックスしちゃう夫婦の話でしたが、本作はその2人が子作りに向けて本気で動き出す。最後には晴れて妊娠が発覚するんですが、そのてらいのないハッピーエンドぶりには逆に驚いたというか、普通に感動してしまった。あの夫婦に感動させられるとは正直思ってもいませんでしたw
 5日我慢する計画なんですが、当然仲は良いので普通に過ごしているとふとした瞬間にエロを感じてしまって……という我慢パート好き。日常生活のすべてが5日後に向けた前戯のように様変わりしてしまう。頭の中はエロでいっぱいなんですが、そのことで逆に2人の間に初々しさが生まれてるのとか最高ですよね。
 そしていよいよ5日後。カウントダウンしてロケットスタートするのも良かったんですが、その前に神社に行って願掛けしてたのも良い。煩悩まみれみたいな話に思えるけど、所々でしっかり子作りが目的であることを意識させてくれるというか、エロ以外の物語要素が常にある。これがあるからラストに感動してしまったんだろうなぁ。ラストの場面、夫が住宅雑誌らしきものを持ってるので、おそらくアパートからの引っ越しを考えてるのが窺えるのも細かくて好き。髪を黒く染めたのも同様にライフステージの変化を覚悟した現れだと思います。エロを盛り上げるための設定に思えるけど、2人が真剣に親になる準備をしてると分かる。
 本番パート。カウントダウンでいきなり挿入するんですが、その後も体位を変えたりはするものの、やることは挿入のみ。おっぱいを攻めたりも一切なく、キスすらない。挿入以外では最後の最後に手を握りあうだけ。ど迫力のセックスなんですが、あくまでも目的は子作りという点が徹底されててすごい。イチャイチャ感もありつつ、ハードさもあるんだけど、2人は決して性欲に囚われてるだけじゃない、という一線が保たれてるのがものすごく独特。あんだけ動物的にも見えたセックス描写の後に感動しちゃうのはそういう細かい要素の積み重ねなんでしょうね。

『生徒会外活動進展中!』シャモナベ

 生徒会長と副会長は実は付き合ってる。特徴としてはヒロインである副会長の身長がとにかく高い。2人並んだツーショットも最高なんですが、ヒロイン単独で立たせても、いや座らせてもスラッと伸びた体型だと伝わってくる。話としてはひたすら初々しい2人の初めて。それもあってか、高身長ヒロインがいわゆるモデルみたいなタイプではないんですよね。オシャレとかにもまだそれほど積極的ではないのかも、みたいな細かいバランス。要素一つずつは極端に珍しいものではないかもしれないけど、それを合わせた最終的な本作のヒロインのバランス、めちゃくちゃ珍しかったと思います。ただ、その珍しさが突飛な設定ではなく、間違いなくこういう子いるよね、と納得できるリアリティ。初々しくて甘酸っぱいイチャイチャを描く作品で、この高身長で、幼げな雰囲気を纏ったヒロインにするのマジですごい。それこそ目から鱗
 エロパートに入ると互いに口数が少なくなり、主人公のモノローグが増える。初々しさとして最高。ただ、ヒロインの方が比較的よく喋るようになる、という2人の関係性の機微も抜群。逆転とか支配みたいなニュアンスは皆無なんだけど、エロが絡むとヒロインの方がやや優位。正常位で挿入中、キスしたいけど届かない……というのをヒロインに即座に察知されて、騎乗位に変更し、そのままキス。この流れも絶品でしたね……。作品によっては男の立つ瀬がなくなる、みたいな展開になっててもおかしくないんだけど、本作はひたすら甘酸っぱくて尊い。眩しすぎるのよ……。

『ガマンして、レオ!』お肉

 すぐボール球に釣られちゃうのでチアの彼女が我慢を教える。期限を設定してそこまでセックスを禁止するのは今号の『赤ちゃんつくろ!』と同じなんですが、あちらは合意ですが、本作はヒロインによる支配的な関係。まぁ、トータルでは全然イチャイチャです。そして竿役が野球選手でヒロインがチアなのですが、ヒロインの方がデカい。実際に年齢も違うのかもしれませんが、絵だけ見るとおねショタみがあって、正直最高。調教というほどハードではなく、あくまでも「我慢」なのがイチャイチャ感やプレイ感あって最高。正直良すぎる。
 精神年齢はどう見てもヒロインの方が上。我慢で必死になってる竿役の表情……特に視線の描写が素晴らしかった。その視線にヒロインも当てられてしまう、という2人の相互に刺激し合う関係性がものすごく魅力的。
 そして我慢から解放されるクライマックス。最初はヒロインが受け止めるような感じなんだけど、徐々に余裕がなくなっていく。我慢してたのはヒロインも一緒、というのも最高でしたね。そして、ヒロインの方からキスを要求するのも良い。キスは常にヒロイン主導で行われてますね。2人の関係性、精神性が現れてたと思います。

『撮られたがり』を図さとる

 2号連続掲載。前号と雰囲気が全然違う作品なので強い。本作の方が享楽的で、少し薄暗いような感じがあって別のエロさがある。
 有名コスプレイヤーの撮影を頼まれ、ホテルに行くが……。徹頭徹尾ヒロインの方が強くて、何なら物語が始まった時点でもう既に主人公は彼女の作った蟻地獄の中、みたいな感じ。コスプレイヤーはエロい目で見られることに興奮する(偏見)ので、撮影中にチンコ出してもらう、という無茶な要求の時点で良い。あの要求を断れない時点で主人公はもう落ちてるに等しい。コスプレの撮影という圧倒的に「見る」行為なはずなのに、チンコを出すことで「見られる」の関係が生じる。今どのくらい興奮してるのかが一目で分かってしまうのが男(チンコ)の情けないところ。
 当然のように始まる本番。最初はバック。バックは基本的に男性が支配的というニュアンスが強いと思いますが、本作の場合はヒロインの独りよがり感の現れって感じですかね。2人の欲望や気持ちが互いのことを向いてないというか。ただ、そこから主人公がハメ撮りを始めることで逆転……とまでは行かないのかな。ヒロインが想定以上の満足感を得ることで一矢報いる。それと同時に撮影なので男性の方を向かないわけにはいかない、と自然と向き合う体位に移っていく。2人の関係性の変化がそのままセックスの内容に反映されてるようで読み応えありました。物語が乗っかることでセックス描写により迫力が増してくる。

『つなぎめエッチッチ!』愛南ぜろ

 留学に行く友人に性欲が強すぎる彼女の処理を任せられる。関係としては寝取らせの典型って感じなんですが、あまりの性欲に手を焼いた彼氏の苦肉の策、というのが良い。寝取らせほどダークな感じがなく、3人が合意の関係なので後ろ暗さもない。主人公はむしろ巻き込まれた被害者、みたいな気持ちのままいれる。
 設定の時点で面白いんですが、この設定なのに漫画として描くのは初日のみ、というのがすごい。凡庸な作家だったら性に溺れる3ヶ月間を描くと思う。主人公からしたら「えっ 初日から!?」という驚きで、右も左も分からないまま搾り取られる。性欲お化けみたいなヒロインに驚きながら毒されていくような感覚が良かった。
 また、強いのは性欲だけであってセックス時に強いわけではないというのも良かった。最初はヒロイン主導で展開するんですが、一度イッたらアクティブに動けなくなる……がもっともっと欲しい。この関係で初日から主人公の方が主体的に腰を振ることになるのが面白いんですが、ヒロインが受け身で性の快感を享受するのみになるのが、依頼にあった「性処理」させられてるって感じで良い。この関係性ものすごく特殊だと思うんですが、エロパートにその特殊性がよく出てるので好き。
 てか、主人公の性豪っぷりもかなりものですねw おそらく体の相性、性の相手としては彼氏である親友よりも適正があるんだと思います。何なら留学から帰ったあともこの関係は続くのかも……とか妄想してしまった。あまりドロドロした三角関係になるイメージは湧かないかな。

『ひとりでシないで』エロ井ロエ

 幽霊が女の子の家について行くが、独りでこっくりさんを始めてしまう。エロ漫画でこのタイトルだったらオナニーだと思うじゃないですか。こっくりさんと予想外すぎる。
 幽霊視点の物語というのも面白い。キャラデザが黒い影。特殊な設定が多いんだけど、その説明が非常にスマート。出来ること出来ないことの説明が明確で、そのすべてがエロパートに関わってくる。こっくりさんのコインを操作する前フリとして小さな物を動かせると説明されるんですが、その際ヒロインの頭についた葉っぱを取ってあげるんですよね。能力の説明と同時に「そんなに悪い人(幽霊)ではないのかな」ということも分かる。もちろん勝手にエロいこと始めちゃうので善人とまでは言わないけど、どうしようもないクズではない、という一線が最初に引かれる。こういう説明とキャラクター表現が同時に行われるの漫画として強い。
 こっくりさんで遊んでたら調子に乗り出す幽霊。悪戯するんだけど、ヒロインの方は帰ってもらわないことにはコインから手を離せない。このことも事前にさりげなく説明される。なので机から手を離せない超特殊な拘束が成立する。これがエロパートの前半。
 後半はコインから指を離してしまうが、逆にタガが外れたように激しくなっていく。体勢が自由なので結構頑張った体位にもなるんですが、ここで2人の体が見える描写と、鏡に映ったヒロインのみの体(つまりヒロイン視点)という描写が同時並行的に描かれててすごい。上下で対比させるページ圧巻でしたね。潮を噴いちゃうくだりの情けない体勢は唯一無二。そして、その潮噴き体験がエピローグで小さく描かれる「ハマってしまったのね……」というヒロインの本心が見える描写にも繋がってて最高。
 本作はとにかくヒロインを見守る視点の作品で、口数がそれほど多くないヒロインの何考えてるかが分からない……けど分かる瞬間がある。ここに爆発的な魅力が生じる。悪戯したくなるのとは別に、ほっとけない、見守っていたい気持ちになるような魅力があるヒロインでものすごく良かったです。可愛い。

『ビルドアップ!』もんちゃんrev3

 年下の同期がダイエットを手伝ってくれる。ダイエットという一種の共通の趣味を通じて素敵な交流……と一筋縄ではいかない。やっぱりというか、ヤバい女だったのでむしろ歓喜。彼女の狙いは筋肉質の男性……だけではなく、自分で作り上げた男性の肉体美。「芸術家」の表現がマジでしっくりくるのがおかしいんですが、彼女は「作る」行程込みで好きなのですね。まぁ、自分で完全にコントロールして理想の体が出来上がっていくのは好きな人からしたらたしかにたまらない魅力がある……のかも……。その「収穫」としてセックスに至るのも彼女的には「ついに……」という盛り上がりがあっていつもより興奮するんでしょうね。
 主人公視点では前半の健全ダイエットデートみたいなパートが普通に魅力的。期待とときめきが入り交じった感覚が素敵ですし、彼女に徹底的に管理されてる感も良い。筋トレという肉体が共通の話題になるので必然的に距離も近いし、接触も多く何かとエロい……という下心も刺激される。からの刈り取りw 普通に怖くもあるんですが、一応やってること自体は下心で期待してた内容そのものなのが良いですよね。怖いけど嬉しいはずなんだよなぁ……みたいな困惑。ある意味では騙されたし、襲われる話なのでもっと暗い話になってもおかしくはないんだけど、彼女のことを本気で糾弾する気にはなれない。この一線、不思議なバランスが絶品でしたね。エピローグで明かされる職場の先輩たちもリバウンドとかせずに体型を維持してるのが彼女への感謝の証拠だと思います。とはいえ、急に穴兄妹に囲まれる環境になるのは困惑だよなぁ……。

『異物』藍夜

 不妊に悩んでいたので不妊治療の先生のお世話になる。オープニング、幸せそうな夫婦の様子が描かれた直後にまったく別の中年男性が家の中に登場するので軽くパニックになるんですが、この違和感こそが本作のキモですね。「なんでだよ!」という状況で、そのまま先生の方とセックスすることになるので「なんでだよ!」が延々と連呼したくなるんですが、この明らかにおかしい状況を夫婦の2人が当たり前のように受け入れてる不気味こそが楽しい。先生に全幅の信頼を置いていて、すべては子供を作るためと語ってるので切羽詰まりすぎてメンタルが弱ったところにある種の洗脳をされたのかな……とか思ったんですが、最後の最後、とある巨大ジャンルへと回収されていくので唸った。このオチは見事だったなぁ。たしかにあの○○ってジャンルは明らかにおかしいことを当たり前のように受け入れてる不気味さも大きな魅力ですもんね。オチから逆算して考えると本作の構成、コンセプトの意図がよく分かるというか、○○作品の面白さを見事に描いてると分かる。
 オチ。先生は静かに去っていくんですが、主人公夫婦に執着してないのが良いですよね。めちゃくちゃ厄介。2人目の話を境にヒロインが正気に戻りかけ、それを強引に引きずり戻し、そのまま2人前が生まれるまで続けるのかと思いきや、その晩に最後の仕込みをしたら去っていく。黙って去らずに一回やってから去るのがおかしくもあるんですが、おそらく行為の際のショックが○○の効果にも作用してるんじゃないですかね。ルーティンというか、行為を終わらせるまでがワンセットになってるので一回やって正気を失わせてから安心して去る。マジで変な作品、面白い作品を読んだなぁ……。こんなアプローチもあったのか。

龍神祈願』アシオミマサト

 彼女を作って脱童貞したいので神様にお願い。「ぶっかけ百日祈願」という謎の儀式が面白すぎるんですが、その無茶苦茶さも含め、ちょっとだけ、本当にちょっとだけ「ありそう」な感じがあるのが良い。こういう百度参りみたいな伝承はありがちですよね。それで願いが性欲なので案外理にはかなっているのかも……と読みながら混乱してくる。
 ヒロインである龍神様のデザインが超可愛くて最高なんですが、その彼女の体にひたすらぶっかけ続ける前半が圧巻。あくまでも百日祈願なので彼女がシゴいてくれるみたいな展開は1ミリもなく、主人公が黙々とシコり続ける。見抜きオンリーなのでヒロインが優位にも思えるんですが、そのぶっかけをヒロインが黙って受け止め続ける、という関係性が不思議な魅力。主人公に悪いことをしてる意識が全然ないのも良いですよね。彼は至って真面目で、言われたこと(でまかせ)を黙々と遂行してる。真面目くんの真面目さに不真面目なヒロインが翻弄されて、ぶっかけられていく、という関係性が良すぎる。
 成就としての本番。百日我慢したのもあって、ヒロインの体を隅から隅まで味わい尽くそうとする攻めっぷりが良い。体を堪能するために各所を舐め尽くすんですが、おそらくそのすべての箇所がぶっかけ済みなんだよな……。まぁ、彼の中では神様に命じられた神聖な行為という認識だし、おそらく龍神様の体だから汚れみたいな意識もまったくないんだろうな。そうだとしても百日間の蓄積に思いを馳せてしまうw
 神様っぽくもあり、エロさもあるヒロインの衣装が素敵だったんですが、エピローグの低級神社への参拝時の着物姿も良い!! 尖った耳と2本ずつ伸びた角が映えますね。露出は少ないけど、肉体美は感じられて……というスタイルも最高。思えば今号の快楽天は着物に始まり着物で終わる、ですね。
forms.gle
 終わり。結構早めに更新することが出来た、という認識。快楽天が出て一通り読んでたらすぐに2月が終わるので2月発売号は大変。別に日数は変わらないんですが「もう翌月」という事実に異様に怯えてしまう。
kitaku2kitaku.hatenablog.com