北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2024年3月号の感想

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 花粉到来に怯える日々。まだ症状は出てないんですが、もう出てる人も多いみたいで、怖い。
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『おかえり』えーすけ

 兄貴の娘と仲が良い。既に関係は持っていた、と序盤で明かされる構成なんですが、ヒロインは彼氏持ち、主人公も(おそらく)彼女持ち。その状態で姪に手を出すのでクズ度が非常に高い。実際に劇中でもそう言われるし、主人公も重々承知してる。ただ、本作は「既にそういう関係」という時制の話なので、「ヒロインを堕とす話」ではないんですよね。もちろんヒロインが幼めなので主人公がクズであることに疑いはないんですが、ちょっと2人とも似たもの同士というか、常識から外れてしまった人同士がうまくやってるみたいな印象もある。ので、正直話からするとそこまでダークな印象はないというか、それこそえーすけ作品の「堕とす話」だとマジで容赦ない感じになるので、そことは一線を画す独特のバランスの作品だったと思います。とにかくヒロインが可愛くて、2人の間に明らかな高低差がある関係なんですが、それほど可哀想な印象は前に出てこない。ひたすら享楽的な作品なんですが、その享楽的というのはヒロインも感じてる。ただ、イチャイチャとかそういう雰囲気はまったくなく、2人の間のコミュニケーションという側面も皆無。主人公のモノローグ(つまり本心)が口に出すセリフと全然違うというのが特徴的ですよね。
 ヒロインの積極性を示す象徴的な場面だったのが、二回戦が始まる際にヒロインが自ら服を脱ぐ。個人的に脱ぎ描写大好きなので反射的に大好物な場面なんですが、2人の関係性を示す意味でもかなり重要な場面だったと思います。脱いだヒロインを何も言わずにただ映す1ページが本当に良かった……。

『Near to You!!』Hamao

 前作『インターバル』の続編。今号の表紙、とにかくびしょ濡れでびっくりしたんですが、そもそも『インターバル』の扉がびしょ濡れで、それを十倍にしたのが今回の表紙ってことなんでしょうね。
 びしょ濡れで見ると、前作は雨によるびしょ濡れだったんですが、本作は風呂場で。雨による濡れで始まった2人が、別れの危機を風呂の濡れで克服する、という話になっててキレイ。
 前作との関連でいうと、エピローグで出てきたやたらと印象に残るヒロインの父親。彼が本作にも出てくるわけではないんですが、主人公にとっての困難としてヒロインの「家」が出てくる。あまりにデカい。車2台持ちというのにもビビるんですが、その車がいかついw さすがに結婚を意識するような年齢ではないんですが、あの家の圧倒的な迫力には男側がビビっちゃうのも納得だな……。こういう類の困難は予想外だったので面白かったし、たった1コマでそれが説明できちゃうのが漫画として強い。
 巨大な家で距離を感じたわけですが、それを埋めるように、対照的に狭い家の狭い風呂で2人が距離を縮める。タイトルからしてそうですが、この密着感、本当に素晴らしかったですね。竿役が体格小さめの可愛い系なんですが、それが必死に食らいつこうとしてる感じがバックの場面で伝わってくる。「追いかける」感。そして、その甲斐もあって次は向かい合って。この体位の変遷がドラマチック。
 直前の『おかえり』が無責任中出しするクズ、というのが強調された話だったので、割と軽いノリでナマで始める本作が危なっかしい(可愛い)。現実的なことはさておき、いざとなったら責任取るよ、的な覚悟も込みのナマってことだったんでしょうね。家の問題を乗り越える話なので。まぁ、前作に出てきた父親怖そうなので、本当にそういう話になったら地獄絵図だと思いますが(考えちゃダメだw)。

『クイックスパイク!』オクモト悠太

 元女子校の現共学校のバレー部で唯一の男子部員がマネージャーを担当。大変な日々だが、部長だけは優しくしてくれて……。要は部長とのサシの話なんですが、背景にするにしては他の部員キャラのデザインが本気すぎる。「これで使い捨てって勝機か?」と初読時マジで動揺してしまったw このままシリーズとして続いてハーレム化しないともったいないと思う。思うが、エピローグにおける部長の姿を見ると「このまま2人でいてくれ……」という気持ちにもなってしまう。
 女子部員に囲まれて風当たりの強い日々、という導入だが、しっかりそんな彼女らのことを “…みんな及川君に興味津々なんだよ” という扱いにしてるのが良い。本気で悪い子はいないはず、というバランス。1人の男子部員に戸惑ってるのは彼女らも同じ、と思わせる余地がめちゃくちゃ良いんですよね。「つまりはツンデレってこだよな!」と鼻息が荒くなってしまうw そして、そんな部員たちの様子を知っているからこそ部長は焦って積極的になったのではないか。はっきりとは語られてはいないけど、そんな気がするんですよね。ラストの告白みたいなセリフも、 “他の子にお願いされても こんな事しちゃダメだからね…” なので。
 オクモト作品ということで胸が大きいのはデフォルトみたいな感じもあるんですが、本作はお尻の主張も強い。ブルマというのもあるけど、運動部員らしい魅力というのは胸よりも尻の方が結びつきやすいと思う。胸は直接運動と関わりのない部位ですが、尻は下半身の動きの源ですし、バレーだとより重要に違いない(素人)。
 ということで、2人の関係の始まりはお尻なんですが、エロへ発展するに従って徐々に胸の方もグイグイ前に出てきて最高。やはり脱ぎによる大きな一線、2人の関係が決定的に変わってしまったみたいな感慨があるのは胸の方でしょうね。先ほど尻は運動の役に立つって書いたけど、逆に胸は役に立たないので、完全にエロのためのもの(実際は違います)。2人の体格差が魅力なんですが、向かい合ってする際に眼前に広がる巨大な胸が2つという絵面はやはり最高でした。

『気絶彼女』mogg

 彼氏の巨大チンコを見た彼女が気絶。カップルの初体験失敗から悲喜劇的なエロって一つのジャンルだと思いますが、有無を言わさず即気絶、というのが容赦なくて笑った。実際にもありそうな話だが(グロいよね)、そういうカップルは本当に苦労するだろうなぁ……。
 そんな辛気臭い話にはならなくてですね、本作のヒロインが取った策は、押入に頭を突っ込む。チンコを見なくて済むのオッケー! 理屈は分かるけど極端すぎるw てか、これって疑似的、そして現実的な範囲で行う壁尻プレイってことになりそう。壁尻はエロ漫画ならではのファンタジー設定だと思いますが、これなら簡易的に再現可能。すごい発想だ……。2人ともエロ漫画好きのカップルとか真似してみたらいいんじゃないかと真面目に思う。
 本作は2人とも良い子で、真面目に頑張ってるだけなのに絵面が間抜けで、ちょっと彼女をモノ扱いしてるみたいで背徳的。このギャップがすごい良かった。そして、入ったままならチンコは見えない、という発想の転換も見事でした。あれですね、AVで一度挿入してしまったらモザイク処理は挿入前よりも減る、みたいな現象と似てる。エロ漫画はあの手この手で結合部を見せる(エロ漫画としてのアイデンティティなので)ので少し違うと思う。発想自体はふざけてるようなもので、笑っちゃうところもあるんですが、当の2人は至って真面目なのでちょっとドラマチックで、少し感動もあるんだよなぁ。普通に良い話。

『懺悔射精』いつつせ

 いつつせ先生凱旋で嬉しい。のっけから「絵うますぎじゃろ……」とおののくんですが、シスターの相手がショタなのでニッコリ。ご褒美すぎる。
 性欲に目覚め、困っているという懺悔に対して、無垢なのを利用して煩悩に溺れるシスター。勢いが良すぎるというか、シスターが全ページまともじゃないので笑う。その後も彼女の言動が良すぎるというか、よく今までまともなフリしてこれたなw
 直前の『気絶彼女』は疑似的な壁尻プレイだと思ったんですが、本作は逆で、壁からチンコが生えてくる図。ラッキーホールがかなり近いですかね。ただ、相手にチンコ突っ込ませてる方が完全に支配的な立場にいるのが特徴的。2人の圧倒的な格差としての壁(幕)。
 そして、少年がシスターに壁の向こうへ呼び寄せられてから話が加速。この幕の向こうからヒロインが飛び出して誘ってくるコマ、最高でしたね。極端な表現になるけど、漫画のコマも同じ四角なのでちょっとメタ的な雰囲気すら感じてしまう。文字通り一線を彼女が越えて、こちらを越えるように引っ張ってくる場面なんですが、もうほとんど何かしらの怪異みたいな雰囲気にもなってて最高。
 その後は思う存分遊びながら、懺悔室の一般業務を行う。シスターとショタは圧倒的に格差のある関係で、彼女が彼に心境を吐露するような場面はとても少ない(終盤までない)んですが、この懺悔への返答がシスターの本音になってて面白い。ギャグ的な、言葉遊び的なものなんですが、徐々に見えてくるシスターの正体という感じがめちゃくちゃ魅力的でもありました。
 あとは、やはり竿役が可愛い。体格差という意味でも魅力なんですが、弄ばれながらも彼の方は必死で振る舞ってるというのが健気でめっちゃ良い。ヒロインの凶悪さも魅力なんですが、彼女は彼女の方で翻弄してるようで翻弄されてて……という感じも良い。

『邂逅』まきん

 弟の友達に手を出す。本作もショタ。良いぞ。みんなおねショタならいいのに(極論)。
 まきん先生の前作に続いて住居が蟻地獄みたいな機能を有してる話なんですが、本作の場合は客人なのでより「何も知らずにノコノコと」みたいなニュアンスがあって良いですね。ただし、本作はそこに「実は以前にも」という要素が加わってくるので、竿役側にもどこか意識してるというか、期待してたのではないか、みたいな余地が生まれる。ダークになりすぎないというか、互いに望んでる関係性みたいな雰囲気が少し生まれるのが良いですね。ただ、前にやったときからブランクがあいてるので、そのときとは大違い、というある種の逆転展開へ発展するのも面白い。てか、これよりももっと昔に手出したことがあるって罪深い……。
 蟻地獄感として個人的に好きだったのが、ヒロインの格好。めっちゃラフというか、完全に緊張感ゼロの部屋着。そこからチャンス到来と気づいて一気に動き出す感じとか生態って感じで好きでした。あとは、ヒロインとその弟のキャラデザがしっかり似せてあるのも細かくて良い。普通に考えたら弟も可愛くなっちゃうと思うんですが、小憎らしい(姉視点)感じとかがあって、むしろ可愛い系は竿役の方になってるバランスとか絶妙。

『あそびじゃなくて』を図さとる

 同じコンビニのバイトの橋本さんはちょっと抜けててだらしない(性的に)。おっとり系のギャルって感じがすげぇ可愛かった……。誘われたら何でもついて行っちゃう危なっかしい存在で、何にも考えてなさそうに思えるんだけど、話してみたら意外と芯があるというか何なら主人公よりもしっかりしてる。そんなギャップ、奥行きが魅力的。いわゆる「魔性の女」から想像されるようなキャラクターとは似て非なる存在なんだけど、間違いなく彼女にも魔性を感じる。
 そんなヒロインの魅力を引き立てるというか、関係性として2人揃って魅力的だった主人公。真面目くんって感じなんですが、魔性のヒロインに誘われる話ではなく、主人公の方からしっかり誘う話なんですよね。ここが良かった。1ページ目からしっかり恋心を自覚、それも単なる魔性に溺れた感じではない惚れ方。そして真正面からお誘いを入れる感じとか好印象が服着て歩いてるタイプ。間違いなく今号のベスト竿役だったと思います。ショタは別基準なので別枠として。真面目でウブって感じもあるんですが、いわゆる童貞モノみたいなニュアンスは感じられないのとか、何気に珍しいバランスだったと思います。そんな彼の人柄にほだされるようにヒロインが光堕ち、というのが本当に最高。2人揃ってのキャラクターとしての魅力が素晴らしいですよね。

『Teaching diary』ゆりしましろ

 1ページ目からメイドのヒロインが可愛すぎる。死んだ~! とか思ってたら泥棒なので笑った。私がご主人様だったら100%騙されてるw
 ということで、そんな泥棒メイドがメイド長にお仕置きされる話。ポイントはメイド長が、という点。最終的にはご主人様とセックスすることになるんですが、あくまでもそれらを指揮してるのはメイド長。メイド長による『Teaching diary』ということですね。彼女は一切エロとは関わらない、というのが良い。圧倒的な強キャラ感。彼女がどういう経緯で今の立場になったのかとか背景も気になってきます。てか、ゆりしましろ先生の作品、話と設定がどれもびっくりするくらい面白い。突飛だったり極端な設定だとギャグまで振り切れてしまうことが多いと思うんですが、そこまでは行かないエロ漫画としてのストーリーのバリエーションに驚いてしまう。デザイン的な幅もあるし、強い……。
 いくらでもダークになる話だと思うんですが、おそらくヒロインの殺人的なまでの可愛らしさと芯の強さ(悪人としてのw)、そしてあくまでもメイドとして仕事を全うできるように、という目的のせいで意外とそこまで暗くならないというか、分からせてやってザマァ、だけではない味わいがあったように思います。まぁ、完全に人格が矯正されてるので冷静に考えたら超怖い話なんですがw めっちゃ怖い話なんだけど、表情はめっちゃポップな笑顔で可愛い、という捻れ。このエロ的状況と表情の不一致というオモシロには過去作の『がんばれカノンちゃん』(時間停止作品に挑むAV女優の話)のことも思い出しました。

『オープン☆サマー大作戦』梅田ノーチラス

 同じサークルの後輩と付き合ってて海に来てる。無表情というかダウナーな雰囲気あるけど、そもそも告白してきたのは彼女の方なのでデレなのは確定、という設定が良い。要するに不器用なだけで、それが徐々に漏れ出てくるという機微が熱い。ヒロインの内に秘めた思いの強さ、覚悟、期待というのが「実は水着がエロい」に集約されるのもエロのコンセプトと物語が合致してて良い。ただ、2人きりの旅行ではなく、サークルの旅行なので気合い入りまくった水着は少し心配になってしまうw そんな不器用さがいじらしいのですが。
 とにかくヒロインが不器用で自分の気持ちを伝えるのがうまくなく、全体を通じてまともにコミュニケーション取れてない感じもあるんですが、唯一エロだけは互いの意思が合致して……というのが良い。シンプルな一点特化ぶりが素晴らしい。そして、そんな彼女がなぜか岩肌に手を突いて立ちバック、という意外性。立ちバックだけど、男性の支配的なニュアンスというよりは、ヒロインの受けとしての特徴、引っ込み思案な性格が現れた体位になっってるのが最高。立ちバックで声が出るのを我慢してるのと、イッたあとに怒りながらも次を期待してる感じが超可愛い。

『エロクエ』ぱてくらー

 異世界に転生したら「ジョブ:竿役」だった。基本的に『ドラクエ』パロディなんですが、そのネタが異様に細かい。ファンタジー設定の土台が『ドラクエ』になってる作品は多いですが、ここまで丁寧に拾い上げてる作品は珍しいと思います。各ジョブの衣装が『ドラクエ3』ってのはもはや当然なんですが(衣装が凝っててすごい)、本作で一番感動したのが旅感。ちゃんと旅してるのよ。24ページしかない読切でこの勇者たちの旅路、という感慨が描けてるのマジで驚異的だと思います。しかもその旅感の要素として「名産品」という『ドラクエ5』ネタを盛り込んできたのとかマジでうますぎて感動しちゃうレベル。ドラクエのパロディとして名産品を持ってきた作品、ひょっとしたら初めて見たかもしれない……。
 ギャグと『ドラクエ』感が満載なんですが、同時に全編を通じてエロに満ちてて、エロ漫画として文句なしの密度。旅の合間に毎晩セックスしてるというのが、旅感や冒険感あって良いですよね。享楽的の極みみたいな話なんだけど、旅路の果てにちょっとした絆みたいなものが生まれてるとしっかり感じられる。4人の旅路を象徴的に、それでいてダイジェスト的に見せた見開きの場面、マジで見事すぎる。もはや漫画としてかっこよすぎるのでエロとかギャグの印象が(一瞬)吹っ飛んでしまった。この設定で、このエロにまみれた話で魔王戦直前の感動とか盛り込んでくるの、漫画としてのボリュームが異常。
 魔王戦は余裕なので、そのご褒美がクライマックス。ほとんど打ち上げみたいなノリですね。4Pなんですが、最初はターン制のように1人ずつ相手にするが、最後にはついに……という展開も見事だし、ここで再び出てくる見開き使いも相変わらずかっこいい。そして、読み返してて気づいたんですが、この4Pのフィニッシュの見開きの場面、4人が初めてセックスしたときとまったく同じプレイ内容なんですよね(組み合わせは違う)。初めてのときはただただ翻弄されるだけでゲッソリしてた主人公が最終的には手際よく3人を同時にいかせることに成功する。マジでちょっと良く出来すぎてて驚くばかり。エロとしても、ギャグとしても、漫画としてもちょっと信じがたいほどに面白い。

『おしえてあげる♪』おから

 勉強を教えてあげた黒ギャル(ビッチ)と清楚系(もっとビッチ)にお礼をされる。約束された3Pという感じでのっけから最高なんですが、ヒロイン2人のデザインがめちゃくちゃ良い。黒ギャルのこんがり焼いてる感と気の強そうな感じとか素晴らしいですし、清楚系ビッチの方の猫かぶってる感もすごい。前者は自己の強さを感じるんですが、後者は逆に男受けに特化したビジュアルを計算して作り上げてるような印象。なので読み進めてるうちに前者の方はかなりちゃんとした人に思えてくるから不思議。ちゃんとしてるというか、話が通じそうな感じ。清楚系の方は常に心の底は見せないような別の意味での強さを感じる。
 どちらのヒロインからも「喰われる」話なんですが、その喰われるのニュアンスがそれぞれちょっとずつ違うんですよね。そして、そんな対照的なヒロイン2人はとても仲良さそうで、その2人セットの魅力もある。結局のところ主人公とは住む世界が違うというか、たまたま彼女たちの気分が乗ったからこういうことになってだけで……みたいな感じ。こちらの言い分は特に聞いてもらえてないw

『セックス・アンド・ザ・スクール』いちまつ

 学校内で秘密の取引が横行してるらしい。お金を用意すればやらせてもらえるのですが、男女共に対応してて、客には先生もいる。生徒指導の女性教師もリピーターらしいと中盤出てくるんですが、これはラストへのフリというか事前説明にもなってますね。教師が利用することも可能、という事前に示すことで、ラストの即堕ち感が活きる。
 てか、奇しくも2作連続で学生の3Pですね。こっちは金が絡むのでちょっと事情は違うけど、ヒロインたちが「ついでにお金ももらえる」くらいの心持ちでやってそうなのが楽しそうで良い。「金もらったからやってやるよ」とは違った良さがある。
 校内ですべて完結してるシステムというのがド底辺校感あって独特の味わいなんですが、この「これでいいのか」感を踏まえたエピローグが最高。卒業後、教師となった主人公が母校を健全な姿に戻そうと決意し凱旋……が、という即堕ちエンド。あまりにキレイな即堕ち、不毛な賢者モード(7年w)なので笑う。ただ、こうしてシステムは維持され続ける、という意味でちょっと学校の伝統を感じるというか、説得力みたいなものも感じてしまう。先ほどの生徒指導の女性教師も本来は「けしからん」側の心持ちだったはずなのに、すぐにシステムに飲み込まれてしまったわけじゃないですか。新入生の生徒も、新任の教師もみんなあんな形でハマっていくのでしょうね。

『勘違いお姉ちゃんConnect』さわたしゆん

 ひょんなことから男女でシェアハウス。主人公がジェンダーレスな名前だったので勘違いされた、という導入が妙にリアル(実際はもっと確認する段階あるだろうが)。そんな設定の説明から2人が仲良くなっていく序盤が、あまりに健全。空気が健全ラブコメすぎるので最高。「これ快楽天だよね?」って雰囲気のエロ漫画大好き……。もちろん最初からフルスロットルな作品も好きだけど、とてもじゃないがこの2人のエロが想像できない、みたいな2人のエロが始まる飛躍にエロ漫画(エロのある物語)の魅力を感じる。気づけば「あっ これはセックスするわ……」となる転換が最高に好き。本作の場合はかなり元気いっぱいにワチャワチャしてて、それが2人らしさになってて可愛い。
 甘々で本当に可愛らしい作品なので忘れそうになるんですが、ヒロインには彼氏がいるので、一応寝取りの形になるんですよね。今号でいえば『おかえり』と話の構図はかなり近い。近いんだけど、なんでこんなにも味わいが両極端なのか、という点に物語の、エロ漫画の面白さがあるよね。やっぱ物語形式のエロ好きだわ。
 ただ、彼氏はできたばかりで、(2人の)初体験が散々な形で失敗したばかりの状態なので、そこまで「寝取ってやった」的な感じではないですね。失敗のエピソードを根拠に体よく振ってあげれば問題ない(極悪)。
 それと本作の魅力はやはりヒロインの自称「お姉ちゃん」感。エロの導入も、最中も、事後も常にお姉ちゃんぶろうとするヒロインが、その無理してやってる感も含めて可愛い。逆に言うと、彼氏(先輩)とセックス失敗したのは年下としての振る舞いがうまくいかなかったとか、肌に合わなかったのかもしれませね。そして、その年上相手とのセックス失敗の反動として主人公に対して過度にお姉ちゃんぶろうとしてる。ちょっと防衛の心理もありそう。そして、ヒロインは常に外的に取り繕おうとするんですが、主人公は(いざとなったら)内向きに考え込むタイプなのでそのギャップが微笑ましいし、そのデコボコ感がおそらく相性の良さに繋がるのでしょうね。

『帰る場所』てぃーろんたろん

 仕事で限界を迎え、田舎で癒される。美化とかファンタジーになってる部分はあると思うんですが、都会への反発としての田舎憧れとしてめちゃくちゃ説得力を感じたし、魅力的に見える。ヒロインの衣装がオシャレという路線ではないが、ラフでかっこよこもあり、危機感がなさすぎてちょくちょくエロい、というのがまた「ありそう」感で好き。
 ただ、都合良く美化するだけで終わらないのが、帰ってきてることをヒロイン以外は知らないという設定。ここ田舎社会で2人きりというロマンチックな雰囲気もありつつ、田舎コミュニティの厄介な側面から完全に隔離されてて見事なバランスだったと思います。ここらへんを含めてリアリティを感じちゃうんだよなぁ。
 さらには、主人公(とヒロイン)は「ずるい」「逃げた」存在として扱われるのが良い。今の状況が都合の良いものだと2人とも認識してるというか、後ろ暗さが常にちょっとだけある。そんな似た者同士故の結びつきの強さがエモさとエロさに直結する。そして、てぃーろんたろん先生の過去作でも見られた(物理的に)薄暗くて、湿度たっぷりな描写がめちゃくちゃハマる。逃げた先でひっそりと……という味わいが最高。いい年して親に隠れてこそこそすんなよ、という話ではあるんだけど、逆に言うとなかなか味わえない良さですよね。逃げた先のユートピア感が肝だったと思います。

サキュバスレイナ』昼寝

 サキュバスの通うお嬢様学校。ものすごい設定なんですが、サキュバスもお嬢様学校もあくまでも背景的な扱いに留まるので面白い。特にサキュバス設定とかほとんど話の表面には出てこないレベルなんだけど、本来なら性的な強者であるサキュバスが……ということなんでしょうね。サキュバスというつよつよファンタジー設定を料理の出汁にしか使わないのですごい。あとは、どんなにハードなことされてもサキュバスだから大丈夫、的な安心材料としても活きてたかもしれませんね。
 昼寝作品でお馴染み感のある、同じ構図(画角)のコマを並べてビフォーアフターを強烈に対比させる演出も本作の「お嬢様サキュバスからメスブタへ」の落差を描く上でめちゃくちゃハマってる。本作ではそこの竿役の汚部屋という要素が加わってくるので容赦ない。相変わらず画面から伝わってくる圧がすごいんですが、汚部屋の迫力がまた強烈でしたね。そして、お嬢様サキュバスであるヒロインが最終的にその汚部屋に文字通り「埋もれる」。このラストカットがかっこよすぎて痺れた。いや、めちゃくちゃ意地悪なラストなんですがw 直前に「告白してきたときの顔が可愛かった」という話をしてるのに顔が埋まってるのとか最高。

「読者コーナー」

 根本を握ると射精の勢いが増す、という謎のライフハックが書かれてて感心してしまった。AV男優の射精とかたまに「元気良すぎない!?」と思うこともあったんですが、ひょっとしたらそういうテクニックが隠されてたのかもしれませんね。
forms.gle
 終わり。密かに期限と定めてる10日にギリギリ間に合ったような間に合わなかったような(10日深夜なので日付は変更済み)。特別何があったというわけではないんですが、困りましたね。
 そして、次号は何と閏日の発売。何だか縁起が良さそう。なのはさておき、翌日から3月になってしまうのでこれまた困ったなぁ……。
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