北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC X-EROS(コミックゼロス)#95 の感想

 このあとweekly快楽天の感想書きます。
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『おあがり!ウオむすめ』flanvia

 シリーズ2作目。こういう形で続くとは……。設定だけ続くのかと思ったら増田さん続投なので笑った。例によってテレビ局の人も背景でエロいことになってるのが良い。話の主軸ではないけど、当たり前のようにエロが発生してるの好き。ただの人間も相手にするんかいw
 今回の話は料理対決。出てくるウオむすめは2人で、料理人は3人。そこに司会が1人、増田さんが1人キャラも多いし、男の方が多いこともあって、各キャラ間のやりとりみたいなオモシロが前作よりもめちゃくちゃ増えてる。ウオむすめは喋らないので主に男たちの攻防ですね。コメディ色が増しながらも、ウオむすめをどう扱うかという料理対決の話だからエロにも事欠かない。エロとギャグがどちらも濃いw
 クロマグロとイナダ。ウオむすめは喋らないので、表情と行動のみでキャラクターが描かれるんですが、周りが喋りまくる分、絵のみで語るウオむすめの魅力が際立つというか、ギャグとエロの線引きとして機能してると思います。特にイナダにまつわる展開が豊富で、作者のイナダ愛が伝わってくる。
 そんなイナダのキャラクターが確立されてるのと平行して増田さん無双が描かれるので、「これは寝取られなのでは!?」みたいな感覚にもなるからすごいw

『それでも君はかわいい』海の吸盤 塩おにんこ

 作者はそれぞれ原作と作画。塩おにんこ先生、原作付きの作品が続きますね……と思ったら海の吸盤先生は次号でまた別の作家(豪華!)の原作を担当するらしく、ゼロス内の潮流を感じる。塩おにんこ先生の前作はweekly快楽天だけど。
 男女それぞれのキャラクターを可愛らしく見せつつもエロが始まるのはかなり遅め。2人のドラマを丁寧に描きつつ、キャラクターや関係性の魅力を確立してからの、ついに始まるエロパートが熱い。2人がエロい関係になった初めての日を省略したのには驚きましたが、ウブだった2人がいつの間にかエロエロな関係になってるギャップが最高でした。ピュアなドラマも感じつつ、激しいエロパートは迫力満点。ドラマを丁寧にやりすぎるとエロパートで「急に変態じゃん」となりかねないんですが、それをうまいこと両立してたと思います。出会いの際、ズボンの中で射精してしまった相手を見てヒロインの中で何かが目覚めてしまったような表情が素晴らしいんですよね。あれがあるから次の場面でものすごいエロいことになってても「やはりこうなってしまったか……」と納得できる。
 享楽的にエロをやってから、主人公絶望……からのオープニングと同様に図書室でヒロインが目撃してしまって……というクライマックスへの流れも最高。長めのページがあるからこその良さを感じる。エロパートにより没入し、よりエロく感じさせるためのドラマパートというか。
 エピローグ。浪人からの大学入学なんですが、この場面がまるで2人の結婚式のように見えてくる。こんな演出があるのか……とマジで驚いてしまいました。

『きみを野生に変えるXの出来事』ばこにー

 元気いっぱいの女の子が風を浴びる1ページ目のタイトルのコマがかっこいいんですが、そこから先輩にやられちゃう話になるので「そういう作品だったの!?」とびっくりしたw
 メンタルトレーニングと称したエロがかなりギャグ調で進むんですが、そこから今度は寝取られの視点が始まるのでこれまた衝撃。寝取られなんだけど、間髪を入れず跳び蹴りをかますのも笑った。寝取られ主人公がこんなにアクティブに攻撃するの初めて見たw ただし、返り討ちからの寝取られ続行。テンション高すぎる展開なんですが、「盗み見する」から「見せつけられる」に変わるのがエロ漫画としてのオモシロを増やしてもいる。
 寝取られなんだけど、ものすごいギャグ調でエロが行われるし、オチもつくので読み味としてはドロドロとした感じではなく、カラッと爽やかな感じになってるのも面白い。このあらすじでこの読み味に収まったのはマジですごいことだと思う。

『エロ叶えし者』ONIGUNSOW

 ヒロインが吸血鬼。なんだけど、男主人公が吸血鬼とのエロに憧れてて、自殺阻止しようとしたら逆に自分が死にかけて……という話になるから面白い。もっとシンプルな話になってもおかしくないのに。互いにキャラが濃くて、それぞれの思惑が心理戦のように交差するのをコメディとして描きつつ、ものすごく勢い良くエロへと突き進む。読み終わってみると、20ページしかなかったのか……と気疲れのような感覚にもなる満足感。
 吸血鬼なんだけど、吸血鬼らしい超常的な要素が一切ない。本作を面白くしてるのはあくまでも「彼女は吸血鬼」という設定の部分であって、それにまつわる主人公の異様な執着によって作品が展開する。変な話、前半で血を吸ってなかったら「自分を吸血鬼だと言い張ってる女」でもおかしくないバランス。吸血鬼の話だけど、話とエロを面白くしてるのは2人のキャラクターであり、(主に主人公の)強引さにある。
 この「吸血鬼設定なのに」の部分はヒロインの魅力にも関わってきて、吸血鬼なのに普通の女の子みたい、というのが独自の魅力になってたと思います。主人公に比べれば全然まともな人間に思えるキャラクターで、ひたすら受けに回ってる様がめちゃくちゃ可愛い。

『となりの豊パイ~豊丘先生の推し活~』Ash横島

 『曲尺手さん』シリーズのスピンオフ。特に2作目の裏側って感じですね。仕事で心がすり減ってた先生が曲尺手さんの恋路に気づき、あまりの尊さに心が救われる。単独した漫画作品であるものに対してまったく別のキャラのリアクションが描かれてるのがまず企画として面白い。 “シャツの英文でアピールしてる可愛い” とか笑ってしまったわ。たしかにあれは曲尺手さん、脇がガバガバだったと思うw
 そんな見守り(ストーキング)の最中で別の生徒に見つかってしまう。先生が見つかることはかまわないけど、曲尺手さんたちが見つかったのがヤバいので、先生が体を張って秘密を守らせる。先生の心理はまっすぐで、行動原理も分かりやすいんだけど、やってることが極端なので端から見たらどうかしてる。このバランスが楽しい。それに振り回される男子生徒2人が適度に無害そうなのも良い匙加減だったなぁ。あれで「秘密を守ってほしかったら……」みたいな脅してくるような奴だと先生の魅力はそれほど立たなかったと思う。先生が積極的に動くからこその良さ。
 そんな池田と田上。それぞれが先生の奇行に対して動揺してるんだけど、その度合い、エロへの期待、エロへの慣れに微妙に違いがある。この人物配置も素晴らしいものがあった。池田の方が童貞丸出しで可愛いところがあって、最終的に先生が明らかに贔屓をするようになるのとか、この手の3Pを題材にしたエロ漫画で新鮮な内容でした。男2人は対等に描かれがちというか、「チンコが2本」みたいな即物的な扱いになるイメージがあったんですが、本作はそれぞれキャラが立った人物になってて、2人が先生に対してどう動くか、先生の動きに対して受けるか、の部分がすげぇ丁寧。『曲尺手さん』シリーズのスピンオフとは思えないほど良いキャラした竿役2人だったと思います。もちろんだからこそ先生の魅力が引き出されてる、という話。

『さきゅ!!』fu-ta

 続編。2人の物語的な結論が出る良さもあるし、サキュバスならではの特殊シチュエーションの良さもある。保健室でセックスに至るのは学園ものとしてはよくある話ですが、そこに先生が普通に入室してきて……という展開が最高。いくらエロくても、いくら大丈夫という確信があってもあそこであれだけ盛り上がれるのには素質を感じる。ビビリにはきっと無理だw
 すぐそこに先生がいるのに、ベッドをびしょびしょにするような潮吹きをするのも、嬌声をあげるのも良い。定点カメラの4段コマのページとか本作の良さが凝縮したようなハイライトだったように感じます。定点カメラ演出自体はもはや定番なんだけど、本作の設定じゃなかったら絶対にあり得ない絵がそこに加わってくる。ものすごい背徳的なシチュエーションとも言えるんだけど、2人の関係は甘いし、そこでぶつけてる気持ちもイチャイチャの極みみたいになってるのも最高。このギャップよ。何も知らない同室者からのほほんとした印象すら感じてしまうのがまた面白い。
 あと、サキュバスのしっぽがハートになるのも超可愛かったです。

『実録・大家さん』近江訓

 自室にて霊の痕跡らしきものがあったのでカメラをセットして確認。メタなことを言ってしまえば、エロ漫画なのでね、最初に出てきた大家さんがどうせ……と予想はつくんですが、それでも驚きと共に面白かったのが映像確認シーンの最後。映像を進め、ついにはモニターの前に座る主人公がカメラに映し出されるんですが、その直前に映っていたものは……。もうこれ限りなくホラー演出に近いですよね。ともすればめちゃくちゃ怖くなりそうなんですが、大家さんのおっとりとして引っ込み思案なキャラクター(本性は真逆w)のおかげで良い感じに微笑ましいバランスに収まってたと思います。男女が出会い、お近づきになる、というエロ漫画的にはアゲも感じる場面をこのような形で盛り上げるとは。
 定点カメラってエロ漫画だとお馴染みの演出なんですが、それをホラー的な手法として使ったのが面白かったんですが、クライマックスでは当然エロの方の意味で再び。しかし、ただの定点演出ではなく、エピローグに向かう場面転換になっててこれまた見事。ちなみに、エロパートのクライマックス、2人が全裸になると同時に大家さんのメガネが消失してるんですが、そのメガネの行方はこの定点の場面で確認できます。机の上。主人公にとってのイヤホン(有線ワイヤレス)と大家さんのメガネが対になってるようにも見えるのが面白いです。こういう描写をすることを考えると、完全無線のイヤホンは絵として小さすぎて厄介ですね(知らんがな)。

『デカチンしか勝たん!After』北原エイジ

 続編というか後日談。前作のラストで確定した関係性がそのまま続く話なんですが、何と言っても本作はアナル。アナルのみで完結してるので驚きました。別に前作の段階ではアナルの予感なんてしなかったのに。たぶんいろんな変態プレイを一通りやってる中の一幕ってことなのかな。
 単に入れる穴が違うのではなく、プラグをひねり出したり、挿入中に前の穴をいじったり、最後には中に出したものを排泄となるので面白い。アナルならではの展開が多い。2穴の提案をヒロインが断るくだりではタイトルの件とも関わってくるし、本作らしいテーマの掘り下げだったようにも感じます。
 あと、ヒロインのパンツがヒョウ柄のように見えてハート柄になってるのが可愛かったです。ギャル感。

『ふたりはなかよし』はるゆきこ

 隣に引っ越してきた姉妹が懐いてくる。男女間は年齢差&体格差なんですが、2人のヒロインのキャラクターのコントラストがとても良い。個人的にはやはりメガネが好きなんですが、真反対とも言えそうな姉も魅力的。対照的な2人が競い合うような形でエロが進んでいくので、エロの勢いが良いし、2人のキャラクターも堪能できる。ケンカに近い状態の2人なんだけど、何だかんだ言って仲が良いのでは……と思える感じも素敵ですね。自然とコンビネーションが良かったりして。
 ロリということもあり、2人の背伸び感もとても可愛い。互いに自分のことをアピールしてきて、姉妹を出し抜こうとするんですが、必死さ、全力感が可愛い。互いについてはイライラしてるような場面もあるんですが、主人公に対して媚びてくるというギャップも良い。
 そんなイライラが限界を迎え、ラストの場面ではついに手が出る喧嘩に発展してるのも笑った。喧嘩しつつも手は出てなかったのに、エロが終わるとストッパーがなくなったのか、手が出て血生臭いことに。必死すぎる様が可愛いんだけど、グーはやめてw

『したがりロケット』ヲルト

 すごい、開幕から3ページ、まったく女性キャラが出てこないw タイトルがふざけてなかったらエロ漫画という確信を持てなかったところだ。めちゃくちゃコメディ色は強いんだけど、それと同じくらい物語要素もしっかりしてる。こういうバランスのエロ漫画もあるのか……と妙な感心をしてしまった。
 んで、ヒロインは取引相手の社長、マセガキ(名前)。マセガキからの分からせになるかと思ったんですが、思いの外ヒロインがちゃんとしてる。プロフェッショナルとして仕事内容が間違いないし、エロとしても強い。最終的には主人公を導くメンターみたいな存在に落ち着くのが意外すぎる。常時マセガキ的な言動をしてるのにw 変な話、精神年齢は主人公よりも上なんじゃないかしら。だとすると全然マセてはいないということに……(ややこしい)。
 ナマと誤認するほどの極薄ゴムが出てくるんですが、それに出した後の描写がすごい薄そうで最高。説得力を感じる。これは白抜きなのが惜しい。

『マジカル☆ヴィッチ』ねろ太郎。

 魔法少女が魔力を補充するためにお店で働く。イヤな予感はしていたが、妖精のぬぷりんがド畜生なので笑った。可愛い顔して酷いこと言ってくる……。
 ぬぷりんが元凶なのは明らかで、闇の深さを感じるんですが、本作はヒロインが店で働くことに疑問を抱かなくなった時期の話なので、表面上は可哀想な感じないんですよね。この物語だったら「ぬぷりん貴様ァ!!」ってなるのが当然だと思うんですが、読者が勝手にそう読み取れるだけで、ヒロインは現状に満足してるし、店の外でもエロをむさぼるほどハマってる。絶対に闇があると感じられるんだけど、表面的には至ってハッピーなノリで作品が進行するのが面白い。ヒロインの語りで話が進むんだけど、彼女が何の疑問も抱いてないのが明るいノリになってて良いんですよね。それが逆に不気味に思えなくもないんですがw

『ファミリア』ザシャ

 父親の交際相手(再婚も考えてる)と。1ページ目ではその関係性が分からず、ページをめくると明らかになるこの小さな溜めが良い。異様すぎてパッと見では気づきようがない、みたいな感覚。それと、1ページ目にある主人公のスマホ画面、ayuという人と会う約束を「家を用事」で断る、という思わせぶりな開幕も最高。主人公にも恋人(じゃないにしてもそれに近い友人)がいる、という事実も本作において重要ですね。特定の誰かが悪い、で済む話ではない。それぞれが後ろ暗いものを抱えている。ayuの反応がかなりキレてるのも好き。「父親が全部悪い!」みたいな話だったらもう少しスッキリすると思うんですが、そうじゃない方が読み味としては断然深い。
 本作において印象的なのが、雨。そもそも急な雨が降ったからヒロインは主人公のことを拾うことになったのだと思う。にしては2人が盛り上がってるので、雨という口実を得たことで互いに気持ちが高まっていた、感じですかね。
 とにかくそんな雨。2人がそれぞれ後ろ暗いという件にも通じるけど、世界に対する居心地の悪さ、居場所のなさみたいなものがこの雨に象徴されてるようで、だからこそ最初、狭い車の中でやってしまったんじゃないですかね。2人だけの場所、2人だけの時間は非常に限られているからこその濃さ。危ない関係の割に夕方の車内でやっちゃうのがヒヤヒヤするんですが、一応そのために駐車場の端っこに車を停めてるというのも良い(にしても危ないw)。「離れたところに停めたということは……」みたいな口には出ない心理戦みたいなものもあったんでしょうね。緊張感のようなものとワクワクが高まっていって……という助走の魅力。
 その後、ラブホに入って本格的にやることになるんですが、部屋が明らかに暗い。背景やものがほとんど見えないのもあって、2人だけの世界感、そして狭さ(故の密着)というのを感じる。そして、クライマックスにおけるヒロインが皺だらけのシーツに包まれてるような構図が芸術的でもあり、それでいてすごいエロい。ここも狭い中で体を押しつけ合いながらやってる感じがあったと思います。
 エピローグ。車の中で、スマホでの連絡を見て、と序盤の場面をなぞるような話になってるのも面白いし、何より2人の会話が低温ながら「延長戦突入」に対する内に秘めた気持ちの高まりが感じられて好き。父への返信の中で当たり前のようにウソが入ってるのも最高。やはり玲くんは「悪い子」。

『私に逆らって』新羽隆秀

 ヤクザの娘が唯一手に入れられないもの。一応冒頭の場面にスマホが出てくるんですが、作品全体のコメディ色と、2人のキャラクターの感じからちょっと昔の、古き良きラブコメ感みたいなものも感じる。デフォルメの具合なのかな。ヒロインの行動はかなりぶっ飛んでて、それがギャグのように感じられる場面もあるんだけど、彼女の行動原理、心理のピュアさが同時に丁寧に描かれてるので、彼女の乙女チックな一面が魅力的に感じられる。行動は突飛だけどそれの土台にある感情はリアル。極端なんだけど、説得力があり、迫力がある。強がってるのに涙目になりながら……という場面とかマジでめちゃくちゃ可愛かったです。
 自分の感情をコントロールできてない危うさでもあり、人間臭さ、だからこそのヒロインとしての可愛さ、みたいな感じでしょうか。パンダのぬいぐるみに騎乗位かます場面とか絵面のインパクトがすごいんだけど、彼女のあふれ出てしまった気持ちの発露というのを考えると普通に良い場面でもあるんですよね。ただ、パンダは可哀想w(あと本物のパンダはシッポが白い)

『おとなのじかん』川島よしお

 「性獣学園」。性獣たちが守る一線がジェントルなので笑った。ただ、2コマ目で「ウンコウンコ」言ってたのは先生と出会う前なので、あれこそが彼らの本当の姿ってことなんでしょうね。可愛いとか、良い奴とか思いかけたけど、さすがにそれは過大評価なのかもしれないw
 「卒業」。制服の第二ボタン……から続く無限連鎖。「○○ください」という行為自体は同じなのに、後半はどう見てもイジメとかそういう類に見えてしまうからおかしい。ただ、ブリーフはぎ取って “実用度高いぜ〰” とか言ったり、 “ギャハハハ 私もくれッ” とか言ってるのにはグッときました。本気で欲しがってるっぽのが良い。
 「美の虚人たち」。川島先生が身を切るネタ、定番になりつつあって好きw 川島先生の描く美少女に魅力を感じても、その美少女の影に川島先生がチラつく呪い。
 「暴走のポエム」。今回で一番好き。特攻服に何を引用するかで違いを出すのは分かるけど、その内容がやたらとインテリ。高尚すぎて細かいニュアンスは分からないけど……とか思ってたら、この世界にも「狙いすぎでダサい」というのが存在してるらしいので笑った。知らない世界だけど、この機微はちょっと分かってしまう。

『奥様は肉食系』七尾ゆきじ

 バイト先の飲み会で、奥様方がやらせてくれると知る。苦手に思ってた人種なんだけど、「エロいらしい」と分かった途端にその人たちへの見る目が変わってしまう感じが良い。新たな性癖が開くという意味でも説得力あるし、目の前に存在する確かなエロにそれまでの考えが情けなくも崩れ去っていく感覚も好き。
 年上ヒロインに優しく筆下ろしされる、と書くとそれなりに定番のジャンルっぽいけど、それがバイト先の人。よく知ってる人なんだけど、それがまさかエロに繋がるとは……というギャップの良さ。運命の出会いを果たして恋に落ちるわけでもなく、日常的にやってるコミュニティの中に主人公がお邪魔するだけなのも主人公の弱さとして大事だったと思います。主人公が知らない世界が広がってて、今日はたまたまそこに入ることができた、みたいな。童貞喪失なのもあり、おっかなびっくり感があって、その緊張がヒロインに一方的にやられる(優しいけどそれ以上に激しい)良さを引き立てる。
 最後にヒロインの帰宅時間がシビアなので笑った。ギャグ的なオチだけど、奥様感を最後に強調してくる。そんな人とやったのか、と改めて感じさせられる。

『ていしまい』ほた。

 第2話。前回から隙間なく続く感じで、本話の終わり方も同様なので、長めの作品を分割して連載形式にしてる、という感じかしら。
 本話はハル姉と。小夜は同じ場所にいるが、寝たフリ。決して3Pではないが、単なる1対1でもない特殊さがあってエロい。優しいお姉さんとショタ、という理想的すぎるおねショタなんだけど、この特殊なシチュエーションを積極的に作り出してるのはヒロインの方。優しいんだけど激しい。ヒロインが快感をむさぼるようで気持ちよさそうかつ、満足そうな表情をしてるのも可愛い。ユー君は常に必死で翻弄されっぱなしなんだけど、ハル姉は冷静で、それでいて味わい尽くすような積極性がある。
 クライマックスはバック。バックはどうやったって男が優位になる(見える)体位だと思うんだけど、振り返りつつユー君の顔を確認するハル姉が色っぽくて、やっぱ彼女が優位だと確信する。逆に言うと、バックの、振り返ってないときには本作で最もハル姉の表情が崩れるんだけど、それはバックなのでユー君に見られることはない。見られないからこそあの顔が出た、という感じですかね。
 からの小夜のターン突入で、つづく。間髪入れずに続きそうな予感だけど、だとするとユー君の体力がすごいw

『奥様は発情期♡』東雲龍

 隣から聴こえる喘ぎ声に悩んでいたが、その声の主と親しくなる。世話焼きでやや強引に距離を詰めてくる感じとかすげぇ良いですね。そして、そのイメージと夜の声にギャップがあるので何かワケが……と思ったら何もなく、シンプルに超エロい人だった、とオチがつくので笑った。こうなると結構な歳に見えた旦那の方がどうなってるのかも気になってくるw 変態同士なのか、奥様の魅力に当てられてしまうのか。
 押し掛けて世話焼いてくれるくだりは普通に爽やかな良い話風なんだけど、主人公が寝てるとすぐに正体を現してエロいことになる。ここで主人公が快楽に溺れるのではなく(多少はあるだろうが)、夜の喘ぎ声に対する怒りを思い出すのが面白い。素敵な奥様が迫ってきて羨ましい話なんですが、それに対して “…やっぱりスケベな女だな!!” とキレのスイッチが入る。ここが人間の感情として妙にリアルで好き。まぁ、そもそも主人公が居眠りしてしまったのは喘ぎ声がうるさくて寝不足だからなので必然w

『生意気おくちにチンポジャック』ラブ

 オナバレして後輩に脅される。いつもの命令の内容がついに射精になったことで、主人公のタガが外れ、暴走、そして2人の関係性に変化が生じる。逆転でわからせみたいな話なんですが、そこまで単純というか極端な話ではなく、主人公が射精したあと、セックスに至るよう命令したのはヒロインの方で……ただその際にも主人公は逆ギレ的に暴走。ヒロイン側も主人公の痴態を見て当てられちゃった感じなのが良いですよね。酷いことをしてきてるんだけど、どこか可愛らしい乙女の一面も感じる。それが表に出てくると完全に変態なんですがw
 一応本番以降は主人公の逆転によるヒロインが快楽堕ちなんですが、エピローグにおける主人公の賢者モードとヒロインのデレ全開の命令が最高。感情と行動が2人とも極端w 今後もこの極端な関係、そして命令と逆転を延々と繰り返すのだろうな……みたいなめでたしめでたし感。ド変態なんだけど、どこか微笑ましいラストになってて好き。

『おしごとロマンス』JJune

 マイペースすぎる彼女がバイト先にもやってくる。そんな彼女に振り回されてる関係性が魅力的であると同時に、ちょっとアホの子入ってるヒロインのキャラクターが可愛い。 “うん 忘れてたな” のとことかマジ最高でしたわ。女の子らしい表情という感じではないんですが、彼女の感情が100%表に出てて動物的な印象。
 マイペースな彼女に振り回されるままエロに至るのかと思ったんですが、エロに関しては完全に彼氏側が引っ張る。逆転的な話でもあるんですが、ヒロインが急にしおらしくなるギャップが魅力的。
 そのまま彼氏優位で終わりまで行くのかと思ったら、バイトの同僚かなちゃん(彼氏に好意がある)が現れることで再び逆転。ここでヒロインが感じ悪い顔しながら机の下でフェラし始めるとかすげぇ好き。彼氏のこと好きでやってるのに、そのキッカケとなる感情がネガティブw
 かなちゃん視点で考えるととんでもないバッドエンドに至るんだけど、全員血の気が引いたまま静かに劇終するエンディングも好き。あのセックスを目撃した方がなんか悪い気持ちになって逃げるように立ち去るの、めっちゃリアルですよね。そして、見られた側の主人公カップルも後悔の念でいっぱいになってるのもおかしい。セックスを通じてめっちゃ仲良くなって良い話に収まる予感がしてたんだけどなぁw
forms.gle

 終わり。すっかり遅くなってしまったのですが、とりあえず終わって良かった。書き始める頃には「3月中に終わらないだろ」みたいな雰囲気ありました。快楽天の方がそもそも遅すぎたんだよなぁ。4月はもう少し計画的に……。
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