北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.02の感想

 weeklyでワニマガデビューして他誌に移籍する人とそうでない人、1本だけでまた戻ってくる人とかいつ決まってるのか気になる。
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『届けモノですッ!!』さわたしゆん

 ヤバい女が殺しに来る。静かな1ページ目、めくって2ページ目からの急加速ぶりが異常。話として突拍子もないのもあるけど、シンプルに漫画としての迫力が最高。特に床に包丁がドスドスと刺さって主人公に迫るコマとかマジで素晴らしかった。ページの中段でこれ自体は繋ぎのような位置にあるんだけど、その動きとそれによって生じるリズムが読んでて最高に気持ちいい。
 そんなスタートダッシュの場面。何も知らない主人公は配達員に対して印鑑が見つからないと返答するんですが、この「印鑑」がクライマックスでもう一度出てきて、何なら主人公が生き延びる切り札として機能するのとか超うまかったですよね。こんな伏線あるのかよ……。
 絶対これがワニマガデビューだと思ったんですが、どうやらビーストで1本載せてて、当時読んでました。作風が違いすぎるので結びついてなかったw
 ほとんどギャグみたいな作品(ギャグとして読まないと怖くてやってらんない)なんですが、エロ純度は非常に高い。精神的に不安定すぎるヒロインはコミュニケーション不能かと思いきや、主人公はセックスに活路を見出す。主人公の目的がセックスになり、2人の思惑が合致してからのさらなる加速感、最高に楽しかったし、「細かい駆け引きはおいといてとりあえずセックス」となることで一旦エロに集中する話になってるのがとても良い。主人公の策に対してヒロインがあまりにチョロいのが逆に怖いんですが、いざセックスが始まると主人公は主人公でチョロいので「これは似たもの同士なのでは……」とかなるんですよね。作品の勢いがすべてエロに収束していく感覚が絶品でした。クライマックスの印鑑演出もマジで笑ってしまった。見事すぎる。
 意外とうまくやってんじゃん、というエピローグも好き。幸せそうで何より……と思ったら予想外の角度からかつての命の危機が再現されるので笑った。エディプスコンプレックスと考えれば自然なことだったのかもしれないけどw

『エロッチぃ日常』エロッチ

 #38「彼女のお胸、お借りします」。仕事で疲れて帰ってきても乳のデカい彼女が待ってるから無問題。寝てる彼女の胸を勝手に借りて……という話なんですが、胸がデカすぎてパジャマに全然収まってないのとか最高でしたね。デザインが可愛いから買ってみたものの……みたいなパターンだろうかw ただ、そのサイズの合ってないパジャマが主人公の使い道としては好都合。エロが無駄なく連結していく展開はさすが。ワンシチュエーションの魅力をシンプルながらねっとりと描いてく本シリーズらしい魅力というか強みを感じる。たった4ページなのにしっかり読み終わった感があるというか、満足感があるんですよね。

エロマンガアカデミー」

 #58。Pennel先生による「男キャラについて」。Pennel先生嬉しい。ビーストの中でも指折りに好きな作家です。予告とかに名前があると密かにガッツポーズしてしまうんですが、本企画に唐突に登場するので驚くw
 竿役論。エロ漫画における一大テーマですね。テーマとしては結構王道だと思うんですが、意外と今までなかったですね。まぁ、決して長いインタビューではないので男キャラの話しかしないのも……って避けられがちだったのかもしれない。
 当たり前だが作品の中核を担うキャラなのでこだわりや工夫が詰まってるのだが、あくまでも(男性向け)エロ漫画なので見せたいのは女キャラの方であって……という矛盾が面白い。主役なのに(ヒロインを引き立てる)脇役とか、言われてみれば当たり前なんだけど、めちゃくちゃな要求の上に成り立ってますね。主人公で物語の中心、彼の心理を描くことが多いはずなのに画面にはあまり映らない、とか無茶としか思えないw ここらへんエロ漫画作家ならではの苦悩が垣間見れて面白いです。そう考えると読者はホントわがままですね……(今までわがままを言ってる自覚がなかったw)。
 竿役の無個性性とも通じる話ですが、名前のないキャラ多い件。この話も良かった。キャラとして印象には残るけど名前はない、というのPennel作品の特徴というか、独特の読後感と密接に関わってると思う。たしかにサシの会話だと名前を呼ぶ機会が少ないってのは分かるんですが、そういう状況でも名前で呼ぶような人も間違いなくいると思うので、Pennel作品のキャラクターの傾向が見えてくるようでもある。名前を呼ぶイチャイチャと名前を呼ばないイチャイチャでは大きな違いがあると思うんですよね。どっちも良いんだけど、良さの種類が違う。


 終わり。ものすごく遅くなったんですが、快楽天本誌の感想も終わったので、よければそっちも読んでね。
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