北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.36の感想

 角煮煮先生の新作まだだったか。意外だったが楽しみが残るのでヨシ。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

『肉食(?)×肉食(?)』めんぼー

 旧ツイッター(劇中のロゴ笑った)で自撮りアカをやっていたら理想のちんぽ自撮りが送られてきたので会うことに。説明不要の前提としてチン自撮りが送られてくる日常が描かれてることに戦慄するんですが、それに対する主人公の “撮り方センス無いよね〰…” が予想外のディスなので面白い。知らない世界すぎる……。そもそも自撮りする文化がないので主人公に対しても理解が浅くなっちゃうんだけど、日常的に自撮りする人からしたら手抜き自撮りは一目で分かるのですね。プロの矜持みたいなものが感じられて好きな場面。具体的な正解例も描かれてて、関係ないのにちょっと興味深くなってしまう。勃起を維持したままあの角度の自撮りって結構難しそうだな、とか。自撮りという行為に興奮するレベルに達しないとカメラに集中した時点で萎えてしまいそうだw
 んで、実際に会ってみたら意外と草食系。こちとらもうその気になってるのでガツガツ行かざるを得なくて……というヒロインの独り相撲感が微笑ましいんですが、話の内容とヒロインの言動の可愛らしさが乖離してて楽しい。
 そしてホテル。いくら草食系でも理想ちんぽは嘘つかない。ヒロインは順調に目的を達成していく流れかと思ったんですが、相手の方が徐々に本性を露わにする。結局は自慢のちんぽを日常的に使い込んでるんだろうな、と直接説明はされないけど何となく察せられる。酔ってて送っちゃったと言ってたけど、送ったことがあるもしくは送る選択肢が頭の中にある人じゃないと酔ってても送りませんからね。そして、ちんぽの自撮りがうまかったのもやはり手練れの証拠というか、やり慣れてることの示唆なんじゃないですかね。
 逆転劇なので、あらすじだけ追うと「調子こいてた自撮り女子が草食系凶悪ちんぽに分からせられる」みたいな感じになりそうなんですが、実際はそこまでハードな、意地悪な話にはならない。そもそも2人とも変態なので、互いに当初の目的を順当に果たしただけとも取れる。その後も別に彼に対して依存するわけでもなくエロ自撮りアカへと変貌(成長?)することになるのも、妙にドライな感じで良いんですよね。予想外の出来事ではあったけど彼女は何も後悔していなく、むしろ知らない世界の良さを知れて大満足、みたいな。ダークそうなんだけど、意外と平和。平和なんだけど、深みにずるずるとハマっていく不気味さも最後にはある。そういうヒロインの危なっかしさも含めて魅力的な作品でした。後悔してないことが逆に不安を誘う。

『みたらしさんは満足!』NTNTGNGN

 『みたらしさんはペコペコ』の後日談。セックスのあとの食事というコースがすっかり日常になった2人のその後。エロ漫画としても、その後日談ショートとしても珍しいんですが、最初にセックスが描かれて、その後非エロパートが描かれて物語が完結する。ものすごい意外な構成。尺は後者がやや多め。先にセックスを済ませるのが本作カップルらしいんですが、同時に後日談ショートならではの自由さも感じられて好き。エロ漫画だと先に体の関係になってしまうことは多いですが、その場合は当然その後のピロートーク(ではないがそれに近い何か)で正式に2人の関係が進展することになる、というのがリアルですよね。食事を「与える/食べる」の関係が第二のセックスみたいな感じに描かれてるのは本作独自の味わいなんですが、今回の作品では「なかなか食べない」という要素もあって新しい。最後に食べることで2人の間のコミュニケーションが完成して「今後ともよろしく」へ至る。可愛らしいコミュニケーションでめっちゃ良かったんだけど、食事を通じたやりとりがやはりどこかエロい雰囲気が漂ってるのも最高でしたね。

エロマンガアカデミー」

 #49。あおむし先生による「修羅場を乗り切れ!!!!」。あおむし先生なのでさぞハードな快楽責めの話かと思ったらストレートな仕事論。しかも超具体的で面白い。意外なんですが、よく考えたらあおむし先生、失楽天では表紙も飾り漫画も描くわ、バベルでも描くわ、おまけに一般でも連載してたわ、と超多忙なので「締め切りの守り方」というテーマの説得力がすごい。エロ漫画界にはいろんな方面の超人がいるな……と本コーナーを見てると毎度感じる。ワニマガに限定してこれだもんな。
 漫画家の締め切り論ってどうしてもスポ根みたいな話になりがちというか、もしくは極端なギャグになるイメージが強いんですが、今回はひたすら具体的かつ技術的な話に徹してて最高。もはや漫画系のコンサルタントとかできそうなレベル。「どうでもいいコマを拡大して描き込んじゃうんだよ」と悲鳴をあげてる作家さんとかマジでいそう……。大は小をかねるではなく、見せたい部分以外への過度なこだわりは演出が意図的に伝わらなくなる可能性があってむしろ逆効果、とか端的ながら説得力がすごい。
 話の内容はひたすらプロフェッショナルとしてなんですが、イラスト(漫画)部分がメタファーとしてのエロが描かれてて、ギャップで笑ってしまった。サービス精神。


 終わり。最近のエロマンガアカデミー、テーマがメタ的というか、仕事論みたいなものが多いのは50回近くやって主要なテーマは大体やり尽くしてしまった、という事情もあるのだろうか。別にネタ(テーマ)が被ってもいいと思うので、今後も元気に続いてくれ~。過去に登場した先生の2度目以降も全然歓迎ですし。
kitaku2kitaku.hatenablog.com