北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.28の感想

 快楽天本誌も面白かったです。
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「表紙」愛南ぜろ

 愛南先生、2度目の表紙、新作、そしてインタビューと7月の終わりに愛南ぜろスペシャルという感じ。残り1枠は復刻ということも相まってweeklyを1号まるっと占拠しているような印象。
 前回の表紙イラストのときもそうだったんですが、本編の中の小さな場面で着てる衣装が採用されてて面白い。どちらも「主人公のチンコが初めて反応した瞬間」のヒロインの衣装ですね。3週の差分イラストで本編の流れを改めてなぞる形なのかな。

『限界突破☆友情クライシス』愛南ぜろ

 恋愛感情はない友人に彼氏ができ、セックスしたという確信を得て初めて彼女に対して恋愛感情(性欲)があったと知る。仲良しが故に互いに手を出さない冒頭の関係性には爽やかなラブコメのようなものを感じたんですが、そこから一気に寝取られ(BSS)的な鬱勃起のストーリーが始まるので引き込まれた。そこからは怒濤のようにエロにもつれ込むんですが、この鬱勃起のくだりの心理描写が丁寧なので鬱勃起に至るリアリティがすごい。「そりゃこうなるよなぁ……」みたいな納得。ギリギリの関係だった友人、からの目の前で彼氏を紹介されてベタベタしてるのを見せられる気持ち悪さ。この二重のモヤモヤから一気に勃起に繋がる飛躍が最高。感情のスイッチがそっちに入ってしまう人の気持ちも分かってしまう。悲劇だ……。
 オナニーからの土下座でエロ突入。BSS主人公とは思えないアグレッシブさというか、自分がクズであることを十分理解している情けなさ……すらもバネにしてる。それにあっさり折れるヒロインも、ここだけ見たら都合のいい展開なんですが、事前の描写が丁寧なので「彼女にも似た思いがあったのでは……」と窺い知れ、急転直下のセックス開始にも違和感がない。むしろ、歪んだ形とはいえ2人が初めて素直になった瞬間でもあるのでどこか感動的という気すらしてくる。
 エロパートの前半では主人公が悶々とした思いをモノローグで語りまくり、それを相手にぶつける形になるんだけど、2回目の挿入をし、絶頂の直前になると2人とも思ってることを剥き出しにして語りかけるのが熱い。ドラマの決着として感動的だし、そのエモーションの高まりがそのままエロの盛り上がりとして描かれる。一瞬「青春やね……」みたいな感動ムードになるんだけど、よく考えなくても2人はクズなので……という捻れ。ヒロイン側もただ流されただけとは言えない共犯っぽさがあり、共犯だからこそ2人の関係はより深くなったようでもある。
 何も知らない彼くんが可哀想ではあるんだけど、この関係になって1ヶ月も経つのに彼女の違和感に気づかないのもどうかと思うぞ……と主人公たちに都合のいい考えも湧いてしまったw

エロマンガアカデミー」

 #44。愛南ぜろ先生による「取材のすゝめ(裏垢女子編)」。最近このコーナー、作家の紹介文に妙に個性があって面白いですよね。「心をえぐる展開で脳を破壊(比喩)」とか笑ってしまった。そりゃ比喩だけどw
 テーマが最近のweeklyでの作品と関係ない上、「見学」とかいうワードが飛び出るのでひっくり返ってしまった。SNSとかを追ってたらお馴染みなのかもしれませんが、何も知らなかったので、あまりに突然の話にマジで混乱。思わず「愛南ぜろ 見学」で検索してしまいました……。もっとマシな検索ワードがあっただろうに。
 見学のインパクトが強すぎて動揺が隠せないんですが、取材を通じて漫画に活用できるリアルを知ることができる、という話には当たり前のことながら強く納得。想像によって生み出すものも良いけど、やっぱりリアルは強い。基本的には隠されがちな世界だからこそ取材によって得た情報の価値は高くなるわけですよね。
 それと、裏垢女子の説明として「殆どが詐欺や怪しいサイトの広告業者である」という注意書きがあって笑いました。注意書きマジ大事。よい子は真似しないでね案件だ。


 終わり。漫画を面白く読み終わったらインタビューの内容でぶっ飛ぶ、そんな週でした。復刻の、ストーリー要素濃いめのえーすけ作品も良かったですよ。
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