北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.32の感想

 朝起きて部屋を出たときの熱気で最高気温35いくかいかないか、何となく判断できるようになった気がします。
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『禁書庫の夢魔百済児廿日

 主人公が勝手にアイドル視している図書館の「司書ちゃん」が実は……。冒頭、アバンが長めに取られて司書ちゃんとしての可愛らしさをたっぷり描いてからの、正体が明らかになってタイトルどん。超アガるし、いきなりトップギアに入る感じが最高。ヒロインの豹変が一つの魅力なんですが、その変身としてメガネを外したのも面白い。彼女にとっての儀式というかルーティンみたいになってるんでしょうね。ストラップがあるのでエロシーンに入っても常に彼女の胸元にはメガネがぶら下がってる、という絵面も新しい。そんな方法があったのか……。パイズリの場面が顕著ですけど、彼女の仮面と本性が同じコマに入ってるのが最高ですよね。エロシーンの最中に日常シーンの回想が差し込まれる演出は定番で本作でもやってますが、あの外されたメガネが日常シーンの象徴でもあるので、ここは本作独自の魅力だったと思います。
 エロシーンに入ってからも表情の変化が細やかに描かれててそこも超好き。ガン攻めのときと、受けに回ったときでは全然違うし、たまに挟まれる満足げで無垢(にも見える)な笑顔も超可愛くてギャップかつ緩急。
 2人がそれぞれ服を着たまま始めて、徐々にヒロインが脱ぎ、最終的には主人公も脱ぐ、という変遷があるのも良い。本作は、主人公が抱いていた「司書ちゃん」という幻想を打ち砕かれる話、と言えると思うんですが、その変遷としてこの2人の脱衣グラデーションがあったようにも思います。そして、エピローグの場面で初めてヒロインの名前が示される、という演出も超オシャレで良かったですね。今回のエロを通じて主人公の中で彼女は司書ちゃんではなく、ちゃんと名前のある女性へと変化した、というオチ。
 そんな変化、変身、豹変を描いた作品なんですが、劇中でキーになる小説がカフカの『変身』をもじったもの、というのも気が利いてたと思います。
 エピローグに前作カップル(とヒロインの友人たち)が出てきたのも嬉しい。同じ学校だったのですね。話の振り幅がすごい。制服のバリエーション、着こなしという意味でも2作続けて読みたくなる。前作主人公は相変わらずこじらせてそうだが、ヒロインが天真爛漫なので超良いカップルに見えますね。

『卒業記念は生イキ双子』すずきとと

 『後輩メイドは生イキ双子』の続編。後日譚ショートって感じか。前作は文化祭で、今回は主人公の卒業式。最後には双子が同じ大学にやってくる、というさらなるエピローグが描かれてて結構な時間の経過がある。後日譚ショートにしてはかなり情報量というか物語の変化が感じられてそういう意味でも好き。
 とはいえ、本作(本シリーズ)の魅力はやっぱり双子モノとしての圧倒的王道感。双子ならではの決め絵が相変わらず全編さえ渡っててホント最高。正直1ページ目の卒業証書を2人でパイズリの形で挟む場面で早速優勝してしまった気がする。あのセーラー服の脱ぎ方も含め、本当に良かった。超好き……。乳首を見せることに執着してないというか、巧妙に隠されてるような構図が続くのも逆にエロかったなぁ。
 前作同様にほとんどのコマが2人で1組という徹底ぶりも素晴らしかったんですが、本作は前作と違ってそれぞれの中に一発ずつ、という変化があるのも嬉しい。それぞれに入れる時間(ページ数)がほぼ同じ、というのも優しい世界。

エロマンガアカデミー」

 #47、京のごはん先生による「絶頂の『質』の描き分けについて」。最近ジャンルに特化した先生のジャンル(性癖)論みたいなのが多かった印象なので、今回は「わからせ」論になるかと思ったんですが、わからせ作品を支える絶頂の描き方、というめちゃくちゃ具体的な技術の話。読み専としても超面白いんですが、描く側の人が読んだら即実践できるレベルで参考になる話でしょうね。無知な読み専としては「印象としては違いを受け取っていたはず……」と信じたいところですが、ここまで明確な意図を持って細かく描き分けがされてたとは。感心と感動。京のごはん先生の作品を読みたくなるってのもありますが、エロ漫画全般を読むときにも通用する新たな見方が生まれてしまった。まさに教科書って感じの回で最高でした。


 終わり。夏休みが終わると同時に暑さも終わってほしい。マジで。
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