北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.03の感想

 たまに月曜更新になって申し訳ない、と思うと同時に、負担を小さくして続けるためには仕方ないんだよ、と開き直りの念。
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『ナメてた先生が実はチートセックスマシンでした』小矢部亮

 前編。タイトルでまず笑ってしまった。一部の映画ファンの間で流通してるジャンル名をそっくりエロ漫画に援用した感じですかね。
 内容もタイトルそのままなんですが、最初から先生がイジメの対象になってたわけではない。それを助けようとしたら調子こきまくってたので制裁が決定。そう決まったらあとは早い。早いを通り越して最初の行動はまるっと描かれない。この省略がマジ秀逸でしたね。一応初のエロシーンではあるんだけど、それ以上に「面白い漫画が始まったぞ……」というワクワク感が勝ってしまう。
 まだ前編だからってのもあるんでしょうが、本作はかなりバトル漫画に近い。先生の持つ特殊なスキルがエロっていうだけで、これが腕っ節の強い先生が不良生徒たちを懲らしめる話だったら完全にバトル漫画。先ほどの省略の場面もそうだけど、バトル漫画的な高揚感がすごい。もちろんバトルの代わりに描かれるエロも最高なんですけどね。あのエロ漫画としての「即堕ち」が主人公の無双感に繋がってる。
 からのラストシーンがまた良くてですね。ここで一旦終わってしまうのにも納得してしまう切れ味。一応まだ挿入シーンはないんですが、正直話としてはもう決着がついたというか、「あとはやるだけ」という感じ。それがあのブチアゲ感で終わるのが面白すぎるんだよなぁ。
 序盤の説教シーンで水をかけられてた、以前の教え子からの手紙がありましたけど、あの手紙もめっちゃ意味深というか、怖いですねw

『姫が一番すきなのは…♡』めんぼー

 ゲーム同好会の地雷系の子が彼女。オタサーの姫的な構図でもあるし、実際話としてはそっちの要素も強いんですが、題材の流行として地雷系へとシフトしつつあるって感じですかね。……てか、便利で代わりの言葉がないので使ってますけど、「地雷系」ってなかなか使うのに度胸がいるというか、「蔑称ではなくファッションがそういう方向ってことだからね?」と焦ってしまうw
 やや冷めた主人公に振り向いてもらおうとヒロインが別の男性にちょっかい出したりしてて、真意が見え見えすぎて可愛いんですが、同時にちょっと危なっかしい雰囲気も感じてしまう。一昔前だとヤンデレとかそういうジャンルとも近い味わいですかね。ただ、それよりはもっと人間臭い感じがあって可愛いんだよなぁ。
 ヒロインの空回り気味な方向に対して主人公がキレて、分からせ……となりそうな話の展開ではあるんですが、本作ですごい好きだったのは主人公が絶妙に弱い。ヒロインが仕掛けてくる駆け引きに対してすぐに「んなわけねぇだろ」と突っぱねることができない。 “…だよな?” と勃起しながら内心焦ってしまうのが可愛いし、「なんだよ相性バッチリかよ」となってしまう。結局のところ、濃密なイチャイチャだったわけですよね。ヒロインのキャラクターもすごい可愛かったんですが、2人の関係性が魅力的で好きです。ハードなことになるかと思いきや甘々な着地になる感じとか最高。

エロマンガアカデミー」

 記念すべき30限目。ごさいじ先生による「ストーリーの読ませ方」。特別拡大版で4ページなんですが、weekly初登場が本コーナーというのも珍しいですよね。特別待遇感。内容もめっちゃ濃くて、漫画論として面白いし、ごさいじ先生のキャラクターも面白い。「サービスが過剰!!」って思ってしまうw 自作の解説もめっちゃ細かいので、ファンとしても最高の回でしたね。個人的には歴代男性主人公を並べて「こじらせ度」で比較してるのが面白すぎて噴きました。やっぱごさいじ先生作品といえばこじらせ童貞男子の魅力……。最強こじらせ主人公としての『再会つづり』、また読みたくなってしまいますね。
 内容は、読みやすさについて。「これさえクリアすればオールオッケー」的な話し方でしたが、それの徹底ぶりが凄まじいので感心というか感動してしまう。さらには、それを実行する際の理論化がめちゃくちゃ細かくされてて、インタビュー映えがすごい。普通にエロ漫画じゃない漫画を好きな人が読んでも面白い回だったと思います。
 よく、短い読切でセックスに至るまでのドラマを描くのが大変だから既に付き合ってるカップルの話になりがち、ってのは聞いたことあったんですが、ごさいじ先生の場合は逆で、今後そういうカップル出発の作品を考えてると言ってて面白いし、楽しみ。ただやるだけの作品にはならないんだろうなぁ。それとは別に、イマジナリーごさいじ先生が童貞をヤリマンに童貞を狙われる新作を妄想してしまう……。


 終わり。やっぱ「エロマンガアカデミー」はweeklyの代名詞的な企画だと再認識しました。
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