北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.34の感想

 机がベトベトして気持ち悪い!(汗)
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「表紙」角煮煮

 最新作の完結が待たれる角煮煮先生。これは来週か再来週に完結編が来そうですね。前編、中編と来て「後編その1」とかだったら笑うけど、それはそれで嬉しい。
 それはそうと角煮煮先生のカラーの一枚絵、めちゃくちゃ良い。狭い四角に押し込められたような構図が意外で新鮮だし、髪や服の感じも大変魅力的。新作がますます楽しみになってしまった……。

『オフパコします?』日向あお助

 オンラインゲームで仲良しの年上女性が東京に来るということで、会う。冒頭の非エロパートからキャラクターの魅力が全開。エロ要素はほぼないんだけど(乳首はデカい)、いちいちの所作、言動が可愛らしくて魅了される。
 エロでも女性キャラでもない部分だと、オフ会の誘いを受けた主人公が自分を落ち着かせようとコップに飲み物を注ぐが、動揺が隠しきれずに……というのをコップを巡るあれこれで表現したのが演出として超うまい。コップの三段活用。
 んで、出会ってからはサクサクとエロへと突入。ただ、ヒロインは事前に言ってた通りの行動を出てるだけなので、主人公の「分かっていたのに振り回される」という弱さが余計に出てる。ただ、期待はしてたというのが分かるコンドームのくだりも最高でした。冒頭の場面での “オフパコでもします?” とヒロインが冗談で言った時点で本作のストーリー的な展開は最後まで確定して、そのまま一切の捻りもなく最後まで行くので、意外性とかそういう要素はゼロなんだけど、それでもエロ漫画として好きにならざるを得ないのはやっぱ2人のキャラの魅力ですよね。バックボーンとかを語るわけでもなく、突飛な設定があるわけでもないのに、というのが逆にすごい。
 エロシーン。脱衣に1ページ丸々使って丁寧に描写されてるので泣いた。脱衣シーン好き……。脱ぎのポーズなどのせいでヒロインの顔はむしろ隠して、「目の前の女性がたった今脱いでいる」ということの衝撃を強めた演出も最高。脱衣中の女性の顔を見る余裕など童貞にはない。
 挿入後。年上お姉さんにリードされる(が正常位)という童貞モノの魅力は正統派としてしっかり描かれるんですが、しばらくしてから少し冷静になった主人公が相手のためには何をしたらいいのかと考えを巡らせるのですごい。初体験とは思えない成長ぶり……。そこでの結論が「ここが気持ちいいんだろ」的なプレイ内容に関するものではなく、所在なげにしてるヒロインの右手(実際は両手)を握る、というのが良い。良すぎる。相互コミュニケーションだ……。てか、2周目でようやく気づきましたけど、挿入時にヒロインは右手で枕を強くつまんでるんですよね。手にチカラが入っちゃうのは快感描写として定番ですが、そのままヒロインはすぐに落ち着きを取り戻し年上お姉さんとしてのムーブをする。そのある種の取り繕いに主人公は気づいて右手を握る、という展開がキレイすぎる。てか、初読時にヒロインの右手に気づかなかった読者は童貞以下の観察力ということになってしまう……(私)。
 手もそうだけど、エロシーンにおける主に目の演技が味わい深い。主人公の方は必死なので、2人の視線のやりとりという感じではないんですが、ヒロイン側の心情が常に目に宿ってる。彼女の言動はむしろ「年上お姉さん」を演じようとしてる節もあるんですが、それ故に言外の描写がめっちゃ良いのよ……。
 エピローグ。変身シーンのようにリクルートスーツに着替えるヒロインが相変わらず可愛すぎるし、衣装としても可愛い。からのエロの誘い(冗談)も良いんだよな……。この2人ならいつかマジになってしまうかもしれない、という期待も膨らむ。

『僕の彼女は』西沢みずき

 陰キャでオタクのカップル。彼女も陰キャだが手に負えないほどのどスケベ。エロ漫画思考に染まりすぎてて彼氏とのセックスを「シコる」と言ってるのが嫌すぎるw 理想の彼女なはずなんだけど……というギャップが現れてて最高。いやしかし、マジで恋人相手にシコるとか言ったら振られてもおかしくないレベルの暴言だと思うw(普通のカップルなら)
 そんな陰キャカップルの、性の不一致についての話かと思ったら急展開。クラスのギャルたちにヒロインの魅力が気づかれ、改造される。勝手にメガネ外すなど酷いっちゃ酷いんだけど、自分のことをブスだと卑下してたヒロインが世間的に美を評価され、変貌する、というのは何気に感動的な話とも思う。思うが、ここは西沢作品なので(良い意味で)もっと頭悪く、主人公がチンコに従う話になる。変貌したのはヒロインだけど、その姿を見た主人公が一目惚れすることで、性欲増強、性欲が彼女に追いついてハッピーエンド。超豪腕な展開なんだけど、何気にカップルの成長譚として抑えるべきポイントはしっかり抑えてあって見事なんですよね。異様なほどサクサク話が展開していくし、絶え間なくエロが続くんだけど、起承転結があって通しで読んだ際の満足感がしっかりある。
 マジ特筆すべきだと思うんですが、 “ほら” のコマの、ヒロインがめちゃくちゃ可愛い。チンコをポロンしてヒロインの顔の前に出す定番演出の場面なんですが、ギャル化したヒロインの表情にちょっと陰キャの雰囲気が垣間見える感じもするし、やや下からの角度でヒロインの顔を捉えたのがどうしようもなく可愛い。
 エピローグ。順調にギャル友に気に入られたヒロインの新しい日常を見て主人公が満足げにする。陰キャ同士のカップルの片方が無事社会化をした話でもあるので、ちょっと主人公の手から放れていくような寂しさも予感させるが、逆に言うと彼女の本性を知ってるのは主人公だけなので、エロという強固すぎる繋がりがあれば安心なのでしょう。なので、性欲で負けないようにするしかなく、2人の間でどんどんインフレしていきそうw

『財布を忘れただけなのに』ちょいぴろ

 お漏らし特化ショート。快楽天ビーストで活躍中のちょいぴろ先生、1作目はお漏らしのある作品でしたが、2作目はローションプレイでお漏らしなし、からのweeklyへの出張で完全お漏らしオンリーのショート作品。本当に反動みたいな変遷をたどってて笑う。
 尿意を我慢しながら公園のトイレに駆け込むと、そこではセックスをおっ始めそうなカップルがいて……という最初のイベントが、セックスにお漏らしを持ち込む作風に対して、本作は「おしっこする場所にセックスを持ち込むな」という宣言のようになってたと思う。weeklyもしくはショートならではの自由が感じられてめっちゃ良い企画(作品)だったと思います。
 セックスはないが、その代わりと言えそうなくらいお漏らしに伴う羞恥がめちゃくちゃハードなので少しびっくりしてしまった。容赦と救いがないお漏らしエンド。我慢に次ぐ我慢からの絶望感が最後の一押しになってしまって……というのがリアル。社会的なダメージがちょっとエグいんですが、そこで咄嗟に優しくしてくれたモブ女子が優しすぎて正直ちょっと泣きそうです。
 ひたすらヒロインが走り続ける作品で、だからこそ最後に歩みを止めてしまった絶望感がすごいんですが、全体的にはやはり走り(動き)の描写が気持ちいい。疾走感が最高ってのもあるんですが、単純に「絵 うまっ!」って迫力がすごい。特に1ページ目。まさしくロケットスタートという感じ。走り続けて、特にセリフに頼るような話でもないので、ちょっと短編アニメとかそういうものも想像してしまった。別に実写でもいいけど、MVとかであったら傑作になりそうな雰囲気。いや、ラストがガチお漏らしなので出来るわけないんだけど。


 終わり。最高の新人デビュー作、信頼と実績の西沢先生、オモシロ短編、と今号は年間を通じても指折りの傑作号になったのではないでしょうか。号別に評価するのもナンセンスだとは思いますが。
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