北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.31の感想

 残暑という概念、壊れてますよね。
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「表紙」百済児廿日

 文学少女という感じでしょうか。髪も長く、衣服でほぼ覆われていて守備力高め……と思ったら初回から何かがかけられてるのでビビったw
 あとはメガネなのも嬉しい(かけられて外してる)。ストラップ付きというのも珍しくて良いなぁ。ガチ感があるし、オシャレでもある。

『最後の部室』橙織ゆぶね

 娯楽研究部最後の日。新入部員が入らなかったため、主人公(3年)の卒業を期にヒロイン(後輩で部長)を残して廃部。要するにアナログゲーム部という感じなんですが、1人じゃ成立しない活動という悲哀が加わるのが良い。文学部とかだったら独りになっても読書続けられるけど、娯楽研究部だとそうもいかない。
 ヒロインが主人公に対して「こうすればモテる」と言う場面で「テセウスの先輩」という言葉が出てきて、個人的にめっちゃ好き。何を入れ替えても先輩のことが好き、という気持ちの現れとも勘ぐれるし、もしくは部員の入れ替えが行えなかった部活との意地悪な対比とも読みとれそう(考えすぎだけど)。エロとかエロの予感描写とは別に、2人の生き生きとしたやりとりが描かれ、2人のキャラクターが立体的に、そして解像度が上がっていくこの序盤パート、良いよね。
 あと細かいところだと、ヒロインが送別会の準備のために退室し、独り残された主人公が “これ実は全部ウソであいつ もう帰ってたらどうしよう” とかウジウジしちゃうのとか超好き。陰キャの発想なんですが、正直めっちゃ分かる……。待ち合わせでめっちゃ不安になって、相手が来るとめっちゃ喜ぶけど恥ずかしいからそれを隠しちゃう。
 送別会。買い出しはヒロインが1人で行ったんですが、その際いつもジャージ姿の彼女が制服に着替え、さらにはコンビニで飲食物以外にコンドームも買ってきていて……というがもう最高。準備してきたのが感じられてニヤニヤしてしまう。コンビニでゴム買うときに緊張したけど頑張ったんだろうなぁ、とか。
 序盤の日常パートで丁寧にキャラクターとドラマを描いたんだけど、いざセックスが始まると特に気の利いた会話はできなくなるし、セックスの際に告白しちゃうようなこともない。意外なほど何もなく終わってしまい、ラストの寂しさとそれ故の思い出の美しさが印象的。皆まで言わすな、という2人の関係性が良いし、それまでの蓄積があるからこそセックス時に分かりやすいドラマ要素を入れなくても2人の感情の爆発が伝わってくる。
 準備万端なヒロインと、面食らいつつも進む主人公との間に心の準備の違いが描かれてるのも良いですよね。ヒロインに比べると主人公はやや慎重すぎるというか、いちいち確認したり逃げ道用意しようとしちゃったりする。その姿勢が2度目の挿入の頃には解消される。分かりやすいドラマの変化はないけど、こういう細かいキャラクター描写の変遷はバッチリなのでこれまた味わい深い。

『××××禁止条例』ガッツ師範

 どこからか逃亡し、その際のショックで記憶を失った主人公と、彼を助けた少女。ミステリー的な導入と、伏せ字タイトルで興味を引かれるんですが、最初「どうせセックス禁止条例でしょう?」と思ったんですが、違った。よく考えたらガッツ先生で4文字って言ったらアレしかないわなw
 閉鎖的な学園と、2人には男女という概念がない? などとミステリーかつSF的な設定になってて正直めちゃくちゃ面白い。SFというかディストピアSFですね。さらには、何も知らない2人の蜜月という意味ではエデンの園みたいな印象も受ける。無知な男女というシチュエーションだとショタロリの設定が一般的だと思うけど、本作だと主人公はしっかりした体つきなのに無知、というのが独特で面白い。異常さも感じるけど、ピュアさがより際立つ。
 「何も起こらないはずもなく」という感じで始まってしまうんですが、始まった際に主人公がアレ(例の4文字)を見ることで逃亡する直前の記憶がよみがえる、というドラマ的な盛り上がりを見せるのが最高。エロの高揚とドラマの盛り上がり、そして主人公(だけ)の感情の高ぶりが合致。主人公は逃亡する前に知ってしまったけど、ヒロインはまだ何も知らないというアンバランスな関係になるのが背徳的。そしてセックスが行われることで彼が知った禁止された知識はヒロインへと伝播してしまって……という取り返しのつかなさが超ドラマチック。やっぱアダムとイブの話でしたね。
 エピローグ。主人公は捕まるが、ヒロインは何も知らないと庇い、彼のみが捕まる。2人が別れることになってバッドエンドのようにも見えるけど、ヒロインが知ってしまったことは野放しなので、この学園はここから徐々に破滅へと向かっていき、その果てには主人公が解放されることになるかもしれない……とどこか希望も感じるラストになってたと思います。自分で書いてて「エロ漫画の感想って何だっけ?」となりつつあります。

『エロッチぃ日常』エロッチ

 #33「露出美少女、現る!⑥」。いつもの2人なんですが、今回はまさかの塾。夏期講習の特別講師として例の露出狂が現れる。いつもの全裸ロングコートから一変、女教師の格好してるのがギャップも含め良すぎる。あまりにも良すぎる。
 普通に授業は行われるが、今までのことを知ってる主人公は妄想が止まらなくて……と妄想の中でエロが描かれるだけで本話は終了。まさかの構成であった。ここに来てシリーズとして大きすぎる変化。妄想の中では彼がめっちゃ主体的に動いてるってのもシリーズを踏まえると味わい深いですね。すっかり染まってしまった……。そんなエロはあくまでも妄想の中、しかもほぼ1ページのみなので、再び女教師の姿をした露出狂が現れてエンド。やっぱこの格好も素敵だ……となったところで次回への予告とも取れる話になってエンド。めっちゃ楽しみですね。そして、改めて1ページ目、ヒロイン登場時のキラキラ感めっちゃ好き。あまりに良すぎる。


 終わり。露出狂が服を着るとめっちゃエロい、というのが世紀の大発見でした。シリーズとして地道に続けてきたからこその爆発力もあるが。
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