北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.42の感想

 部屋のヒーターがよわよわなので、入れてから部屋が暖まるまでの時間が長い。快適になった頃には部屋を出る用事が発生する時間で……などと不毛。
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『ヒロインの条件』メリサン

 演劇部にて突如主演に抜擢された陰キャ陰キャの象徴としてヒロインはメガネをしてるんですが、「垢抜ける」の一環としてコンタクトデビュー。一部の人から文句言われそうな感じですが、本編の1ページ目は舞台上の場面なので既にメガネ外してるんですよね。ただメガネを外す話にはせずに、元々外した状態から物語が始まる。一部のメガネ原理主義者への配慮を感じる……。個人的にはメガネ好きだけど、変化の儀式として外すのは全然アリというか、レーシック手術したわけでもないからこの子も自宅ではメガネで過ごすんだよな、とか選択肢が膨らむので好きです。あと、舞台上だと証明が反射するのでメガネは不向きですね。視力矯正した状態で舞台あがった方がいいと思うので、今回の判断は正しいと思う(無駄に長いメガネ考察終わり)。
 屋上にて、元々主演と目されていた矢口と副部長のセックスを目撃してしまい……と主人公たちにもエロが始まるんですが、矢口さんが主演下ろされたのってこの練習サボってセックスしてたことが原因だろうか。部長は知っててみんなに明かすのは配慮したが、そのためモブ部員たちからは部長のゴリ押しのように思われてる、みたいな。
 当てられた2人の屋上でのセックス。プレイ内容は簡素ながら緊張感とヒロインの陰キャらしさが感じられてかなり魅力的。2人とも不慣れということもあり、イチャイチャ感とかコミュニケーション感は全然ないんだけど、それが逆にリアルというか、「とにかくすごかった」と当人の中ですべてが変わってしまった感がある。
 からの文化祭へのカウントダウンと共にモンタージュでヒロインの変身(脱陰キャ)計画と輝き出す部活、そして毎日のように繰り返されるセックスという場面が最高。圧巻というか、「本作はこれがやりたかったのか!」と感じてしまうような迫力。充実する生活とエロのギャップが良いんだけど、それと同時に少しだけ「変わってしまう」みたいなニュアンスも漂ってたような気もする。主人公(男の方)がどこまで陰キャかは分かりませんが、ヒロインだ輝き出して牛蒡抜きしていく感じにどこか切なさみたいなものがある気がするんですよね。初めてセックスした頃はまだ2人だけの秘密で、彼女の魅力を知ってるのは主人公だけだったのが、今となっては磨けば光る原石というのがどんどん周知されていって。いや、別にそこまで暗い結末にはならないんですが、最後まで陰キャマインドみたいなものが主人公に残ってるような気がして、そこらへんの味わい深さも本作の魅力だったと思います。

『デートに出かけただけなのに』ちょいぴろ

 おもらしショート、まさかのシリーズ化。ということで第2弾。たしかに前作最高でしたけど、まさかこんな展開が待っていたとは。
 前作は躍動感溢れるヒロインの独り相撲っぷりが魅力的だったんですが、対照的に今回は車という閉鎖空間。そして彼氏との対話。動けないからこそのヒロインの表情の振れ幅、そしてどう見ても裏の意図がある彼氏とのやりとりが楽しい。小ネタの数も異様に豊富でカーステとかマジ笑ったんですが、シリーズ化するってのにこの密度でやるのか? とちょっとビビった。6ページとは思えない充実度があるし、展開の面白さとクライマックスでの放出による盛り上がり感が最高。漫画としての、ヒロインのキャラクターとしての魅力がマジで圧巻のレベルなんですよね。セックスはまったくしないエロ漫画(矛盾)という感じ。車のシートに座ったままなので、放出の際の体位にセックスっぽさがあった気もする。
 てか、この2人、いわゆるエロ漫画的な関係にはまだ至ってないと思うんですが、それでここまで追いつめる彼氏が猛者すぎるなw セックスも済ませてもう何見せても恥ずかしくない、くらいの関係だったらまだしも。2人の今後が心配になってしまう……。

エロマンガアカデミー」

 #53。長瀬徹先生による「過去の自分をキャラにする」。また特殊すぎる作家の特殊すぎるテーマだ。私は元々読み専なのでこのコーナーに「役に立つ」というタイプの面白さはないんですが、今回は直接役に立つ作家ほとんどいないだろうってレベル。ただし、その特殊さ故に話としてはめちゃくちゃ面白い。
 自分を漫画のキャラに落とし込むという究極の客観視みたいな話も面白かったんですが、それと同時に男性視点でエピソードを再構築しないと(男性向け)エロ漫画にはならない、というのも言われてみれば当たり前なんだけど、言われるまで考えたこともなかったややこしさで面白い。ただ素敵な思い出として反芻すればいいって話じゃないあたり、めちゃくちゃ変なアプローチをしてるのに気づけば漫画家としての本分みたいなものが浮かび上がってくるようでもある。


 終わり。気づけばもう1月半で今年が終わるという事実。恐ろしすぎる。絶望。
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