北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.25の感想

 weeklyが4周年ということで1枠復活掲載になるみたいですね。去年もありましたが、これは実質編集部が選ぶ「weekly快楽天の代表作」なので興味深いです。
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「表紙」右端

 インタビューからの表紙。なるほど、こういう順番もあるのか……(単にスケジュールの問題だろうけど)。
 先にインタビューだったのですが、そちらの扉(?)イラストはビーストでの近作のキャラで、今度の表紙イラストはもうちょっと前の。好きなキャラ(作品)なので嬉しい。イラストも夏感マシマシで良いですな。暑さの中の涼しさがある。

『落花と獣』ちりぬいろは

 カウンセラーとして担当した子と。カウンセラーという設定が珍しくてのっけから引き込まれたんですが、徐々に(割とすぐに)イヤな予感しかしなくなるので泣いちゃった。思えば、ちりぬ先生は前作も強烈で、叙述トリックというか、「実はクズ(もしくは犯罪者)」である男性主人公だったんですよね。その心理を丁寧に描きつつ、その認知の歪みを鮮明にしていく語り口が迫力ありすぎて怖いw もちろん引き込まれるし、ずるずるとエロの世界へと落ちていく(主人公は落とされてる認識)過程が丁寧でそこにこそ見所がある。前作は「実は○○」という点に重きを置いた作品なので、時系列としてはヒロインが堕ちたあとの話だったんですが、本作はヒロインが堕ちるまで、なぜ堕ちることになったのか(なぜ狙われたのか)の部分を主人公側の心理に寄り添って描く。なので怖くて泣いちゃうw
 彼女があまりに可哀想で……となるんだけど、この可哀想こそ可愛い、となるのが本作の恐ろしさでもある。可哀想でこちらのことを信じて頼ってくる姿が可愛くもあり、「誘惑してんのか」となってしまう主人公の怖さw 被害者のようにキレてるのがヤバいし、ヤバい言動を取り出す人間の心理としてリアル。カウンセラーならではの距離感とか、心を開示してもらったときの感動とか、普通に読んでてこちらもグッときちゃうんだけど、この感動する際に主人公があまりにとんでもない方向へと踏み出す。彼の言い分はまったく理解できないとは言わないけど、明らかに間違えちゃいけない方にズレちゃってるのがね、妙にリアルなんですよね……。
 本作の名シーンはやっぱ前述の “そういう所だろうが” だと思うんですが、そこから先の数ページは2人の顔がコマの外に見切れるような構図が連続して、これが不安を誘うんですね。主人公の理性がぶっ飛んじゃってる感覚を読者にも味わわせる仕掛けとしても効果的だったと思うし、その一連の顔が隠れる演出の最後に “ねえ… その顔やめて あの人たちみたいだよ” というヒロインのセリフで着地し、そこからエロパート開始、という流れは絶品であった。ホラー(サスペンス)演出からのエロパートのスタートダッシュというのが最高。いや、最悪なんですがw

『まるだし』かるま龍狼

 かるま先生はこないだの快楽天本誌での作品がマジで大傑作だったので是非とも読んでください。まぁ、weeklyだけ読んで本誌読んでない人なんて存在しないだろうけど。
 おっぱいまるだしの妻と、チンポまるだしの夫。暑い夜に妻がムラッときてしまって……という4ページのショート漫画で、割とシンプルな話に思えるんですが、最後に出てくるオチと、読み返した際に気づく無数の「まるだし」。これがすごい。
 まずオチ。まるだしになった声が聞こえてしまった隣人のオナニーで終わるんですが、ちょっとこれは読者のメタファーに思えなくもない。カップルの営みを第三者視点で覗き見してシコシコ。まぁ、そんなことは考えなくてもたった1コマで急激に落ちる切れ味が楽しいのは間違いない。
 無数のまるだし。劇中で明確に「まるだし」と表記されるものだと、「オッパイまるだし」「チンポまるだし」「スケベまるだし」、そしてオチの「声まるだし」。フェラの場面では白抜き修正ながら皮を剥く描写があるので、これも「まるだし」としてカウントできると思う。極めつけは夫婦の最後の場面におけるヒロインの “膣内に○出ししてぇ…!” 。わざわざ「○出し」にしてるのがうますぎるw


 終わり。本誌の感想も終わったばかりなので、お時間あったら読んでみてね。
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