北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2023 No.09の感想

 さすがに冬が終わりそうな雰囲気になってきてありがたいんですが、花粉が酷くて普通に死ぬんですよね。こうしてブログ書いていられるのも「今日は無事だった……」という感じでして。
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『ふたごとひめごと』すずのもく

 制服的に過去の多くの作品と同じ学校が舞台だと予想してたんですが、学校外の場面が多くて意外。まぁ、よく考えたら別に当たり前の話か。それに本作の場合だと、学校での友人関係を見せておきながら、自宅でのエロをやることで「ひめごと」感がより出てたと思います。とにかく勢いが良くてサクサクとエロに発展するんだけど、同時に学校での日常も魅力的というか、友人たちのキャラが妙に濃い。童貞トライブとかチーム名付けちゃってるのが微笑ましいし、何より主人公の「勃起時間」を友人たちを把握してる、それも目の前で見たことがあるような口振りなので笑う。一緒にエロ漫画とかエロ動画を観たときに主人公が豹変しちゃったんですかねw
 そんな「勃起時間」。双子から求愛される話かと思ってたら主人公側にとんでもない設定盛り込まれてるので笑う。ドスケベ双子に同時に攻められても負けない(けど童貞)、とするための設定なんですかね。スイッチが勃起のごとく「バチーンッ」と入った場面で「思ってた漫画と違う!」とワクワクしてしまった。
 勃起時間で攻守逆転してからの、中盤、3人が日常的にセックスしてる場面がすごく好き。勃起時間の乱暴さはありつつ、ある程度折り合いを付けてエンジョイしてる感じが良いんですよね。ヒロインが2人いることのとっかえひっかえ感も充実してて、この部分だけ抽出して読切にしても全然満足できたレベル。
 最初が主人公宅、中盤が学校と主人公宅、そしてクライマックスは子作りの覚悟を決めてヒロイン宅。あまりに立派な日本家屋なんですが、ここだけ薄暗い雰囲気なんですよね。主人公宅と比べると明らかに光量が足りてない。薄暗い中、3人が怪しげな儀式を行う、みたいな感じがして違ったエロさがありました。タイトルにもある「ひめごと」感。ただ、秘め事にしてはあまりに激しく、声も上げまくり。あくまでも学校生活に対しての秘め事であり、ヒロインのご実家的にはすべて理解をいただいてるので安心w

『五畳半の逢瀬』ちりぬいろは

 仕事に忙殺され、始発で家に帰ると同棲してる彼女。彼女の方が依存度高めで、主人公は支配度高めでエロも含め一方的な関係……程度に思ってたら最後にすごいオチがつくので驚いた。たしかに、「少し様子がおかしい」レベルの違和感だったら初読時にもあったんだよなぁ。それぞれの情報は「アブノーマルな関係」くらいの認識で読み過ごせてしまうレベルだから巧妙。最後に事実が明かされてから読み返すと、その一つ一つの情報が「この時点でもうアウトじゃん」って思えるから面白い。特にエロ漫画だとこういうある種の共依存の側面も含んだSM関係のカップルってちょくちょく出てくるからなぁ。
 主人公も不気味だったけど、そんな彼に依存してるヒロインの方も結構ヤバめ……とか最初は思ってしまったのが本当にアレですねw 蓋を開けてみれば洗脳もしくはスコットホルム症候群的な状態であったと。タイトルもオチを知ったあとだと印象がガラリと変わるので最高ですね。
 主人公の動機としてはおそらく(当時の)現状への不満やストレスだと思うんですが、本作がすごい後味悪いのは、今もそれが全然変わってない点。 “まだコイツでちゃんと勃つんだな…” のセリフとか怖すぎて泣いちゃうw 初読時はマンネリカップルとかそういう意味だと思ってたけど、絶望感の強いセリフであった。写真を売ってるらしいですが、彼女で満たすのが性欲だけじゃなくて金銭欲になったことの現れですよね。挙げ句 “気楽なお前が羨ましいよホント” とか言い出す始末なので救いがないというか、クズさの底が抜けてる感じ。ラスト、事実が明らかになる場面で、スーパーの安くなった肉を選びながら終わるのも意味深で不気味でしたね。ネタバラシのネタ自体も面白いんだけど、ネタバラシの方法も気が利いてる。


 終わり。快楽天本誌の感想の方は進みが遅いです。困った。
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