北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.41の感想

 快楽天本誌の感想、めっちゃ早く更新できたので偉い。
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『同居生活異常アリ!』角煮煮

 前編。親の結婚で義兄妹になった2人が気まずい。角煮煮先生の新作が普通だ、定番の義兄妹モノだ、しかも日常パートの会話劇とか普通に面白くて意外……とか思ってたら催眠で物語が進み出すので読んでてニッコリ。謎の安心感がある。とはいえ、この設定に催眠をぶっ込むのは面白かったし、気まずいけど何とかしたい2人が一緒にテレビを観るとそこで催眠ショーという流れはめちゃくちゃ自然。起承転結というか、じっくりとドラマと重ねていく助走がちゃんとしててとても新鮮。
 兄貴が悪意100%の人ではなく、催眠の、それも事故的な結果として2人の間にエロが発生してしまい、「好きにしていいんですよ?」という悪魔の囁きによって一線を越えてしまう。やっぱここらへんの丁寧さというか、機微みたいなものが前シリーズとの大きな違いじゃないですかね。
 前シリーズと同様に良かった点としては、あくまでも意識は残った上で認識が上書きされるタイプの催眠なので、いつもの妹なんだけど……という部分がしっかり描かれる。 “変なことをしても笑って許してくれる” というルール設定が絶妙。こういうのが一番理想的な状況かもな……と思ってしまうほどの魅力を感じる。 “変なこと=エロいこと” と認識されたのは兄貴がそう思われてるから、と細かいロジックを積み重ねていくあたりも個人的にはすごい好き。設定の上に論理的に組み立てていく感じが、巨大なウソと小さなリアリティのバランスとして絶妙なんですよね。

『都合の良いヒト』比比山よきかな

 クラスの卑屈で地味女子のオナニーを目撃してからセフレ関係が始まる。顔が半分ほど黒髪で隠れてるのが地味感でもあり、怪しげなファムファタール感にもなってて好きです。彼女は被虐を望んでるのでセックスの内容自体はそういうものになるけど、2人の関係性を俯瞰するとどう考えても彼女の方が強いですよね。その捻れというかキャラクターとしての深みが良い。
 時制がなかなか変則的で、冒頭に今、すぐに2人の関係の始まりである過去を描き、今に直結する少し過去、そのままの流れで今の先へ進む。この「少し過去」である日常パートが最高。エロではないんだけど、この場面があることでその後のエロの味わいが爆発的に増す。物語としてエロを楽しむことの醍醐味とも言えそう。ひょんなことからエロのない状況でただのクラスメイトとしてコミュニケーションを取ったら思いの外うまく進み、あまりにうまく行ったせいで主人公の中にセフレでは済まない感情が生まれる。そこで我慢できなくなったとエロの誘いを目の前にいるのにスマホでするのが超エロいんですが、オチを考えたらこの一手が主人公としては大失敗というか、「そこがいけなかったんだよ」と言いたくなってしまう。気持ちの入った状態でのセックスはいつもよりも遙かに気持ちよくて主人公としては気持ちに確信を抱くんだけど、ヒロイン側としては最高のセックスを味わえたという満足感でしかなくて……というすれ違いが切ねぇぇ~。中出し直後にキスしようとしたけど、というキャンセルが最高でしたね。あのセリフ、本番中に言われてたら中折れしちゃってたかもしれないw

エロマンガアカデミー」

 27限目、エロッチ先生による「ショートマンガの作り方」。
 ワンテーマかつワンプレイみたいな内容なので、思いつきがダイレクトに作品になってるとか漠然と思ってたんですが、マーケティング的な方法を採ってるというのには驚きました。量産体制の説得力。そこから最短でエロに持って行くテクニックみたいな話に繋がるのも面白かったというか、プロとしてのすごさを感じる。蓄積された経験の強さですね。4ページと短いからこそ漫画作りの最も基本的な部分が抽出されてるような話になってたように思います。まぁ、エロなので “男か女がイってればそれがオチになる” というのには笑いました。納得しかないw たしかに言われてみれば通常のエロ漫画は「イって終わり」にはならないですよね。強引に話をまとめようとして独自のオモシロが発生してるパターンもありますけど。


 終わり。前も書いたけど、他誌に載ってるweeklyの広告を見ると今月登板する作家の一覧が確認できる。という事実が今更ながら衝撃です。もうweekly始まって何年目だよ、という今更感。予定通りならば、アレの続きが読めますね。たぶん。
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