北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.42の感想

 日曜の24時前に更新できた(ギリ)ので偉い。
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『ひずみ』すがる春

 ゲームで7年の付き合いがある人とオフ会で会ったら可愛い。可愛いが可愛すぎて怪しい、という主人公の視点が面白すぎる。オフ会したら実はヤバい女だったとか、実はヤバい男だったという話は割とよくあるし、本作は男がヤバいんだけど、ヤバさの方向性が予想外すぎる。勝手すぎるルサンチマンをこじらせた男、というのが分類としては近いだろうか。エロ漫画にはいろんなクズが出てくるけど、このクズ像は新しかった。勝手すぎる被害者意識からの逆ギレでエロに突き進むんだけど、そもそも彼女からエロの予感がしたからキレてたんじゃないのかよ、という矛盾。こじらせすぎた心理が無茶苦茶なんだけど、どこか「こういう人いるよね」と納得してしまう部分もある。ここまで極端な人はいなくてもそういう方向の人をデフォルメしたら本作の主人公になるというか。
 主人公がそのこじれすぎたクズ、というのが漫画の進行として面白い。信頼できない語り手の変化球というか、認識がおかしすぎて「なんでそうなるの」という絶望が連続するw ヒロインのキャラクターだけを考えたらいくらでも良い話になるじゃないですか。むしろならない方がおかしいんだけど、彼女の好意がすべて悪い方に転がっていくというか、悪いように解釈されてしまう。もはやすれ違いコントみたいな域なんですが、明らかに間違ってるのは主人公で、読者はその心理を丁寧に見せつけられるという不思議な読書体験。レイピスト視点の作品自体は珍しくないかもしれないけど、本作はそれともまたひと味違うんだよなぁ。自ら狩りに行くようなタイプじゃないというところに独特な不気味さがある。人と人は絶対に分かり合えないこともある、という冷酷な現実を突きつけられるような作品w

『長瀬徹(♀)のエロマンガ的な生活』長瀬徹

 「おしごと編」。毎回そうなんだけど、本シリーズはコンセプトが特殊すぎることもあって、最初のタイトルが出る時点でちょっと笑ってしまうというか、出オチにも近い衝撃がある。「そこまで行っちゃうんかい」みたいな。
 ということでお仕事。デリヘル、それもSM。普通のエロ漫画として考えると、意外なほどSMの場面がなくて驚くんですが、実体験(体裁)というフィルターがかかると「エピソードとして面白かった人はそれほどSMを求めてこなかった」というリアリティのような印象に繋がる。本作の主眼はSMではなく、禁止されてる本番に至る流れであり、その客。
 客の圧に負けて流されてしまう話からの、最後は自ら……という展開がちゃんと漫画として面白い。体験談らしさとして面白い部分と、フィクションと割り切った漫画としての面白さが混在してて、読みながら頭がクラクラしてくるような感覚が相変わらず独特すぎて好き。エモみのある語りになって「良い話だったのかな……?」と錯覚しそうになる感じも最高。漫画としての技巧に騙される快感というか。さっきまでドエロだったのに、というギャップ。

『きょうのふろく』れゐぢ

 第14回。最初の「最低だった青春を…取り戻す方法」は、学生時代のイジ○をデリでリベンジする話……と思ったら予想外の心理戦になるので笑った。ヒロインの繰り出す一手が鮮やかすぎるので笑うと同時に感心してしまった。絶対ウソだと確信してるのにウソだと一蹴できない男側の情けなさが可愛くもあるんだけど、ヒロインはそのことも織込み済みなんだろうなw 引き分けという形の痛み分けだったけど、何ならこのまま仲良くなれそうな気もしてしまう。
 「せんせいとぼく」。おねショタで、順調に進行するし、軽いエロも発生するんだけど、2人ともそれぞれがちょっとだけズレてる。基本的には先生側が暴走気味でおかしなことになる。最高のおねショタじゃん! と鼻息荒くなるんですが、大事なところでディスコミュニケーションなので笑ってしまう。
 「淫魔は俺の大切な…」。召喚したサキュバスが予想外にロリだったので理想のサキュバスに育て上げる、という光源氏計画みたいな話なんですが、そのオチが至極全うというか、「そりゃそうだよなぁ!」と納得しかなくて笑った。エロくて笑えて良い話、という本連載の真骨頂みたいなネタで超好き。ヒロイン側がやりたがるのはサキュバスとしての使命感なのか、それとも……みたいな奥行きも感じてしまう。


 終わり。来週の表紙はたぶんあの人だと思う(外すと恥ずかしいので書かないチキン)。
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