北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2021年12月号の感想

 次号もそうなんですが、初表紙というのは雑誌を追ってる身からするとアガりますね。次次号は年末で特別感出してくるだろうから大物の起用になるのかな。
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『先輩のスイッチ』Reco

 フルカラー3ページで、後日譚が1ページ。そして表紙。会社の先輩と混浴露天風呂。背景に紅葉があったりしてカラー漫画らしい眼福度。全編裸体なんですが、本編外だと部屋での浴衣姿も見れるので非常においしい。表紙だと大きめのリボンしてたりしてそれぞれに良さがある。リボンがちゃんと和装に合わせたデザインになってたりしてすげぇ可愛い。そして、普段の仕事中は大人しめの格好なんですが、そこではメガネ。浴衣にメガネも見たい……けど仕事中だけメガネというのも悪くないですね。もしくは寝起きのときだけメガネとか。

『六月の雨の夜に』きい

 きい先生の新作がたっぷり30ページ。今号の目玉感ある。「待望の新作!」と期待混じりに蓋を開けたらカンナちゃんが可愛すぎるので死んだw 当然ですが、直接エロとは関係がないカンナちゃんの描写が精細すぎるし、キャラ立ちまくり。子供の言動、演技が秀逸すぎませんか。ワガママすぎて大人としては少し困ってしまう部分も描いててリアルだし、それをひっくるめてすべて許せちゃうし、愛せちゃう魅力がすごい。ヤバいよ、カンナちゃん稀代の名キャラだよ。単行本の表紙飾ってもおかしくないレベル(あり得ないけど)。「カンナちゃんに懐かれてぇええ!!」とエロとは違う欲望がむくむくと湧いてしまった。
 そんなカンナちゃんがエロパートと無縁ではあるものの、物語的には連結してくる。カンナちゃんを中心に物語が進み、カンナちゃんを通じて2人は交流するんだけど、夜になり、カンナちゃんが寝ることで初めて2人きりになる。そして……とシームレスにエロパートへと突入していく。その緊張感が素晴らしい。ちなみに、キッカケとなった股間へのキックはテレビ番組の真似なんですが、その番組の主人公カイラちゃんは快楽天ちゃん風ですね。変身した姿までしっかり描かれてるのが細かい。情報量が多い。
 からのエロパート突入。それまで基本直角だったコマ割りが斜めになることで主人公の動揺を表して、頭がクラクラして冷静にものを考えられない状態のまま貪るようにのめり込んでいく。カンナちゃんパートがエロとは無縁の世界でしたので(多少意識するような場面はある)、それとギャップもあってめちゃくちゃエロい。雨の降る夜、2人だけの世界に入り込んで……という感じが最高。
 一応本作の主人公は男の方だと思うんですが、彼の心情を直接示すような描写、セリフはかなり少なくて、ヒロイン視点の物語のようにも思える。家に上がることになって意識するのはむしろヒロインの方、みたいな描写もありましたよね。男の風呂上がりを見てドキッとする場面とか静かながら印象的でした。そして、そんなことは知らないカンナちゃんが “ひなとまだー?” と聞いてくるのが可愛いんだよなぁぁ!! 2人の間にちょっと色っぽい雰囲気が流れたのにカンナちゃんは「風呂=遊べない時間」という認識なのが可愛い。そんなに待ちこがれてくれてるのが愛おしい……。ワシも風呂上がりに「まだー?」と待たれたい人生じゃった……。

『再会つづり』ごさいじ

 文学オタクとギャル。その2人の再会。主人公の根暗なんだけど、根明ギャルに対して臆することなく全力で嫌味を言っていくスタンス、良いよね。こじれて性格悪いって話でもあるんだけど、そんなひねくれ者なのにヒロインのことが大好きなのが全編を通じて伝わってくる。根明ギャル感も最高に魅力的だし、「オタクに優しいギャル」にそれほど違和感がないバランスに仕上がってるのも秀逸だったと思います。こういう交流ならあるかもしれない……と夢を見れる。
 学生時代は主人公がメガネなんだけど、現在はヒロインの方がメガネ(胸元にぶら下げてるだけですが)。主人公の脱オタクを感じさせる変化も良いし、ヒロインがオシャレ小物としてメガネを持っていたのはまさか……と勘ぐってしまう。そして、エロパートが終盤に差し掛かるとヒロインが再びメガネを押しつけてきて、学生の頃を思い出しながらのセックス。こんなん激アツですやん。終盤にメガネが出てくるという構成もめちゃくちゃ珍しくて最高。ヒロインのメガネをかけるというシチュエーションもエロいなぁ。おそらく度ナシなのでしょうね。度アリだと頭痛くなっちゃうw
 2人の出会いのキッカケである、ヒロインの無茶な本のリクエスト。死んだり事故がなく、浮気も不倫もなくて、最後は衝撃の展開。それを追い求める2人の話なんですが、本作自体がその条件を満たしてるんですよね。気が利いてる。まぁ、エロ漫画なので死んだりすることは少ないけど、それでもちゃんと衝撃的なラストを持ってきてるのが見事すぎる。しかも、自分で小説を書くとそれは恋文になる、と前半で提示してるのがまた良いんですよね。つまり、ヒロインが書き上げた小説は……。
 2人とも小説を書いたんですが、それを発表できないのが隠キャ、発表できるのが陽キャ。という身も蓋もない対比も面白かったです。さすがに主人公が破り捨てた小説は現存してないけど、「実はあのとき俺も書いてたんだ」といつか伝えられるようになるのかもしれない、という余韻も感じる。

『路地裏のふたり』スミヤ

 ラブホ街に住む主人公。めちゃくちゃ面白い設定だ。これだけでシリーズできそうなレベル。
 話としては、ラブホ街に同じ学校の制服を見かけてしまい……。ここで面白いのが、主人公(男)は見かけたことで結果的に立場が弱くなるんですよね。普通弱みを握るみたいな感じで強くなるじゃないですか。本作は逆。見かけて心をかき乱され、日常の学校生活にも支障が出てくる。からの彼女がラブホ前で警察に捕まりそうになってしまい……助ける。この主人公はあくまでも善意に従って動いているのに、気づいてることに気づかれてしまう。気づいたし、助けたのに、そのことによってヒロインに主導権を握られることになる。この逆転が面白い。ヒロインの強キャラ感、それに振り回される主人公の純情ぶりが良い。
 ヒロインの意外性、表面上は真面目な委員長という記号としてメガネがあるのがまた良いのよ。今号はメガネが多くて嬉しいし、割とどの作品もメガネの持つ意味が似通ってますよね。非常に助かる。
 ドラマ的に最高なのはセックスを通じて彼女のことをより深く知ることになり、「ほっとけない」の極みになったところで救いの手……が届かない。ぎゃああ、つらい。つらいけど、めちゃくちゃ面白いw 関わるはずのない2人が出会う良さが前半にはあったんですが、最後は出会えたのに関われないようになって終わる。ヒロインの二面性が本作の魅力で、彼女の別の顔を知ったからこそ助けられると思ったら、その2つの顔は今後も分離したまま終わる。ヒロインが嘘をついて、それを最後まで突き通してくれればまだ楽なんだけど、最後の最後に涙を流すのがね……。

『セレブ in 大衆浴場』おりひか

 再生数に悩みを抱えたお嬢様チューバーが銭湯に突撃。お嬢様のキャラも相当濃いんですが、それに負けないほどに執事の瀬場のキャラ立ってるのが最高。直接エロには関わらないのにあそこまでの名キャラ、もったいなさすら感じる。が、それこそが魅力とも言える。
 エロの相手は銭湯の客たち。彼らは何も知らないんですが、知らないからこそAV撮影と誤解する。この誤解までの流れ、誤解のロジックが完璧なので笑った。客同士でこそこそ相談してるくだりとか最高だわ。あの葛藤しつつも納得に至る感じが妙にリアルw
 ということで、吹っ切れた客たちによる攻め。セクシーハプニング止まりを期待してるヒロインと、AV撮影と誤解してる客たち。このギャップがそのまま逆転のような展開に至る。さっきまで困惑してたオッサンが突然ノリノリで “最近の若い子はスタイルが良いね〰” とか言い出すのが最高。彼らはAVとして、AVっぽい言動をしてるだけなんだけど、AVなんて知らないヒロインとしてはオッサンが突然キモいこと言い出したとして見えないw 最近おじさん構文的なネタはちょくちょく見かけるようになりましたけど、AV的な嘘臭い言い回しを扱ったのが面白い。それも劇中の人物がAV的なものを「演じてる」のが味噌ですよね。ただのエロ親父による暴走ではない。理性が働いた状態でAVとして最高のパフォーマンスをしようとした結果。その嘘臭さがギャグでもあり、オッサンがめちゃくちゃエロいことをすることの説得力にもなってて見事でした。

『この熱が冷めないうちに』潮汐きよし

 女の子同士の他愛ない会話から始まる……んだけど、ヒロインのチョーカーが首輪にしか見えなくて不穏。
 そんな日常シーンとエロパートのギャップが魅力なんですが、その日常パートに出てきた女友達がただの踏み台にするにはもったいないほどに素敵。ただの踏み台的な扱いなのが信じられないレベル。ヒロインは割と幼い印象があって、だからこその危うさなんですが、女友達の方はそれとは対照的にかなり大人っぽいですよね。そんな2人の関係性が本当に良い。
 からのエロパート。想像以上にドエロだった驚きもあるし、日常パートでも着てた服に下に実は……という衝撃も良い。彼氏が誤解を元にかなり強めに攻めてくるんだけど、その誤解は誕生日サプライズを隠そうとしてるから生じてるのでヒロインに落ち度はなく、彼女は悪くないんだけど、だからと言って彼女が報われるような話にはならない。いや、強烈な責めがある種のご褒美だから報われてるとも言えるんですが。
 最後の最後に誤解はとけるんだけど、それは男1人で勝手に気づく。謝るとかはないんだけど、結構マジで嫉妬してた様子なので彼は彼なりに彼女のこと大好きじゃん、と伝わってくるのが良い。意外と可愛い奴なのかもしれない……(束縛は強すぎるのでヤバさもあるw)

『オナサポ生Live』うぱ西

 お気に入りのエロ系Vライバーの正体が妹。グッズの郵送先が自宅なのでバレる。バレの方法が生々しいので笑った。グッズを買う(たぶん)ほどの濃いファン、という説明にもなっててうまい。
 妹とのエロなんだけど、声と喋りは完全に憧れのライバーと同じなので……と主人公の認識の上では実質3Pみたいになてるのが面白い。このアイディア、そしてそのビジュアル化が素晴らしすぎるでしょ。これは漫画ならではだわ。他メディアだと成立しない話だと思う。アニメだとギリギリできるかもしれないが、やっぱムズさが果てしないのでは。右ページと左ページでまったく同じ構図、だけど姿が違う……とか漫画表現の追求としてすごいレベルに達してると思う。
 疑似的な3P。ヒロイン2人の姿があるんですが、この2人(2つ)がかなり均一なバランスなのが良い。ライバーの方が好きだからそっちの姿を夢想して興奮するのかと思いきや、その最中にも妹の姿はチラついてしまい……という主人公の葛藤が妹に対する背徳感も強調してたと思います。そんな疑似的3Pの絵面、ライバーの姿を単なるイメージとして出すのではなく、タブレットを用いて実際に視認するようにしたのもすごい。アイディアの宝庫やん。
 フィニッシュ時は妹の姿なんですが、あの場面は物語が主人公視点から妹の視点へとシフトしたとも見れますよね。そのままエピローグに移ったのもそうですし。そのエピローグの内容も、生身であることを最大限活かしたものになってて素晴らしかったと思います。

『カルタ&ポルカ どっちの仮装ショー』りんごくらぶ

 今度はリアルに3P。そしてハロウィンシーズンらしく仮装だ(ブログ更新は半月遅れたけど)。こういう時事ネタあるとそれだけでニッコリしちゃいますよね。漫画をゼロから作るには時間がかかるはずなのに……と感謝の念しかない。
 仮装。狼と吸血鬼なんですが、個人的には吸血鬼がめちゃくちゃ好きです……。ただ、比較対象がいることで「吸血鬼良いよね」とより強く感じるわけなので、この「どっちが好きか」の考えに至ること自体が3Pの良さとも言えると思う。実際に3Pしたら(しねーよ)どちらか一方を選ぶなんて失礼でできないので、そこらへんにもフィクションの良さを感じる。
 ヒロイン2人が好き好きアピールしてきて男の願望という感じが最高なんですが、ちょくちょく2人の雰囲気がホラーっぽくなる瞬間がある。主人公のことを好いてるっぽいけど、「実際は彼の意志を無視して犯してるだけなんじゃない?」みたいな瞬間がチラホラ。ホラー感、ちょっとしたヤンデレ感がまたハロウィンらしくて良いですね。そういやハロウィンって可愛い仮装が主目的ではないんだった。
 エピローグ。朝チュン的な場面なんですが、仮装を脱いだヒロイン2人が出てくるのが良い。このギャップ。エロが盛り上がると徐々に脱げてはいったんだけど、完全にオフの姿が最後にだけ見える。この広がりが最高。

『嗜好を仕事にしちゃった』Beなんとか

 「嗜好」と書いて「すき」と読む。例のyoutubeの文句をなぞってるんだと思いますが、その読み方をしなくても「嗜好を」と「仕事」で押韻してるのがすげぇ。
 学校(女子校?)の先生がJK好き。冒頭に出てきたモブ女子も可愛いんですが、当然のようにメインのヒロインも可愛い。正統派美少女という意味ではモブの方がしっくりくるかもしれないんだけど、一捻りあるようなヒロインの姿、キャラクターがめちゃくちゃ良い。腰まで伸びる黒髪が印象的で、斜めに垂れた前髪が片目を隠してるのも可愛いんですが、終盤にまさかの髪型チェンジに至る。体操服からのツインテールが飛び出るのが素晴らしかったです。そして、そこからもう1回戦となると今後は髪がほどける。ベッドに垂れて広がる長い髪が本当に素敵でした。衣装的な変化も激しいんですが、とにかく全編を通じてヒロインのビジュアル的印象がコロコロ変わり続ける。読切漫画でマジ贅沢な話やで……。

『メイドお届けします』雛原えみ

 後編。前編の時点でそうだったんですが、雛原作品のメイドさんマジめちゃくちゃ可愛いので衝撃でした。メイドってめちゃくちゃ定番のテーマなので「まぁこんなもん」と飽和しがちなんですが、一目見たときから最高。2ヶ月ぶりの後編も新鮮に衝撃を感じてしまうほど可愛いです。絵としての親和性もそうだし、多少不慣れながらメイドさんを演じてる、というキャラクターもマジ最高。
 演技としてのメイド、そのパワープレイに翻弄される主人公の姿も面白いんですが、演技を越えたところに2人の交流があり、そこを通じてセックスに至る、というドラマも最高。物語がエロを盛り上げるんですが、一番盛り上がる挿入の場面で “いつの間にゴムまでご準備して” とギャグ的なやりとりがぶっ込まれるのも笑う。感動してもおかしくない雰囲気だったのに、というギャップ好き。メイドさんというロールを死守したり、ロールから外れたり、という二面性を行ったり来たりするのが最高に可愛いし、ヒロインが生き生きとしてるので嬉しくなっちゃう。
 からの無限ループ的なエピローグ。公序良俗配慮ver.の姿がまた出てきたのが嬉しい! あの露出低めなシンプルなのも可愛いんだよなぁ。エロファンタジー全開な方にも言えるけど、どこか上品な雰囲気が漂ってる気がする。エロぶっぱな格好にはなるんだけどね。

『本屋さんの秘めゴト』梅田ノーチラス

 メガネ。ありがとうございます。今号はやたら文学系のメガネが多いんだけど、どれも役職が違うので面白い。奥が深い。
 書店における店長とバイト。両方メガネ。おいしい。ヒロインのオナニーを目撃してしまった店長が暴走気味に襲うことになるんですが、意外と甘い結論に至るのが良い。エロの種類に幅のあるんだけど、それに沿ったヒロインの表情の変化が魅力的。受けでいることが多いヒロインで、セリフもそれほど多くはないんだけど、だからこそたまに出る直接的な気持ちの吐露や、言動にグッとくる。
 あと、個人的にすげぇ好きだったのが、ヒロインの脱ぎの変遷。最初は理想の書店バイトみたいな格好してるんだけど、それがページの進行とともに徐々に脱げていく。一気に脱がすようなことがなく、そのグラデーションが素晴らしい。スカートとエプロンを脱がしたあとはセーターなんですが、これを徐々に上にずらしていくんですよね。全然脱がさない段階で挿入して、そこからの盛り上がりに比例して上へてとずれていく。おっぱいの露出というクライマックスに至るのが最高でしたし、そこをゴールとしてそれ以上脱いだりはしないのも個人的に刺さりました。

『ガマンできるカナ?』ヤギコム

 年上ヒロインで仕事はバリバリできるんだけど、家に帰るとだらしない。その二面性も魅力だし、何より彼女に振り回される年下主人公視点が良い。ヒロインはだらしないんだけど、強キャラ感があるんですよね。そして、年下に対して敬語(丁寧語)なのも最高。この手の年上ヒロイン大好物ですけど、年下主人公へのあの接し方、かなり新鮮でした。理性を感じさせる口調なのに、欲望に忠実で誘ってくる。最高やんけ。
 年上ヒロインに翻弄されるのが魅力なんですが、最終的に主人公が彼女をコントロールすることになる。この展開がすごい意外でした。逆転とか下克上というほど暴力的ではないのも絶妙なバランス。やっちゃってる時点で主人公の負けなんですが、やっちゃった中での一線、ヒロインに我慢を覚えさせるという要素が加わってくる。その目的が支配的なものではなく、我慢を通じてより気持ちよくなる話になってたのが良かったのではないでしょうか。

シロツメクサに憧れて』さくま司

 メガネ。文学メガネ3発目です。本当にありがとうございます。話としては『再会つづり』の過去パートの男女逆転版みたいな感じ。文学少女とヤンキーくん、みたいな。いや、ヤンキーってほどではなくただの根明か。komifloコメ欄の指摘を見るまで気づかなかったんですが、本作の彼は前作『なないろモーメント』冒頭でヒロインに接近してたいけ好かない奴……と思ってました。マジでごめんなさいw めっちゃ良い奴やんけ。めっちゃ純情な恋心抱いてたやんけ。こういう世界が広がっていく感覚、良いですね。第一印象がガラッと変わる感覚、大事だと思う。
 本作の進行はヒロイン視点。読書という趣味を理解してもらい、読書体験を共有する関係に至る人生の輝き。全ジャンルのオタクが憧れる奴や。それをもたらすのが軽薄でいけ好かないと思ってた子、というのが本当にね……ごめんね……。
 運命の出会いを果たした2人が徐々に惹かれ合っていく話ではない。互いに別の人のことが好きで、ヒロインの方は既に関係を持っている。一応前作のチョイ役というのはあるけど、めちゃくちゃ要素の多い話をこんだけコンパクトにまとまってるのすごいっすね。出会いのくだりとかかなり丁寧なのに。
 そして2人が同時に失恋することで、エロ漫画として動き出す。ヒロイン視点の物語で、どちらかが恋心を抱くような話でもなく、しかもネガティブな感情でエロに至る。めちゃくちゃ暗い話になりそうなんだけど、最終的にはゲロアマ。最高。須藤くんの根明感が大きかったのかもしれませんね。エロ漫画読んでて男側に「こんな良い子いないよ!」と思ったの珍しいですw オタクに優しいギャルの男版みたいな感じでしょうか。それを年上視点で、主人公がリードする関係で描いてるのが独自性。メガネということもあってヒロインが大好物すぎるんですが、トータルでいえば2人の関係性が最高、という結論。
 最初はヒロインのヤケ喰い的なノリでエロが始まるんですが、徐々に冷静さを取り戻して、そっからもう1回戦。その境としてヒロインが相手の服を脱がせる。それまではヒロインだけ裸で、エロに対する積極性の違いが如実に現れてたんですが、2人とも裸になることで対等になる。からのクライマックスが熱いし、分かりやすいデレがエピローグで描かれるのも良い。クール系ではあるんだけど、意外と表情豊かなんですよね。

『ツインヒップス』アシオミマサト

 タイトルの通り、ヒロイン2人のお尻を堪能する話。そして、おねショタである。ショタの名前は当然ショウタだ。直前の『シロツメクサに憧れて』とは逆で、年上ヒロインを男視点で描く。こっちのが王道って感じありますかね。翻弄される魅力。本作はさらに3Pなのでパワーバランスがよりヒロインに傾いてるのが良い。
 タイトルの通り、徹底的にお尻。驚くほどお尻がアップになるコマがあって、しかもページ全体がヒロイン2人のお尻を比較するような構図になってたりして、とにかくお尻が強い。おっぱいは一切ナシ、脱ぐのもお尻だけ、という徹底ぶりが素晴らしい。初志貫徹。おっぱいは出さないけど、お尻が2人分なのでトータルではバランスが取れてる(謎計算)。
 ずっとお尻なんですが、プレイというか体位にバリエーションがあって、2人のお尻を比較するような構図も多用され、見ててまったく飽きない。お尻だけだと単調になりそうなもんなんですけどね。ヒロイン2人の設定とお尻フェチのテーマが見事に合致してたと思います。

『スリムボディを目指して!』あじ

 ぽっちゃりヒロインのダイエット。めちゃくちゃ可愛いやんけ。可愛いので餌付けしたくなる……(本末転倒)。
 ぽっちゃり故の全体のバランスであり、その子の言動との相性の良さ。感情表現全開で天真爛漫な感じがとにかく可愛い。元気いっぱいなのに苦手な話題になると途端に弱々しくなるのも良いし、何より個人的に最高だったのはダイエットシーンにおけるプランク。あれ可愛すぎでしょ。ぽっちゃりの肉感もものすごいし、筋力不足で苦労してる感じも可愛い。そもそもプランクが見栄えのする行為ではないってのもあるんですが、その妙なブサイク感もヒロインの可愛さを底上げしてたと思います。プランクずっと見ててぇ……。
 キャラクターの話とも通じるんですが、ぽっちゃり体型は彼女のコンプレックスではあるはずなんだけど、その悩み方が重すぎない。妙にカラッとしてるというか、後ろ向きにはならない彼女の明るさが最高。
 「ぽっちゃりだから好き」と直接的な描写がないのも良かった。劇中で臭いセリフは出てくるけど、それはあくまでもその日のプレイ内容に関する話。体型の話は全然出てこないんですよね。2人のイチャイチャ関係において、ぽっちゃり体型は重要ではない、というバランス。先ほどのヒロインがそれほど暗くなってない件の繰り返しにもなりますが、この要はあみちゃんが好きだから、ですべてが完結する感じが最高。

『花瓶』鬱ノ宮うかつ

 今回も特濃鬱ノ宮ワールド……なんだけど、美術という題材との相性が良すぎるのでビビった。前回のギャグっぽい、明るいノリも最高でしたが、今回の美術の世界の薄暗く怪しい、そして閉鎖的な雰囲気が鬱ノ宮作品の良さをこれでもかと煮詰めたようなものになってたと思います。
 エロの内容としてはヒロイン優位で、ちょっとしたおねショタ的なノリもあるんですが、その怪しげな雰囲気、そしてラストの衝撃がすごい。最後の1ページを一枚絵で締めるのが文字通り芸術的。タイトルの『花瓶』を強く意識させる絵で作品が終わるのでぐうの音も出ないというか、圧巻。過去の鬱ノ宮作品でもこういう衝撃的な一枚絵ってのは出てきましたけど、物語の決着とタイトルの意味をキレイに示すのが今回見事だったと思います。
 ヒロイン優位のエロで、主人公はとにかく受け身なんだけど、最終的には彼が能動的な姿勢になって終わる。このツイストも良かったし、彼の成長物語としてキレイにまとまってる。
 あと、そもそもな話になりますが、ヒロインのメガネの似合い具合がもう最高すぎて最高。本作は何と言ってもラストページが印象的ですが、1ページ目のヒロインの登場シーンも大好物。

『幸せ乙葉ちゃん』昼寝

 例によって画圧に圧倒されるんですが、冒頭の友人との会話シーンとか普通に微笑ましい内容で、それがエロシーンとの猛烈な落差を生んでますよね。松岡先輩が登場するコマで本作の雰囲気がガラッと一変する感覚が絶品です。男の方がデカいってのもあるんですが、ヒロインの小ささを示す絵を隠してたんですよね。ずっと座ってるので。タイトルのコマで彼女の全身が映るんだけど、見下ろすようなアングルなので彼女の身長は伝わってこない。からの松岡先輩どん!! の衝撃がすごいw
 壮絶ながらラブラブな内容なんですが、それだけでは終わらず、途中でブレイクというか、再び友人との日常シーンを挟む。このギミック感に昼寝先生らしさを濃厚に感じる。パワープレイみたいな印象も強いんだけど、漫画としての構造的なオモシロも強いですよね。本作だとやたらド迫力のダンクシーンがどうしたって気になるんですが、それがクライマックスの最中に差し込まれるのが面白い。普通だったら序盤の日常パートで入れると思うんですよ。前述の女友人との日常パートを描くことで落差を生む話と目的は同じなんですが、 乙葉…” “あの巨体に抱かれてるのか…” と友人たちがダンクを見てエロに思いを馳せる。からの実際に行われてる様子、という飛躍。エピローグでまたも友人たちとファミレストークしてるんですが、ここで友人がヒロインのことを抱いて頬ずりするんですよね。そして……という対比が最後にまた決まる。絵として唯一無二なのは言うまでもないんですが、ここらへんの構成、演出も尖ってて非常に面白い。

『青春リビドー山』位置原光Z

 第27回「無敵生徒会長」。やべぇ、生徒会長めっちゃ可愛い。冒頭の立ち姿、超好き。童貞を殺す服っぽいというか、コルセット的に胸を強調する服なんですが、そこまでデフォルメされた強調ではなく、凛とした印象も強いバランスがすげぇ良い。
 話としては、耳打ちしたいが耳が弱い。本来なら耳で感じちゃう描写をエロくしたっていいんだけど、ギャグに振れてるので笑う。アヘ顔的な要素はあるんだけど……というバランス。ただ、やはり会長が我慢してる感じは正直可愛い。

forms.gle

 終わり。今月は特別遅かったでごわす。これからゼロス感想、可能なのか……?
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