北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2021 No.10の感想

 月刊の方の快楽天の感想も書いたのでよかったら読んで。
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「表紙」東出イロドリ

 東出先生とは意外。こないだ失楽天載ったし、今度の快楽天にも載るというのに。
 歴代表紙の中でも屈指の甘酸っぱさ、青春感で、水しぶきがそれを演出してると思います。アイテム持ち込み系は割と多かったけど、水しぶきとは面白い。ただ、今後の展開を考えるとイヤな予感もしますね……(ほめてる)。

『長瀬徹(♀)のエロマンガ的な生活』長瀬徹

 「はじめてのスリル編」。前回と感想が似通っちゃうんですが、体験談を自身が漫画化してる、という企画が強すぎる。「こんなエロマンガみたいなこと」的な言い回しよくありますけど、本作はまさにそれをエロマンガ化したもの。メタい。実体験らしい、というフィルターが1つ加わるだけでエロマンガとしての味わいが大きく変わってくるからずるい。また、通常の読切として普通に完成してるのが良いですよね。普通にも読めるし、そこにプラスアルファとして企画の特殊性が乗っかってくる。この企画を思いついて、実行して、ちゃんとしたレベルで完成したんだからでもう勝ちだわ。面白すぎる。
 前回が初めてで、今回はそれで開花してしまったその後。前回はかなりドラマ性が高くて、エモい要素も多かったんですが、今回はより「エロマンガかよ!」な内容になってて最高。単独でも面白いし、同じ人の話なのにエロマンガとしてバリエーションが生まれてるからすごいw まだ2話目なのに野外になってるのでビビりました。レベルアップが早すぎる……。いや、そもそも脚色もあるだろうが……とか思考がグルグルし出すのも楽しい限り。
 盗撮に対する撃退話としても結構キレイなオチがつくのも読切のストーリーとしてちゃんとしてますよね。ちょっと出来すぎなくらい。盗撮犯を逆に誘う序盤の場面とかドキドキしてとても良かったんですが、ラストにさらなるオチがつくのでお見事でした。
 変態度のレベルアップ、「見られる」がキーになってると思うんですが、ちゃんと今後どうなってしまうのか……みたいな想像の余地というか、方向性が見えてきた感もあってシリーズモノとしても魅力的な展開だったと思います。いや、1人の体験談なんだから一貫性があるのは当たり前なのかもしれませんがw

『ついんず・ちぇんじ?』かぜぱな

 双子の妹のフリをして妹の彼氏とデートする話。優しそうな爽やかユウくんかと思ったら、彼氏が変わっててチャラいトモキ。
 当然恋人だと勘違いした彼氏にエロいことをされるんですが、そのエロの内容が過激なので、こういうことする人って分かってて入れ替わりを提案した妹ひどくない? とか思ったんですが、オチまで読むとまた印象が変わる。要するに、彼氏は早々に双子の姉ということに気づいていて、騙されたフリをしてエロいことをしてきた。何をやっても姉は “普段からこんな遊びして…!!” と勘違いして受け入れてくれる、と計算したってことなんですね。複雑。というか、トモキ知将かよ。頭のキレが良すぎる。いや、入れ替わりに気づいてどうのこうのみたいな可能性も多少は考えましたけど、思ってたよりも前の段階で見抜いてたw
 ヒロインは、エロいイタズラはされるとはいえ、ウソをついてる(と思ってる)のである種の優位性は確保してたんですよね。それが “気付いてたよ” とカミングアウトされることで、そこすらも崩れる。そしていつの間にか “大丈夫 このことは彩には黙っててやるから” と逆に弱みを握られる展開になってるのですごい。やり手すぎる……。

『TE-KOKIかるま龍狼

 4ページのショート。POVなんですが、ただのPOVでは終わらなかった。ラストですべてがひっくり返る。ここまで大々的なトリックとは思いませんでした。本作で描かれたことのすべてがウソだったw POVという「主人公の視点のみ」を生かしたトリックで見事だったと思います。言われてみれば、たしかにヒロインが不自然なくらいに話しかけてくるし、会話がキャッチボールになってないし、そもそも学校のどこなの? みたいな疑問もあったんですが、このオチはやられたわw ヒロイン優位ですべてを優しくリードしてくれる感じとか、エロマンガとして普通に魅力的なのでそれほど違和感を抱いてなかったけど、オチを知った状態で読み返すとたしかにもうゲームにしか見えないw


 終わり。メタ的な仕掛けがある作品が多くて面白かったです。仕掛けとしても面白いし、それがエロさを支える機能にもなってるからすごい。
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