北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2021 No.03の感想

 ジャンプを控える日曜日、というのにまだ慣れてません。
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タナトスの誘戯』れぐでく

 誘惑と遊戯で「誘戯」。うまい。表紙でやってた子の漫画。やっぱ表紙だけの起用というのはないらしい。
 死神。表紙のときにも気になってたんですが、死神の鎌ってエロに繋がるアイテムではないじゃないですか。表紙だと鎌もぐちょぐちょに濡れてて「何がどうなった?」と気になってたんですが、精子を殺す話なのでちゃんと意味は通るのですね。本編に直接出てくる描写ではないですが、イメージとしてはそんな感じの意味なのではないか。
 鎌もそうだけど、そもそも死神もエロに直結する設定ではない。れぐでく先生、サキュバスを扱ったシリーズとかあるのでそれと似たノリも感じるんですが、物語をエロへと繋げるジャンプというか、ロジックが必要。そこで出てくるのが、自分の命の代わりに精子を差し出すという提案。コメディ調な飛躍で笑ったんですが、笑ってたら物語の最後にちゃんとした「命」が出てきて終わるのでひっくり返りました。ちょっとナメてたというか。いや、エロ漫画としては妊娠オチってまぁ割とよくある話ではあるんですが、本作のこの設定でそのオチを持ってくるとは。自分の命の代わりに精子を差し出す話なので、一見すると「堕胎するの?」とか思いかねないんですが、それを “……受け取ったみたい ……ひとり分の命” というたった1つのセリフで否定したのもめちゃくちゃうまかったと思います。説明的じゃないんだけど、赤ちゃんを殺さないことを端的に示してますよね。あくまでもエピローグなのでだらだらと説明的な描写を入れたらダレちゃうと思うんですが、それをワンセンテンスで済ませる手腕が見事だったと思います。
 エロパート。殺される代わりになるように、という体裁が良い。サキュバスものでもたまにあるけど、死と隣り合わせ、死の匂いを感じながらのセックスというのが非常にエロい。精子と共に命が吸い取られるような感覚って実際にあったら死ぬから困るんですが、想像の中だとなんか気持ちよさそう、みたいな感覚ありません? 私だけ? マゾ的発想なのかもしれませんが。それがめちゃくちゃ良かった。すげぇ刺さりました。エロを続けないと死ぬという状況が。なんだけど、重くなり過ぎないコミカルな雰囲気も絶妙でした。ヒロインがすげぇ嫌そうな顔しながらパイズリしてくるのとかもグッと来ましたし、その後ヒロインの興が乗ってくるのが表情や言動で感じ取れるのもキャラクターの魅力。特殊な設定だし、決して長くはないページ数なんですが、ヒロインのキャラクターが生き生きしてる。そんなヒロインが支配的、主導的なんですが、主人公のことを気に入ってる感もしっかり伝わってくるのも関係性として良い。最後のオチとかもラブコメ的な雰囲気ありますよね。

『エロッチぃ日常』エロッチ

 #04「彼女のナイトルーティン」。彼女が寝る前に主人公のチンコを借りてオナニーする。当然のように「それセックスじゃん」と言わざるを得ないオチになるんですが、建前があっさりと崩壊していく感じもエロい。「寝る前に一発」と直接誘ってくるのとは別の魅力がある。
 それをナイトルーティンと称したのも独特の良さになってますよね。要するに、ものすごくエロを排したたとえで言うと、子供が寝る前に絵本を読むようにねだってくるような感覚だと思います。可愛いなぁ、仕方ないなぁ、と付き合ってあげてるといつの間にか寝てる。そんな寝顔を見て幸せ。それをエロ漫画に変換するとこうなる、という作品だったと思います。

『かけむちゅー♡』南野さざん

 新刊発売記念の宣伝漫画という感じなんですが、ギャグからのエロ、とすごい密度なので笑った。エロ絵を見せる直前にヒロインの顔を『遊戯王』にするとか無茶苦茶だろw
 そんな宣伝漫画なんですが、ちゃんとweekly掲載ということで『くじむちゅー』のスピンオフにしてくれたのも嬉しいあたりです。『くじむちゅー』が失楽天に掲載する直前にweeklyでその前日譚ショートとして『バイト前のくじむちゅー』が載ったんですよね。なので、weeklyでお馴染みの南野キャラといえば、というチョイス。ちなみに、そのときは『カイジ』顔になってたので、そういう顔芸をぶっ込むのも定番になっちゃいましたね。『カイジ』は割とパロディで見る印象あるんですが、『遊戯王』は意外で良かったなぁ。完全に不意打ち。というか、今週はちょうど『タナトスの誘戯』なる作品も掲載されててミラクルを感じるw


 終わり。weeklyは分割掲載をやめたと思う(連載はある)んですが、komifloとかで作家検索とかジャンル検索で見つけたときに読みやすい、という効果はあったと思います。まぁ私はほとんど雑誌単位でしか読まないんですが。直接weeklyに興味はないけど、れぐでく先生の新作がいつの間にかkomifloの中に追加されてて嬉しい、みたいな現象が期待できるのではないか。
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