北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2021 No.04の感想

 まだ1月は終わってないと思う。
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「表紙」orico

 1週目。これから脱げていくはずなんですが、今週の時点で透けててこの先が見える、もしくは感じられる。漫画本編でも同じ描き方なので偶然だとは思いますが、weeklyの差分表紙として新しい試みで面白かったです。

『初めてのパパ』orico

 フルカラー20ページ。20ページですよ。てっきり6とか8ページで終わると思ってたので開幕の話運びがゆっくり丁寧で「エロ漫画なのに大丈夫か?」とか心配してしまいましたw 実際は20ページと通常の読切作品と遜色ない分量。フルカラーでこの量は驚きました。紙雑誌だとなかなか出来ない試みでしょうね。非常に良かった。
 絵としての情報量がすごい。カラーの短めの漫画だとこの情報量も納得なんですが、この密度で通常のサイズあるので再び驚く。読書感覚が全然違ってくる。各場面の味わいが濃い。服の透け描写もそうなんですが、非エロパートから見応えばっちり。非エロパートが描けるのは長尺の恩恵ですね。カラー漫画ってそれほど馴染みがないのでいつも以上に素人なのですが、新鮮さも相まってとても面白かったです。冒頭のワクワクドキドキ感とか絶品。非エロパートが長めとはいえ、ほぼ毎ページ場面が変わるので絵として新鮮な印象も強かったです。サクサク進むんですが、いよいよ封筒を受け取る場面で一気にスローになり、そこからページをめくるとついにエロパート突入。緩急も利いてたし、セリフは少ないながらヒロインの内省の表現も見事だったと思います。
 んで、エロパート。先ほどの感想と重なりますが、場所を次々と変えながらプレイが進行していくので絵としての変化が絶えない。暗めの部屋の描写も良かったし、途中で窓から夜景が見えたり、クライマックスでは風呂場(洗面台)に移動し一気に明るくなる。暗がりで大人しめのプレイだったのが徐々に激しくなっていくという変遷として素晴らしかったです。風呂場なので当然2人が全裸になるんですが、それが2人の到達点という感覚。オッサンがついに全裸になって本気モード感あるし、ヒロインが全裸の上に髪もほどくことで理性が完全になくなって欲望がむき出しになった感ですよね。厳密には全裸に靴下なんですが、あれは脱ぎきるのを我慢できなかったということなんですかね。風呂には入らず脱衣所もしくは洗面台で初めてしまうのも同じ理屈だったのかもしれません。
 エピローグ。濡れた下着を見る場面でヒップのサイズが数値化される描写は驚きました。セリフによらずにサイズを示してくるとは。物語的には、家族としてのパパとパパ活のパパを比較する構図にしたのとか面白かったと思います。パパ活に手を出してしまう理由として頼りないリアルパパがいる、という設定がスマート。

『きょうのふろく』れゐぢ

 #9。「腹ギャル」の続きないのかよ!! と読んでてシャウトしてしまった。いや、前回のラストでギャグ的に落ちたと見ることも可能なんですが、やっぱ続きが気になるじゃないですか。まぁ、今回も普通に面白かったというか、よりレベル上がってきてる気もするから満足は満足なんですが。
 おとぎ話のエロ化。桃太郎から始まって徐々にスピードアップしていき、開始1コマで物語が完結するようになっていく。コマ割りを生かしたテンポ感として面白かったし、そもそも何ページ続くのか分からない本シリーズならではの味わいもあって良かったです。1ページ目が割とオーソドックスなんですが、ページをめくった2ページ目で「続けるのか」と思わせたからの怒濤の畳みかけでフィニッシュ。
 「僕の特殊能力」。これも何ページあるのか分からないが故の急激なオチで笑いました。最後のコマ以外は物語の導入としてありそうなテンポ感じゃないですか。これから話が展開していくんだろうなぁ……と思ったらいきなりオチ。 “なぜ主任だけ透視できてしまうんだ…” の部分で面白くなりそうな予感をさせられてしまった。好きな人とか、自分のことを好いてる人は透けるとかそういうルールを予想しちゃうじゃないですか。そこからわずか2コマで落ちるw
 「その日帰って結婚まで妄想した その2」。「その1」は全1ページで、短いボリュームならではの主人公のチョロさが笑えたんですが、今回は2ページ。前回よりも丁寧に溜めてからの、結局チョロいw いや、ただ今回はマジで脈アリな予感もするので読んでるこちらまでドキドキしてしまったかもしれない。キャラも継続なんですが、今回初めてヒロインのフルネームが明らかになったのも嬉しいところですね。
 ラストページの「安くなるお総菜」が衝撃。本シリーズだとたまに普通に良い話がぶっ込まれることあるんですが、今回はその逆というか、泣ける……。またこれを「結婚まで妄想した」の直後に配置したのも世知辛い現実として破壊力増してたと思います。逃がした魚は大きかった的な話なんですが、魚が大きかったというよりは自分には小さい魚が相応しかったのに……的な意味にも取れますかね。男がイケメンになったわけでもないので。そんな話を「安くなるお総菜」に象徴させたのとか普通にうまかったし、セリフで多くを語らないからこそのあの後引く切なさだったと思います。猫を飼ってるのも子供との対比として来るものがありました。猫も家族ではあるけど、食卓を共にすることはない……みたいなつらい現実w

エロマンガアカデミー」

 11限目、れぐでく先生による「『意外性』を活かそう」。そうか、れぐでく先生だったか。本コーナー起用を予想できたな……と謎の後悔。
 意外性とギャップの話なんですが、追加インタビューのところで作家によるセルフ解説みたいなものが聞けたのがめちゃくちゃ嬉しい。ああいうの大好きなんですよ。大好きだし、『リモート』の話が聞けたのも最高。『リモート』面白かったからなぁ。エロ漫画における「面白い」と「抜ける」についての話とか、エロ漫画全般に関わるテーマだったと思います。
 今後の予定みたいな話でおねショタ、ケモミミという話が出てきたんですが、めちゃくちゃ楽しみですね。期待してしまう……。


 終わり。今週はとにかくカラー漫画の長尺に驚かされました。その手があったか! と感動に近い何かがありました。
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