北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 Vol.24の感想

 来週は休みなので今週で年内最後ですね。ここの感想だけは順調に出来ました。週一でちょっとずつが個人的には都合良かったんだと思います。

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「表紙」森ぐる太

 前回「最も露出の少ない表紙」とか感想書いたと思うんですが、脱ぎである今回もその路線でした。胸だけ。服の構造的にどうなってんの? とか難易度も感じますが、禁欲とその発散というシスターらしさが良く出たビフォーアフターだったと思います。
 ポーズとか微妙に変わってるんですが、本編を踏まえて考えるとくすぐる側からくすぐられる側へ変わったことと呼応してそうですね。

『確信犯』森ぐる太

 第2話。もっと長編になると思ってたんですが完結でした。すごい凝った設定だと思うので終わってしまうのが残念でもあるんですが、贅沢という話でもありますね。
 ということでショタの下克上から「くすぐり」、それが次第にセックスへと発展していって……という流れが素晴らしかったです。性について無知なキャラを扱ったエロ漫画って少なくないと思うんですが、基本そのキャラって受けじゃないですか。じゃないと成立しませんから。なんだけど、本作は圧倒的な攻め。レイプにも近いレベルなんですが、本人は無知。この相反する2つを結ぶブリッジとして「くすぐり」が機能してるので見事でした。森ぐる太先生はくすぐり特化の作家だと思いますが、単にくすぐりエッチを描くだけではなく、くすぐりをエロ漫画的ストーリーに組み込むのが本当にうまいですね。新作の度に感心するんですが、本作がまたアイディアとして素晴らしかったです。ショタが最初は「仕返ししてやる」とくすぐるんですが、そのくすぐる箇所が次第に……という展開。ショタとしてはシスターの反応が良い場所を集中して攻めてるだけなんだけど、それがセックスへの助走としてものすごく的確。あり得ないをあり得ると思わせる展開が素晴らしいです。
 そっから別のシスターが扉の向こうに現れて、という第二ステージ。くすぐりの持つ「笑ってしまう」特徴を踏まえたサスペンスであり、背徳感を助長する展開ですよね。やっぱすごいわ。くすぐりでこれだけの手数、バリエーションがあることに感動してしまいます。くすぐりに対して「我慢しなきゃ」という心理が働くのは本作のシスター設定とも通じるので相乗効果でしたし。

立冬蒼井ミハル

 weeklyで最も仕事してる作家ですね。まさかの3作目、しかもシリーズで3作目なので驚きました。weeklyを支えてる作家、weeklyを代表する作家として最有力だと思います。
 weekly的には前回の『暖冬』に続く冬がタイトルになってるんですが、weekly的には初めての非ショタ。意外でした。『確信犯』とのショタ対決かとも思ったんですがw 明示はされませんが主人公の方が年上ですよね。得体の知れない少女(酒乱)に目をつけられる話。家出少女もの(今ちょっとデリケートな題材ですがw)ともちょっと違う味わいなので面白かったです。今晩の泊まる場所がなくてもたくましくやっていけそう感というか、そもそもどこまで本気で宿を探してるのかすら分からない。 “ヤバイ人だ” から始まるボーイミーツガール(成人)なんですが、明らかにこのヒロイン、怖いですよね。「怖い」もしくは「迷惑」という側面が強調されてると思います。たしかにエロいし、彼女に話しかけたらエロいことになるかも……という期待もゼロではないがそれよりも「怖い」が勝つ心理バランス。すごいリアルだったと思います。てか、端的に言ってほとんどの読者にとってこの主人公と同じ決断を下すと思います。他の家出少女ものについても淡い期待を妄想しつつも実際は「いやいやw」と目をそらすのがリアルなのではないでしょうか。そこが本作良かったですね。そんな主人公に対してヒロインの方から強引に近づいてくる。自動ドアの隙間から彼女の手が伸びてくるくだりは完全にホラー演出なので笑いました。蒼井先生、前にもあったけど、エロとは関係ない意味で真に迫る演出をやってくるから強い。作家としての地力。
 「エロい」と「怖い」の狭間で揺れるのが本作の魅力だと思うんですが、エロに振り切れないバランスとして牛乳が良かったですよね。ワカメ酒の変奏みたいなプレイになり、屈服感を味わいつつのワカメで非常に好物ではあるんですが、自宅を侵略された状態での「牛乳」。いや汚れるし。いやクセェし。という家を守る者としての理性が働いちゃうと思います。純粋にエロを楽しむためだったら水にするとか、風呂場で行うとかいくらでも代替案はあったと思うんですが、あえて廊下で牛乳だったのでしょう。映画のジャンルにホームインベーション(家庭侵略)というものがあるんですが、本作はそのニュアンスを意図的に入れてると思います。エロい女の子と出会ってヤッター! だけではない。絶対にイヤなんだけど、今すぐコイツを追い出したいんだけど、それなのにチンコは反応してしまう……というジレンマであり、男としての屈服感が本作の根幹なのかな。
 牛乳好きといったら映画『レオン』だよねーとか思ったら最後にポスター出てきたので「やっぱり!!」となりましたw 『蜜の味』に続く映画ネタ嬉しいです。思えば主人公がかけてるメガネも『レオン』と同じか。

『パコる・ロワイアル』桜去ほとり

 第2話。前回で説明が終わって今回から生き残り戦開始かと思ったらまだ説明があった。というか、説明がめちゃくちゃ面白いので困る。ルールが細かく、ゲーム性がしっかりあるのが秀逸ですよね。前戯はノーカン、外出しはアリ、挿入したら途中離脱NGとかすげぇ駆け引きが面白そうなやつだw 男は前戯でイカせたら次の射精がしにくくなるけど、女性は関係なく、むしろエロい気持ちが蓄積していくかも……と不均衡になってるのがゲーム性、心理戦を喚起しますね。さすがに心理戦をメインにすることはないと思うんですが(エロ漫画だから)、この凝り性な感じすごい好きです。
 あと、すごい良かったのは死神のヒロインがかなり活躍するというか、エロとして前線に立ちまくるのが嬉しくもあり、面白かったです。説明としてセックスするんですが、絶頂して退場した生徒を殺す方法も分身が精を徹底的に搾り取る。分身はおっぱい小さいんですが、これは本体の特別性を維持する意味もありますね。あとは、女子生徒が離脱した場合も気になるw 百合ですか? チンコ生えるのか?
 効率よく命を奪うために性欲の強い生徒たちをターゲットにしたんですが、その中で主人公(今回はそんな感じじゃなかったですが)が「超草食系男子」と明かされて終わるのも超気になる。前回もそうでしたが、しっかり「引き」を計算して作られてるので面白いですね。連載形式をフル活用してるというか。weeklyの連載作として一つの到達点というか、一つのモデルケースにもなりそうな気もします。草食男子がどう逝き残り戦に関わってくるのか、なぜ彼が選ばれたのかとかめちゃくちゃ気になるじゃないですか。
 前回もありましたが、妙にメタい発言が出てくるのも面白かったです。説明の比重が大きい話なんですが、それを緩和するというか、説明パートをサクサクと進める上で効果的だったと思います。 “あ これ 死ぬやつだ” とか笑いました。ギャグなんだけど、彼の人柱によってルールがより鮮明化されましたよね。そしてセックスも描かれてエロも担保される。彼の死は無駄じゃなかったw あの威勢のいいヤンキーを説明の教材として利用してる感がヒロインの圧倒的優位性として魅力的でした。あの余裕な感じすごい良いですよね。


 終わり。今回感想が長かったです。どれも面白くて白熱してしまった。
 あーあと、ブログのリニューアルをしました。デザインが多少変わっております。まぁ、あんま関係ないか。
 では、また来年。月4更新を守るなら新年は最初の日曜から更新あるのかな? たぶん。
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