北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 Vol.25&Vol.26の感想

 お久しぶりでした。1月の初週が休みで月3更新になるのかと思ってたらまさかの合併号的な。正月休みたかっただけ感。まぁ休むのが正しいです。

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「表紙」もじゃりん

 新年一発目は撫子さん。weeklyの看板ですな。
 ただ、いつもと雰囲気が違う……と思いながら本編開いたら爆笑でした。

『撫子さんはNo!って言えない』もじゃりん

 「IV編」。○○編で数えると4本目(1つ前後編だったのでトータルでは5本目)。
 weeklyの表紙がそのままイメージビデオのパッケージとして本作の扉として出てくる。もうこの時点で爆笑ですよ。前回のマッサージ編のときもそうだったんですが、○○編と見た時点で「イヤな予感しかしない……」となる。マッサージも相当なネタだったと思うんですが、さらなる飛躍をしてきましたね。インフレというか、今後どうなるの? 大丈夫? とかいろいろ心配してしまう。この上だと、もういよいよ直接的なエロ、風俗とかAVしか思いつかないんですが、「これはエロじゃないから大丈夫」という欺瞞にまみれた体裁が本作の肝でもあると思うので、ちょっと違う気もします。
 ということでグラビアデビューする撫子さん。インパクトがありすぎて出オチ感もあるんですが、そのせいか、冒頭からみみちゃん登場。最初に強めのツッコミ、リアクションしとかないとバランス取れない、みたいな事情なんだと思いますw
 マッサージ編は序盤に健全なマッサージパートがあって「そんなわけないでしょw」と笑えたんですが、今回は最初から撮影陣が欲望を隠さない。まぁ、スカウトした時点で完全にクロだからなぁ。ただ、マッサージ前編と同じで健全にマッサージしてるはずがめちゃくちゃエロい、という点は似てますね。イメージビデオにかこつけたエロがバリエーションに富んでて面白い。個人的にはニップレス貼るくだりが非常に良かったです。単に乳首責めるよりエロかったかもしれない。
 監督の “修正は入らない方が良いに越した事ないから…” のセリフで気づかされたんですが、今回、漫画として修正が入ってないんですね。劇中のカメラに撮られた映像よりは激しいエロが漫画としては描かれてるんですが、それでも巧妙に修正が必要なものは避けられてる。すごい実験的な試み……。おっぱいは見えるし、挿入もするんだけど、モノは見えない。フェラもあるのにチンコ見えないってどういうことだよって話なんですが、それを見事に完遂してるからすごい。このまま後編も最後まで修正ナシで行くのか、マッサージ編におけるセックスみたいな感じで後編で全部解禁になるのか。話やシチュエーションとはまた別の要素でこんだけ魅了されるとは。また面白いことを……

『末永き日々』モモヤマハ

 すげぇ良いタイトル。内容も素晴らしかったけど、それにこのタイトルを付けるセンス。「末永き」は当然結婚生活のことでもあるんだけど、セックスレスからの焦らしプレイみたいな我慢して待ち遠しい状況も示してますよね。マジ秀逸。
 夫婦が性格の不一致ならぬセックスの不一致でセックスレス突入。冒頭の写真が2013年なのでかなりの付き合いの長さなんですが、今にして不満が爆発ってのが面白いですね。最初は好きだから気にならなかったとか恋の魔法があったんでしょうが、それが徐々になくなり、セックスそのものも義務的になり……と想像するだけで泣けるw 互いに今までの不満をぶつけ合うケンカの場面が見ててつらいものがありました。もちろん主人公が酷いのは間違いないんだけど、痛いの我慢して気持ちいいフリされてたら分かるはずもないよなぁ、みたいな悪い人のいない悲劇。いや、主人公はそれと別件で悪いんですがw
 セックスレス突入のキッカケになったら乱暴なセックスによるあそこの裂傷。セックスはしないけどそこに薬を塗ることになる。この傷が夫婦関係のヒビのメタファーになってて……と言うと大げさですが、実際そんな感じですよね。その修復をしているうちに妻は今まで感じられなかった性感に浸り、夫はそれを見るだけ。今まで好きなように腰振ってた反動なんですが、そんな快感に溺れる妻を見てるうちに再びエロい気持ちが湧いてきて……というのが良い。最高。焦らしプレイとしてのエロさも抜群だし、話としてもグイグイ進行してる。
 コンロの火を付けっぱなしにしてる場面ありましたけど、あれは妻の内なる気持ちが燃え上がって、溢れ出てしまってることの表現でもあったと思いますし、いちいちオシャレな演出入れてくるのがすげぇ好みです。まぁ、コンロの火がメタファーになってるのは夫の方も同様でしょうね。それが妻にバレたところでエンド。単なるセックスではなく「子供」というさらに掘り下げたテーマも持ってきたのもうまい。立ちバックの体勢で薬塗ってるのは「もうほとんどセックスじゃん」と笑ったんですが、あの体勢だったからこそ窓の外へ視線が行き、そこから子供の話に繋がる。うまいなぁ。とにかくうまい。ラストの夫が射精する場面で妻が手を伸ばしてくるんですが、それが左手で結婚指輪が見えるのとか最高でした。冒頭の夫がキレる場面で彼が指を外したのが利いてくる。うまい。

『夏秋メモリーいづれ

 #3。こちらもケンカからのセックスレス突入。いや『末永き日々』に比べるとこちらのカップルは全然素直なんですが。
 薬を塗る代わりにキス。セックスはしないけど恋人としてキスはアリ。性感としても大きいんですが、やはり愛を感じてるのも事実でで、それがラストの告白に繋がる。ケンカというか彼女が怒った原因、マンネリを感じたことの原因が明らかになるんですが、ちょっとアレ読んでてドキッとしました。というのも「そういうことだったのかー」とか思ってしまったんですよね。要するに私も宏介くん同様気づけなかったわけで。読み返してみると、たしかに最初の頃(#1)のセックスは好き好き言い合いながらやってる。漫画としては伏線ってことなんですが、これ男女のすれ違いとしてめちゃくちゃリアルな気がして怖いw 女性が気にしてたポイントを男はまったく無関心で……とかすれ違いとしてあり得る話ですよね。コミカルだし、エロいし、次回はあまあまになると期待できるんですが、男女のすれ違いがリアルで怖いw
 そんな初回にあった描写を今になって引っ張ってきたのが見事。完全に連載形式をモノにしてますよね。なぜマンネリだったのか、という部分が一種の謎解き、ミステリーみたいな構造になってる。劇中では宏介くんに不満を告白する形でしたが、読者に向けて「なぜだか分かるか?」と問いかけてるのと近いですよね。それに見事気づかなかったわけで……お恥ずかしい。申し訳ねぇ……

立冬蒼井ミハル

 『暖冬』と繋げてきたかー!! パコお姉さんエンドとはやられたわ。ぼんやりと「冬ネタ好きだなー」とか思ってたんですが、鈍感すぎてバカかとw
 今になって思うと『暖冬』では家のない2人の話だったんですが、『立冬』はヒロインが男の家に入り込む話で対比構造になってるんですね。『暖冬』は川に溺れてシャワー浴びるんですが、『立冬』でも風呂の場面がある。そして何より “おっぱいちゅーちゅーしたい?” の場面。『暖冬』でもやってた奴だw あれはショタなのでハマってたけど、本作だと34歳童貞なのでかなり意味合いが違うw “もっとバカにしてやるよ” の場面最高でしたね。足の指にチカラ入れて必死に我慢する描写からのおっぱいどーん、で理性決壊w
 それぞれ単体で読んでも魅力的だし、めちゃくちゃエロいんですが、その内容がそれぞれ呼応し、対比されてて本当に見事でした。ショタの対義語としての34歳童貞はマジ最高でした。キャラの配置、エロの内容がいちいちトータルでデザインされてるから素晴らしいですね。考えれば考えるほど、あれもこれもと二部作ならではの仕掛けに気づかされる。

『きょうのふろく』れゐぢ

 #2。帰ってきたー。4本構成なんですが、中2本が前回からの続きってのが嬉しい。特に忍者の奴大好きだったので感謝しかないです。3ページ構成と増えてるのもありがたい。前回同様、ちゃんと可愛くてエロいんですが、そこから2人のキャラが掘り下げられてちょっとラブコメっぽい雰囲気になってて最高でした。
 前回良い話かつツンデレエンディングだった「腹ギャル」。彼女が出来たけど脱げないからセックス出来なくてにフラれる、という身も蓋もない後日談があるのも笑いました。ひでぇ話なんだけど、言われてみれば納得しかない理屈w その後の顔射オチもそうなんですが、荒唐無稽なオチになってるようでしっかり理屈が通るんですよね。我慢してたから通り越しちゃった、という不憫すぎるオチに笑いつつ「たしかに」と納得もしてしまう。
 1本目のシュレディンガーのデリヘルも最高でした。とにかくアイディアとして面白すぎる。これで通常のエロ読切いけるやろ、とマジで思います。オチに関しては、主人公は箱の中を見るけど、読者には中身を見せないので読者にとってはシュレディンガー状態が継続、というのも秀逸でした。そもそも漫画はコマという箱で構成されたメディア……とか考えてしまう。
 ラストの泉の女神。エロギャグらしい2択、からのエロギャグならではの第三の選択肢になるのでうまい。両方もらうよりも良いものが……という悪魔的な発想。そして新作オナホの説明臭いタイトルがまた笑える。

エロマンガアカデミー」

 fu-ta先生。しれっと『おつかれ』の続編が準備中だと発表されてるので驚きました。最高やんけ。
 イラストを交えた「感じてるときのポーズと力の入り方」。このイラストで優里ちゃんに “フリだけだよ” と言わせてるのが最高。えーすけ先生のときにもあったけど、この講義のためにヒロインが実践してくれてる体裁好きです。通常の漫画の中のストーリーとは違った良さ、エロさがあると思います。
 スレンダーな体型の方が描きやすい、とfu-ta先生。前回のザシャ先生の「柔らかさ」表現と真逆なので面白いです。ザシャ先生はあえて骨格の表現は避けると仰ってたんですが、fu-ta先生は骨格を強調することで力が入ってることを表現する。対照的なんですが、どっちも正解なんだから面白いです。漫画って深い……(読む方で良かったw)
 前戯についての話がメインテーマだったんですが、『おつかれ』も最終話まで挿入がないのが特徴でしたよね。weeklyらしい構成だと思うんですが、その話をweeklyの別の企画でしてる。


 終わり。エロマンガアカデミーは大好きな企画なんですが、普段だと3つしかない枠が1つ埋まってしまうので「それなら漫画読みたい」って人もいたと思います。なので今回みたいな合併号形式だと安心ですね。まぁ、私は漫画読むのと同じくらい面白いと感じるのでもっと頻繁にやってくれて構いません。いやもちろん漫画も読みたいけど、ああいう漫画家が漫画について語ってるのめちゃくちゃ好きなんですよ。漫画描かないから参考にするわけじゃないんですが、漫画の奥深さに触れて「私には無理だー!」となるのが好き。
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