北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.14の感想

 暖かくなってきましたね(もはや暑い)。体調が一気に良くなってきたので笑う。単純かよ。
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『ここから始まるねとり症候群』照玉ぽてこら

 前編。こういう前後編の掲載久々ですね。
 おねショタ、なのに寝取り。1ページ目で混乱したんですが、生意気な妹の彼氏を取る。すべては妹憎しの心理に突き動かされてるので、相手は誰でもよかったという形。ヒロインはショタにそれほど興味はない。あくまでも復讐の過程としてのショタ。まぁ、次回以降ショタの魅力にハマる……なんて可能性もあるかもしれませんが。いや、元々そっちの気があった、という見方も可能かも。
 1ページ目が扉で、ヒロインが計画を始めた際の様子が描かれる。そして、2ページ目から物語が始まるんですが、この扉からのオープングがすごく良い。物語の土台作りの手際がめちゃくちゃ良い。説明の役割があるんだけど、インパクトのある扉のおかげで興味は高まる。この最初の3ページで既にめちゃくちゃ面白そう。そして次のページからヒロインが怒りの感情を爆発させ、行動を始めていく。流れるような開幕だったと思います。情報の整理がうまい。
 説明描写がうまいので「あとはずっとエロ!」となってもおかしくないんですが、その後もじっくりと計画が進められていくので、本格的なエロはまだまだ先。てか、エロらしいエロ描写はまったくないまま前編が終わったと言える。ヒロインの魅力はばっちり描かれるし、何なら可愛いの部分はショタが担当してくれるので安心なんですが。妹と違ってしっかり者なのかと思ったら……という動揺ぶりが素晴らしかったです。
 扉でも描かれた落としパンツ作戦。文字通りの「罠」という感じで面白かったんですが、そっからQRコードという飛躍。無茶苦茶なんだけど、それに対して “女の人のパンツにはQRコードがついてんのか?!” とリアクションするショタが可愛すぎるので最高であった。無茶苦茶でも冷静さを失ったショタは余裕で騙せる、という恐ろしさというかしたたかさ。
 順調にハマっていくショタ。オナニー指南をチャット越しで行うのとか手玉に取ってる感として象徴的でしたよね。教えはするけど出るには至らないので……と大事なところはお預け。次回への溜めが周到。
 計画の前の場面では姉の心理が丁寧に、というか爆発的に描かれたんですが、計画中はむしろショタの視点。姉の語りはむしろなくなって、順調に計画が進行していく不気味さが高まっていく。からの前編のラストで妹視点が開始。完全に寝取られの予感。話運びが見事でしょ。エロはないのにめちゃくちゃ面白い。

『宇宙公安警察ギンガーポール』ガッツ師範

 『チンサ』に続いて公的機関の話なので笑った。今度はSF要素も加わって荒唐無稽のインフレも感じる。めっちゃ楽しいじゃないか……。
 チンサの件があるのと、衣装がエロすぎる(男のが体張ってるので爆笑してしまった)のでエロいことする組織なのかと誤解しそうになったんですが、あくまでも警察組織。じゃあなんで透けチンコ……。
 主人公とその相棒にスパイ容疑がかけられる。敵対するエロ組織の「証」がないことを証明するんですが、その証が淫紋なので困ったことになる。豪腕で突き進むタイプの話かと思ったら、しっかり特殊な設定によって生み出される展開が面白かった……。淫紋は絶頂時に現れるので2人でエロいことをするようになるんですが、ここで面白いのが、互いに相手のことを「まさかスパイでは?」と疑い出す点。潔白を証明しようと頑張ると、「こんなにエロいなんてやはりエロ組織のスパイ……」と相手からの疑いが加速する。この互いに疑いながらエロが加速していく展開がめちゃくちゃ面白い。一度疑ってしまうと、それまでの思い出も “やたらとセックスアピールしてたような……” と怪しくなってしまう。人間の心理の恐ろしさ、弱さがよく出てる。ただ、セックスアピール疑惑はすべて衣装が悪いw
 互いに疑ってるので、セックスをしてもコミュニケーションは成立しない。それぞれ本音は漏らさずに内心で疑いながらセックスを進める。それ故にどんどん激しくなっていって面白いんですが、最後の最後では本来の立場を忘れ、思ってることをすべて言葉としてぶちまけ、気持ちを通じ合わせる。何ならちょっと良い話みたいな雰囲気にすらなるのですごい。
 からの、本当のスパイの正体は……と明らかになるエピローグ。ほのぼのとしたコメディのノリになるのが微笑ましくて良いな。セックスするのを見て満足なのかよ、という平和なノリが最高。


 終わり。月刊の方の快楽天感想も書いたのでよかったら読んでね。
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