北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.47の感想

 上記の告知ツイート。画像内であるセリフが伏せられてて、デリケートな単語であることを再認識しました。
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『つよくなりたい』1億年惑星

 1億年惑星先生のワニマガでの前作は代原(事情は知らんがそういうタイトル)でセックスはナシだったのですが、今回はセックスアリの本格エロ漫画。本格とは一体……。
 前回とは全然違うんですが、意外と似てる部分もあって、男女2人が鍛える鍛えられるの関係にある。ひょっとしたら本作の構想が既にある段階で代原のオファーがあったので、そのアイディアを別の形で利用した……とか妄想してしまう。まぁ、事情は分からないので勝手なもんです。
 同じだけど違う点としては、鍛える点がクズ。そして男性から女性へ。タイトルのページのマウントフルボッコが迫力ありすぎてマジ笑ったんですが、そっから訓練始めるのでジェットコースターのように振り回される。前回の代原はオッサンが良い人すぎることがオチになってましたが、本作では女性でクズなので当然のように、逆転。分からせ、という類に該当すると思います。思いますが、まぁ一般的な分からせモノとはまるで別物w お馴染みの類型なのに知らない、知らないけど馴染みのある展開、というアンビバレントな読み味が最高。成長譚からの師匠殺し、と見ると少年漫画、バトル漫画っぽい印象も感じ……なくもない。セックスパートが完全にバトルになっててそこがおかしいんですよね。セックスをバトルに見立てる作品は普通のエロ漫画でもたまに見かける手法ですが、本作は題材がレスリングということで例のタイトルコマでも出てきた「マウントを取る」行為がそのままバトル及びセックスの優劣に直結するので面白い。勢いがありすぎてナンセンスギャグに思えるけど、意外とレスリング部という題材がしっかり機能してるからすごい。
 ただ、エピローグの「1年後」でそのレスリング要素を丸投げして終わるので爆笑しました。年末に行われる何とか記念を連想してしまったのですが、ひょっとしたら年末用の時事ネタだったのかもしれない……。

『同居生活異常アリ!』角煮煮

 後編。催眠をしてしまった翌日以降の話。事故的な催眠だったこともあり、主人公である男性側に激しい動揺があるのが面白い。逆に催眠によって認識が上書きされてしまったヒロイン側は完全に割り切ってるというか、もうそれが日常として馴染んでしまってる。『常識改変活動記録』のシリーズは異様なまでの淡泊さが特徴だったと思いますが、本作は逆に主人公の葛藤を見せる。同じ催眠でもこんなにもアプローチが違うとは。催眠によって一変した日常に巻き込まれるのが術士の方、というのがめちゃくちゃ独創的だったと思います。最終的に「ただの日常」として落ち着いていく静かなエンディングもかっこよかったんですが、そこに向けて主人公が変化していく、というドラマ。エロパートでは、催眠かけた方がなぜかリードされるようでもあるのが新鮮でした。

『ブルーデイジー七宮つぐ実

 ゼロス100号記念の復活掲載。ちなみに、ワニマガ他誌のweekly宣伝ページでは来週以降の作家名だけでなく作品名も確認できます。
 名作として読んでるからってのもあるんですが、冒頭いきなり見開きが飛び出るのが超良かった。クラシックとしての貫禄を感じるというか。ゆったりとしたオープニングを予期させてからのいきなりエロ、という意外性も良い。てか、本作全体がずっとエロパートなんだけど、その最中で細やかなセリフやアクセント程度に差し込まれる回想によって物語を肉付けしていく。このセックスの前後にこの2人には(あとヒロインのお姉ちゃん)には何があったのか、と自然と頭の中に広がっていくような読み味。本作はシリーズモノというか、姉編もあるんですが本作単独を読んでもしっかり面白いというか、エロ読切としての強度がすげぇ。エロ描写は大充実なのに物語的な余韻もばっちり残り、想像の中で物語がどんどん広がっていく。たった21ページでずっとセックスしてるのにこんだけ広がるんだからすごい。


 ワールドカップが終わったので次号の感想は早め(いつも通り)に更新できると思います。したい。
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