北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.48の感想

 2022年も今週で最後です。軽く振り返ると、やっぱ今年デビューの作家さんの人気っぷりが驚きでしたね。たぶんそのうち今年のkomifloいいねランキングとか出ると思うんですが、そこでのweekly勢の大躍進がすごいことになるはずです。トップ10に3人来ちゃうか?
 てか、衝撃的なことに、快楽天本誌の最新号と今月のweeklyを比べたら最大いいね数で勝ってるんですよね。どじろー先生スゲェ……。
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『鳴らしあい』ミナギリ

 ギター教室で2人きり。最初に通しで読んだときはスムーズに読めて気づかなかったけど、本作結構時間が飛ぶ。最初に「今」があって、すぐに「1年前」、そっからヒロインが髪型を変えて、さらに進んでキスをし、一月もかからずにセックスに至る。そして「今」に戻ってメインのエロパートがあって、最後のエピローグが「3年後」。すごい飛び飛びで物語的な充実度が高い。極端にページ数が多い作品でもないし、情報量が多すぎて読むスピードが下がるようなタイプでもないんですが、2人のキャラクターの土台と背景、そんな2人の関係性の変遷が豊富。ほとんど場所も移動してないのに……というか移動してないからこその読みやすさなんですかね。クライマックスでは大きな場所の移動、教室からスタジオの移動が描かれるんですが、それが「いくらでも声を出せる」というプレイ内容に関わってくるのも最高。2人の「悪いこと」のドラマとしてもめちゃくちゃマッチしてて、ドラマ的にも盛り上がるし、その盛り上がりがエロの盛り上がりと完全に一致してる気持ちよさ。
 エロと関係ない細かい部分ですと、冒頭の場面におけるヒロインの左手から回想に入り、左手から2人の物語が始まった、と分かるくだりがオシャレストーリーテリングって感じで好きです。不真面目教師と始める「悪いこと」の物語の導入としても素晴らしかったですね。「waniha音楽教室」というそれなりに規模の大きい施設ならではのドラマ。大きい施設だからこそ最後にスタジオをヤリ部屋にできたって話でもありますね。無駄がない……。

ラブホ女子会』moyori

 ネットで知り合った「ツカサ」と初めてのオフ会。胸がぺったんこなツカサがいたらいくら美人でも男だと疑った方がいい、という知見を得られる作品。というのは冗談ですが、最近は男女どちらでも通用する名前をつける親も増えてるらしいので、こういうケースはあながち漫画特有の話ではないのかもしれない。
 ということで、女だと思ったら美形の女装男子。女装は女子を釣るための道具なのかと思ったけど、どうやら女装趣味は本当らしいので安心(?)しました。完全にに女装したままの着衣プレイも見たみたい……。
 そんな女装男子。少女漫画とかでありがちなドS王子のマジでクズ版という印象。実際はただのレイピストなんだけど、眼前に広がる美しさに脳が誤解しそうになるクラクラ感が楽しい。
 冷静になって読み返すと男女の肉体の細かい違いが丁寧に描き分けられてて感動します。可愛らしい絵柄によるデフォルメでいくらでも嘘をつけそうなもんなのに、ヒロインは小さく丸い。一方女装男子は高く角張ってる。各コマの彼のどこが切り取られてるかによって彼の印象がコロコロ変わるようでめちゃくちゃ面白いです。それと対照的なヒロインの無知かつ無垢な可愛らしさも最高でしたね。

『ツイシングガール』ぐじら

 ゼロス100号記念の復活掲載。ゼロス100号の方でのぐじら先生作品も楽しかったです。頭は悪いが元気と勢いは有り余ってるキャラクターの掛け合いが楽しすぎるんですよね。それは本作でもそう。文句のないエロの充実度なんだけど、それに負けないほどのセリフ量があって、2人のやりとりが面白すぎるのよ。ヒロインのバカキャラにも笑うし、主人公の負けっぷり、自覚した情けなさとかも絶品。「カイニュー」のくだりとかマジで余計なギャグなんだけど、本作のハイライトとして挙げたくなってしまうほどの魅力がある。ところどころで主人公が妙に冷静なのが好きw


 終わり。今年も終わりです。お疲れ様でした。ありがとうございました。良いお年を。
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