北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.32の感想

 月刊の方快楽天もやったのでよかったら読んでください。もう次号出ちゃったんですが……。
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『休日のクラスメイト』橙織ゆぶね

 レンタルビデオ店での出会い、良い! めっちゃ憧れる。サブスク全盛でレンタルビデオ屋自体が寂れてる気もするんだけど、本作はそこから「サブスクで観れるウチ来れば?」となる。「DVD持ってる」だとただの貸し借りで終わってしまう展開なので感心してしまったし、今時の子はマジでこういうキッカケでの家の行き来をしてるのかもな……とエロ漫画関係ない感慨にまで湧いてしまった。
 劇的なんだけど、日常の延長線上にありそうでもある劇的すぎないバランスが本作素敵。ヒロインのどこか何考えてるか分からない感じもありつつ、それでいてミステリアスというほど距離は感じない天真爛漫なバランスとかめちゃくちゃ良いんだよなぁ。2人のやりとりも含めて魅力的。基本はヒロインが翻弄するような形になるんだけど、彼女は彼女でドキドキしてるし、主人公はどこまで本気にしていいのか分からないけど本気にならざるを得ない……という機微。

『好きなんだもん <後日譚>』星井情

 『好きなんだもん』はとにかくラストカットが最高で、エロの余韻としても素晴らしいし、漫画としてめちゃくちゃかっこよかったんですが、実際にその後が描かれる。ご褒美ですね。当時、「何に使うんですか!?」と不穏さしかなかったアイテムたちが実際に使われる様子。ローション、ガーゼ、ペットシートの使い道とか普通に知らなくて当時ビビってしまったんですが、本作の最後にチラッと描写されるペットシートが人間捨てさせられてる感として、そのことをヒロインが完璧にコントロールしてる感として素晴らしかったですね。
 『好きなんだもん』本編は「清楚に思えた彼女が実は」という落差の部分にフォーカスしてるので、実際に行われるプレイは極端に激しいわけではない。ただ、本作では具体的なそのとんでもないプレイを見せてくれるので、本編の補完みたいな味わいもありますね。
 ガーゼ責めの際、目隠しをされるんですが、それを見下ろしてるヒロインの瞳が徐々に闇に染まっていく感じとか最高にゾクゾクしました。相手に見られてないからこそ彼女の本性、というか本音が垣間見える瞬間。タイトルでもある「好き」がある種の呪いみたいな意味で響いてくるのも素晴らしかったですね。

エロマンガアカデミー」

 25時限目、イゲドアハ先生による「生々しさとは何か」。魅力的なキャラクター論という感じですね。
 個人的には表紙イラストにもなった『ポメラニアン』の2作がぶっちぎりの傑作だと思うんですが(他も超好き)、なぜあの作品が特別なのか、他の作品とどの制作過程が違うのか、が明確に語られてて最高。貴重なお話。作者の性癖が全面に出た作品の方が面白くなる、というのはエロに限らずよく聞きますけど、マジでそうだったじゃん……と腑に落ちる。
 「OLの1日を追えるVR」というフレーズで笑ってしまったんですが、たしかに漫画とかで感じる生々しさによる魅力の究極型はそれなのかもしれないw 最近はモーニングルーティンの動画とかあるから、漫画の中の寝起きの場面だけやけにリアリティが増した、みたいな統計あったら面白そう(そんなものはない)。


 終わり。そろそろブログ本館の方に本腰入れようと思ってます。
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