北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.28の感想

 もうすぐ月刊の方の快楽天記事が終わります。ただし、先月。
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「表紙」どじろー

 地味で暗そうな子が見せてくる、という意外性が良い。本編を読むと「思ってたよりヤバかった」と驚くことになるんですがw 本編象徴する一枚としてめちゃくちゃ収まりが良かったとは思います。

『定位置』どじろー

 前編。毎日固定されてる乗車位置にてオナニーしてる子と出会う。最初は不審がりながらも軽い気持ちでいたが、日を追うごとにその子のオナニーが過激化していき、徐々に関わりが大きくなってしまい、平穏な日常が侵略されていく。何考えてるかまったく分からないヒロインの魔性性が素晴らしく、主人公の転落劇としてもめちゃくちゃ面白い。気づけば蟻地獄の中に入ってしまっていた……みたいな怖さ。
 ほぼ電車の中のみで話が進むんだけど、しっかり時間の流れは長めに描かれ、唯一と言っていい電車と関係のない日常シーンでは「普通の生活の中の幸せを掴むこともできたのに……」という後ろ髪を引いてくれる。ここらへん演出と話の無駄のなさが最高。背景的な情報もかなり少ない、ワンコンセプトで突っ切る話ではあるんだけど、それにしては真に迫るし、堕ちていく主人公の心理の変遷が味わい深い。主人公は堕ちてしまった側なので弱者と言えるはずなんだけど、終盤のエロパートでは完全に彼が主体となって攻めるある種の逆転のようなものすらある。まぁ、彼が主体になってしまった時点が彼の最後の一線だったとも言えるんですかね。
 あと、小ネタではあるけど、駅名とかが凝っててつい読み込んでしまいました。「ワニ町・マガジ方面」とかすごいw

『みっくすじゅーす』星井情

 後編「おかわり」。前後編と言ってもそれぞれが独立した読切になってる感じありますね。二部作みたいな印象。
 前編は春山視点だったけど、後編はヒロイン視点。前編を読むと春山の超人性というか「めっちゃ良い奴じゃん!」という部分に驚くと思うんですが、今度はそんな春山が他者として描かれる良さ。そりゃ惹かれてしまうよな。
 同じ2人を描いてるのに、前編と漫画としての読み味が全然違うのも良い。男女の視点がスイッチする試みの作品は読んだことありますけど、ここまで別の漫画になってるのは珍しい気がします。エロ漫画としてのジャンルが全然違うというか。
 今回一気にロマンチックというか乙女チックな方向に振れるんですが、それなのに乳首責めとか出てくる意外性も最高でした。ヒロインが自分の気持ちに素直になったというか、気持ちの整理がついたからこそ本来の彼女のキャラクター(先輩でありからかう側)という感じですかね。意外でビックリするんだけど、「この2人ならこうなる」みたいな納得もできるバランス。
 ただ、先輩としての余裕を見せるだけではなく、最終的な挿入パートではヒロインが再び乙女全開になるのも超可愛い。バックの体位で、気持ちを隠すように顔を隠してるんだけど、最終的には向かい合って……というエモさ。ドラマとエロシーンが分離してないのが見事ですよね。

「WEEKLY快楽天クロニクル」

 3周年の振り返り特集。3年ということでいろいろあった感慨もあるし、「あの先生もデビューはWEEKLY」という勝手な誇らしさとか、「あの豪華作家も」というありがたさもあるんですが、その中でもぽちたろ先生の異質さは際立ちますね。komifloでの反響が「なんか集計方法バグった!?」というレベルになってて本当に驚く。今年だけではなくこの3年の中での代表みたいなことになってるからすごい。たまに好きな作品に対して「これ掲載が月刊の方だったらもっといいねの数多かったんだろうな」とか思うことあるんですが、あの人気爆発ぶりを見ちゃうとあまり関係ないというか、「すごい奴はすごい」というシンプルな話なのかもしれない。
 こういう振り返りをすると、「これ全部感想書いたんだよなぁ」という感慨もあるんですが、どこか「何やってんの……」という気持ちも湧いてしまう。weeklyに限らないけど、こんなに続くとは思わなかったんや。


 終わり。明日には月刊の方の感想(先月)も更新したいなぁ。
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