北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.21の感想

 『モンハン』までもう1月を切ったのか……とそわそわしてきました。マジでダメ人間度が一気に上がるので買うかはまだ分からないんですけどね。我慢できるかもしれないし……(できない)。
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『本性』シャイン・ナビス

 おっさんがシャワー中にバックレようとしたら捕まる。タイトルもそうだし、冒頭の場面で出てくる「正直」という言葉が象徴的。ヒロインは演技をし、内心でおっさんをバカにしまくるんだけど……という逆転。エロ漫画としてのジャンルは「わからせ」になるんだけど、物語の中でヒロインが味わうのは「わかられ」る恐怖。このコンセプトが物語及びエロパートで徹底されてるのが面白かった。ヒロインは、冒頭では攻めとして演技をし、捕まったあとエロが始まってからは防御のために演技をする。その演技がすべて見抜かれ、本当に気持ちいいところを探り当てられる。おっさんに用意してきた仮面を破壊されるような話。いや、破壊されるというよりは仮面の隙間から内側に手を差し込まれる、みたいな不気味さかもしれない。今週のエロマンガアカデミーのコーナーでも「強制絶頂」について語られてた通り、強制絶頂というのは前作も本作も同じなんだけど、物語やキャラクター、絶頂に至るまでの過程がまったくの別物になっていて奥深さを感じる。「ヒロインが負ける」と一言で済ませてしまえばそれまでなんですが、実際に読むとその負けっぷりにそれぞれ個性があり、本作だと屈辱的な負けっぷりが強調されてて面白い。本作のヒロインが用意した仮面が何一つ役に立たなかった、という印象が強烈ですよね。「わからせ」としてのザマァ感でもあるんだけど、テーマの徹底ぶりが見事なのでそれとは別の「良いもん読んだ」みたいな満足感がすごい。

『あねうえにんぼうちょう』照玉ぽてこら

 こちらもweeklyでは2作目となるんですが、本作の方は前回からガラッと印象が変わっててこれまた楽しい。ラブコメというか、ハッピーな内容に振れるので驚きました。それでいて特殊なシチュエーションならではのオモシロもしっかり発生していて最高でしたね。冒頭でいきなり「数年後」となり、ショタが成長する、という構成も衝撃でした。ショタを描く上で表面的な可愛さだけを汲み取るのではなく「成長する存在」という側面も描いてるのが誠実というか、より魅力的だったと思います。成長を見守る感慨であり、それなのに手を出すことになってしまう後ろめたさ……とそれを払拭してあまりあるカラッとしたコメディ感。
 作品のノリと2人のキャラとシチュエーションや衣装と、いちいちの要素がぶっ刺さった。房術であり訓練という申し訳程度の体裁も良かったです。「これはそういうんじゃないから」と自分に言い聞かせる材料になってて、それがあるからこそ溜め込んだ思いが暴走していく。
 前作と全然違うと書いたんですが、おねショタ以外にも前作と一致してる部分はあって、どこに快感を見出してるか、という点。何が一番気持ちいいか。前作は、ショタの相手をしながらも悔しがる妹を見てヒロインは一番の快感に浸ってたと思うんですが、本作でも直接の性感とは別の部分に快感のピークが来るように描かれてる。分かりやすい例として、本作で二度あるショタが射精する瞬間。一度目は相手が義姉上だと気づいた瞬間で、二度目は猿ぐつわ越しにキスされた瞬間。性感や房術に負けたのではなく、義姉上と結ばれたと強く自覚したからこそイッてしまう。この徹底ぶりというか、展開が的確すぎてマジ最高でした。
 てか、ヒロインは目を隠してるし、ショタは口を塞がれてるし、とめちゃくちゃイレギュラーな作品でしたね。それでも2人の感情のデカさは伝わってくるし、そのギミックを踏まえた展開やオチが用意されてるので面白かったです。最後のさらなる成長を遂げたショタが迫ってくるのとかホント最高なんだよなぁ。初めてのキスなんだけど、それを隠すという演出もオシャレ。

エロマンガアカデミー」

 23限目、シャイン・ナビス先生による「強制絶頂」。
 最後の方に出てきた、 “自分の好きなジャンルがもっと蔓延るよう” という部分が作家の主張として痛快でした。ものすごい素直というか、純粋故のたくましさのようなものを感じる。
 あと、今週の『本性』について、具体的な描写や演出について語られてて、これはマジで貴重というか、ありがたい話。映画の副音声解説みたいな良さがあって好き。漠然とした印象としては受け取っていたんだろうけど、おっさんがヒロインのセリフを遮ることで2人の優劣が感じていた、と言葉で理解できる気持ちよさ。そういう細かい演出やシチュエーションの面白さもあるんですが、やっぱ漫画として、物語としてエロが描かれることでしか生まれない魅力が間違いなくあるよなぁ、とかエロ漫画の良さであり奥深さも感じました。


 快楽天の感想も進めてるんですが、残り8本くらい。もうすぐ終わりそうなんですが、今週はイレギュラーな用事が多くて時間が用意できるか少し怪しい。来週のweekly記事更新までには終わらせたいです。
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