- 『あうとろ♡』えーすけ
- 『デリヘル嬢は本番なんかしません!』翁賀馬乃助
- 『One Way Lover』ホムンクルス
- 『初体験のススメ』もじゃりん
- 『凸乳ちゃんねる』オクモト悠太
- 『運命のひと』楝蛙
- 『さくらの下で』ほしとラッキー
- 『専属♀執事』肉棒魔羅ノ進
- 『す・ん・ど・め』八尋ぽち
- 『マコさんはとても器用』八樹ひより
- 『犬も歩けば棒に当たる』京のごはん
- 『キミに誅♡』鳥茶丸
- 『キミの好きなとこ』ぼーかん
- 『Take OUT』柚十扇
- 『叶さんは襲わない』デルタナイン
- 『つばめのお宿』りんごくらぶ
- 『異世界はこう抜く』F4U
♀執事という概念に感謝。
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『あうとろ♡』えーすけ
セックスしないと出られない部屋。「えーすけ先生マジで!?」と1ページ目で心底驚きつつ笑ったんですが、例の部屋は本作におけるメインではなく、むしろ下準備。例の部屋でセックスしてしまったことでそれまで保っていた関係が決定的に崩れる。ここが見事だった。部屋設定ってセックスに至る流れを考えるのがめんどくさいから重宝されてると思ってたんですが、その先を描くので味わい深い。兄妹ものの『つづれおり』は血が繋がってないと知ることで理性のブレーキが壊れる話だったけど、本作は部屋の中でのセックスによってもう戻れなくなる。あんな無茶苦茶な設定で始まったのに、メインのセックスが始まる際の緊張感、丁寧な心理描写が最高。
1ページ目でヒロインには彼氏がいると明かされてるのも良い。何なら物語的な意味ではここが一番重要だったかもしれない。軽い寝取られ(BSS)的な立場だった主人公が部屋によって寝取りに転じる。
部屋のときはゴム使ってたのに、その次のときにはゴムを外す。ピル飲んでるからということで、彼氏とナマで楽しんでることを意識させられ(生理痛対策とかは一旦置いといて)、主人公の逆転寝取り的な気持ちが高まっていく。ピルを飲んでるのは冒頭の部屋の場面でもそうなんだけど、そのときは明かさず、今明かす。全力で気持ちよくなるため、という心理が伝わってくるのがエロい。この手のピル展開はよくあるけど、2度目のときにはナマ解禁、という変化が生じるのが珍しくて好き。
部屋でやったときは主人公が「もっとやれたけど」と途中で切り上げるんだけど、終盤ではヒロインの方が何度も延長戦をリクエストする。彼女の方も「もっとやれた」と思ってたのでしょうね。てか、「もっとやりたかった」という気持ちがあるから日常に戻ってから我慢できなかった、という話なのでしょう。相性の良さもあるけど、2人とも強すぎる……。
『デリヘル嬢は本番なんかしません!』翁賀馬乃助
単行本2冊目を終えてからギャル(奔放ヒロイン)方向に舵を切った感のある翁賀先生ですが、その中では初の女性視点と言えそう。基本的に女性優位の関係になるんだけど、下の立場の男に対して好感を抱くことで徐々に心を開き、つい本番を誘ってしまう……という心理描写、それによるヒロインのキャラクター的な魅力がすごい。身バレならぬ風俗バレしたチックトッカー設定もヒロイン側の「ホントはダメだけど」の心理に繋がってて良かった。こういうある種の芸能人とファンの関係を扱う作品って男視点になって当然みたいなイメージあったけど、男のことを好ましく思ったからこその歩み寄り、みたいなセックスへの導入が最高。デリヘルなどのお店では紳士的に振る舞いましょう、という教育的なメッセージにも期待できるw
そんなヒロイン側の余裕、相手のことを誘惑しながらも頭の片隅ではどこか冷静になってるようなモノローグが良かったんですが、本番が始まると徐々にその余裕が崩れていくのも良い。ただ、逆転とか快楽堕ちみたいな話にまではなってない印象。最後まで余裕ぶった口調を保とうとしてるんだけど全然保ててないというギャップがエロい。「サービスしてあげる」的なことを言ってるんだけど、どう考えても自分が気持ちよくなりたいからと伝わってくる。冷静に語ってたモノローグが消滅するのもセックスに没頭してる感ですよね。
「さわやか天然水」の間接射精描写も個人的には大好きでした。『ゆきずりhighウェイ↑↑』だと揺れてたお守りが止まる、という見せ方が最高でしたが、あれとは違って今回はクライマックスで間接描写が採用される。ペットボトルが落下して中から水が飛び出るという激しさもあり、水の描写がモロに射精なので全力の射精という説得力がすごい。コマ割りの妙でペットボトルの落下感もあるし、それ故の溜めて溜めてドンという勢いもあって、そっからの左ページがコマぶち抜きでエロ描写が盛り上がるという緩急が最高。
『One Way Lover』ホムンクルス
凪の名前の通り、表情からは感情や考えが伝わってこない……と思ったら最後の展開で爆発。海面は凪だが、その少し下には激しい海流が潜んでいた、みたいな。溜めて溜めて最後に爆発するような構成の作品なんだけど、32ページの長めの作品なこともあって溜めからの開放感がとにかくすごい。こう書くと最後に盛り上がる構成を想像してしまうけど、本作驚くほどにエロが多い。エロ比率は通常の読切と大差ないと思う。前半は「なんでこんな簡単にエロに発展してしまうんだ」なんですよね。ここでも凪キャラがうまい具合に機能してる。その後もセックスを繰り返すんだけど、その度に2人の関係性に変化が生じる……というかヒロインの真相が徐々に明らかになっていく。ずっとエロだけど、キャラクターの多面性、重層性は感じるし、繰り返されるエロの中に物語的な展開がしっかりとある。セックスでキャラとストーリーを語る、という意味でめちゃくちゃ王道のエロ漫画という感じ。セックスの多さとストーリーの深さが反比例するとは限らないんだなぁ、と痛感させられる。
『初体験のススメ』もじゃりん
もうすぐ35歳でアラフォー突入という事実に焦りまくる童貞と処女が出会う。若い未経験より、そこそこの年いった未経験の方が卒業に対する特別は思いは大きいし、何なら未経験ならではの心理とかに可愛いものがあるのかもしれない。互いに経験があるフリをするので、その下手なごまかしぶりがコメディになってはいるんだけど、相手も未経験なのでなかなかバレない、というツッコミ不在の状況がまたおかしい。おかしいけど、それぞれが必死で、その不格好さがちょっと愛おしくも思えてくる。
互いに良い年してるのと、オナニー大好きなので偏った知識は豊富で、変態プレイに対する心理的ハードルが低いというか、「このくらいは普通?」みたいな感じになってるのも面白い。初めて同士のセックスだと地味な内容になりそうなもんだけど、本作はその問題をうまいこと回避してる。
2人ともあっさり未経験であることを明かすのが微笑ましい。悪い人では全然ない。互いに明かすことで挿入に至る、というのも物語的&感情的な盛り上がりとエロの盛り上がりが合致してて熱い。その後、長年の願望を叶えるべくいろんな体位を試してみる、というのもエロいし、ちょっとした感動もある。それぞれの体位の気持ちよさの違いを見極めようとしてるのが良いですよね。気持ちよさの受け取り方が細かいというか。
あと、冒頭の場面で主人公が観てるAVに撫子さんが出てるのでのっけから笑いました。そういや、そんな回もありましたねw
『凸乳ちゃんねる』オクモト悠太
主人公がハマってるゲーム配信者が実は近所の奥さん。身バレということで、今号の『デリヘル嬢は本番なんかしません!』と共通する部分が多いんだけど、似てるからこそ細かい違いが際立って、それぞれの良さがよく分かる。ヒロインの身バレなんだけど、精神的に優位に立ってるのはヒロインの方で、身バレとは別にルールに反する関係に至る、という背徳感。本作はそもそもエロが始まること自体が事件なんだけど、それはすべてヒロイン主導。コスプレ衣装をがっつり見せてくれるのも本作の方がより「本来ならあり得ないこと」。そんなヒロインの気持ちが乗っちゃってる感、からの人妻が若者をたぶらかしてる感をカラッとしたノリで描いてるのが本当に良い。ナース衣装をわざわざコスプレ用と明言してるのも「本物はこんなエロくないから」と妙にリアルで良い。逆にロマン方向に全力投入してるデザインであることが強調されるし、そのことをヒロインが自覚的。ナース服なのにリビングのソファーを舞台にしてるのも、日常なのに非日常というギャップがあって素敵でした。最初から最後までソファーで完結するのも何気に面白いですよね。体位とかかなり限定されそうなんだけど、窮屈さは一切なく、むしろ独自性が光る。
『運命のひと』楝蛙
なんて直球なタイトルをつけるんだ、と思ったらめちゃくちゃビターな内容であった。だからこのタイトルなのか……。それはそうと、1ページ絵のヒロインのスーツ姿がヤバいです。完全に好き。そこから途中で高校時代、大学時代の姿が回想で差し込まれるのも最高。イメージの細かな違いが魅力的だし、違いがあるからこそ2人の時間の流れを感じる。
そんな高校時代の思い出。2人の仲良しエピソードとして映画ソフトの貸し借りが行われる。『似た者どうし』でも映画を通じた交流があって個人的に喜んでたんですが、今回出てきた映画は『インターステラー』でしょ。たぶんだけどタイトル特定できたよ。そんなことをkomifloのコメ欄で言ってるのが私です。ピンときたのが嬉しくてコメントしてしまった。
話は戻って、それだけの時間の経過が2人の繋がりの濃さを感じさせると同時に、「なんで付き合わなかったんや」というもどかしさ。もどかしさでもあり、もうどうにもならない手遅れ感ですね。それが切ねぇんだよなぁ。『運命のひと』なんて言われると余計に来る……。
エロパート。場面はキスから始まるんですが、ゆっくりと唇と重ねるのではなく、くっつけた唇を離すとこから始まるのが最高でした。場面転換による飛躍という盛り上がりも感じるし、この2人の物語とのマッチ具合も最高。
今回のエロはヒロインの方から誘ったので、ヒロインに誘惑されるような良さもあるんですが、エロパートだと意外とそう単純ではなく、あくまでも男の方は付き合ってやってる感が少なからずある。気持ちがあるのも間違いないんですが。この手の構図の作品って、ヒロインのからかいや誘惑がとにかく男を揺さぶりそうなもんなんですが、本作はその誘惑がいまいちクリーンヒットしない。セックスには応えるけど、完落ちはしない。ギリギリのところの理性が意外なほど強い。エロ漫画なのに……それが余計に切ない。 “…出したら” “終わっちゃうよ…” とか超絶キラーフレーズだし、こんなこと言われたら出すの我慢する、もしくはもう一発頑張りそうなもんなんですが、外に出して終わる。この打っても響かない感がなぁ、つらいよなぁ……。まぁ、あのセリフによって我慢が利かなくなったという側面もあるとは思います。
2人の関係がエロになる、というエモーションが爆発するような場面で、冒頭の場面の居酒屋の名前が「始発でかえる」と判明することに2周目で気づき笑ってしまった。実際には始発を待たずにタクシーで帰ってしまったのがつれぇわ。
2周目の気づきでいうと、学生時代、サボり仲間という「共犯関係」だった2人が浮気に至る物語だったんですね。よ、よく出来てる……。男の方は常に聞き役だった、というのもエロパートの2人のやりとりを考えると胸に来るものがありますね。
『さくらの下で』ほしとラッキー
優等生で学級委員の鈴木さんの秘密を知る。正確には “秘密をわけてもらった” 。アオリだと「共犯」という言葉を使っていて、これらの機微が本作の魅力を端的に表してる。秘密を知るだけではなく、2人で秘密を持つようになる。共犯ネタが2作連続で掲載された形になりますね。
冒頭、そんな秘密を知る場面が描かれるんだけど、ヒロインの秘密の行動が真正面からズバッと描かれない(察しはつく)。この静かな雰囲気が本作の魅力だし、背景が桜の木と美しいので、油断するとただキレイな話をしてるのではないかと錯覚しそうになる。そんな中の2人のエロが背徳的でありながら静かで、どこか美しくもある。
主人公も真面目で優等生タイプで、たぶん童貞ということもあり、プレイの内容が特別激しいとかではないんだけど、野外における緊張感も相まって、その大人しめ(だけど大胆)なプレイが良い。ヒロインの慣れてる感、慣れてるんだけど静かに楽しんでる感があって魅力的。ただ、 “バレても関わろうとする人少ないと思うし” の言い分とかめちゃくちゃ猛者っぽくて底知れない雰囲気がある。もちろん、それでも関わろうとした主人公のことを踏まえた発言でもあるんだけど。
そんな秘密についての物語だったんですが、最後にヒロインの “秘密だよ?” で締める、それも顔は映さずに桜を映す終わり方がもう最高なんだよなぁ。めちゃくちゃ甘いハッピーエンドとも言えるんだけど、それだけじゃない余韻の魅力がある。
『専属♀執事』肉棒魔羅ノ進
冒頭1ページがカラー。本編と離れたページにあって、話の時系列的には後日譚的な感じなんですかね。♀執事にハマってしまった学生の坊ちゃん、という本作のコンセプトを端的に示しつつ、本編ではその経緯と細かい心理を丁寧に描いていく。色物っぽい設定なんだけど、驚くほど心理とキャラクター描写が丁寧で素晴らしい。
などとウダウダ書いたんですが、正直この♀執事というコンセプト&作品で描かれるビジュアルがもうとんでもなく刺さってしまった。こないだショタ執事の良さを知ったときにも雷に打たれたような衝撃だったんですが、♀執事もあったのか……最高すぎる……。本編としては “全然好みじゃないはずなのに…!!” が陥落していく内容なんですが、私としては「一目見たときから好きでした!」という感じ。いやマジで本当に性癖すぎる。
「どういう構造してるの?」と言いたくなるほど複雑な執事服(バックショットが衝撃)の凝りようとか感動を覚えるレベルだし、かと思ったらメイドビキニみたいなのまで出てくるので盛り沢山すぎる。もっと長いシリーズもの用の設定(デザイン)とかでもいいんじゃない? などと勝手な心配をしてしまうレベル。個人的にはカラーページの最小限に脱いだ執事服が一番好きです。執事服をもっと見たかった気持ちもあるんですが、あのメイドビキニは坊ちゃんが興奮しやすいようにと準備されたものだと思うとまた愛おしい気持ちが湧いてくる。
ヒロインに対して少し精神が幼めで、結果的にチョロい坊ちゃんも可愛いし、彼に対する好意を隠せなくなっていくヒロインの姿がこれまた素晴らしい。好意に突き動かされてるのは間違いないのに、怖い顔で坊ちゃんに詰め寄ってしまう感じとかもたまんないんだよなぁ。エピローグで「ショタコンやんけ!」となる感じも微笑ましい。坊ちゃんによる逆転はないんだけど、堕ちた坊ちゃんがヒロインのことを認めるセリフを吐いて、ヒロインの理性がいよいよぶちぎれるクライマックスも最高と言うほかない……。
『す・ん・ど・め』八尋ぽち
明るく感情表現豊かな彼女がセックスのときだけ大人しい。そんな彼女に寸止めを試みたら大成功。彼女が激ハマリする話でもあるんですが、彼氏の方が割と暴走気味に寸止めプレイを始めてる。彼女に喜んでもらいたい、普段のセックスに自信を持てないという絶対的な好意が土台となってるんだけど、寸止めの追求ぶりがかなり度を越してて、結果的にはかなり変態度の高いことになる。めっちゃ仲良しのカップルだし、支配的な関係とかは一切ないはずだったんだけど……というずるずる感。いつの間にかすごいことになっちゃってる感じが良い。寸止め自体はそれほど特殊プレイって感じではないじゃないですか。ちょっとした意地悪くらいで終われば割と普通のことだと思うんですが、それに彼氏の方がハマりすぎてしまう。
過激化した寸止めとして電車内での前戯が行われるのが意外。寸止めとは別ジャンルの変態プレイな気もするんですが、我慢を強制される場所としての電車(公共の場)イクことも声を出すことも許されない、という電車のチョイスが良かった。そこから彼の自宅に移動して念願の本番になるんですが、電車であそこまで我慢の限界になっちゃってるのを見ると、駅から家までの移動中もすごかったんだろうな……と描かれてない場面も想像してしまう。
我慢の果てについに……という盛り上がりもあるんですが、クライマックスではお漏らしまでしてるのでインパクトがすごい。扉でも描かれてて印象的だったんですが、これはたしかに電車はまずいわw
エピローグで微笑ましいカップルの日常に戻るんですが、この非エロ時とのギャップが最高ですよね。ツインテールでかなり可愛い系なんですが、寸止めプレイ中は妖艶な雰囲気すら漂っていて、だからこそ彼氏の方も燃えてしまう。そんな彼女が攻めに転じたらどんな顔を見せるのか、という余韻も素敵。
『マコさんはとても器用』八樹ひより
陰キャに優しいギャル。まぁ幼馴染なんだけど。ヒロイン、黒くはないけど黒井さん。なぜなら『黒井さんシリーズ』の黒井さんの妹だから。ヒロインのことをそそのかす存在として黒井さん(姉)が少しだけ出てきたのも嬉しい。回想のコマにも映ってて「この姉妹……良い!」とならざるを得ない。
男の方が、図体だけでかい陰キャという設定なんですが、ヒロインからしたらすらっとしててかっこいいらしい。背が高くて猫背だとどうしても暗い印象になるんですが、クライマックスっは騎乗位なので猫背によるマイナス効果はない。大事な場面では陰キャっぽく見えなくなってるのが演出として的確。互いに慣れない状態でセックスを始めた場面のとことかかなり情けないことになってて独活の大木感あるんですが、それが見違えるようになる。セックスによって描かれるドラマ性。
オープニングでは火力高めのギャルものかと思ったんですが、読み進めるうちにギャルらしさはあまりないキャラクターで、見た目とのギャップが魅力……とか思ってたら最後、エピローグにおけるメガネの破壊力がすごい。そこで料理してるのがニンジンというのも2人の思い出を踏まえてて良い。彼女も同じことを覚えてた、という感動ですね。
『犬も歩けば棒に当たる』京のごはん
太眉の犬系ヒロインがめちゃくちゃ可愛い。このキャラデザにした時点で既に勝ち、とすら思う。作家名を見てなかったら絶対にポップなラブコメになると錯覚してしまう。その物語的な落差、ヒロインの転落(?)ぶりが衝撃的で、そこが本作最大の魅力。ヒロインのキャラクターとヤリサー的なシチュエーションが食い合わせ悪すぎて、それが背徳感のような味わいに繋がる。
ヒロインが快楽堕ちしてキャラクター崩壊、みたいな話じゃないのも良いですよね。快楽堕ちはするんだけど、彼女の明るいキャラクターは最後まで維持される。されるんだけど、ヤリサーに順応している。途中で他校の女子、海老沢さんが出てくるけど、その子が「普通の子」という感じで、ヒロインのポップさ、ラブコメ感を改めて強調してくれる。海老沢さんみたいな子がヒロインで、彼女が転落していく話だったら割と想像がつくんだけど、従順で真っ直ぐで、何よりポップな雰囲気があるのに……というギャップがすごい。
『キミに誅♡』鳥茶丸
ショタと保健室の先生。おねショタはおねショタなんだけど、ショタ側のキャラクターが特殊で、自分自身のショタとしての可愛さを理解していて、それを利用して年上の女性たちを散々捕まえてる。そんな中、次のターゲットとして保健室の先生に目を付けるが、彼女は彼女でこれまた超特殊。ショタコンなので天然か演技かを見抜くことができる。フェイクと見抜く場面が面白すぎるので笑いました。急に心理戦みたいなことになるw 保健室でのおねショタなので、絵面としてはめちゃくちゃ可愛らしいんだけど、実際はあまりに殺伐としている。ヒロインのハイライトのない瞳とか底知れない恐ろしさ、そして強者感があって最高でした。分かりやすい可愛さはむしろショタの方が担当してて、ヒロインの方はクール。やってることはほぼハンターですねw ショタを懲らしめる形になるんですが、やってる最中の表情がどう見ても楽しそう。フェイクショタにブチギレてたけど、これはこれで絶対好きだろ、という感じ。むしろ天然ショタをハントするときはどんな雰囲気なのだろうか……と妄想が膨らむ。優しいお姉さんとして最後まで振る舞うのだろうか。それも見てみたくなってしまう。ただ、彼女にとって優しいお姉さんというは演技で、ショタを懲らしめる際の高圧的な態度の方が本当の姿に近い気もしますね。つまり、最初は2人とも演技をしていたが、互いに本音をさらけ出してぶつかり合うようになる話とも言えるのではないか。ただし、ヒロインの方が圧倒的に強いので関係は対等ではないw
結局のところ、ショタ狂いのヒロインが嬉しそうに彼女のやりたいことを完遂するので、めちゃくちゃ変則的に思えたが、これはこれでおねショタ作品としての魅力、おねショタ作品で見たいものは大体詰まっていた気もします。
あと、ヒロインの衣装、エロパートにおける脱ぎっぷりも超良かったです。可愛いとかエロいって印象ももちろんあるんですが、同時に強そう。
『キミの好きなとこ』ぼーかん
八重歯(犬歯)がコンプレックスな子犬系の彼女と、そこが好きな彼氏。彼氏が変態的なリクエストをしまくる話なので一方的な関係に見えるけど、結局のところ、めちゃくちゃ仲良しな2人がイチャイチャしてるだけだったようにも思えてくる。この2人の関係性の描き方、彼氏のクズになりすぎないバランス、ヒロインの嫌がってるけど彼のために一生懸命やってるのが伝わってくる機微というのが秀逸でしたね。ちょっとでもバランスが崩れると読み味が大きく変わってくるというか、エロ漫画としてのジャンルが変わってしまう。変態的な追求もあってセックス自体は激しいんだけど、2人の間に双方向の好意があるのが確実に伝わってきて、激しい中にも優しさやデレが垣間見える。
2人のキャラ描写が良いって件とも通じるんですが、冒頭と最後の非エロパートにおけるヒロインがめちゃくちゃ可愛い。地雷系という雰囲気も良いんですが、言動や表情、デフォルメの描写とかマジ最高に可愛いんですよね。マスク着けてキレてるようなコマとかも大好きでした。
『Take OUT』柚十扇
合コンでお持ち帰られ希望のヒロインと静かに帰宅希望の竿。ヒロインのとにかく自信たっぷりで、それ故に感情表現の大きいキャラクターがひたすら魅力的。誘惑するために大げさに演技してる側面もあるんですが、演技じゃない場面でも明らかに表情に宿る感情が強いんですよね。もしくは感情がでかい。1ページ目のもはやドヤ的ですらある表情とかホント可愛いし、この時点でもう彼女がどういうキャラクターなのか伝わってくるようでもある。1ページ目(ヒロイン初登場コマ)選手権があったら本号で優勝ですわ。
顔も強いが胸も強い(でかい)。過去作のことを考えても巨乳は標準装備な感じもあるんですが、本作はヒロインのキャラクター的に、彼女が自分の武器を十二分に理解した上で魅力的に見えるように、気持ちよく感じられるように胸を使っている感じもあって素敵。部位とその描写という即物的なものなんだけど、キャラクターも相まってその魅力が倍増していく、みたいな。おっぱいオープン! というコマのド迫力感とかマジ圧巻でした。
自信満々の顔も、おっぱいも強いんだけど、彼が惹かれたのはそのどちらでもなく、負けを感じ始めたヒロインが見せた泣き顔。ここでも表情の魅力が最高なんですが、初めて見せるネガティブな感情。ネガティブと言っても可哀想とかそういうニュアンスではなく、彼女の本音がようやく露出した、みたいな良さ。
開幕のドヤ感が最高って書いたんですが、最後のコマもドヤ感溢れる表情してて可愛かったです。別に上の立場に立ってるような場面ではないんだけど、「なんでそこまで自信持てんの?」という微笑ましさ込みで可愛い。
『叶さんは襲わない』デルタナイン
飲み会で大人しそうな先輩(年下)に捕まる。アオリの「捕食者」が言い得て妙ですわ。男目線では「マジで!?」という驚きの連続でいつの間にか取り返しのつかない状況になってるんだけど、ヒロインからしたら目つけた相手を順調にいただいただけの話。この2人の温度差、圧倒的なまでに分かれた強弱の立場が良い。開始5ページくらいは普通に順調にセックス迎えそうな雰囲気あったんだけどなぁ……と読み返した際に微笑ましい。
拘束もされて完全に支配の関係ではあるんですが、実際に行われるセッックスにおいて暴力的な要素は驚くほどにない。肉体を攻めることはせずに心を折る……というか心をぶち壊しに来てる感があって最高。寸止めではなく、刺激はなくなって中途半端に射精してしまうのとか鬼のようなプレイ内容で笑いました。射精はするけど誘い水となってより射精欲が高まってしまう、射精の準備が整ってしまう。
ハードな快楽堕ちでもおかしくないし、実際そういう内容でもあると思うんですが、本作で描かれる範囲、男側の語りは意外と達観してるという感じがあるのも面白い。エピローグにおける同性店員感における妙な連帯とか笑ったんですが、射精時の “今の 告白かなあ…” も素晴らしかった。堕ちてるんだけど、どこか冷静な考えをしてる。疲れ果ててテンションの低い状態。懸垂器から落とされて下から彼女の体を見上げる構図もド迫力かつ、彼の転落ぶりとして最高。
『つばめのお宿』りんごくらぶ
大家さんの娘がやたら懐いてくる。巻末の『叶さんは襲わない』からの流れ、逆落差がすごいw めちゃくちゃポップで可愛い系の作品。
冒頭の非エロパートでも「顔でバレバレ」という話だったけど、それがエロパートでも、そしてエピローグでの大家さんの発言でも一貫してる。とにかくヒロインの顔であり、彼女の顔で伝わってくるもの。主人公のことをめちゃくちゃ好きで、真っ直ぐにぶつかってくる感じも可愛いんだけど、気持ちが高まりすぎて軽い暴走状態になった顔も超可愛い。あそこだけ切り取るとかなりヤバい系の話になりそうな雰囲気もあるんですが、自分のことをコントロールできなくなってる感がヒロインの魅力になってるのは間違いない。暴走してるので主人公とのコミュニケーションが成立してるとは言い難いんですが、セックスを通じて徐々に2人が気持ちを通じ合わせていき、完全に伝わり合った状態でクライマックス、という盛り上がりも熱い。ここらへんのアゲ感はエロ漫画ならではの魅力ですわ。
『異世界はこう抜く』F4U
第28射。今回の客はフランケン(フランケンシュタインの怪物)。おちんちんがないので物理的に射精機能がない。解決法はシンプルにおちんちん(蛇口w)を付ける。過去イチと言えるほど身も蓋もないんですが、工事が可能か確認し、勝機を確信したまくら嬢が相変わらず色っぽいんだよなぁ。あと、股間に手を突っ込んで工事してるのが「実はめちゃくちゃエロいのでは??」と不思議な感覚になる。
しかし、蛇口ひねったら出続けるって快楽がでかすぎてどこかぶっ壊れしまうんじゃないかと心配w
forms.gle
終わり。大体10日までに快楽天記事を終わらせるのを何となくの目標にしてるんですが、今月はクリア! と言ってもマジでギリギリで、かつそもそもの設定が自己満足的なので「だから何なんだ」という感じではありますが……。まぁ、このブログの存在自体が自己満足ですのでオールオッケーです。
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