北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2021 No.39の感想

 電子オンリーであるweeklyにも白抜きの波が到来してしまった。まぁ、先週まで巨大黒海苔だったことを考えると当然なんですが。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

ファインダーの向こう側』波乗かもめ

 不本意ながら女子の隠し撮りをして男子に売ってる主人公が被写体の子に見つかる。作品的に「見られる」という表現の方が適切かもしれない。タイトルがそうだし、ヒロインがいわゆる片目隠れなのも「見る/見られる」のテーマの一環だと思うんですよね。
 平たく言うと、そんな片目隠れのデザインがめちゃくちゃ可愛いので魅了されました。序盤にある上目遣いのショットとかたまらないものがある。控えめな印象で、庇護欲みたいなものをかき立てられるが、彼女は実は……という展開が面白い。
 主人公のやってることは結構最低なんだけど、ヒロインに対して “自分が性の的になってるなんて知られたら絶対に悲しむ” と思いやることができる点は彼の残された誠意というか、守らなくちゃいけない最後の一線という感じですね。「性の的になる」という見る暴力について気づけてるのが彼の善人たる資質。ただ、その “絶対に悲しむ” という認識がそもそも間違っているw
 ということでヒロインが本性を現す。逆転みたいなオモシロがありますよね。先ほどまでの上目遣いで可愛い印象だったのが、同じ上目遣いでもフェラ時の強者の視点へと印象が反転するから最高。このヒロインの二面性、2つの顔が展開として、そして単純に絵として楽しめた時点で本作は勝ちなんだと思います。
 からの主人公の再逆転。というか、彼の誠意が彼女に響く。この形勢逆転の瞬間、初めてヒロインの両目が漫画的に描かれる。彼は彼女のことをちゃんと見ている、という表現ですかね。その直後の場面で右目のみが初めて露出したのも象徴的だったと思います。ヒロインは男子たちに見られることに気づいて、見られる快楽に浸ってたわけですが、主人公とのセックスを通じて見られることを想定してない顔(右目)を見られることになる、という話……なんじゃないですかね。
 なのでハッピーエンド……と思ったらそう簡単には行かない。彼女の性癖はさらに上を行くのであった、というオチ。とはいえ、主人公の気持ちがある程度響いたのも事実な気がするんですよね。最後の写真は彼女の性癖の話なので。最後の表情も裏切られたというよりは、してやられたみたいなカラッとした印象でした。てか、本作、ヒロインの表情が良いんだよなぁ。表情とドラマが不可分になって、それによってエロが盛り上がる形になってたと思います。

『魅惑の灰色』葵奈太

 学力2位のヒロインが学力1位の主人公に勉強を教わる。2人だけの勉強会、何も起きないはずがなく……という話。エロパートへの飛躍が大きいのはエロ漫画特有のものだと思ってたら、最後まで読むと「まさか主人公の学力を落とすために?」という可能性が出てくる。タイトルの『灰色』はまさにこの「どっちなんだ?」というハッキリしない状態であり、ハッキリしないからこそ惹かれてしまう、という味わいだったのでしょう。ただ、冒頭の場面についたアオリが「抗いきれない青春の艶技力」なので、好意ではないという説が推奨されてるのかもしれない。ひどいw(実際そうだと思うけど)
 『ファインダーの向こう側』と同様にヒロインの二面性が魅力的。最終的に彼女のことを掴みきれない、みたいな距離感、関係性で物語が終わるのも似ていたかなと思います。あの余韻を引きずるようなラスト、良いですよね。
 そんなヒロインの二面性を象徴する展開がエロの展開として描かれたのが最高。ヒロインの清楚感、真面目感を演出していた髪留めを使って主人公の腕を拘束する。これ良かったなぁ。ヒロインの逆転であり、ソフトなSMなプレイに近づくんですが、そこで「ヒロインの髪がほどける」という絵的な変化があったのが良い。あそこでヒロインの本性が露わになったと読むこともできますよね。そして、フィニッシュの直後には “私の…勝ちだね” ですよ。てか、彼女の目的は勝つことだったと考えるとラストは灰色なのではなく完全に黒なのではw いや、主人公にとっては灰色に見える、灰色だと信じたい、ということなんでしょうけど。

『4コマってみた。』かるま龍狼

 #4。「ごみの日」はママショタ的なエロの雰囲気からのかるま作品ならではの不思議ワールドだったと明らかになるオチが最高。改めてな話になるけど、4コマとかるま作品の相性が良すぎるというか、完璧なフィット具合ですよね。あまりに面白いからたまにはアイディアを採用して読切化、という可能性が開けてるのも強い。
 エロ描写からの不思議設定が明らかになるオチという意味では「杭打ち」も同じ。最近AV業界で話題の杭打ち騎乗位から着想を得たんでしょうね。いや、エロに対して用いた比喩を逆にしてるので、そのまんまとも言えるんだけど、それが絵として示されるとあまりに異常w
 「転生いろいろ」。エロいことにはならないけど、好きな子にそれなりのチカラで握られて振り回されるシャーペンも悪くない気がする……。ただ、ラストが秀逸でデカチンに負ける寝取られ作品みたいな雰囲気もありますよね。もちろんそこまで暗い話ではないんですが。
 赤玉ボウイ最新作。ボウイの飽くなき探求心という意味でも面白かったし、本連載ではお馴染みの特殊オナホネタという意味でも良かった。エロとギャグを考える上でオナホは不可避なモチーフなのかもしれない……。ラストの「デビル・○ムボーイ」はネタが分からないので思わずググってしまいました。ボーイ繋がりであのアイディアが出てきたのかw


 終わり。今更なんですが、エロ漫画感想書いてると自分はMなんだと実感させられます。
kitaku2kitaku.hatenablog.com