北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.11の感想

 『ドラクエ10』の追加パッケージがこないだリリースされました。リリース当日にダウンロード版を買うつもりが、間違えてパッケージ版をポチってしまったので絶賛お届け待ち中です。愚か。
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『巣立ち』橙織ゆぶね

 前編なんですが、おもしれぇ~!! 冒頭2ページの面白さがちょっとどうかしてるレベル。話としては幼馴染の男子に面倒見られ続けた(ウザい)ヒロインが別の男子に告白されることで精神的な独立に向かう……という感じなんですが、この幼馴染男である庄ちゃん、たぶんだけど「彼を主人公にした幼馴染ラブコメってよくあるよね」というのが本作のコンセプトだと思う。主人公らしさとして描かれがちな「ぶっきらぼう」な言動に対して「普通に失礼だよね」と冷や水ぶっかけるような作品。
 そんな庄ちゃんによって自己肯定感が地の底まで落ちてしまった深雪がヒロインなんですが、本作がちょっと意地悪なのは1ページ目。ページをめくらない段階においてはまだ庄ちゃんが問題のある人物だと明示されてないわけで、タイトルやアオリの不穏さはあるものの、この1ページ目の段階で「この男ちょっと感じ悪くない?」とならなかった読者はものすごく居心地の悪い思いをすることになるw つまり私だ……。
 そんな庄ちゃん、ちょっと彼自身主人公を演じてるというか、ぶっきらぼうな言動をする際ちょっと悦に浸ってるようなニュアンスがあるのがもう最悪で最高なんですよね。共感性羞恥。ものすごく気になる形で前編が終わったわけですが、3人の登場人物の中で最も後編でどうなるか気になるキャラは間違いなくこの庄ちゃんだと思います。普通の幼馴染モノの作品だったら庄ちゃんが主人公で、つまり本作のストーリーはBSS。なので、このまま鬱勃起しながら今までの言動を後悔してエンディングを迎えてほしい。何なら後編は庄ちゃん視点であってほしいレベル(どんだけ好きなんだ)。まぁ、もちろん可能性としては逆ギレするとか、深雪への興味がなくなってまったく関わりがなくなったりもあり得ると思うんですが、是非とも庄ちゃんの鬱勃起が見たいw
 庄ちゃんのBSS視点で考えるならば、寝取る間男役が木村くん。可愛い。ショタみがあって圧倒的に可愛い。ただ真っ直ぐで良い子というだけでなく、深雪が何か悩みを抱えてるんじゃないかと世界で初めて気づく他者、というのがデカい。深雪としては庄ちゃんとの付き合いが良きことと周囲から扱われてるのも問題なわけですが、木村くんだけはフラットな視点で疑問を抱ける。そして可愛い。ぶっちゃけ本作において一番「幸せになってほしい」のは深雪ではなく、この木村くんだったりします。深雪が庄ちゃんの精神的な支配から抜け出す物語なので仕方ないとはいえ、前編のエロ的クライマックスであるフェラシーンで深雪がずっと庄ちゃん(からの巣立ち)のことを考えてるのとか、端から見てて木村くんが可哀想で可哀想で。言うなればあのフェラシーンは深雪の独りよがりなんだと思います。木村くんとの双方向的なコミュニケーションになってない。そこが不穏で面白い。ただ、フェラ中に深雪の頭を優しく撫でたり、その後精液で汚れた深雪の顔を木村くんが拭いてあげるのが、冒頭の庄ちゃんの「わしゃわしゃ」と対になってて最高なんだよなぁ。やはり木村くんが至高。しかし、深雪としては自身が精液で汚れることで庄ちゃんにかけられた呪いが上書きされると考えていて、精液で汚れたい深雪と、それを拭き取りたい木村くんには一種のすれ違いが発生してる……ような気もする。不穏だ……。
 せっかくならハメ撮りした動画を庄ちゃんに送りつける後編になってほしいのですが、木村くんがそんなこと始めたら普通に笑う。深雪はちょっとしそうで怖いw どうなるにせよ、ハッピーエンドだといいなぁ。少なくとも木村くんにとって。

『時間外調教』すずきとと

 上司にキツく当たられてる主人公が実はハメ撮りアカをやっていて、今晩の相手がその上司。オープニングの情報が激動で面白い。1ページおきに印象が変わるというか、主人公の1ページ目の印象からの変貌ぶりが最高。
 社外で出会った時点で2人の優劣は決定していて、立場的にも強さ(性的)的にも主人公が圧倒。クズ男に好き勝手されちゃうバリキャリヒロインの被虐としても楽しめる……てか第一がそれだと思うんですが、男の方がかなり私怨を持ち込んでるというか、かなり公私を混同しているのが面白い。ハメ撮りアカとしての余裕を見せるなら、彼は公私を分けるがむしろヒロインの方が求めてしまって……みたいな話になると思うんですよ。それが、最初のセックス中にも平気で仕事上の関係の話を持ち出すし、さらには社内でもプレイし始める始末。めちゃくちゃ仕返ししたがってる。ちょっと小物というか、人間臭い感じがあって面白い。
 クズ部下の仕返しという話ではあるんですが、忘れそうだけど大事なのはヒロインは最初からMで調教を求めてた点ですよね。あっちの世界の住人が一般社会のヒロインを堕とす話ではない。ヒロインも最初からあっちの住人。男視点では「仕返ししてやった」という悦が間違いなくあるんですが、ヒロインの方には「仕返しされてしまった」みたいなニュアンスがあまり感じられない。職場でもプレイをしたがるのとかかなり一線踏み越えた話だと思うんですが、ヒロインは普通にまんざらでもなさそう。すずきとと先生の絵柄の可愛らしさもあってか、妙にヒロインの可愛さ(強さ)が最後まで続くというか、「可哀想」感がそこまで強調されてなかった印象。このバランスがものすごく独特で本作好きです。ツンデレ即負け上司みたいな良さも感じてしまう。あとは、目隠しの場面、目隠ししてるのに表情豊かでめっちゃ良かったです。スーツの上から緊縛という絵面も良かった。

『リベンジしに来ただけなのに』ちょいぴろ

 侑希ちゃんのおもらしシリーズ。今回は彼氏と肝試しとして廃墟へ。この1ページ目の段階で「もうダメだ……」と分かってしまうのが良いですよね。最初から詰んでる。チョロいんだけど、本気でリベンジできると思ってる侑希ちゃんが可愛い。素直で良い子だ。彼氏はシリーズを重ねるごとにクズ度が増していくというか、今回はわざわざ芝居までしてるので笑う。侑希ちゃんのおもらしに対して本気すぎるw 懐中電灯で自らの顔を下から照らす、とやってることが超古典的なのも最高。ミーム猫のインパクトが強すぎますが、やってることは「なんだ猫か……」なので結構ベタなんですよね。ベタなんだけど、そこにいるのが侑希ちゃんだと結局あのオチになってしまう。
 最後、マジな何かを呼び寄せてしまったのか……? という感じでしたが、呪うなら彼氏の方にしてあげてw


 終わり。今週のweeklyは年間を通じてもかなりの傑作号だったのではないでしょうか。3本とも面白かったし、前編、がっつりしたボリュームの読切、ショート連載と掲載の形式が豊かだったのにもweeklyらしさを感じる。
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