北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC X-EROS(コミックゼロス)#92 の感想

 今号の表紙めちゃくちゃ可愛い。

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『IN FACT』さんじゅうろう

 バイト先の先輩と良い感じで冒頭からエロなんですが、4ページ目の “私 結婚してるけど?” でひっくり返ったw 甘酸っぱい純愛とか思ってたら、の落差がすごい。付き合えないショックもあるし、単純に不倫しちゃってたというビビリもあってこんなん絶対血の気が引く……。
 インモラル要素はあるんだけど、決してインモラル全開な作品ではない。よく考えたら向こうは最初から不倫のつもりで主人公との間に良い雰囲気を作ってたわけだし(勝手な視点)、何より主人公の告白まがいの誘いにokを出した意味ですよ。彼女はもうそういうつもり、不倫、何ならセフレのつもりでokしてたわけで、そう考えるとめちゃくちゃエロい。人妻との不倫もので、この視点、この展開込みでの人妻の魅力を描くのが最高でしたわ。
 からの夫とのエンカウント。これまた血の気が引くんだけど、バレる要素はない。バイト先の友人として挨拶を交わすだけなんだけど、ここでの夫のヒロインに対する言動が妙に失礼というか、 “え? 真央が教えてるの?” の冗談なのかモラハラなのか外からでは分からない感じが良いですよね。彼は酷い旦那なのかもしれない、というのが自分に対する言い訳みたいにも感じられるし、もちろん不倫してる実感もばっちり。
 からの再びの告白。そういうことだと分かった上での告白が熱い。本作は車中のエロから始まったけど、この告白がまた車中ってのが良い。冒頭の場面ではヒロインが積極的だっったけど、今度は主人公が積極的で、それをヒロインが嬉しそうに受け止める。
 そして再びラブホテル。同じことをしてるはずなのに比較にならないほどエロい。不倫というインモラルさ、そして彼女のことをより深く知れたってのもあるんですが、ちょっとメタいことを言うと、その人物の背景を知った上でのエロは同じセックスでもよりエロい、というエロ漫画読者の喜びの本質に迫るような話だった気もします。もちろん考えすぎですがw
 そんな事実を知った上でのセックスなので、かなり会話が多めで、そのやりとりがまたエロかったんですが、クライマックスになるとセリフなしでダイジェスト的にモンタージュする場面があってこれまた最高。クライマックスって射精の瞬間を大々的に描くのが定石だと思ってたけど「もう一回」をこういう形で見せて終わったのが新鮮。フェードアウト的な味わいとして効果的だったと思います。

『本日のがちんこ対決! 第2ラウンド』軽部ぐり

 続編。あの作品の続編なら絶対トシちゃんが続投すると思ったんですが、意外な方向に広がっていく。風俗ではなく、友人のお見合いに同行する。要するに女2の3P。続編としてこういう形になるとはなぁ。てか、よく読み返したら友人のアーちゃん、ちゃんと前作にも出てるんですね。アイメイクがうますぎてビフォアの状態だと同一人物と認識しづらかったw 漫画でアイメイクの有無を表現するのめちゃくちゃ良いですね。そっちにも感動してしまった。
 今度の竿はプロじゃないし、何なら普通のお見合いを考えてた人なので前作のトシちゃんみたいな強者ぶりは期待できないんですが、逆に弱者として女2に蹂躙される良さ。ヒロイン2人の強者ぶりがとにかく魅力的だし、2人によるチンコの争奪戦が楽しい。アーちゃんの方がアイメイクの偽装に象徴されるように、隠れビッチみたいな味わいがあってそれがまた良いんだよなぁ。3Pもそうだけど、このアーちゃんの一見清楚そうだけど……というギャップも前作にはなかった魅力ですね。2人とも性的に奔放なんだけど、その奔放の方向性に違いがあって、それがチンコ争奪戦に反映されてて最高。
 終盤。竿役に受けの才能があるというか、完全に開発済みだからこそ、お尻の気持ちよさを知ってるからこその攻めが描かれて面白かったです。見開きの場面がマジ圧巻なんですが、ヒロイン2人のそれぞれの穴の中が上下に描かれてて素晴らしかったです。体位も含め、3Pの同時フィニッシュ描写としてかなり理想的だったと思います。

『あったかおねえちゃん』狼亮輔

 ギャルとショタ。ギャルのキャラクターが底抜けに明るいんだけど、ストーリーとしてはかなり暗く、ショタのガチ泣き描写の絶望感とかすごかったです。それを癒すギャルの太陽のような魅力……かと思ったらそんな単純な話でもなく、彼女には彼女の地獄がある。要するに居場所を失った者同士が自然と求め合うようになる、みたいなドラマであり、つらい現実がこれでもかと描かれたおかげでエロパートでの、つらい現実から目をそらして一時の救済を求めるようにエロに至る展開が熱い。可哀想なショタを優しいギャルが救うだけの話ではないんですよね。クライマックスのエロに至るきっかけはショタが自分のことで泣きつくのではなく、むしろギャル側の闇を知ってしまって走り出す。受け身だったショタが走り出す場面が感動的だし、今度はショタの方から抱きしめてエロが始まるというのが最高。とはいえ、エロに関しては当然ギャルの方が強くて、主導権は彼女が握るんだけど、彼女が自分のことを卑下し出すとショタが “巡夏さんのざこま○こ 好きですっ……!” と愚直なまでの肯定をしてくるのが熱い。テクとしては及ばないけど、気持ちでカバーしてあまりある。変則的な話だと思ったけど、最終的にはおねショタ作品として見たいものがバッチリ描かれるという満足感。

『バリキャリ妻が連れてきた部下が元カノだった件』終焉

 タイトルの通り。心ときめく再会ではなく、むしろヒロインに弱み握られる系の話。不倫に直結する関係性がそのまま弱みになる、というのが無駄がなくて良い。そんな弱みもあって、妻の目の前でエロが始まるのでビビる。酔ってるからセーフ、という胆力がすごいよ。ヒロイン的には最悪バレたとしても主人公の家庭を崩壊させられれば万々歳みたいな感覚だったんですかね。バレると弱みの内容が直結するわけですし、とにかくアドバンテージが強いw 寝てる妻の隣で……というのは割と定番のシチュエーションだと思いますが、その前の、起きた状態の妻が机を挟んで目の前にいるという状況が強すぎる。常にバレ続けてるような感覚じゃないですか。
 なので、妻が横に寝てる状態になってからの本番パート(その前から入れてますが)がパンチ弱くなりそうなもんなんですが、こっちだと主人公が快楽堕ちというか、彼が自らヒロインのことを求めてしまう、みたいな心の支配がメインになるんですよね。食卓の場面では動かず耐えるのみでしたが、次のベッドの場面では彼の方から腰を振るようになる。エロを能動的に貪るようになる、という展開の盛り上がり、より深い不倫へと堕ちていく感覚が秀逸だったと思います。
 それと直接のエロではないんですが、ラスト、エピローグにおけるヒロインと妻が背中合わせになった1コマが最高ですよね。本作のすべてを象徴してるというか。妻としては確信はないものの何か変なものを感じていて……という主人公にとって後ろ暗い気持ちを忘れさせないバランスになってるのも良かったです。不倫に堕ちてしまって享楽的に振り切れる話ではないんですよね。常に後ろ髪を引かれながら……というずるずる堕ちてく感。

『酔いどき』UREC

 UREC先生、過去作と比べてかなり毛色の違う新作という印象。恋人関係ではないものの、日常からエロがシームレスに繋がっていく感じがめちゃくちゃ魅力的でした。バイト先で飲み会をしたら酔いつぶれ、目が覚めたら同僚の女性と2人きり。エロい気持ちは一切なかったもののそのままあれよあれよと……という冒頭5ページが絶品でした。これなら私にもあり得るかもしれない、というリアリティ……は言い過ぎかもしれないけど期待感の説得力というか納得度が心地いい。こんな夢のようなことはないと分かってはいるんですが、それでも夢を見れる楽しさ。
 主人公としてはエロの意識は一切なかったんだけど……というずるずる感が魅力であり、それと同時に、ヒロインが結構ノリノリなんじゃない? というワクワク。はっきりと感情表現するタイプではないものの、明らかにいつもとは違う空気をまとっていて、かなり主体的にエロに向かって先導してる感のある姿が最高でした。主人公は泥酔後ということもあって完全に受け身なんですよね。(エロが始まるまでは)強さは1ミリもないからこその良さ。めっちゃリードしてくれるのにヒロインは初めてらしく、普通の作品だったら主人公に対して「少しは気遣ってあげて!」とかなりかねないんですが、本作は泥酔してるのでそこは気にならない。
 ただ、本番が始まり、徐々に主人公の頭が冴えてくると、攻守逆転。 イカせたくなった” の場面とか良いですよね。ヒロインに対して初めて女の子扱いしてあげれるようになるというか、主人公がここでようやくヒロインとの関係に対して前のめりになる。ヒロインは主体的だったけど初めてなので、今度は受けの魅力を放つようになる。ただ、エピローグの朝チュン後では、エロ以外の場面ではやはり彼女の方が一枚上手っぽくて、やはりこの関係に対してめちゃくちゃノリノリらしいと確信が持てる。この冷静っぽく見えるけどひたすら好意を伝えてくる感じが可愛い。

学校へ行こうよ!』変熊

 不登校で引きこもりの主人公と、彼を献身的に支える幼馴染……なんてキレイな話ではなかったw 変熊作品の時点で察しろよ、という話かもしれないんですが、冒頭の場面のキラキラ感には騙されるよなぁ。
 ヒロインには裏があり、なぜ主人公にかまってくれるのか、と確固たる理由があって、それは断じて甘酸っぱい恋心ではないw 結局のところ2人とも闇を抱えてる話なんですが、逆に言えば、案外この2人はお似合いなんじゃない? みたいな気にもなってくるw 2人とも闇方向に振り切っちゃってるので、意外なほど悲壮感はないというか、化け物同士の対決みたいな清々しさがあったような気がします。読み味としては案外カラッとしてるのではないでしょうか。やはり本作もラストシーンがめちゃくちゃ秀逸で、ヒロインの “あーあ…♡” の表情が素晴らしいんですよね。社会的なハッピーエンド(登校再開)の可能性も提示されたものの……という最後の一捻りが最高でした。

『はんせいかい』fu-ta

 姉御肌&スーツのヒロインが大好物すぎるんですが、そこに低身長要素をプラスしてくる意外性。1ページ目の日常パートで2人の身長差を印象的に見せてはいるものの、その後2人の体格差が描かれるのはエロが始まってから、というのが良い。1ページ目の日常パートで抱いた期待が実現する良さ。
 最後までヒロインの属性を意識させる着衣のままだったのが非常においしい作りなんですが、その脱がなさが最高なんですよね。2人が最初に行うエロとしておっぱい触ることになるんですが、ちゃんとノーブラになったのにわざわざシャツの上から触ることになる。てか、本作でヒロインが脱ぎきったものってブラだけですよね。他は何も脱ぎ捨てることなくフィニッシュに至る。リアルで考えたらちょっとした拘束プレイみたいな不自由さがあると思うんですが、やはり見栄えが最高で、その脱ぎ(脱がなさ)の細かい行程も込みでセックスの展開の魅力になってたと思います。分かりやすい節目体位の変化があると思いますが、本作はそこにどう脱ぐか、どこまで脱ぐかという別の情報量がプラスされる。やっぱスーツのヒロインは最高なんだよなぁ(性癖)。

『おとなのじかん』川島よしお

 第10回。大台ですね。
 8コマ(10コマ)の独立したネタが続くものの、うっすらと連続性のある構成になってて、今回特徴的だったのは校長じゃないですかね。学校で好き勝手やってて、その好き勝手ぶり、アイディアの変態性、それを押し通す豪腕ぶりがギャグになってたんですが、体育祭の開幕と同時に学校のダニ共を一掃することになるので笑いました。痛快すぎるw 体育祭を始めるにあたっての「用意」であった、という扱いもスマートで良い。カメラを向けてるところを正面から一発、という構図が素晴らしすぎる。
 あとは最後のカレイ狩りのネタも最高でした。ネタとしてはめちゃくちゃ静かなんですが、スケベな要素がしっかりとあって、それを分かった上でたくましく生活してる女の子の強さと、それを観察する別の女の子。静かさがそれぞれの強キャラ感を強調しているようで好きです。

『らぶ³♨︎すぱ』ほた。

 読者ページでお馴染みのほた。先生が復帰。実に3年半ぶりらしい。読者ページがお馴染みすぎるので「エロ、いいんですか?」みたいなありがたさが増します。
 カラー扉のすごいポーズ、からのピンポイントで乳首が見えてるのすごい。最初エロいポーズしてるだけで乳首は見えてないと思っちゃったけど、よく見たら出てる、という感動。本編では出せないタイプの魅力に溢れてて素敵。
 本編としては、沖縄旅行。海辺にテント張って、その中で。テントがあるとはいえ、外に出れば青空で、しかも周りには他の旅行客が当たり前に歩いてたりする。ただ、対策はばっちりで、たっぷりなスペースを用意するためにテントは6人用、そしてマットまで完備。旅行ものならではの準備段階のワクワク感。必要なものを用意して、理想のプランを立て、現地でそれを実行する良さですよ。そんなエロの経験はないけど、旅行の良さってそこですよね。
 イチャイチャながら最初はヒロイン主導だったのが徐々に逆転という2人の関係性も魅力的。攻めから受けに転じるヒロインの表情の変化、アクション、リアクションの機微が最高。そして一発やったあとのシャワー室での後処理。独りなのでセリフは極少、ながらここも単独のエロシーンとしての強度がばっちりだったと思います。先ほどの出来事を思い出しつつ、独りで気持ちよくなってしまう、という良さ。何ならここが一番エロかったと言っても過言ではないレベルで好きです。
 からの宿。浴衣も可愛いんですが、今度の舞台は大浴場。ただし、水着専用なのにヒロインは水着を忘れてしまい……というバレるハラハラが先ほどのテントの場面よりレベルアップした内容になってて盛り上がりを感じる。声ももちろんなんですが、体位に大きな制限がある中での行為が非常にエロい。制限はあるんだけど、気持ちが高まり過ぎちゃって好きと伝えずにはいられないクライマックスが素晴らしいですね。背徳感とかハラハラとかも最初はあったんだけど、終盤になるほど甘さの濃度が高まっていく。

『理解のある彼くん』hal

 直接的なワードはないものの、明らかにイヤな予感しかしないタイトルが最高。暗黒おとぎ話やで……。
 驚くほどスムースに、無駄なく悪い男に捕まってしまうのが悲しいんですが、一番の悲劇としてはヒロインに近づいてくる男がエロ目的じゃない点だと思います。エロ漫画だからエロを目指して男が近づいてくると予想しちゃうんだけど、そうではなく、彼女の弱ったメンタルを利用した先で得るのは金。エロは彼女を支配する過程というか、金を得るための手段に過ぎないのがね、もうつらい。彼女に対する欲求は1ミリもなく、あるのは彼女を通じて得られる金。彼女の心と体の外にある存在を目指して彼くんは動き続ける。つれぇw 彼くんに直接抱かれる場面は最初だけ、というのが象徴的。その後は金のために知らないオッサンに抱かれる……だけでなく、その様子を彼くんに撮影される始末。オッサンに抱かれるだけで充分すぎる地獄なのにw 彼くんはヒロインに対して欲情するどころか、黙々をカメラを構え続け、直接抱いてるオッサン以外からも金を巻き上げようとする始末。
 ラスト、次の彼くんに見つかって以下無限ループとなるのがおとぎ話感あって最高なんですが、この次の彼くんが現れる理由はまさに撮影にあるんですよね。単なる売りだけだったらボロボロになって捨てられて終わり、だったはず。それが撮影して不特定多数の目にさらされたことで次なる彼くんを呼び寄せることになってしまい……という悪夢。そんな新しい彼くんもヒロインの体には興味がなくて、目的はやはり金。誰も彼女に対して関心を持ってあげてない、という救いのなさがやべぇ。

『夫婦の時間』桐原湧

 新婚が子作りのためにナマを解禁する話。このワクワクとドキドキが最高ですね。2人がナマでやる意味、ナマに至るまでの関係性みたいなものがめちゃくちゃ魅力的。エロ漫画だから意味なくナマがデフォルト、みたいなスタンスも全然アリだと思いますけど、そこに物語的な意味とか説得力を持たせる作品はまた独自の強さを感じる。
 そんな気合いと覚悟の現れとしてヒロインが用意したネグリジェ(&下着)というのがまた良い。夫の気持ちを高める意味合いももちろんあるんでしょうが、何より自分のスイッチを入れる目的があったんじゃないですかね。ある意味で戦闘服みたいなニュアンスを感じる。特別感が最高。夫が「着てほしい」とプレゼントするパターンも燃えるものがありますけど、ヒロインが勝手に用意して、というのがまた熱い。彼女の気持ちの現れが物質として、ビジュアルとして目の前に存在してるってがの良い。もちろん単なるエロを煽るものとしても魅力的だし、最後までそれを脱がずに、ずらすだけでフィニッシュまで至るのも良い。読者として眼福という意味でもそうだし、彼女が用意してくれたものを脱がせられるはずがない、という夫側の判断を想像しても良さがある。
 中盤とラストで描かれる水分補給の場面も良いですよね。休憩の間に垣間見える彼女の色気。それでいて、セックスに対していかに前のめりかを示す行為でもあったと思います。続けるための休憩でもあるわけですので。

『宇宙からきた恋人』北原エイジ

 自殺しようと樹海に行くと宇宙人に捕まる。そして精神を読みとられ、主人公の理想のエロを体験することになる。この話をやるんだったら別にサキュバスでも良かったと思うんですが、エロが目的ではなく、あくまでも生殖目的に地球人を搾取してるだけ、という淡白さが特徴的だったと思います。その極北がラストのオチで、普通に驚いてしまいましたw もう絶対甘い感じのラストになると思うじゃないですか。タイトルから劇中で描かれるエロの内容からそう思うに決まってるじゃないですか。やられたなぁ。まさかのオチ。いや、主人公もそれを理解した上で感謝してるようにも見える終わり方だったので、これはこれでハッピーエンドと見ることも可能なんでしょうが、ヒロインは最後まで子供以外に興味はなかった、という現実がなぁ、ずしんとくるなぁw ヒロインが快楽堕ちというか、普通に恋に落ちたように見えたんだけど、それも含めて主人公の理想だったってことなんですかね。もしくは、ヒロインも本気になったけど、それを生殖の目的は別であり、そもそも地球人の常識は通じない理解不能な相手、みたいなことなんですかね。
 秀逸なのがクライマックスであるウェディングドレス着用のままのセックス。ここで主人公が熱く自分の気持ちを吐露するんですが、オチを知った上で読み返すとここで彼が言ってることがもう完全に最後の死にオチに向けた助走にしか見えないですよねw ヒロインの返答も、めちゃくちゃ甘い会話のように見えて実は……という感じになってて素晴らしかったです。それにしてもウェディングドレス姿可愛いですね。浴衣も相当良かったですんですが、それでもウェディングドレスの良さが光る。

『ハメ×2シスターズ』ねろ太郎。

 双子。スクールカースト上位の妹と、完全にインドアな姉。ある日そんな妹が彼氏を家に連れてきて、ついに我慢できなくなる。イケメンかと思ったら妹の部活のコーチで、オッサン。それでも妹が耽るエロに魅せられてしまう。あそこで「私は違う」と優越感に浸る可能性もあったと思うんですが、それでも「私も」と一緒に堕ちていってしまうドラマになってるのが面白かったです。そもそも主人公を双子の姉に設定したのも意外で良い。やっぱ男視点で双子丼みたいなもの考えちゃうじゃないですか。もちろん絵面としてはそういう場面も出てくるんですが、主としてはやはり姉であって、感情の起伏、ドラマがあるのは姉のみ。何なら妹の方は最初から最後まで特に変化がないというか、いつもの関係に姉が加わっただけで、そのことに関してそれほど関心がない、というバランス。日常と紙一重に存在し続けていた異常な世界に姉がさまよい、堕ちていくという過程がやはり魅力的。双子はどちらとも享楽的なんですが、そのノリが対照的というか、ここでもやはり陽キャ陰キャという違いが出てしまっているラストの場面とかすげぇ良かったです。

『怠惰を抱いた』ニコライの嫁

 回文タイトル! それはそうとニコライの嫁先生、前作におけるメイクのビフォアアフター表現が衝撃的だったんですが、本作のヒロインは前作におけるメイク前にかなり近い。バリバリの仕事人間なので勝負用のメイクをしてない、ということなのでしょうね。エロに限らず漫画におけるメイク表現ってすごいテーマだ。それがちゃんとキャラクターに反映されてるから面白い。
 無職の元カレと。疲れてたせいや、優越感に浸ったせいもあって怠惰を抱くことを選んでしまう。元カレの方は、いざセックスとなるとかなり積極的に攻める(奉仕か?)んですが、そもそもこの日のセックスはヒロインの方が選択したものであって……というバランスになってるのが良い。ヒロインの方が優位に立ってるからこそ、受け身で被害者面はできない。そんな逃げ場を失った彼女の心理の揺れみたいなものがすげぇ良かったです。
 こう書くと元カレの方はチンコだけ強いクズみたいな印象にもなるし、実際初読時はそう思い込んでたんですが、「あれっ意外と優良なのでは?」と心が揺らぎ、最終的には惚れ込んでしまうので笑った。ただね、読み返してみると、前半で彼が語っていたことがちゃんとフリになってるんですよね。いきなりヒロインを抱きしめての “ちょっと痩せた気がする” とか体目的のクズみたいに思っちゃったんですが、そうではなく、痩せてることに対して心配をしていた、とオチがつくので最高。良い奴かよ。家にあがっての開口一番 “部屋きたね…” も失礼な言い分かと思いきや、掃除しててくれるという。朝チュン後の「やるやん」と印象が大逆転するのが痛快でした。いや、単なるヒモ彼氏になるのかもしれないけど、あの理想的ムーブは尊敬してしまうわw

『ハードなえっちしてみた!』ななもと

 エロ動画の配信をしてるカップル。売るわけではないので「そんなことあるの?」とか思ったんですが、komifloコメント欄にあるらしいと書いてあるので笑いました。めっちゃリアルな話なのか……すご……。
 知識がないための偏見かもしれないんですが、こういうエロ配信を扱う作品ってインモラル的なイメージがあったんですよ。ところが本作はかなり恋人のイチャイチャ度が高くて、それでいてエロ配信を否定する物語になってない(配信をやめる結論ではない)のが新鮮でした。いや、そもそも2人は恋人ですらなく、単なる配信のパートナーでその関係の上で大好き、という可能性もあるのかしら。知らない世界すぎるw
 そんな状況が面白すぎるので最初気づかなかったんですが、本作ヒロインが一言も喋らないんですよね。セリフがない。自己主張少なめな彼女だけどエロに関しては積極的ってキャラクター造形は分かるけど、まさかセリフがないまま読切が1本完結してしまうとは。2人はコミュニケーション不全というわけでもないのに、すごい。そんな彼女と撮影(セックス)を通じて深いコミュニケーションを交わしていく。この説得力がめっちゃ良いんですよね。ヒロイン側のセリフがないことでプレイ中の一挙手一投足に対して「これはこういうことだよな?」と探りながら、意志疎通をしながらの形になって、そこがめちゃくちゃエロい。ある意味セックスの本質を描いてるとも言えるかもしれません。彼女が何を思っているのか、こちらが考えなければならない、というスタンスだからこそヒロインとの距離が通常以上に近くなる。そこがめっちゃエロいし、感動的ですらあったと思います。

『大山くんと小森ちゃん3』さつきあしゃ

 「アブない!? 屋上エッチ編」。3作目嬉しい。今回も大山くんがイケメンかつ可愛いのである。今回はいよいよ自分の魅力を自覚して誘惑してくる場面とかあって笑いました。2人の歴史を感じるw プライドがなくなってるのが微笑ましくもあり、それだけ好きで我慢できないというのがやはり愛おしい。
 そんな勝ち方を学んだ大山くんのペースで一発順調に終わるんですが、そこからの “初めまして 新キャラです” で一気に転換するので笑った。こんな強引な展開ある? という感じなんですが、今回良かったのはこの新キャラが参加しての3Pにならなかったことですよね。彼女はあくまでも大山くんが恥ずかしい姿を見られてしまう、というための存在。2人の倒錯混じりのイチャイチャの間に入るにはさすがに関係性が浅すぎるというか。
 とにかく大山くんの逆転負け。本シリーズも3作目ですが、3作目にして大きな一線を越えたな、という感じで最高でした。今までは大山くんが攻められるという感じだったと思いますが、今回はついにぶっ刺されることになるw 終盤とか完全に大山くんメインで描かれてるので倒錯的に「大山くんが可愛いよね」と喜ぶのではなく、もう完全に作品のメインテーマになってしまった感。「ゼロス的にこれはアリなのか!」と驚きつつ、喜びましたw そんな展開における小森さんのヤベェ奴感、そして絶対に勝てない感も最高でした。前半の、大山くんが積極的になって喜んでる姿も可愛いんですが、終盤の手に負えない感もやはり彼女の魅力ですよね。ちょっとだけ怖さもあるw

『ひまわりの路』ザシャ

 水泳の場面から始まり、タイトルが出ると、ヒロインがメガネ。メガネだったんかい! というサプライズにぶちあがりました。こういうメガネの見せ方もあるのか……。
 セフレだった2人の話。「だった」の良さですよね。この後ろ暗い雰囲気と、表立って気持ちは言えないけど、内に秘めた大きな感情はある状態のウジウジとモヤモヤを抱えたまま目の前のエロに耽っていく感じが素晴らしい。大好き。ヒロインの方がかなりサバサバしてて、セフレ卒業後の新たな生活に順応してるっぽくて、余裕たっぷりで、そのヒロインの優位性の魅力もやばい。一方男の方はセフレ卒業後の生活に慣れてなく、ひょっとしたら彼女に対してセフレ以外の感情も抱いているのでは……けどハッキリとは何も言えない、とはいえクソデカ感情は間違いなくあって……というのが最高。2人の温度差はあるけど結局またやってしまう、という何だかんだ言いつつ相性が良い感じとか魅力的でね。最初はヒロイン優位だと思ってんだけど、我慢できずに落ちてしまうドラマは案外彼女の方にあったりするのも良い。彼の方は最初から我慢できずにいるので、落ちる余地がないって話なんですがw
 夏で、おそらくエアコンもない倉庫での情事なので、汗だく。冒頭の場面の爽やかなプールとの対比も光るし、中に出すわけにはいかない、という射精時の全身ベトベト感も良い。そんな外出しの件についてヒロインが言及してくるのも、その返事も2人のキャラクターの魅力が現れてたと思います。
 てか、あのエピローグの場面で、 “暗くなるの早ぇな” というセリフを持ってくるのがすごすぎですよね。あれだけ夏であることを強調した作品だったのに。そんなことを考えると、そもそも本作は青空の下の場面から始まり、日陰、明かりのない倉庫の中、そして日が沈んだ後の屋外へと移り変わっていく話で、徐々に影が広がっていく構成だったと言えると思います。夏なのに日ではなく影なのが最高ですよね。思えば、オープニングにおけるバスタオルの影の中で……というのも秀逸でしたね。そこで出てくるタイトルが影ではなく日を象徴する「ひまわり」で、冒頭の場面でひまわりは下向きで、ラストにもう一度映るひまわりは影に包まれていて……と太陽から目を背けてしまうような本作にピッタリだったと思います。夏でひまわりなのに、という意外性であり、世の中全員がひまわりみたいなわけじゃないよな、という圧倒的な共感w

『ユメヘノキセキ』ほりえろす

 水泳部のエースで、世界一を目指すヒロインが脅され落ちていく。脅す側の圧倒的支配感とかすごかったですね。彼の客として無数の紳士たちが登場して林間学校することになるんですが、その紳士たちはほとんど人格がないような扱いで、あくまでもボスとその他という感じ。てか、あれだけの男が集まってるのにクライマックスにおけるセックスは1対1だったのが意外で良い。支配感であり、快楽堕ち感。シンプルだからこそ堕ちてしまったことが強調されてたと思います。
 あと快楽堕ちの過程として、林間学校されてしまった翌日、水着を着たら股が擦れて気持ちよくなってしまう、という場面が象徴的で素晴らしかった。体が変わってしまい、その体によって徐々に心がむしばまれていく。単に擦れて気持ちいいのではなく、最終的には自ら触ってしまうのが良いですよね。この場面では彼女独りなのでまだバレてない、対外的に認めたわけではないけど、もう彼女の中では堕ちが確実に始まっている、という場面。
 脅しの材料としてスマホの写真があるんですが、その後大会での成績が振るわなかったことをスマホで知り、クライマックスの直前ではスマホによる撮影も行われる。スマホ一つでこれだけ展開が作れるというか、快楽堕ちに至るドラマが描けるのも面白かったです。快楽堕ちした後のエピローグで再びニュースを知る場面になるんですが、ここではスマホではなくテレビのニュースなんですよね。スマホはもう必要なくなってしまった……という余韻。

『黒ギャルちゃんは友だちのパパが好き』東雲龍

 タイトルの通り。ただストーリーとしてはパパ視点なので、娘の友だちの黒ギャルがめっちゃ好いてくる、みたいな感じ。ヒロインのストレートなアプローチも可愛いし、主人公の困惑紳士ぶりも楽しい。ある程度断ることでヒロインの押しの強さがより強調されてて魅力が倍増してたと思います。
 ヒロインがビッチ的な良さ、と強さだと思うんですが、それと同時にどこかピュアな感じもする。まっすぐで良い子なんじゃないか? と錯覚してしまうというか、ある種の純粋無垢な感じ、天真爛漫さも感じてしまう。
 エピローグが急にほのぼのとしたギャグになるのも笑ったんですが、あれだけのことをしたのにあの温度のギャグに移れてしまうのはヒロインのギャル性のおかげなのでしょうね。あそこで濁りのない笑顔を見せれるのが最高。ギャル強い……。

forms.gle

 終わり。遅くなりましたが、とりあえず快楽天の前に終わって良かった。
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