北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2022年4月号の感想

 池袋を舞台にした作品(場面)を2つ見つけました。自然と気づいてしまうから馴染みのある街なんだなぁ……と実感。コロナになってから全然行かなくなったけど。
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『アマイアイマイ』ごさいじ

 前編。恋は分からないけどセックスはしたい主人公がセフレを得る。ごさいじ作品のヘタレ主人公は毎度最高なんですが、本作の主人公は本来なら(社会的には)明るいタイプ。なのに……という鬱屈ぶりがやはり最高でした。ここらへんの心理、キャラクターの描写が絶品。精神的にまだ幼いので、そこが可愛くもあり、それ故にヒロインに翻弄されまくる。最初は「女子のご機嫌伺い」として話を振ってたんだけど、後半彼女のことが気になりだしてからは同じような会話の投げかけにも彼の本気がこもる、という変遷が熱い。
 そんなヒロイン。ツリ目、無表情、ダウナー。低温なタイプなんですが、本作の特徴であり魅力でもあるのが、とにかく主人公のことをじっと見つめてくる。何考えてるか分からない系のヒロインだと、どこ見てるか分からないみたいなタイプも多いんですが、本作のヒロインは常に主人公のことを見てる。主人公の軽薄さが見透かされてるようでもあり、とにかく彼女の強さを感じる。彼女がどんなキャラクターかは分からず、めちゃくちゃ意味深なラストになって本作は一旦終わるんですが、この眼力だけで魅了されてしまった。主人公の内向的な語りで進行するので気づきにくいけど、主人公がヒロインのことを見てる以上に、彼女に見られてる。前編で一旦止まってしまうことも含め、めちゃくちゃ興味を引かれる内容。一見すると、無表情ヒロインが一瞬だけデレて「やったぜ」となる作品に思えるんだけど、まだまだ奥行きがありそう……という良さ。

『ご奉仕ウララちゃん』雲呑めお

 メイドさん。雲呑作品のヒロインはいつも可愛いけど、メイドという題材で可愛いの純度がさらに跳ね上がったかのような迫力。メイドという王道、覇道。
 家事代行サービスでやってきたのがメイドさんで、どこかズレてて、そのまま彼女の思うがままに押し通される。ご奉仕だから主人公が上の立場だと思うんですが、展開としてはどう見てもヒロイン主導。彼女はメイドというものにこだわりを持ってるので、メイド服の使い方、見せ方がいちいち最高。スカートをたくしあげて誘惑するコマとかちょっとどうかと思うくらいの迫力。何層にも重なった服装から肌が見えるエロさ。そして外側のフリフリさ。髪型も可愛いんだけど、表情が良い。基本ずっと可愛いんだけど、たまぁにめっちゃ色っぽい、ある種の強さを感じるような表情が垣間見えるのが超好き。下手に出てるのに強引、という本作の捻れとも通じる話。騎乗位で挿入する場面の顔が良い。

『その想いはお墨付き』日吉ハナ

 リモートワークを機に帰省をし、幼馴染と再会。ヒロインの年上の素敵女性ぶりが魅力なんですが、そんな彼女が気心の知れた幼馴染にうまいこと転がされてるので可愛い。年上ヒロインとしての魅力は保ちつつ、彼女の弱みも見える。
 ラストには騙されてたことが明らかになり、田舎コミュニティのイヤな狭さを実感するw 結果オーライだからいいけどさぁ……という田舎感が妙にリアル。ヒロインとしては、うまいこと仕組まれたわけだけど、実際のエロパートでの2人には濃厚な甘さがあって、その部分にはウソはないと読んでて分かる。男の方のウソがもうちょっと悪意に満ちてたらもう少し薄暗い雰囲気を伴った作品になってたと思うんだけど、本作はとにかく甘い。ヒロインのモノローグに沿って進行する作品ではあるんですが、2周目に読む際は男視点のドラマに注目するのも面白いかと思います。どこからがウソで、そのウソを通じて本当の目的を得ようとしてる際の心理はどうか、とか味わい深い。

『片想ボーイズビー』小中えみ

 ただの新作かと思ったらこれ『定点ミッドナイト』の続編か!! POV的なアングルが多用されるパートが始まることで『定点ミッドナイト』だと一発で分かる、分からされる4ページ目が圧巻。ただの続編にしなかったのが見事だったと思います。てか、続編というか、サイドストーリーみたいな感じですかね。微妙に時系列は『定点』より前に戻ってる気がする。『片想』のエピローグで初めて『定点』の後日談になる……たぶん。
 『定点』は9割くらいPOVだったので、バックグラウンド的な物語要素がかなり薄く、背景とかヒロインのちょっとしたセリフで「てことは……」と想像して穴埋めする作品だったんですが、今回の『片想』はその答え合わせ的な側面もありますね。噂レベルの話もあるんですが、彼女が男嫌いになった理由が初めて明かされる。『定点』のときから相当暗いし重かったんですが、事実が明らかになることでよ重い……んだけど、意外と後味は爽やかになるようチューニングされてる。しかも『片想』の物語は完全にBSS。それなのに、最後の最後が妙に軽いというか自嘲気味に軽く笑って終わるような感覚。配信はやめたし、池袋でのデート時の表情がかなり明るいように見えるので、何かしらの形で彼女の人生は好転したのではないか……と淡い期待も込みで感じてしまう。エロパートでやってることはめちゃくちゃエグいし、主人公は何も得ないで終わるBSSなのに、という意外性。物語をどう切り取るか、どう語るか、の部分が秀逸ですね。こういう形の後日談もあるのか……みたいな感心(感動)がありました。

『イキリ矯正・処女(?)ビッチ!』玉ぼん

 イキリ童貞と処女ビッチ。ヒロインの手際が良すぎるので処女なのか疑わしくもなってくるんですが。
 2人の出会いとか、サクサクとセックスが確定することに主人公がテンパる感じとか今号の『アマイアイマイ』と通じるところが多いと思うんですが、本作の良さはヒロインの圧倒的なまでの強さ。たぶんだけど処女として性癖をこじらせまくった果ての強キャラってことなんでしょうね。主人公も童貞をこじらせた果てのイキリだったと思うので、2人は対照的でありながら似たもの同士だとも言えるのではないか。グッチョグチョにされるので主人公に同情する気持ちもあるんですが、正直「最高じゃない?」みたいな印象も隠しきれない。
 強ヒロインがイキリ童貞を分からせる、的な構図ではあるんですが、あまり暴力的な印象は不思議と弱い。ヒロインは屈折はしてるけど、気持ちは真っ直ぐだし、おそらく主人公のことに対する好意も本物なのではないか。そこらへんのバランスが絶妙。主人公に対して「ざまぁw」となる作品になってもおかしくなかったと思うんですが、冒頭のイキリも含め、どこか可愛らしい印象があり、「童貞ってそういうもんだよな」みたいな肩入れもしたくなる。とはいえ、やってることはハードだし、主人公の尊厳がベッキベキに折られるくだりの迫力もやばい。バイブを持たされただけでズボンの中で射精してしまう場面とか、精神的な追い込みが容赦ないw ただ、それを見て気持ちが高まってしまうヒロインの心理描写も含めるとやっぱすげぇ良い場面だし、エロい場面ですよね。ヒロインは底知れないというか、何考えてるか分からないタイプなんだけど、ドS責めしてる最中に本当に幸せそうな表情をするのが良い。こういう強さに格差のあるカップルだと、片方だけに(肉体的な)快感が生じるパターンが多いイメージなんですが、本作はヒロインの方も負けず劣らず快感に浸ってるのが良い。

『地球で一番暑い日』mogg

 温暖化が進み、すっかり荒廃した地球。セックスのハードルが限りなく低くなった世界にするための設定かと思ったら、ラストで驚くようなオチがつくので面白かった。ファンタジーというか、SFとしての魅力が意外なほどしっかりしてる。エピローグもそうだけど、閉鎖空間の場面しかないので、世界にこいつらだけ、みたいな印象にもなるんですよね。そんな中での若者の乱交、というのが熱い。刹那的で退廃的。いや、人口が減少してる世界なので子作りはむしろ建築的な行為とも言えるんですがw
 前にも書いたことあるかもしれないんですが、mogg先生の描く黒ギャル、めちゃくちゃ良い。限りなく軽い気持ちで、合法的にエロが始まる本作の設定を象徴するかのようなキャラクターだったとも思うので、一発目を担当する彼女が一番好きですね。まぁ、設定と彼女のキャラクターから考えても彼女と一対一の関係に終始するのはふさわしくないんでしょうが。

『ドエログリフ』おりひか

 エッチプトの女王、性豪すぎて満たされない。「俺より強い奴に会いに行く」精神で死語の世界に行っちゃうので笑う。エジプト設定がしっかり活きてる……。
 全編コメディタッチで進むんだけど、エロ要素も大充実。特殊設定を利用したタイマンのセックスしてると同時に睡姦を描くアイディアに脱帽ですわ。ヒロイン一応冥王に負けることになるんだけど、それは現世における睡姦も加味した結果なので彼女の強さは冥王にも引けを取らないどころか、本来なら冥王でも満足できなかった可能性……というパワーバランスの設定も絶妙。勢い重視のギャグ作品に見えて、意外と丁寧なパワーバランスしてるので好き。長期連載を見据えたバトル漫画のような丁寧さを感じる。
 てか、エッチプトの女王としての衣装がめちゃくちゃ可愛いのでそれだけでもう最高。ケモミミカチューシャとか可愛すぎるでしょ(アヌビスカチューシャ)。

ドッグイヤー』トウ

 同じ1年でも犬は人間の数倍成長する、犬は気づいたらめっちゃ成長してる、の意味らしい。タイトル。勉強になるねぇ。そして、幼馴染の子犬系男子が逆転わからせしてくる本作に完璧すぎるタイトルだと思う。タイトルを先に考えたと言われたら信じてしまうレベルでピッタリ。
 子犬系男子とのイチャイチャを描く……かと思ったら不穏なチャラ男が出てきて寝取られ……かと思ったら子犬が逆転……してきたと思ったらまさかの激甘の着地に至る。驚きっぱなしでした。初読時、本作のジャンルが全然掴みきれないまま読み進めて、気づけば終盤。逆転&わからせを描いてるのは間違いないんだけど、それだけでは終わらないところに作家性、もしくはサービス精神を感じる。
 ヒロイン視点で進み、モノローグも多用されるので、正確には「わからされ」なんだけど、このヒロインの嫌な奴感が結構マジなんですよね。なので「ざまぁ」的なところに主眼が置かれても納得してしまう。からの、それでも尽くしてくる忠犬ぶりが良い。ただ、 “犬になったつもりはないよ” の部分で意外な真相が明らかになるという物語的な盛り上がりがしっかりあるのも面白いもの読んだという実感に繋がる。よその男とのエロを中断する形で入室することで、2人のエロが始まるんだけど、その際ヒロインに “空気読んで外で待ってるとかないわけ?” と言われるんですよね。ヒロインは相手が何も考えずに入室してきたと思ってるけど、実は彼にも葛藤があり、強い意志を持って飛び込んできた、と終盤明らかになるから熱い。
 そもそもエロ漫画において子犬系男子に対して「犬扱いしてごめんなさい」という話にするのが珍しいですよね。キャラクターの属性として安易に消費しがちだけど、そもそも人間扱いしてないのは酷い話なのではないか、という当たり前なんだけど忘れがちな指摘。

『父の娘』kanbe

 父と娘。エロ漫画って1ページ目に大きくヒロインが描かれるのが定番ですけど、本作はその1ページ目に出てくる子のエロはメインではない。エロの発生が確定するまでの父親側の理性の崩壊を描く。それが娘の件について悩みを相談した相手の猥談というか、娘についての自慢話。
 父と娘のえげつない話なんだけど、伝聞の形式で漫画が進行するので2人が結ばれるくだりがかなり簡素というか、「そんなんでセックスに至っちゃうの?」というバランス。そのアッサリ感が逆に闇の深さを強調してるし、完全にレイプなので相手の意志というか、相手との対話は必要としてないからサクサク進められたってのもあるかな。
 自慢話のような伝聞なので終始エロだし、複数回、複数のシチュエーションが描かれる。非常に濃い。その間でブリッジのように母と息子の姿もチラッと出てくるんですが、この2人の仲の良さがめちゃくちゃ不穏で、まさかこの2人も……? と勘ぐってしまう。完全に落ちた娘はチョーカーをつけるようになり、要するに飼い犬的なニュアンスだと思うんですが、息子も首輪のようなチョーカーを付けてるんですよね。絶対そうじゃん……。

『忘れていいのっ!』変熊

 彼女の母親。これは掲載位置に編集部の意図を感じる。
 彼女の母親の距離感がおかしく、妙に誘惑されてるように感じる……という男視点の話かと思ったら、その誘惑にドキドキしてる母親のモノローグが描かれる。実は母親視点の話だった、という驚きがまず一つ。その後、娘の彼氏がめっちゃ乗り気になって迫ってきて、変熊ワールド突入で濃厚なセックスが描かれる……だけで終わると思ったら、娘参戦!! まともだと思ってた人が実はどうかしてる人だった、という狂気に触れ、そのままグチョグチョにされていく感じは変熊作品の王道って感じで強い。彼氏がだけでなく、娘の方も……というか娘が諸悪の根源なんだろうな、という闇の深さ。娘は彼女なりに良いことをしたつもりになってて、グチョグチョなんだけど娘だけを切り取ると良い話風にもなってしまうのが面白いところ。そこに娘の彼氏が追従する形で、2人もどうかしてる人がいるので母親は為す術もなく2人の価値観に溺れていく……という不気味さであり、エピローグでは完堕ち後の新たな日常のスタートという感じでみんな笑顔で爽やかな雰囲気になってるのが最高。

『本音』いーないん

 ヒロインが生徒会長を罠にハメる形で誘惑し、そのまま玩具として支配していく。していくんだけど……というクライマックスのツイストが秀逸で、それこそがタイトルの『本音』。支配的な関係かと思ったら激甘な感情が通底している、という意味では『ドッグイヤー』とも少し似た雰囲気ですね(中出しの直前に約束をするのも一致してる)。もちろん実際の責めっぷりが全然違うし、ラストの甘さに関しても本作は「甘い感情が根底にはあるはずなのに正しく伝えることができなかった」という後悔の念で終わる。この後引く読み味が素晴らしかったです。これで生徒会長くんがドMに目覚めてくれたらハッピーエンドなんですが……(嫌いになったわけではなさそうな気もする)。
 ヒロインのハードぶりを象徴する行為としてビンタが出てくる。本作には2回ビンタが出てきて、その都度話の雰囲気がガラッと変わる境界線のような描かれ方。1回目はヒロインのSの立場を決定づけるような意味合いだけど、ドラマ的には2回目のビンタが重要。ここらへんからヒロインの『本音』が漏れ出してくる。2回目のビンタはドS責めという体裁を保てなくなってきたヒロインが強引に自分のペースに戻すため、自分の気持ちを奮い起こすためのようなビンタ。前半には、よだれを生徒会長の口に垂らすプレイがあり、これもSとMの関係として象徴的だったんだけど、2回目のビンタの直後、今度はヒロインの性器から相手の性器へと愛液が垂れ落ちる。この2つの垂れが対比になってて漫画として面白いし、エロが加速していくような迫力も感じる。
 2回目のビンタのコマでヒロインの必死の表情が描かれてて、それが絶品なんですが、そこからしばらくは彼女の顔が映らない。バックの体位になって彼からも顔が見られない。そして、射精の直後、下に突っ伏した彼女の表情が大映しになるカタルシス。その後のエピローグでも彼には見せない彼女の本音が漏れた表情が読者にだけ見えて作品が終わる、というのも最高。彼女の「好き」がダダ漏れになる表情なんだけど、彼女自身は激しく後悔している、という捻りが面白い。ただ、生徒会長はそんなに悪い気がしてないと思うので、この後もう少し素直になれれば普通にハッピーな関係になっていくと思う。なってくれ。

『オプションお願いします!』かづき

 手コキ中心のオナクラ。そこに現れるオナニー鑑賞のみを希望する常連。不気味だが有害ではないので……というギリギリのラインが面白いし、そこからヒロインがオナニーの魅力に目覚めていき、勝手に焦らしプレイみたいな構図になる流れも見事。てか、独りでオナニーの練習(探求?)をしてたら次のページで、店でオナニー披露してたら夢中になっちゃってて……という場面転換が鮮やかすぎる。特別エロい何かが描かれてるというわけではないんだけど、本作で一番好きな場面だし、何なら一番エロい場面とすら思う。ヒロインが堕ちてしまうというか、負けてしまった瞬間を切り取ったようなクライマックス感。
 からの客が変態で、説教までかますような厄介な客だったのに本番に関してはめちゃくちゃ及び腰なのも好き。そこはまともなんかい。ヒロインに対する意地悪と言ってるのではなく、マジで困惑してるのが伝わってくる。ヒロインは負けでもあるが、セックスに関してはリードする立場にある。その矛盾も感じる奇妙な関係が良い。
 タイトルの『オプションお願いします!』。客が嬢に言ってるセリフのことかと思ったら、最後にそれがガラッと逆転して終わるのも座布団一枚って感じでしたね。2人の関係が今後も続くと示されるのも余韻として良い。

『あこがれ』おそまつ

 自分を同一化してしまうほどに好きなアイドルの乱交動画が流出。この時点で濃厚にイヤな予感がするし、何ならどういう話になるか想像がつくんだけど、そこから転落していく様が意外なほどじっくりと丁寧に描かれたのが良かった。初読時、私はもっと短絡的に主人公が仲良くしてるギャルの友達たちによからぬ世界に入れられる話かと思ったんですが、彼女たちは一切無罪。疑ってごめんw 猥談止まりの、至ってまともな人たちであった。それなのにヒロインは勝手に堕ちていってしまう……という良さ。ものすごく闇を感じる作品ではあるんだけど、本作の出てくる登場人物で明確に悪いことをしてるのって電車の中のモブ痴漢だけですよね。そんな彼らはエロパートとは無縁。ヒロインが勝手に沼に足を踏み入れてしまう、という面白さ。悪人が悪いことする以外でここまで闇を感じさせるエロを描けるのがすごい。ヒロインも、最初はエロとは無縁の無垢な存在だったはずなのに……という落差。たった24ページでそれだけの展開を見せるのに、ヒロインの心理描写、心理の変化はめちゃくちゃ丁寧に。
 本作に限った感想ではないけど、最近同人AVサークルを題材にする作品増えてきたなぁ。ちょっと前はエロ配信とかが多かったけど、徐々に移り変わっているのが感じられる。

『P活♡』藍夜

 パパ活なんだけど、その相手が彼氏のパパ。彼氏の行ったらめちゃくちゃ金持ってそうで、その上父子家庭らしいので……と徐々にヒロインの中にアイディアが芽吹く過程が描かれてるのが面白い。それ以降、彼氏くんは完全に眼中にない扱いになってしまうのが泣けるw 元々は彼氏と旅行に行くので金が欲しいという話だったのに、いつの間にか目的が逆転してしまってる。
 そんなパパさん。ナメてたパパがめちゃくちゃヤバい人だった、みたいな逆転ではない。ではないのにヒロインが快楽堕ちしていく、という話なのが良い。この手のヒロインの快楽堕ちだと「ナメてた~」パターンだと思ったんだよなぁ。パパさんは誘惑に溺れやすく、チンコが息子よりも大きかっただけ。ヒロインがあそこまで堕落したのはすべて自分自身のせい、というバランス。ヒロインの強いんだか弱いんだかよく分からない感じが面白いし、それでも全編通じて意志が強く、自分の欲望を満たすことに全力、というキャラクターなのも魅力的。返り討ちに遭う話なんだけど、彼女に対して可哀想という印象は全然ないですよね。一番可哀想なのは彼氏の方w

『ギャルセラピー』森シンリスク

 タイトルの通り、ギャルとの交流がセラピーになる話。セラピストとしてのギャル。昨今のギャルものブームの中でもこの切り口はありそうでなかった、けどめちゃくちゃ納得できるので秀逸。なんでギャルものがこんなにも人気なのか、というジャンルの魅力の本質を鋭く指摘したような作品だと思います。ひたすら明るくて、自信に満ちあふれてるギャルと交流することで、男側の心が救われる。まさにセラピー。
 そんなセラピーという体裁なんだけど、ヒロインがそのことにかなり自覚的で、そこに楽しみ(やりがい)を見出してるってのも良いですよね。ただエロと金が好きってだけではなく、人助けにもなるということに気づいてしまってる。強い。最強の存在な気がしてきた……。
 彼女の目的はただエロと金目的ではない、と1ページ目から端的に示されてて、それが客のサブさん。彼は本作のエロのメインではないんだけど、導入パートで再登場するので笑った。先人からの応援w そんなサブさんのキャラクターもあるけど、全体的にコミカルで、エロがひたすらカラッとしてる。ヒロインのキャラクターが可愛くて、天使のように感じられるのも魅力だけど、このひたすら陽気なテンションで日常パートからエロまで駆け抜けていくのも本作の魅力。カラッとしたテンションの人助けの話にしてはやってることがエロすぎるんですが、そのギャップも楽しいし、そのギャップを成立させちゃうのがセラピストとしてのギャル。ギャルもの、まだまだ奥が深いわ……。

『ラブスタディアシオミマサト

 家庭教師でおねショタ。さらには小さい頃から知ってるご近所さんという幼馴染に近い設定も盛り込まれてて強い。小動物的なショタにヒロインが魅了されちゃってる関係性も良いし、ヒロインがクール系なんだけど優しいお姉さんの側面もあって、そこに家庭教師というよそよそしい体裁がミックスされる。家庭教師としての関係から徐々にエロが始まる、という話はシンプルで、ジャンルそのままって感じなんだけど、そこに加わる細々とした要素がいちいち本作の魅力を底上げしてくれる。
 お尻フェチ特化みたいな作品ではないんですが、ヒロインの脱ぎは最小限で、おっぱいも出さない。これがヒロイン優位のパワーバランスの反映にもなってるし、家庭教師という体裁を守りつつ……というずるずると転落していく感覚にも通じてたと思います。ヒロインはスカートをまくり上げるだけだけど、ショタはしっかりズボンを脱いでるってのも良い。てか、ヒロインはやりやすいようにあの格好にしたのではないか、みたいな想像も膨らむ。

『青春リビドー山』位置原光Z

 第29回「かけ違い」。ビンタされたい男と、男の願望の機微が理解できない女。いや、理解できなくて当然なんですがw
 前半のビンタに躊躇がなさすぎるくだりも正直魅力的だし、蔑まれてて「これはもう大満足だろ」と思わんでもないんですが、そこからラストでヒロインが負ける瞬間が描かれるのが良すぎる。全編エロを題材にしたギャグなのに、瞬間的に「これはギャグ抜きにエロい」と思えるのが飛び出るのが本シリーズの魅力ですね。毎度毎度ホントにすごい。「あっ……これは何かが始まってしまう」と感じた瞬間に作品が終わるのももどかしくて好き。
forms.gle

 終わり。大体10日くらいまでには終わらせたい、と密かな目標を立ててるんですが、今月はまた遅かった……。花粉のせいということにしておきます。今年は顔の肌荒れが歴代最悪レベル。
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