北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC X-EROS(コミックゼロス)#91 の感想

COMIC X-EROS (コミックゼロス) #91 [雑誌] (コミック ゼロス)
COMIC X-EROS (コミックゼロス) #91 [雑誌] (コミック ゼロス)

 相変わらず更新が遅いのですが、ジャンプが休みじゃなかったらもう数日遅れていた。助かる……。

kitaku2kitaku.hatenablog.com

『ギャルJKれいな先輩の一夜』いづれ

 同じアパートに住む後輩を部屋にかくまう話。ヒロインがクール系の先輩なのかと思ったら、内に秘める感情が大爆発してる、と明らかになる4ページ目の扉のコマがもう最高。この時点で勝利は約束された。まだエロ要素皆無なんだけど、好きが確定してしまう。ギャルものとしての良さもあるし、先輩ものとしても魅力的、同時にラブコメ的でもあり、何ならおねショタ感もある。勝ったな……。
 本作、特筆すべきはそのボリューム。ちょうど20ページ目で中出しに至り、そのまま場面が変わってエピローグ……だと思うじゃないですか。そしたらですよ。ページをめくったら本日5回目の射精(中出し)なのでビビる。ちなみに先ほどの中出しは2度目の射精です。2発省略されてる驚きもありますが、それ以上に「まだ続くのかよ!」ですよ。全36なのでまだ、2/3といったところだったのですね。クライマックスはこれからだった……という驚きと生唾飲み込みながら期待が膨らんでしまう感覚、そして、本当のクライマックスでは見開きでの大ゴマが炸裂したりして、とにかく満足感がすごい。今号のゼロス、のっけから飛ばしやがる……と戦々恐々でしたw

『こたえあわせ』fu-ta

 恋人ってなったら何するの? という冒頭のガールズトークが良い。教室でクッソダルそうなポーズで質問に答える友達が最高。そんな中、1人真剣に悩んでるヒロインの姿になって、タイトル、そして彼氏の部屋(たぶん彼氏の方)。そこで一気にエロ全開……になるのではなく、ここでもまったりとした会話が描かれる。女子同士とは違う、恋人同士ならではのまったり感が丁寧だし、そこから徐々に「これはエロの予感?」とコトが始まっていくグラデーションが絶品。独りで悩みを抱えるヒロインと、誠実なのは確かだけどあわよくばエロへの期待が垣間見える彼氏、というキャラクター描写が精密。
 そんな土台の部分で2人の関係性はよく伝わった上でのエロパート。当然彼氏の攻めになるんですが、一方的ではあるものの。暴力的ではないバランス……なんだけど、ヒロインのイキ狂いっぷりはめちゃくちゃハード。そして、まったりとした日常会話の中からシームレスにエロへと移行するのが魅力的なんですが、それを象徴するかのようにヒロインが全裸にならずに終わる。ズボンから始まるのがエロ漫画としては珍しくて印象的だったんですが、エピローグではズボン脱いだままの状態でまったり会話に戻り、そこでめちゃくちゃデレてくるから刺さる。

『モテあそばれている!?』変熊

 ギャルが高校デビューした陰キャを自分好みに育て上げる。逆光源氏計画っぽさありますね。オタクに優しいギャルはもはや一大ジャンルですが、変熊作品らしく、単純な甘い話にはならず、ギャルがオタクの弱みを握って支配する話。なんだけど、ギャルに気に入られて仲良くしてるのとか全然最高なんですけど……という良さがある。ヒロインはめちゃくちゃハードなプレイがご所望なので、そうなるように育て上げ、完成した内容が想像を超えるハードさなんだけど、それは理想の形でもあり、オタクくん的には褒められて伸びたワケで、両者得しかない、結局のところめちゃくちゃ濃厚なイチャイチャだったのでは……というバランス。このハードなんだけど、よく考えると甘い、というバランスが絶妙だったし、キャラクターの魅力と相まって最高でした。支配させる、という支配をするみたいな逆転現象は前作の『掌の上で私と…』と似たコンセプトも感じるんですが、あれは犯罪感のある催眠ものだったのに対し、本作はギャルとのイチャイチャですからね。その捻りのある甘さが最高。

『釣れたれ♡ウオむすめ』flanvia

 釣り番組の取材。ただし釣れるのは魚ではなくウオむすめ。ナンセンスコメディみたいな設定でめちゃくちゃ楽しいんですが、この設定はひょっとしたらソシャゲのガチャの比喩というか、ガチャシステムをそのままエロ漫画にした、みたいな感じなんじゃないですかね。てか、タイトルがそのノリあるか。ある程度狙いも設定した上で、何が釣れるかワクワクし、釣れた子と対面して、その可愛さを堪能する。
 特徴としてはヒロイン(魚の)が一切喋らない。その中で「いいのか?」的なエロの予感を感じつつ、コトが始まるクライマックスが最高でした。感情曲線が盛り上がりがアツい。
 それと、同時に素人がつい手を出してしまう罠である、バラムツに言葉なく誘惑されるパートもめちゃくちゃ良いんですよね。直接のセックスとは別というか、セックスへのワクワク感の良さ、セリフがないことの良さがうまいこと出てて大好物な場面でした。その黒ギャルがクライマックスへの振りとなるギャップを生んでるのも見事でしたね。各ヒロインも魅力的だけど、やはり通しで読んだ際の盛り上がりが最高。
 最初はヒロインだと思ったリポーター(人間)の子のエロがないのが意外……と思ったら背景で実はやってた、と分かるのもめっちゃエロい。見えないけど、見えないこそのエロさを感じる。魚とやるのは当たり前なんですが(当たり前ではないw)、だからこそ人間ともやっちゃう魅力がえぐい。

『セーキの大発見!?』背中が尻

 世紀であり性器の意味だと思うんですが、直接の性器ではなく、おヘソを攻められるのに目覚める話。冒頭からセックスしてて、ほぼ全ページやってるんですが、最初(いつも)はヒロイン主導。 “戦歴が違うんスわ” のセリフがあるので、奔放だった彼女が運命の相手を見つけた状態なのかな、と背景への想像が膨らむ。そんな豊かな戦歴でも気づかなかった魅力がおヘソ。おヘソの精子を取り除こうとしたら、2人とも気づいてしまい、そのまま主従逆転。ここでの彼氏の行動原理が “おれヤだよ 自分の精子つくの” と別に聖人とかそういう感じでは一切ないのがリアルで好き。「拭き取ってくれるなんて素敵」みたいな話ではないw からの逆転。ただ、逆転としっても暴力的な域には行かず、いつもリードしてたヒロインがその座を奪われることの意外性と新鮮さ、そして新たなフェチの開眼に軸足が置かれてるのが魅力的でした。ナマなんだけど、ナマだから外で出したら、それが図らずもお腹にかかってしまい、発端となったおヘソの件の再現になる感じとか見事だったと思います。
 何と言っても本作の特徴としては、描き文字。驚くほど多用され、それがヒロインの嬌声表現としてめちゃくちゃハマってたと思います。「こういうフォント売ってんの?」と思ってしまうほどに多用される。すごい手間だ……。デザイン的に統一感があるというか、作品が完璧にコントロールされてることへの感動みたいなものもありました。ヒロインの描き文字セリフが印象的ですが、読み返すと冒頭の彼女にパイズリされてイッちゃう場面ではちゃんと彼氏の方にもあるんですよね。やはり気持ちよくなってしまった際の声。それが2人の中で逆転する。

『あいのけもの』ななもと

 「獣」であり「除け者」。単なる言葉遊びではなく、意味のハマリ具合がすごい。登校拒否の2人の話なので除け者。
 冒頭の場面における “今年でもう卒業なんだから 今学校辞めちゃったらもっと辛いよ?” という母親のセリフがリアルすぎて心がざわめきましたw 個人的に登校拒否の経験はないけど、似たような、直接叱るのではなく優しく諭す……けど言われてる方としては「勘弁してくれ」となる感じ、身に覚えがある。あるけど、思い出したくないw
 登校拒否だけど、朝8時に起きて、しばらくしたら日比谷くんの家に通う。そんな日比谷くん、主人公のせいで同じ登校拒否になったらしいのですが、その実態がめちゃくちゃ王子様なので逆に衝撃でした。ヒロインには薄幸美人みたいな雰囲気も漂ってるので、悪い男に騙されてるのでは? と勝手に不安になったりもしたんですが、日比谷くんが聖人すぎてな……。疑ってごめんよ。セックスも全体的に彼主体というか、直接命令はしないけど、間接的に支配してる感じがあって、その影のある雰囲気が魅力的だったんですが、彼自身は光の化身みたいな人であったw
 エピローグも重要で、暗い話かと思ったらめちゃくちゃ純度の高いハッピーエンド。登校拒否の2人が交流する口実として勉強してるのかと思ったら、ですよ。疑ってごめんよ……。「勉強って大事だね」というマジレスの極みみたいな結論に至るんですが、それがめちゃくちゃ感動的な印象になるから本作はすごい。

『せがきの座敷』なまえれんらく

 ヒロインが登場してタイトルが出るのが4ページ目なんですが、アバンタイトルである冒頭3ページが圧巻。いかがわしい地上から下水道へと入り、暗くて臭い、そして汚い異世界感すらある雰囲気からのヒロイン登場。全体的に上目遣いなこともあり、小動物的な可愛さが全開のヒロインだったと思います。ちょっと頭悪そう、というのが単なる個性ではなく「教育が行き届いてない……」的な闇も感じさせる。めっちゃヤバい雰囲気も出てるんですが、2人が交流し、エロへと発展していくにつれ、加速度的に彼女の魅力にハマってしまい、抜け出せなくなる……このズブズブ感が最高に魅力的。暗くて不幸の香りしかしない境遇なんだけど、そのことに気づくこともできないほどに頭が悪そうで。それが「バカだなぁw」と微笑ましくなれる類ではないんですよね。ただ、あの暗い世界の中で小動物的に、無邪気に笑う姿が愛おしく思えてしまうのも事実。なまえれんらく作品の中でも可愛いの純度が高いというか、ズバ抜けてるような印象。可愛いの裏に可哀想があるんだけど、表面的には可愛いしかない、というバランスが最高。ヒロインのむちむち体型が印象的(かつ刺さる)なんですが、あれがもっと細身というかガリガリだったら悲壮感が強くなりすぎちゃってバランス悪かったのかなと思います。あの環境であのむちむち体型って少し違和感もあるんですが、貧困だと栄養バランスの悪いものしか食べれないから逆に太る、金持ちは低カロリーのものを食べるので痩せる、みたいな話も聞いたことあるのであの体型は案外リアルなのかもしれません。だとするとあのむっちり体型を「可愛いのぅ」とのんきに楽しんでいいのか……と揺さぶられるとこまでがワンセットで素敵な作品。
 一方、常に辛気臭く、シリアスで、相手のことを同情しつつバカにしてる主人公のキャラクターも絶品でした。彼女の魅力にハマってしまい、結局彼女を搾取する側になってしまう、蟻地獄みたいな物語になりそうな雰囲気も強いんですよね。同情のあまり料金とは別のお金を渡すんだけど、彼女のリアクションが何も分かってない風で可愛い……んだけど、「そういうとこがダメなんだよ」でもある。この温度差のある2人の組み合わせが魅力的でしたね。
 からのエピローグが3ページ。アバンも3ページで、エピローグも3ページとじっくり語る構成が良い。とはいえ、メインのエロパートもたっぷりなので欲張りセットである。そんなエピローグ、ちょっと初読時「ここまでのハッピーエンドいいんですか?」とビックリしましたw もっとほろ苦いバランスになってもおかしくない話だし、むしろほろ苦いどころじゃない方が自然というか。最後の最後のセリフが “風呂に入れてやるから来い” だったのも素敵ですよね。汚い下水の物語だったが、最後はキレイな水で締められる。根負けしたかのような感じで、劇中初めてこぼれる主人公の笑み、というのが効果抜群だったと思います。とにかく多幸感がすごいラスト。もちろん、冷静なことを考えるとそんな簡単に幸せになれる話か? とも思うんですが、最後の3ページだけ夢物語的というか、ちょっとフィクション性が上がったような印象で、「とにかくハッピーエンドでござい!」的に極端に明るく終わるのが全体を通してみるとバランスが良かったです(個人的な好みのバランスの話)。

『恋の功徳』ONIGUNSOW

 幼馴染の寺の娘が月参りでやってくる。すごい設定だ。こんな形のボーイミーツガール(再会だけど)あるのかよ……と衝撃でした。とはいえ、プライベート感のある空間に本来なら距離のある女性が入ってくる、という緊張感はたしかにトキメキを感じるというか、エロ漫画映えするシチュエーション。法衣の相手に欲情していいのか、という話ではあるんですけどね。その点についてもちゃんとオチがつくのが見事でした。全体的に味濃いめのギャグ調で進行するんですが、意外と細やかで、しっとりするところの丁寧な描写とか普通にギャグを忘れるほどエロい。前戯パートとかまともなセリフがないまま2ページ半ほどあってマジ圧巻でした。まぁ、おっぱい舐めてるから喋れない、という事情もあったのでしょうw
 ギャグ調の物語進行に気を取られて初読時まったく気づかなくて、2周目で衝撃だったんですが、冒頭のヒロインが家にあがってきた際の “……なんか毎回いない? 今日仕事は?” のセリフ。無職と誤解されるギャグなんですが、後に “お母さん最近男拾ってこいってうっさいんだよもぉ” “お寺に入ってくれるような人っていってもねー” のセリフと掛かってるのではないか。要するに無職の方が彼女にとっては都合が良かったのでは。足切りの逆で、第一条件クリアというチェックだった可能性。だと思うと例の無職誤解ギャグのくだりがロマンチックなものにも思えてくるから不思議w
 ヒロインが寺の娘で、仕事モードだったこともあり、おそらく化粧は最小限なのだろう、と勝手に窺い知れるバランスも見事だったと思います。漫画だから化粧は省略されるのが普通なんですが、本作だとそこに意味があるように思えてしまう。他にも全体的に表情が大きく崩れるような描写は少なく、薄い味付けの塩味という感じも最高に魅力的でした。

『ふたりのきもちぃ♡』ザシャ

 大学の先輩。高校の頃から一緒だったら卒業して一度離れ、同じ大学で再会したことで気持ちが爆発。先輩は良いぞ、という魅力、圧力が素晴らしい作品でした。ヒロインは徹底して「先輩」(表記は様々)と呼ばれ続けるので、彼女がどんな名前なのか分からないまま終わるのとか、すごいバランスというか、コンセプトの強さであり、その魅力を感じる。理想の先輩を具現化したようなキャラクター。
 ヒロイン視点で語られ、相手のことを弟のように感じていたけど、今では恋人になっていることのギャップが良い。先輩であろうと振る舞うんだけど……という展開が熱い。相手の愚直なまでのアプローチに簡単に屈しちゃう感じとか可愛いですよね。先輩で、家に招待する立場ではあるんだけど、エロパートは完全に対等な関係。それ故にイチャイチャの濃度がとにかく高いw ガワはめちゃくちゃ年上感あるんだけどねぇ、という具合が最高。
 それと同時に、可愛い弟のようでもあり、素直に好意をぶつけてくるけどそれと同量の照れもある後輩のアキが魅力的。端的に言って可愛い。先輩の魅力が詰まった作品だけど、先輩に対して「そりゃハマってしまうわ」という納得も感じました。
 あと、細かいところだと、季節が夏。汗ばむ季節だからこそのじっとりとした質感とか、汗塗れになっても気にならないほど求め合う感じがエロい。ただ、大学で再会という設定を考えると、2人が付き合うようになるのちょっと遅い気もしますよね。明示はされないから勝手なイメージですけど、アキが同じ大学行ったのは先輩のことを追っかけて、だと思うんですよ。だとしたら尚更付き合い出すのが、初めてを迎えるのが遅いんだけど。大学入学から3、4ヶ月はある。そのタイムラグというか、その間互いに慎重になりすぎてウジウジしていたのかもしれない、とか妄想すると微笑ましいw

『続々あねはら』草津てるにょ

 第4話。ここまで長いシリーズになると普通にナンバリングした方が良かったのでは、とか思ってしまうw ただ、予定通り話が盛り上がってる感もあるので、終盤にかけて何かタイトルに仕掛けが加わる可能性もある……かも。
 前作から旦那の視点が加わり寝取られとして王道な感じあったんですが、本話の前半は同じ構図で、ヒロイン視点。「見られてる」というヒロインの心理にフォーカスされる。そして、中盤、今度は旦那の弟視点で夫婦の営みを覗き見る。これは見られてることに気づいてない。夫婦の本来の性生活を見て優越感を得る。そして再び寝取り構図になって、ヒロイン視点。そして最後には旦那の寝取られ視点。3人の中でグルグルしてるんですが、視点が細かく移動することで、それぞれのオモシロが生じてますよね。一口にNTRと言っても描き方は多様である、と痛感させられるような回でした。本話だけでNTR作品のいろんな視点、いろんな型が味わえますよね。

『マイペース』JJune

 エロ小説家の姉と、その姉がオナニー中の部屋に入ってしまった弟。JJune先生のゼロスでの作品、ここ最近はダークな雰囲気の話が続いてて、絵の雰囲気と演出の方向性がハマってて魅力的だったんですが、今回はかなりコミカル。めちゃくちゃなキャラクターの姉と、それに振り回される弟の姿がそれぞれ違った可愛さに溢れてて魅力的でした。おねショタと括るほどショタ感はないんですが、彼の振り回されっぷりもかなり作品の魅力に貢献してたと思います。本作は基本的に姉視点で進行するし、かなり彼女のモノローグが饒舌だったりするんですが、それでも作品を読んだ際、姉が「理解不能な他者」というようにも感じられるんですよね。このバランスがとても良い。ヒロインの「手に負えないやべぇ奴」感の描き方がうまいってのもあるし、やっぱ弟くんの受けの魅力だと思います。彼のモノローグは姉のものに比べると半分以下どころじゃないくらい少ないんですが、それでも彼が振り回される話だったという印象も強いって人が多いんじゃないですかね。
 やべぇ奴感の描き方がめちゃくちゃ迫力あって最高なんですが、よく考えるとやってること自体は割とオーソドックスというか、姉のプレイが特別暴力的というわけではないですよね。とにかく姉のやべぇ奴感と、弟の振り回されっぷり。2人のキャラクターの魅力が光ってたと思います。

『冴島瑠璃はこらしめたい』小矢部亮

 weekly快楽天ではお馴染みの小矢部先生がゼロスデビュー。weeklyデビュー組が、その後ワニのどこに配置されるのかもweeklyウォッチャーとして楽しいポイントだったりします。
 からかい系の○学生女子が生意気な同級生に本気出す話。その本気の方法が驚きで、まさかのサキュバス。冒頭の場面からまったく想像できなかったので驚きました。サキュバスって無作為に獲物を選ぶからこその物語展開が基本だと思うんですが、本作は○学生で、獲物が同級生なのが特徴的。しかもその動機がマジしょうもない理由による復讐w 結局のところヒロインの心理的な幼さも現れてますね。逆転要素一切ナシのワンサイドゲームでそこが魅力なんですが、彼女の幼さも感じられるバランスになってるのが良い。しょうもないことにサキュバスとしてのスキルを使っちゃって、それによる被害がそこらへんのショタに発生する。別に罪と言えるほどのことはしてない、という感じが面白いですね。しかも、彼の意地悪な態度は実は……と○学生男子であることを踏まえると当然みたいな真実が明かされるのも微笑ましい。サキュバスらしい展開で明かされるのも面白いですね。ただ、そこからイチャイチャの方向に移らず、それを気にヒロインの悪魔性がより強調されるのが面白い。絶対イチャイチャする展開だと思った……。あくまでもヒロインが完全に上位。圧倒的なまでの強者が無垢なショタを支配する話。
 その支配の余韻を感じさせるエピローグも良かったですね。あそこでの「ルリ様」呼びは可愛かったわw

『おとなのじかん』川島よしお

 第9回。次回いよいよ2桁突入ですね。まぁ、次回になったら「もうすぐ1周年ですね」とか言うんだけど。
 冒頭1発目の8コマ漫画「底抜け二挺拳銃」。もうこれが最高ですよ。やっぱ美少女と拳銃の組み合わせって良いよね……。日本刀でもいいのよ。好きなのに、エロ漫画で見ることは少ないので「これ好きなの忘れてた!」という感動がありました。まぁ、どんな話のエロ漫画にすりゃいいんだよ、って話だからそもそも無理難題なんですが。
 「二挺拳銃」と同じく作者が描きたい絵を描いた、という感じが伝わってくる(決めつけ)のが豚汁芋煮論争の10コマ。突然のオッサン連打で爆笑しました。女の子の出てるコマだけ抽出したらちょうど4コマで、それだけで4コマ漫画として成立しそうな感じもあるんですが、間に挟まれる激シブオッサンが最高。ちょっと話それるけど、豚汁の中にも「とんじる/ぶたじる」で派閥分かれるよね……。ぶたじるの方がおいしそうで好き。
 ラストのサイレント10コマ。女の子が自分の匂いを嗅いでいろいろ連想する話を絵の迫力で語ってて面白いんですが、オチのパンダが突拍子もなさすぎて笑った。デフォルメなしのリアルパンダなのがまた良い。急に動物だし、よりによって匂い知らない奴w

『一方通行の片思い』さつきあしゃ

 重言的なタイトルかと思ったんですが、たしかにただの片思いではない、というニュアンスがありましたね。ドSのメガネくんに恋して、彼にいじめられ続ける話なんですが、この手の話って最終的に「彼の方も責めることにハマっていって……」みたいな感じに収まるの多いと思うんですよ。どっちが支配してるのかが曖昧になるような話が。ところが、本作は完全にヒロインの視点に限定されてることもあって、男側のデレが一切ない。漫画的な演出で描かれてないとも取れるし、そもそも彼は彼女のことを利用してるだけで好意は1ミリもない、とも取れる。自分で書いてて悲しすぎるんですが……。
 ヒロインが終始涙目で、ふるふる&ぽろぽろな姿がめちゃくちゃ可愛くもあり、可哀想でもある。ただ、終始涙目ではあるものの、彼女の感情に起伏がないわけではなく、涙目の中での感情の波がものすごく丁寧に描かれてて、そこがめちゃくちゃ見応えある。笑顔からの泣き顔とかは分かりやすいんですが、泣き顔の中にいろんな種類の泣き顔がある。嬉し泣きの要素も間違いなくあるんですよね。実写だと演技力がめちゃくちゃ必要とされる奴や……。個人的には彼女のことを応援してしまうというか、「幸せになってくれ……」的な気持ちが強いので、激しい責めの合間にちょっとした安堵とか期待(おねだりのが近いか)、「これは報われるのか?」という瞬間の表情がとても好きでした。ただ、本作の中では一切報われないまま終わるw つ、つれぇ……。ただ、悲劇的なラストではあるんだけど、彼女の心理は悲劇一辺倒ではなく、それなりに現状に幸せを感じてるっぽい……けど最終的には切なさがすべてを包む、というバランス。やっぱつれぇ……。

『放課後の物体X』ヲルト

 続編。ついにヒロインに名前がつくんですが「THING」。本作のタイトルの元ネタに忠実な奴や!!(『遊星からの物体X』こと原題『THE THING』)
 異常な日々が日常と化してきた頃、前作では何も知らないまま当事者にされた青木さんが正気のままで絡んできて……。新キャラのようで新キャラではない青木さんによってキャラの関係性が大きく変わるのが面白い。青木さんは体を乗っ取られたことがキッカケで物体Xのことが見えるようになったらしいけど、彼女がアレな性格してるのはたぶん元々ですよねw 完全なる強者で、流れるように2人の関係性にマウント取っていくので笑った。ただの人間なのに強すぎる……。
 物体Xことシング。青木さんが絡んでくることによってシングのキャラクターがより際立ったというか、デレがより分かりやすくなったというか、動物的な反応を見せる様がストレートにめちゃくちゃ可愛いですよね。強者の雰囲気漂う青木さんも魅力的だけど、感情が100%表に出てるようなシングもめちゃくちゃ可愛い。エロ以外の場面で「可愛い」が確立されたので、そのままエロパートに入った際の盛り上がりが大きかったと思います。青木さん(正気)という新キャラ登場回みたいな話ではあるんだけど、言うても本作の主軸はシングであった、という感じですよね。ついにシング(生身)と直接結ばれるのがメインイベントですので。青木さん、あそこまでの強キャラムーブかましといて挿入に至らず終了したのが意外でした。意外というか、油断してると挿入してないことに気づかないというか、忘れてしまいそうなレベルw

『ヒワイナカンケイ』タコヤキロック

 生徒会の副会長の体操着でシコってるところを生徒会長に見つかって、それ以来会長からのオシオキが続く。弱みを握られて好き勝手される系の話かと思いきや、主人公のモノローグがなくなり中盤以降は主人公の下克上……かと思ったら最後の最後にめちゃくちゃ甘い結論に至るので驚きでした。物語に振り回されるように読み進める初読時も楽しいけど、結論を知った上で、「このときの心理は」などと考えながら読み返すのもめちゃくちゃ面白い。特にヒロインである生徒会長。悪意しかないと思われた彼女の中にある好意が徐々に露出していく終盤とか絶品でしたね。副会長が通りすがって挿入キャンセルになるんですが、このときの会長の表情が良い。序盤は主人公の心の声が多用されるんですが、終盤のこの会長の秘めたる思いみたいな部分に関しては言葉による説明がなくて(エピローグでようやく種明かし)、会長の表情、演技によってのみ語る。このバランスが最高でした。落胆&嫉妬みたいな表情から、 “すみません よそ見して…” と最も言われたかったであろう一言をもらってからの喜び&トキメキが良いですよね。この感情が高まったタイミングで一気に挿入、という展開も見事だったと思います。感情とエロの盛り上がりが完全に一致してる。
 と、作品の語り手が後半はほとんど会長にスイッチしてるのではないか? みたいな構成、その漫画的な技巧が面白い作品で、その面白さでつい忘れそうになってしまうんですが、本作の主人公結構酷いことしてその割にはハッピーエンドっぽいラストを迎えるんですよね。いいのかよ、羨ましいなチクショウ、とか思うんですが(こっそり嗅ぎたいわけじゃないよ)、漫画的なオモシロにすっかりごまかされてしまった感がある。最後とかめっちゃ糖度の高いラブコメを読み終えたみたいな読後感にさせられますからね。ある意味騙されてるんだけど、そこが漫画の良さ。

『僕の理想の森川さん』七尾ゆきじ

 続編。というか、前回のはプロローグだから本編って感じか。前作のラストで本作が寝取られの一種(BSS)だったと判明して、本作はエロパートのみで構成。
 「BSSだったんかい!」という衝撃もそうなんですが、本作の魅力はタイトルロールでもある森川さんのキャラクターにあると思います。単純にめっちゃ可愛いってのもあるんですが、表情から彼女の心情がどうも読み取れないんですよね。読み取れないからこそBSSだった衝撃がすごいんですがw
 森川さんは表情が乏しく、感情表現も少ないんだけど、佐古先輩とのプレイが進むに連れ、徐々に紅潮していき、佐古先輩との関係が望まぬものではない、と明かされる。主人公が “嫌々… やらされてるんだよね…?” と問いかける場面がハイライトで、森川さんが淡々と主人公にとって無情な真実を告げることのインパクトが素晴らしかったです。主人公目線だとBSSでほとんど寝取られに近い感覚なんだけど、森川さんは彼女のなりに幸せだと言えるバランスなのが面白い。「可哀想なのは抜けない」とよく言われますが、本作、ヒロインは可哀想じゃないんですよね。よく考えると。まぁ、彼女は被害者ではなく、救いを求めていないことが主人公にとってはある意味最悪の話でもあるんですが。主人公はめちゃくちゃ可哀想w ここらへん一筋縄で行かない感じで面白かったです。森川さんがもっと快楽堕ち的な感じで描かれてたら「彼女も可哀想」が成立してたと思うんですが、そこまで断定的な描写はないですよね。 “最初は佐古先輩がしつこく誘ってきたけど” のセリフが重要だと思うんですが、これがレイプ的な話だったら快楽堕ちだけど、そこまで極端なことではないんじゃないかなぁ……と何となく感じます。ただガツガツとしたアプローチに心が揺れて、現状が幸せ。だからこそ主人公にとっては救いがねぇw

『売買トレード』秋白秋乃

 コンビニでワンオペバイトしてると堅物委員長が来店。コンドームを14,000円分一気買いというのが衝撃的。深夜にゴム買いに来るのも驚くし、彼氏いるのも驚く、さらには量ですよ。彼女の表の顔が恐ろしい速度で崩壊していくのが楽しい。本作、男女共にメガネなんですが、いざ本番となったらヒロインの方がメガネを外す。委員長としての表の顔を完全に捨てる、という儀式になってて私は好きです(メガネ取るの嫌いな人がいるのは知ってるw)。彼女がメガネを外した場面を境に2人のパワーバランスが逆転というか、完全に彼女がリードする形になるのも良いですよね。それまではあくまでも委員長を脅す形だったけど、ここを境に彼女が “そんなおべっか使うんならさせたげません” と逆転。むしろ主人公がお願いする関係に至る。「思ってたよりエロかった」の良さでもあり、脅迫に近い導入だったけど、そこまで暴力的な感じにならないバランスも絶妙だったと思います。その後も2人の関係がかなりドライというか、その日盛り上がっただけの関係、としてマジで終わってしまうのが彼女の強キャラ感というか、手の届かない存在の魅力が感じられる。そんな彼女と一夜だけでも共にできた、という感慨。てか、主人公は今後学校で彼女と出会ったときどんな顔をすればいいのかw お金の関係で再び……なんて期待も抱いてしまいそうだ。まぁ、そうするとワンオペバイトも頑張れるから良い話なのかもしれないw

『ホーンテッド学生寮 アンナ先生の憂鬱』塩おにんこ

 後日譚にして番外編。ショート作品で、セックスはなし。セックスなしで満たされない感じを劇中のキャラも感じていて、その物足りなさがエピローグの余韻に直結してるのが面白かったです。
 ……と思ったけど、原作のラストだと日常的に3Pしてそうな雰囲気もあったので、アンナ先生が性的に満たされてない本作は後日譚ではなく前日譚という可能性もあるかも。
 元の『ホーンテッド学生寮』、めちゃくちゃ好きな作品で、アンナ先生の話に絞ると元の話にあった美少年要素がなくなってしまい少し寂しい気持ちもあるんですが(超可愛かったからな)、アンナ先生の話で美少年要素がない、という事実こそがアンナ先生の成長(理性)なので、そこらへんがキャラクター魅力だと思います。
 それと、原作のラストで多くの読者が感じたであろう「メガネキャラだったんかい!」の点。今回、メガネありの状態でのエロが描かれたので非常に嬉しかったですw

『目撃者』東雲龍

 同僚の地味OLが部長と不倫してるのを見かけてしまい……。「地味」の記号だと思われるんですが、メガネです。メガネ女性は地味じゃないぞ! とかめんどくさい主張をするつもりはなく、メガネの記号性が好きです。
 メガネヒロインの弱みを握ってそのまま、という話、今号だと『売買トレード』と同じ構図で、「メガネを外して逆転」のくだりも一致しててメガネキャラ好きとして興奮するところなんですが、大きく違うのは主人公のキャラクター。本作の主人公はかなりオラついてるというか、弱みを握ったことで彼のダークサイドの噴出した感じがありますよね。それがあるので、ヒロインによる逆転で「ざまぁ」的な気持ちよさが感じられる。『売買トレード』はもっと陰キャ感あったので、似たようなコンセプトの話でもちょっと違うだけで作品の印象が真逆と言えるまでに変わってくる、というのがとても面白い。
 ただ、脅したり、逆転したりの物語ではあるんですが、そこまでダークな感じにはならないのが本作の特徴であり魅力だったと思います。トータルで見れば2人は対等な関係になったのでハッピーエンド……は言い過ぎだけど「よかったねw」的な読後感があったと思います。
 あと、メガネ使いで最高だったのは、エピローグでヒロインが再びメガネをかける瞬間が描かれた点ですね。彼女が地味OLに擬態して社会に戻っていく、という余韻であり、そのトランスフォームぶりに彼女の強さが現れてて素晴らしかったです。

『きょうのふろく 出張版』れゐぢ

 vol.2。これはゼロスでも定番の存在になる感じかしら。出張版とは名ばかりの実質連載になるのか? 巻末掲載のしっくり感がすごい。
 陰キャをからかうギャルと、ギャル嫌いの陰キャ。からかいを断る際に出てきた「スペンス乳腺」がやけに気になってしまい……という展開が良い。よくあるオタクとギャルの話から一捻りあって、けど最終的には普通にキュンキュンさせられるようなオチになってるので良い。『きょうのふろく』でたまにあって不意打ち食らうパターンだw
 漫画的に面白かったのが、劇中のLINEで送る画像をそのまま1コマで描き、そこでは乳首あり、その次のコマで劇中のスマホ画面が出てきてその中の画像では乳首が隠されてる。乳首画像送るほど痴女ではない、というキャラクターも良いし、読者は乳首見えるんだけどな、という優位性もありがたい。
forms.gle

 終わり。例によって更新が遅い。脳裏に鱗滝クソコラで「更新が遅い」とよぎりました。アンケートはあと1週間有効だから許して……。
kitaku2kitaku.hatenablog.com