北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2025年1月号の感想

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 今月はちょっと全体的に話が長い気がします。
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瑞希さんの息抜き』亜美寿真

 フルカラー6ページ。受験生と年上彼女。世間話してるのかと思ったらセックス開始の場面だった、となる1ページ目から最高。ショートならではの戦い方。
 ヒロインの精神的な優位性が魅力的で、事後のピロートークとか大人の魅力が爆発してて最高なんですが、いざセックスが始まるとそういう余裕がなくなるので可愛い。いや、余裕はなくなるけど彼女がちょっと自分本位っぽいセックスになるという意味ではやはりヒロインの優位性は感じますね。やる気のオンオフのギャップが素晴らしい。
 あとは、カラーらしい魅力なんですが、ヒロインの髪のインナーカラー表現がちょっとびっくりするくらいに良い。チラチラと透けて見える感じもセクシーですし、(騎乗位で)揺れる髪の魅力もインナーカラーによってマシマシになってたように思います。また、その髪の隙間に見える耳のピアスが想像以上にバチバチでこれまた良かったですねぇ。大人感というか、ちょっと悪いお姉さん感。

紫煙のオアシス』桃雲

 就活生とシーシャバーのオーナー。シーシャバー! そんな題材があったとは。目から鱗すぎるんですが、そんなシーシャがビジュアル的にも、物語的にも、そしてエロ的にも効果を上げていて最高でした。直前の『瑞希さんの息抜き』にもヒロインの大人感としてタバコが出てきて共通点を感じるんですが、あちらは悪い(ダメな)大人のニュアンスで、シーシャはもうちょっと知らない世界の怪しげな雰囲気って感じですかね。でかい器具から長い管が伸びてるビジュアルにちょっとロマンを感じました。
 詳しくないんですが、タバコそのものよりは健康被害も少ない、という認識でいいんですかね。フレーバーとか吸い方にもよるんでしょうが。スモーキングキスとか、チンコに煙吹きかけたりと煙使いが最高の作品だったわけですが、ヒロインのキャラクター的にそこまで悪いことをしてる感ではなかったように思います。ダメ人間同士が堕ち合うようなシチュエーションも魅力的ですが、本作はそういうのではなかったかな。あとは、これは単に漫画的な誇張表現かもしれませんが、煙がタバコよりも軽そうな雰囲気というか、透明感あってふわっと広がる感じが幻惑的な雰囲気に繋がっててマジ素晴らしかったです。年末、快楽天キッカケでシーシャバー行く人多そう。
 失敗続きの就活生という、大人の世界へ足を踏み入れようとして入りきれない設定も良い。そこで出会うのが、主人公がまったく知らなかった大人の世界の住人としてのシーシャバー。そんな大人の嗜好に触れることで主人公の緊張がほぐれて、物語が動き出す。糸目主人公の数少ない開眼描写がこの初シーシャであるんですが、リラックスすることによって強ばっていた心身からチカラが抜ける、という場面になってて本当に良かったです。そして、そのほぐれた状態にヒロインの魅力を注入されてしまうんだからそりゃハマるわw
 シーシャに舌ピアスということでキスやフェラの場面も最高だったんですが、着たまま行為に至り、行為中に脱ぐのも素晴らしかった。特に胸を押しつける場面(ここでも開眼)とか、明らかにヒロインが意図的に相手を興奮させるために脱いでるっぽいのが良いんですよね。彼女の戦略を感じるというか、大人としての敵わなさが最高に魅力的。
 本筋から逸れて申し訳ない気もするんですが、ヒロインに絡んでた輩の客2人。厳密には悪酔いしてるのは片方だけで、もう片方は正気を保ってむしろ止めようとしてるのが妙にリアルで良かったです。単に日和ってるだけかもしれないけど、それも含めやけに人間臭くて、作劇のためだけに出てきた感が少ない。

『オナホを買っただけなのに』雲呑めお

 2度目の表紙担当作品にして、クリスマス仕様の作品。あとは巻頭から「大人のお姉さんに転がされたい」三部作という括り方もできそうですね。前2作と比べるとヒロインの怪しい雰囲気や悪い大人感もなく、かなり対等な関係性なんですが、その中にも確かにある大人お姉さんと童貞の格の違いみたいなものが最高に魅力的……。あとは単純に竿役の描写が多く、竿役に萌えるヒロインの描写の存在が大きい。童貞確認の際のコクコクとか可愛すぎるんですが、それ以外にも行為中のリアクションがいちいち微笑ましく、そのことによってヒロインの興がどんどん乗っていく感じがリアル。童貞なので当然行為として優位に立てるはずもないんですが、ヒロインの童貞萌えによって彼女が勝手に威厳をなくしてるというか、対等ではないが2人のバランスが取れてる感。
 タイトルは男性側の都合の良さを感じさせるんですが(もちろん某スマホのパロディでもある)、逆に考えるとオナホを買っただけでヒロインに圧倒的な好意を抱かせるって相当ですよ。オナホを買ってそれだけ可愛くなれるのは超人。凡人はニヤニヤしたり、女性店員にキョドっておしまい。西くんは強い。そのうち激モテしてもおかしくないので、むしろヒロインがラッキーだったと言えるのかもしれない……。
 本作の魅力は何と言ってもサンタコス。シンプルに可愛すぎるんですが、サンタ衣装が出るまでに、夏(春かも)、秋と季節を感じさせる衣装を見せてからの満を持して冬、サンタどん! という流れになってるので読み進めてて本当にブチアガる。さらに、サンタコスの初登場では上にコートを羽織ってて、エロパート突入となってから満を持してサンタコスのみになるのも素晴らしかった。単に描写がすごいってのもあるんですが(衣装の質感とかすごすぎてもはや高級感とか錯覚してしまうレベル)、物語の中でキャラクターが着ていることの意味や効果を最大限感じる。
 童貞とお姉さんの組み合わせで意外で面白かったのが、女性側のおもちゃ。童貞でも女性を気持ちよくできる、というリアリティとしても見事ですし、同時に大人の女性感の演出にもなってますよね。主人公がまだ知らない大人の世界というか、女性のリアルみたいなものが感じられて。あとは舞台がドンキ風なので、それを踏まえてる。てか、今回小物の小ネタがいちいち面白くて2周目以降必死に探しちゃいましたw 雲呑先生こういう遊びをするタイプだったっけ、と少し意外でしたが、単に過去作にはシチュエーション的に小ネタを入れる余地がなかったってだけなのかな。ワンタンネタも良かったですが、そのメーカーの「エッチコック」がぎょっとするほどのド下ネタなので爆笑。元のままのコックが急に意味深。
 ヒロインは初手のおもちゃで相当ヘロヘロなんですが、それでも童貞相手にお姉さんムーブを意識的に、かなり頑張って演じてる風なのが伝わってきて、そこもめちゃくちゃ魅力的でした。ただの属性では終わらないキャラクターが感じられるのが最高です。記念すべき初射精も、ドエロプレイや衣装に興奮するのではなく、あくまでもヒロインのお姉さん的言動にときめいてしまった不意に射精、となるのが本作の魅力を象徴していたと思います。徐々に衣装の存在感が弱くなっていくのが、属性ではなく彼女自身に引きつけられてることの現れのようでもありました。ただ、全裸になっても首もとのリボン(と鈴)は最後まで厳守、というのが可愛すぎる……。

『玻璃の欠落』玉ぼん

 後編。ついに完結。良い! 本当に良いエンディングでした! 物語的な着地がキレイとか、ハッピーエンドで嬉しいとかもあるんですが、とにかく最後のタイトル演出が鮮やかすぎてその場で立ち上がってしばらく拍手したくなってしまうような読後感。しばらくエンドクレジット流してほしい。
 後編では視点が四郎へとスイッチ。前後編で視点が変わるのは割とよくある手法だと思いますが、本作の場合は前編のラストでゆき子が絶望し、意志薄弱になってしまったので語り手として必要なだけの気力を失ってしまった、という味わいも出てくるのですごい。てか、1ページ目の「不妊だから嫁ぎ先が決まった」というの残酷すぎてすごいな。前編ラストも驚きましたが、そっからさらに落としてスタートしてくる。それなのにハッピーエンドとかすごすぎるだろ。四郎、信じてたぞ……。
 そんな四郎。語り手になっても読者がドキドキできるように、ちゃんとあくどい顔も持ち合わせてるのが良い。あれはあれで彼の本性だったが、簪の思い出も間違いなく彼の本性であり本心。彼の根っこにある思い出を軽くあしらったゆき子が気になって仕方ない……と再びゆき子に近づいていく。ムキになってる四郎可愛いぞ。ありがとう……良くやった……(情緒不安定)。
 閉じこもってるゆき子から本心を引き出すためにセックスが描かれてるのも良い。ちゃんとセックスで物語が大きく動くことになるのが見事ですよね。エロ漫画としてのストーリーテリング
 四郎の目論見は一発目の射精(からの告白)で成功したかに思えたんですが、ここで四郎が失言。「四郎バカ!」と読んでて叫びそうになったんですが、これも四郎の本音、この時点での四郎の本音だったのでしょうね。まだ思考が「家」から抜け出せてない。ゆき子を家の外に出すのは大正解なんですが、自分が家の中にいたままなので惜しい。正解に徐々に近づいているが……というのがもどかしい。最高。
 そして三度目の射精。口論の果てに出すんですが、そこで “わかってるんだッ…” と言いながら出すのが最高。何もわかってないw いや、厳密にはここでの口論で自分の言い分の間違いに気づくというか、 “わかってるんだッ…” と言いながら自分がわかってないことに気づく、という感じですかね。その後初めて向き合ってのセックスに至るのが四郎の心情が反映されてるようですね。めちゃくちゃ荒々しいセックスなので、乱暴に見えなくもないんですが、本作で初めてイチャイチャ感のあるプレイになり、ゆき子からも受け入れるような言葉が漏れる。
 そして、セックスの終わりに2人が結論を出す……のではないのがまた最高。焦らし的な意味でもそうですが、「家の外」でそれぞれ結論を出した2人が顔を合わせるというのが象徴的というか、本作の物語としてこれ以上なくふさわしい場面だったと思います。そもそも本シリーズでちよ子が家の外にいるのはここが初めてですね(回想は除く)。ようやく家から抜け出せたという意味で感動的。それでいて、四郎が出した案が彼の地元(つまり東雲家の外)にある「群来」にちなむ、というのもこの上なくうまい。群来なぁ、序章の時点で何か重要な意味があるとは思ったんだよなぁ。怪しいとは思ったけど、こんなにも感動的な結論に結びつくとは思わなかった……。
 後日譚的なラストのモンタージュで、ちよ子も同じような家を抜け出すハッピーエンドを迎えてた、と明らかになるのも超良かった。普通に良い子が、普通に恋をして、その恋を邪魔をする家から脱出するだけの話。最高。思い返せば、後編で四郎があくどい顔を見せた直後にとんぼ玉の思い出をつついて彼のライトサイドを刺激したのもちよ子だったんですよね。あの場面でちよ子があのような指摘をしてなかったら、おそらく四郎は自分の出世を優先した道を選択してたんだと思います。ちよ子もありがとう……。みんな幸せになってくれ。役者くんも好きw

『ふたりぼっちキャンプ』楝蛙

 キャンプの完ソロに心躍っていた人が2人。キャンプ全然詳しくないので目から鱗だったんですが、完ソロ問題めちゃくちゃ面白いですね。単にギリギリのところで完ソロ不成立という意味でも面白いし、女性キャンパーとしてはキャンプ先でソロキャンパーと一対一というのが、余計な警戒が必要になるので迷惑。知らない世界でしたが、容易に想像できる話で面白い。女性キャンパーがセクハラ(まがいのコミュニケーション)されがち、というのは何となく聞いたことあったんですが、ソロキャンプだとそれが余計に先鋭化しそうですね。一対一だったら大勢の中でそれぞれソロキャンプする方がマシ、とかありそう。ギャンブルすぎる……。
 そんな男女の認識の違い(社会的環境の違い)を元にすれ違いながら交流を深めていく序盤が微笑ましい。男性主人公が少し可哀想にも思えるし、ヒロインの言い分も痛いほど分かる、ので主人公がちょっと迂闊だっただけなのかも……と心が揺れるw あの状況で気楽でいれるのが男性特権、なのかもしれない。もちろん、そこがメインになるような話ではないです(エロ漫画なので)。むしろ、そんな巨大障壁があった2人が徐々に近づいて、気づけば同じテントの中で夜を過ごす、というシチュエーションにめちゃくちゃドキドキしてしまう。夜の野外で、ものすごく開けた空間のはずなのにその中で完全に2人きり。2作前の『夏のいとなみ』だと夜の海岸で同じような状況だったんですが、めちゃくちゃ良いですよね。本作だとさらに、広大な地で雨が降り、テントの中で2人きりとなるので「広い中の狭さ」というニュアンスになっててものすごく劇的。一般社会から完全に切り離された2人だけの空間という感じで超良い。
 楝作品らしい、日常シーンの中で突如飛び出る本気のお尻描写が本作もキラーショットになってて最高だったんですが、本作の中に何度かあるお尻ショットが、徐々に2人の距離が近づいていってることを反映してて、しかも最後、フィニッシュの場面でしっかりお尻でエロパートを締めるので思わず親指が立ち上がる。本作全体でお尻三段活用をしているみたいなもんですね。ゴム発見後の場面も好きなので、そこも入れると四段かな。

『ギャルですぞ!』オクモト悠太

 オクモト作品とギャル、相性が悪いわけないんだよなぁ……とタイトルを見てニヤニヤしてましたが、タイトルの中にギャルと同じくらいにオタクくんが存在感を発揮してると気づいて笑いました。いや、ホント本作はオタクくんのキャラが秀逸。「今時そんなオタクいる!?」と最初は驚くんだけど、次々と意外なキャラクターが明らかになっていき、それでいてギャルへの接し方が絶妙にキモくない。いや、いかにもオタク的な言動を繰り返してて、そのベタさには笑うんですが、不快感にならないギリギリのところで好印象な言動やリアクションをしてるのが本当に良い。キモいはキモいんだけど、同時にめっちゃ良い奴なのが少しずつ伝わってくる感じ。「ですぞ」オタクをこんだけ魅力あるキャラにできるのはオクモト作品のマジックだとすら思いますね。
 一方ヒロイン。こっちもキャラクターがひたすら可愛い。ちょっとバカな感じもオタクくんとの相性として魅力的ですし、何より開幕一発目で彼女が抱える悩みが “またママにお小遣い減らされる〰” なのが良いですよね。ギャル像としてあまりハードな方向には行かずに、お小遣い。悩みが可愛すぎるでしょ。基本的に平和な、どこか牧歌的ですらある2人のキャラクターと、2人の交流がとにかく最高。ボケツッコミ的に2人がやりとりしてるのを見てるだけでニコニコしてしまいますし、2人の仲の良さ、相性の良さ(人柄として)が伝わってくる。コメディ強めのラブコメなんですが、キャラクターや話の進行が雑にはならない。この2人だからこそ発生した輝きのように思えてしまうから、本作のヒロインがいわゆるオタクに優しいギャルなのかは個人的に少し疑問かもしれない。まぁ、普通に超良い子だとは思うので基本的に優しいとは思いますが、ここまで魅力的になったのはこの2人だったからこそだと思います。
 エロパート。双方向的にイチャイチャする感じではなく、あくまでも誘惑されたオタクくんが興奮して暴走気味になる話なんですが、その中でヒロインが相性の良さを感じる。なんだけど、そのことを決して分かりやすい言葉にはしない。しないが、明らかにモードが替わった姿を見たオタクくんがときめく。メガネのレンズが透過して本作で唯一彼の目が描かれる演出良いですよね。そっからフィニッシュまでの間、明らかにイチャイチャになるんだけど、それを言葉にして交わす余裕はないので、オタクくんは確信を持つことがないままエピローグへと移る。端から見ると「こんなん付き合うしかないだろ」って思うし、まぁそのうち付き合う気もするんですが、2人の探り探りの状態があまりに輝かしいのでもう少しその状態でいてくれるのが嬉しい。

『あざとくてかわいい』を図さとる

 10ページの販促ショートってことだと思うんですが、ものすごい速度でエロが始まるので、下手したらドラマ重視の通常サイズの読切とかよりもエロが充実してるかもしれない。
 そして何気にクリスマスネタでもありますよね。ガーリーすぎる衣装が可愛く、コートを羽織った冒頭のコマも大好きなんですが、コートを脱いだ際の姿がものすごくクリスマス。そして名前がのえる。本号では『オナホを買っただけなのに』もクリスマスですが、あちらはサンタコスで分かりやすかったですね。サンタコスでもなく、物語の内容がクリスマスってわけでもないのに、きっとおそらく明白にクリスマスを感じさせる本作のバランスもすごい。いわゆる地雷系寄りのファッションだと思うので、衣装そのものが彼女のキャラクター紹介にもなってて、その衣装のコンセプト? によってクリスマスが伝わってくる。すごい。
 濃密にエロパートがあって大サービスって感じなんですが、最終ページの半分以下で急激に物語を締めていくエピローグも好きです。ショート作品故のスピード感。それでいて、ガン攻めだったヒロインが思わぬ返り討ちにあって形勢逆転、というのが彼女のキャラクターの魅力が掘り下げられるようで良かったです。彼女の作戦は実際に大成功だったわけですが、先輩に効果がありすぎて逆に動揺してしまうという。

『かわいいきみがスキ』南文夏

 完璧で憧れの先輩が実は。そりゃかわいくはあるけどキャラ的にかわいいってよりもかっこいいだよなぁ……とか思ってたんですが、タイトルの「キミ」は主人公のことであった。最高。主人公は憧れのヒロインと対等になりたいのになれなくて悩んでたわけですが、彼女は下の存在としての魅力を主人公に感じていたので……という転換。都合の良い話と取ったらそれまでですが、実は完璧ではなくイビツな存在でもあるヒロインが、デコとボコが合致する相手を捕まえる話、と考えるとめちゃくちゃ良い話だと思います。ヒロインは思っていたような立派な人ではなかったけど、だからこそ主人公に惹かれてくれて、という捻りが良い。彼女自身は立派な存在という振る舞いに疲れてるので、格下である主人公が癒しとして機能して、ついでに彼女の性欲(性癖)も発散できてウィンウィン。主人公は都合の良いパシリからの脱却を目指してたけど活路は実は理想のパシリになることにあった、と気づいて “なんでも受け入れますよ!” と決心するくだりとか2人の関係、主人公のドラマが捻れてて面白いですよね。単にSとMが合致する話ではないキャラクターのドラマ、魅力を感じる。
 ヒロインは周囲からの理想像に悩んでいて、それから解放される、ある種悪い面を解放する。それがサイゼリヤガチ勢(オリーブオイル使いこなしてて笑った)であり、その後の決意のビール一気飲み。サイゼでワイン飲んでなかったのも細かくて好き。ワインよりビールが好きってことなんだと思います。たぶんだけど彼女は普通に酒も強いと思うので、あの後もまだまだ飲める気がするんですが、儀式としての一気であり、 “酔ったから家まで送っていってー” という体裁。ずるい大人! 良い!
 エロパート。話としてはヒロインがSを発揮する感じなんですが、SMとしてハードな路線になるのではなく、2人のキャラクターと関係性を強く感じさせる内容になってて超好き。まぁ、彼女は責めるのも好きだが、同時に『かわいいきみがスキ』でもあるので、自信の責め欲の解消がすべてというわけではないんですよね。あくまでも主人公を責めて、おそらく限界の一歩手前くらいまで行ったところであわあわしてる主人公を見るのが好き。ここで主人公がMとしての資質を発揮する、みたいな話じゃないのも良かったです。主人公は決心した割に頑張れてないんですが、ヒロインとしては “だからそのままでいてよ…” なんですよね。甘やかされて成長を阻害してるので良い話と言っていいのか少し悩みますが、イチャイチャで甘い雰囲気の中にちょっとした悪さがあるのが本作の魅力だったと思います。

『露凝りて白色』百済児廿日

 部活のサボリと塾のサボリ。社会的な正しさからははみ出てしまった2人が放課後の教室で2人きり、というシチュエーションが良すぎる。エモ。サボったサッカー部の活動を窓から見聞きできる状況なのが後ろめたさと、日常から乖離した特別な空間という感じがあって最高。
 そんな2人がいつも教室で……と「実はそういう関係だった」という構成。教室の中という、本来ならバレるバレない的なハラハラ感を強調する舞台なんだけど、2人にとっては常態化してることでそういうハラハラは全然なく、むしろやはり日常社会に対する後ろめたさと、現実逃避としての魅力がマシマシ。エロがどんどん激しくなっていくので、バレる危険性の話にフォーカスしてもおかしくないんですが、そっちではなく浮き世離れな空間としての特殊性がどんどん強くなる。リアリティよりは象徴性とかフィクション性の魅力で、もはやちょっとしたアダムとイヴ感というか、ものすごく大げさに言うと神話っぽい雰囲気すら感じられて好きです。
 そっから2ページ取って語られるエピローグで、2人が日常社会に戻っていく様子が語られる。ここで登場したサッカー部の大樹がドラマ的にめちゃくちゃ良い味出してましたね。エロとは1ミリも関係ない存在なんですが、主人公が日常社会でも充実してることが伝わってくる。彼を裏切った後ろめたさ、みたいな話になるのではなく、かなりカラッとした後味になるのも良かったです。ヒロインが付き合ってること(付き合うこと)をオープンにするのも良いですし、それを受けた大樹が半分冗談みたいに受け止めてくれるのもめちゃくちゃ良い。幸せすぎるだろこいつら。
 個人的に百済児作品ではヒロインの衣装のふわふわ感と重ね着感が好きなんですが、本作でも遺憾なくその魅力が感じられて最高でした。着たまま始めるエロも良かったし、着たままはだけてエロが加速する(本番)展開も激アツ。2回戦突入で全裸になるんですが、教室で全裸というありえなさの魅力ですよね。あとやっぱここで全裸になるのがアダムとイヴっぽくて好きなんだよなぁ。無垢感と悪いこと感。

『いいからヤりたい!』鳥茶丸

 自称絶倫とのセックス後、不完全燃焼なので公園でオナる。「そんなことする!?」と驚いてしまうヒロインなんですが、ネコには優しいので悪い人ではなさそう。性欲に素直すぎるというか。ネコちゃん効果はあまりに大きい。
 そんな独り寂しくオナるバックショットが絵として迫力ありすぎてヤバい。衣装にも驚きますし、バカ高いヒールを活かした(?)うんこ座りの体勢が情けなさも感じさせつつリアリティも感じちゃう。そこに現れてしまったショタみ……はあるがおそらく設定的にはショタではないたぶん青年。無害そうでヒロインに強引にされるがまま。ヒロインのめちゃくちゃさも魅力なんですが、 “…ダメかなぁ?” と最終的な合意(もしくは言質w)を取る際には可愛く迫っててずるい。ドエロと可愛さの帳尻が合ってないんですが、あれには流されてしまう。
 その後のエロパート。ヒロインのキャラクター通り、「喰う」という表現がピッタリな感じで進行するんですが、同時に彼女はとにかくセックスが好きなだけなので、イチャイチャとは言わないまでも暴力的にはならないバランス。ここ地味に意外ですごく好きな点でした。キャラクターの魅力をものすごく感じる。若干の独りよがり感もあるが、それも微笑ましいというか、人柄としての可愛らしさですべてオッケーになってしまうような魅力。
 からの竿役の逆転。逸材すぎる。ヒロインはあくまでもセックスで気持ちよくなりたいだけで、彼女の欲望としては「犯したい」ではないんですよね。きっと。受けに回っても負け感はあまりなく、相変わらず楽しそうの極みで、受けを満喫してる風だけど、マゾ的な側面にはあまりフォーカスしない。そして最終的には「喰った喰った」的な満腹状態で店を後にするノリ。めちゃくちゃ良い。激烈に陽性のギャルというか、あまりにカラッとした性格で、その性格のままセックスを満喫してて最高。
 初読時は竿役の正体が公園のネコだと思ったんですが、読み終わってみるとむしろヒロインのキャラクターの方がネコっぽかったかもしれませんね。自由気ままで欲望や感情に素直で、それでいて人なつっこい。別に正体がどうこうではなく。

『キス・ミー・クイック』さくま司

 前作ヒロインをお持ち帰りしようとした男と、それを阻止した女。「なんであんなに好感度の低い男を竿役にしたんだ……」と思いながら前作を読み返したら、そこまで外道なことはしてないので自分の記憶(及び偏見)にびっくりしましたw いや、下心込みで酩酊状態の人をお持ち帰りしようとしてるので普通に「そういうのはやめた方が……」と引く行為ではあるんだけど、おそらくお持ち帰りに成功しても酔ってる状態の姉さんを襲うようなことはしなかったでしょうね。本作ヒロインに阻止された際の軽いリアクションからしてそこまでのクズではないというか、周りに軽薄なキャラクターをオープンにしてる分タチは悪くないw
 ということで本作。前作の件の腹いせに委員長キャラを壊そうと夜の誘い。が、見破られ、怒られると思ったら分かりやすいところが気に入られ、気づいたらホテル。あまりに表情が崩れなくて面白く、そこが魅力的なんですが、こうなると前作ヒロインと本作ヒロインの日常とかも気になってきますね。前作では「姉さん」だったけど、むしろ妹的なキャラになったりするんじゃないかしら。
 表情の崩れないヒロイン。鉄仮面的な無表情キャラというよりは、ちょっと異常なほど負けず嫌いなので、ひたすらマウントを取る方向の言動を繰り返す。厳密に言うと表情は崩れる瞬間があって、相手を見下すときですねw ちょっと呆れそうにもなるんですが、それと「かっこいい」のバランスが絶妙で、劇中で竿役が言ってたように多少感じ悪く来られても嫌いにはなれない。
 んで、そんな2人が対抗心をぶつけ合う形でエロ開始。普通にお似合いな2人だと思うので「もっと素直に仲良くできたんじゃない!?」と端から見てると笑っちゃうんですが、おそらく2人にとっては(主にヒロイン)こういうコミュニケーションが一番適切なんでしょうね。逆に言うと、こういうコミュニケーションが成立する相手が最高にお似合いってことで。同僚のつよつよ女性という意味では、今号の『かわいいきみがスキ』とも近いところがあると思うんですが、あの作品は明確に上下がある一方、本作は対等。対等という前提の上でバチバチに対抗心を燃やし合ってるのが面白すぎる。結果的にバランスが取れてるのでかなりのイチャイチャにも見えてくるんですが、その過程に一癖も二癖もあるのが魅力的ですね。さくま作品だとイチャイチャのイメージ強いですが、例の前作でも姉弟のイチャイチャの中に間違いなく黒い感情もブレンドされてたので、それぞれ独創的なアプローチをしてるのが分かる。トータルとしての甘みは強いんだけど、甘さの純度が高いわけではない、という感じか。
 つよつよ女性好きってのもありますが、個人的にはやはりメガネが大好物でして。彼女の強さ、クールさの象徴みたいな存在感で素晴らしかったです。何があっても事後などのはっきりとした区切りの瞬間以外はメガネを外さない、というところに彼女の意志の強さを感じさせる。いや、彼女の性格を考えたら、メガネに精子かけられたらすぐに怒りながらメガネ拭いてもおかしくなさそうなんですが、あれはおそらく強者の証。精子を拭くよりも負かしてやった相手を煽るのを優先してて、極端な性格を感じられて面白かったです。
 あまりに強気なので甘い雰囲気に持ち込む余裕がまったくなくて笑うんですが、最後のフィニッシュ後、わずかに呆けた瞬間を見つけてキスをする。タイトルですね。キスの難易度が高い……。たぶんだけど、プレイの一環としてキスするのも嫌がりそうなイメージ。

『こあくまチアフル』すずきとと

 家庭教師をしてあげてる年下幼馴染と。隙あらばからかってくる感じで、大雑把に括るとメスガキになるんでしょうが、「彼女はそんなに悪い子じゃない」と謎テンションで養護したくなるくらい、根っこの良い子要素(と大好き感)が序盤から丁寧に描かれてて熱い。竿役が弱みを見せるとめちゃくちゃ喜ぶのが小動物的で可愛いし、やりすぎて相手が落ち込むと、ちゃんと反省してフォローしようとするのが可愛すぎる。ただし謝るほど単純ではない、というところがまた最高。このメスガキになりすぎないバランス、マジで絶妙ですね。ちょっと感動してしまったレベル。
 エロパート。メスガキになりすぎないので、結果的に分からせ的な感じにもならない。エロに至るのもヒロインの極端な行動によるもので、彼女から誘って相手がそれに乗ってくると勝手に負けてしまう。独り相撲感が可愛い。何もかも気持ちが大きすぎてやることなすことすべてが極端って感じですかね。竿役も徐々に積極的になっていくんですが、彼女に比べたら可愛いもんで、あくまでも「彼女の好きに応えてるだけ」という具合の主張の弱さになってたのも絶妙だと思います。本作でフェチ度が高いポイントとして、控えめおっぱいのデカ乳首責めがあるんですが、それもヒロインの好きが暴走した結果の産物という扱いになってるのが良い。どこまでいってもヒロイン中心であり、それも納得なほどヒロインのキャラと魅力が強い。
 素直じゃないのが可愛いんですが、最後の最後に素直に笑みをぶつけてきて「守りたい この笑顔」と心底なって終わるのも素晴らしかったですね。ツンデレにも近いんですが、基本良い子という魅力。

『パンツを脱がせ!』かづき

 めちゃくちゃ良い感じの関係なのにいつまで経っても一線を越えないので、諦めてチンコ見ようとする。最初「そんな直球のタイトルある!?」と笑ったんですが、読み進めたらヒロインが脱がす話になるので驚き、ヒロインの “部屋来た記念にチンコ見てこう” でまた笑ってしまった。記念チンコ。直後の “代価を払え!” も良かったなぁ。それでいて本作が最高なのは、そんなヒロインを極端な変人キャラとしてあまり扱わないんですよね。バレの場面でもっとコメディな雰囲気になるかと思ったら、そのまましっとりとした雰囲気でエロに行くのが超良かったです。竿役はさすがに草食すぎると呆れられてたわけですが、このバレの場面で安易に「ツッコミ」的なスタンスに逃げず、彼女を受け入れる方に決断したのはめちゃくちゃ偉かったと思うし、良い奴なのが伝わってくる。結局別の意味で突っ込むことにはなるんですが……(定番)。
 ついに、ついに一線を越えたわけですが、その後セックスが始まっても、それまでの曖昧でギリギリの関係性らしい魅力が詰まってるのが最高でした。変な緊張感とか、やりすぎて嫌われないか探り探りな空気が良いですよね。何ならすべてが順当に行くよりも満喫してると言えるのではないだろうか。そのくらい魅力的。そして、すべてが解決し、安心を得るのは挿入してから、という展開も熱い。安心感からの脱力がそのままセックスの気持ちよさと直結してる感じでめちゃくちゃリアルだったと思います。変な心理戦がなくなり、セックスに集中し、イチャイチャの酩酊感に浸っていくラストもとろけるような魅力がありました。
 とにかく一線を越えることの難しさと魅力を描いた作品だったと思うんですが、何があっても一線を越えることのないカップルが出てくるのも超良かったです。恋人になるのは早かったのに、エロへのジャンプは一向にする気配がないw それはそれでめちゃくちゃ尊い関係なのかもしれませんね……。健全カップルの期間が長すぎてエロの魅力が発生しづらい、みたいな熟年夫婦のセックスレスみたいな問題にも陥りそうw

『教師と生徒が終わるとき』梅田ノーチラス

 元先生と教育実習で再会した後。教育実習が終わって2人の関係が(一応)フラットになってから物語が動き出す感じが誠実で良いですね。再会の高揚感に溺れずにしっかり実習はやりきる。
 梅田先生の作品ってコメディ色強めというか、元気いっぱいで勢い良く話が進んでいく印象があったんですが、本作はかなりしっとりめ。序盤にお馴染みのギャグ感もあるんですが、あくまでも本筋の隙間というバランス。ラブコメ的な可愛さはしっかりありつつ、(キャラクターの)年相応のドラマになってて緩急がめちゃくちゃ良かったです。健全ラブコメのエロ同人を読んでるような感覚というか、ギャップはあるんだけどスムースにエロへと繋がっていく感じがめちゃくちゃ魅力的でした。
 本作の魅力は何と言ってもヒロインのスーツの着こなしでしょう。漫画らしく極端にボンキュッボンと曲線が強調されるものの、シャツのシワやスカートの質感など妙に生々しい迫力もあって最高。白眉というか、本作イチの名シーンだと思うのは場面転換してすぐにキスしてる2人の全段ぶち抜き。全体重をかけるがごとく抱きつくヒロインの前のめりさも魅力なんですが、そんな彼女のシルエットが美しすぎる。押しつけられた胸も良いんですが、背中から腰、お尻にかけての曲線はマジで芸術的。ラブコメ的な明るさはありながら意外としっとりな本作を象徴するかのような静かにエロい場面で素晴らしかったです。その後も全然脱がずに完遂するのも良いですよね。この手の脱がないセックスだと「ブラはどうした」となるのが定番ですが、本作の場合はやはり「先生」という属性ごと抱くのがポイントになるのでこれが最適解だったと思います。単純に私が着たままが好きってのもありますが。女性のシャツも好きなんじゃ……。

『赤い部屋にて』江口ジョーズ

 理科室手前の資料室に出るらしく、目が合ったら死ぬ。江口ヒロインなので当然可愛いんですが、それでも怪しげで不気味な雰囲気があって最高。ハイライト極小の漆黒の瞳が吸い込まれるような魅力ですよね。それでいて、噂の内容の通り「目が合う」がキーになってるのも良い。主人公は早速目が合ってしまうわけですが、気づいたらものすごく近くにいて、覗き込まれるように目が合ってしまった、というタイトル直後のページめくりが絶品。死を覚悟しつつ「けど好き……」となること必至である。
 全編通してヒロインの「上目遣い」に殺される作品なわけですが、その上目遣いが格下感とか可愛い雰囲気ではなく(めちゃくちゃ可愛いのだが)、交わってはいけない別の世界から覗き込まれるような不気味さがあって、その得も言われぬ怖さとそれでも惹かれる感覚が最高。
 あまりに都合良くエロへと話が飛躍していくのはエロ漫画だと必然みたいなもんなんですが、その違和感すらも本作では「何かヤバい世界に引きずり込まれてる」感として独特の迫力になってますよね。ずるずると彼女のペースで物事が進みすぎてることの不気味さ。そして不気味さを感じてるのに流されてしまう魅惑。めちゃくちゃエロくて都合が良いとも言えるけど、どこまで行っても何考えてるかさっぱり分からない感じも魅力的ですよねぇ。
 主人公に主導権が一切ないまま話が進むんですが、生者であることを確認するために最後のエロが始まる。オチを踏まえるとめちゃくちゃ失礼なこと言ってて笑っちゃうんですが、おそらくその失礼さと、あまりにピュアだからヒロインは悪戯したくなっちゃったのかもしれませんね。とにかく、この生きてることを確認するためのセックス、というコンセプトがめちゃくちゃ良かった。心臓の鼓動や肌の柔らかさや温かさ、吐息など「生」にまつわる要素がエロさの説得力として伝わってくる。あと、2周目以降に読むと、このクライマックスでのセックスにおいて、ヒロインが弱みを見せないように優位を保ったまま進めようと細かく展開を調整してるのが分かりますね。オチを知ってると、こういう思惑というのが何よりも人間臭くて可愛いw 負けそうになるとその行為を中断させて別のプレイへと移る。竿役視点だと怪しくもリードされる快感なんですが、オチを知って端から見てるとかなり彼女も必死なのが見て取れる。必死なのに「怪しく誘惑する」役を演じてる感じがめちゃくちゃ良いですね。そういうプレイとしても最高だし、演じてる彼女自身のキャラクターも味わい深い。顔を近づけて覗き込む、という全編通じて繰り返される彼女の必殺ムーブがあるんですが、フィニッシュが近づくと徐々に余裕がなくなって、最後の最後は抱きつき密着することを顔を隠してるのが良い。そして、何も知らない竿役というのも含めナイスカップルすぎる。

「読者コーナー」

 今年もまた、komifloのコメント欄でM-1の応援をする、という異様な光景が広がってて年末を感じました。てか、毎年のように決勝出ててほんとすごいですね。コラムも面白いです。今月特に良かった。
x.gd
 終わり。快楽天本誌の感想は今年はもう終わりだと思います。次号の感想、5日じゃ書けないんで。ありがとうございました。
kitaku2kitaku.hatenablog.com