北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2021年7月号の感想

 せめて月の半分、15日までには更新したい。来月はそこらへん目標に頑張ります。
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なっちゃんはね』もじゃりん

 祝表紙。weeklyと本家両方の表紙を担当した唯一の作家ということに……。
 冒頭に出てきたちっちゃ女の子とマッチョな彼氏は、快楽天での前作『ノーカウント』に出てきた2人ですね。みこちゃんのエロい姿はそちらで……見れませんw(エロは別の女性)
 高身長彼女と、低身長彼氏。扉のコマでヒロインが底の低い靴を履いてるのが象徴的。ちょうどタイトルの真下に靴の描写が配置されてるので目を引く。
 そんな2人がSM。ただの身長差カップルかと思ったら、という捻りに引き込まれました。高身長の彼女がMなので、屈服感もしくは支配感がより強調されますね。下克上じゃないけどそれに近いものがある。あとは単純に身長差があるからこそポーズや体位が不自然なものになり、そこがエロい。立った状態の彼氏に、彼女が蹲踞の姿勢でフェラする場面とか2人の高低差が逆転するコマなんだけど、だからこそ2人の体格差がより際立ってて良かったです。
 彼氏視点の語りで、そもそもSM関係に発展したキッカケも彼氏の趣味なんですが、エピローグ、最後の1ページが最高ですよね。ここで急にSMの雰囲気からガラッとイチャイチャへと変容する。プレイが終わったら普通の恋人に戻る、みたいな感じでしょうか。心配する彼氏も良いし、素直に愛情表現しただけで彼氏を肉体的に締めてしまう彼女のデカさも最高w 最後の最後に2人の体格差が最もシンプルに現れる1枚が出てくるのが素晴らしかったです。SMをプレイとして楽しむ恋人の姿としても魅力的だし、同時にこの姿があるからこそプレイ時のハードさも引き立つ。

『さよならブルートゥース』藤丸

 恋人同士がイヤホンを片耳ずつシェアするのは定番ですが、イヤホンも無線の時代になったのでそれも通用しなくなって……というのを踏まえた話になってて面白い。無線はなくす恐れがあり、有線は手軽に貸すことができる。からの耳を塞ぐ、耳に入れる(耳元でささやく)というアクションに物語、キャラクター表現的な意味が込められてて……と何層にオモシロが重なってる。青春の甘酸っぱさも、ドラマチックな感動もありつつ、ヒロインが痴女的であったというコメディのような飛躍もあり、完全にギャグ的なオチもつくんですが、オチを踏まえて読み返すとヒロインがエロへと飛躍するタイミング(理性が吹っ飛ぶ瞬間)は常に主人公の声を耳元で聞いたときなんですよね。ある種の叙述トリックみたいな「なるほど」という気持ちよさもあって楽しい。漫画は音のないメディアなので、主人公が実はイケボだった、というオチは見事ですわ。ヒロインが痴女なのではなく、あくまでも声を浴びてタガが外れてしまっている、と非常にロジカルな説明が付く。二度目に読むと味わいが増してより魅力的でした。

『ピザを待ちながら』雛原えみ

 宅配ピザが到着するまでの50分の間にセックスする話。だらだらとしたカップルの日常感が絶品。そこにピザ到着までのタイムリミット、ピザ注文に使ったスマホ繋がりで出てくるソシャカスの話もキャラクター表現として自然でした。白眉はピザ到着時。ヒロインが半裸の状態で受け取りをするのはエロ漫画だとちょくちょくある表現だと思いますが、そこに本作はコロナ禍のマスクが絡んでくるから唸った。玄関に行くのにまずマスク準備しなくてはいけない。最初は彼氏が先に出ようとするんだけど、マスクの準備にもたもたしてるとヒロインが追い越してしまう。アフターコロナを扱ったエロ漫画はぼちぼちあるけど、本作はそれが明らかになるのが中盤なんですよね。それまでは部屋で2人きりなので分かるはずもない。この当たり前なんだけど、漫画、それも読切だと驚かされてしまう構成がマジ見事でした。
 ピザの対応に現れてる通り、彼女に翻弄される関係性なんですが、とはいえSMのようなプレイ時の主従関係が生まれるわけではなく、あくまでも恋人関係としての主従、攻守が彼女のが強いってだけで、セックスの最中はあくまでもフェア。彼女がリードというか誘惑する程度というバランス。そこにセックス中も駄話のようなものがた延々と続くのもリアルですよね。本作の物語に劇的な要素はないんだけど、2人のキャラクター、関係性の機微が丁寧に描かれてて、それにすっかり魅了されてしまう。

『君がいる町』雲呑めお

 でっ、でかい! エロ漫画の世界だと巨乳は標準装備みたいな作品も多いんですが、本作は巨乳の表現、でかさを実感させる演出が秀逸。巨乳をテーマにした作品だと、それをどうプレイに還元するかが主眼になるのが多いと思うんですが、本作はそこは割と大人しめ。パイズリとかはナシ、強いて言えばおっぱいを舐める場面がやや長いくらい。それでも読んでて気になるのはとにかくヒロインの大きなお胸となってるから見事ですわ。
 雪国の話なので、まず冒頭の場面でヒロインはコート姿。シルエットからは胸の大きさは分からない……いやよく見るとコート越しであのシルエットは相当でかいのか? という予感程度。からの室内。今度はセーターで露骨にシルエットが出る。これはでかい、と確信。続いては脱衣時のおっぱいポロン描写になるんですが、ここが本作の白眉で、一旦回想に入る。制服姿が見れて眼福というのもあるんですが、ここでのおっぱいポロンはあくまでも過去。この時点で相当でかいのは間違いないんですが、今はそれ以上にでかいぞ……と期待も膨らむ。からの現在、満を持してのおっぱいポロン。回想の場面ではシャツのボタンを外してのポロンだったんですが、今度はセーターを勢いよく脱いでのポロンなのでアクションとしての強さが違う。そして、上下の動きがより強いのでポロンの迫力が段違いなんですよね。ここ良かったなぁ。巨乳というめちゃくちゃシンプルなエロ属性を丁寧に描き、焦らして期待を煽り、ついにドン! という流れが芸術的。
 からの本番。最初はヒロインがうつ伏せなのでおっぱいの動きは控えめ。ただ、床に押しつけられるので大きさの迫力は充分。からのクライマックスは騎乗位なので動きがすごい。ここでも溜めてからのドン! という流れになってて本当に最高。直接胸をどうこうする描写は少ないんですが、とにかく胸の大きさに意識が行く作品になってて素晴らしかったです。でかいと強い。
 それと、本作最大の魅力……と言ったらさすがに語弊がありますが、個人的にすごい刺さったのが、犬めっちゃ可愛い。冒頭の場面にちょっとだけ出てくるんだけど、釘付けでしたね。コタツ入りながら犬撫でてねぇなぁ……。

『ナマ肉くえすと!』かづき

 オンラインゲームのオフ会をしたら1人が女性で……。オフ会ものは定番だし、ある意味でオタサーの姫的でもあるんだけど、ヒロインがめちゃくちゃ強いんですよね。オタサーの姫ではなくオタサー狩りみたいな存在で、男が複数になっても余裕で狩られてしまうw 姫扱いは嫌がってたけど、それは男女の関係がイヤという意味ではない。主人公がちょっとウブというか、内面で分かり合えてる関係性に幻想を抱いてる風で、それを打ち砕かれるから痛快。ヒロインの圧倒的な強者ぶりがとにかく魅力ですね。
 ただ、ヒロインに悪意は感じられないようなバランスになってて、最終的にもオタサー崩壊の悲劇というよりは、明るい雰囲気もあるのが良いですよね。ゲームを通じて知り合った関係性に偽りがあるわけではなく、それとは別にセックスが好きすぎるw 彼女はとにかく楽しんでて、それが作品の全面に出てるのが魅力的。なんだけど、主人公は根が暗いのか、 “もしかしてあの時品定めしてた?” とか卑屈なこと考え出してしまう。この心理は分かるわ。後ろ向きあるある。ちょっと裏切られたみたいな怒りも抱きつつ、それもあるからヤケクソ的に吹っ切れていく盛り上がりも素晴らしかったです。

『友達ができた』瓦爺

 図書委員の主人公が図書室の常連の先輩に片思いをする。そこから同じ読書好きとして急接近して、これは行けると告白したら撃沈。恋人関係にはゴールがあるから友達のままがいい。女性側が男女関係にサバサバしてるというか達観してるという意味では直前の『ナマ肉くえすと!』とも共通しそうですね。男はそこに特別なものを考えてしまうから苦労する、というかヒロインに絶対に勝てない。ただ、その男女の温度差について、本作は感傷的というか、ちょっと切ない味わいが強めにまとまってるから別の良さが生まれてる。『ナマ肉くえすと!』とはえらい違いだw(あっちはあっちで良い) うじうじ考えちゃうタイプという意味では本作の主人公も同じなんですが、本作は図書室の物語でもあるので、どこか文学的な雰囲気があるんですよね。2人の関係はめちゃくちゃ順調だし、ものすごくエロいことにもなるんだけど、「友達」という一線を越えることができなくて……というのがエモい。一度きりの関係ではなく、おそらくエロ込みでの友達関係は今後も続いていく、という余韻を残すエンディングが素晴らしかったと思います。もちろん続きは気になるんですが、本作の物語を考えるとこれはこれで完璧な形で完結してるようにも感じます。

『Over flow』桃月すず

 兄妹の世話をしてくれてる幼馴染のお姉さん。おねショタ気味な雰囲気もあって最高。妹ちゃんが直接エロには関わらないまま終わる、というのもエロ以外の世界が広がってるようで良かったです。ラストシーンの “YEAH” が可愛すぎるんですが、彼女はある意味で読者と同じ立ち位置と言えるのかもしれない。まぁ私はあんなに可愛くないんですがw
 ちょっと長めのページ数ということもあり、ドラマの積み重ねがめちゃくちゃ丁寧で、感情の蓄積に説得力があるからこそ、それが爆発したときの盛り上がり、そしてエロさがハンパなかったと思います。
 ドラマパートで印象的に繰り返されるのが食べ物の話で、おそらく主人公がヒロインに恋心を抱く、もしくは意識するキッカケになったのが回想で描かれる “夜ごはん何がいい?” と聞かれる場面。主人子がハンバーグと答えようとすると妹に遮られ、主人公は身を引く……と思ったらヒロインが “明日はハンバーグにしようね” ですよ。これはホレる……。ヒロインの優しさに心がほだされていく感じは理想的なおねショタって感じですわ。大人っぽい印象のあったヒロインのセーラー服姿(おさげ)が見れるってのもサービス満点でした。
 そんな食べ物。ヒロイン側が主人公のことを意識するキッカケも食べ物で、今度は風邪を引いた日のお粥。相手を思いやる優しさの象徴として食べ物が出てくる。
 さらに食べ物による演出、キャラクター表現があって、ヒロインが作る(作ろうとする)料理としてオムライスとハンバーグが出てくる。ハンバーグは主人公の好物で、オムライスは妹。それを現在パートでもヒロインが振る舞うんですが、それの料理をするときってのがヒロインが兄妹どちらかに好かれようとしてるときっぽいんですよ。嫌われちゃったかと不安になったときにその人に向けた料理が出てきてる……おそらく。ヒロインが関係を修復しようと間接的に好意を伝えてきてるわけで、そのいじらしさが可愛すぎるでしょ。
 エロパート。溜め込んだ感情の爆発みたいな話なので初々しさというよりは気持ちを全開にするような激しい内容。ただ、ほとんどヒロインのワンサイドゲームになってて、ここらへんおねショタの良さですね。それと同時にヒロインの方が気持ちを溜め込んでた、という明らかになるドラマ的な面白さもあって非常にアガる。
 冒頭の場面からヒロインのゆるゆるのセーターが可愛かったんですが、本番でもその衣装で、その半脱ぎっぷりが見応えあって最高でした。脱ぎきらずに胸を出す展開が熱いんですが、脱ぎ方がワンパターンではなく、上へ下へと移動しまくるんですよね。ヒロインが上目遣いのショットもあれば、見下ろすようなショットもあって素晴らしかったです。

『理想のカンケイ!?』ゲソスミス

 変態と変態が奇跡のマッチングを果たす。赤ちゃんプレイに至る話で、当然男の「ママ」への願望がインパクトあるんですが、読んでるとより変態なのはヒロインの方なのでは? という気がしてくるんですよね。単にプレイ内容ではなく、性癖のこじらせ度合いがヒロインの方が進行してる気がする。男が赤ちゃんになる願望ってのは何となく分かるんですよ。どういう心理か理解はできる。ただ、それを受け止める女性側の心理ってのがぼんやりとしかイメージできてなくてですね、単純なSM関係のS、つまり女王様的なものの延長線上くらいにしか考えられてなかったです。そこを本作は、 “いつも できる男が弱ってるのとかも” “最高です!” と1ページ目に宣言してくるので目から鱗。こういう性癖の女性なら確かに存在するかもしれない、という納得を得ました。このおかげでヒロインのキャラクターとしての実在感、説得力がすごい。そこがとにかく魅力的。この手のプレイって、男の醜い願望に付き合わせちゃって申し訳ないですねぇ、みたいな感覚になることも多いんですが、本作は彼女は彼女なりに変態を謳歌してるのでそういう意味でのハッピー感がとても良かったです。
 奇跡のような出会いを果たす話なんですが、まったくロマンチックな感じはないw むしろ端から見たら、常識的な視点からしたら、というのを序盤に示してくれるタクシーの運転手さんが最高でしたw 登場はたったの1コマなんですが、マジ良い仕事したと思います。

『かふぇ事変!』オクモト悠太

 カフェでバイトしてる若者2人、の男の方と一夜を過ごしてしまった店長の話。バイトの渚ちゃん、そしてバイト2人が並んだ際のルックがとても良くてですね、なるほどこの2人の話か……となってもおかしくないレベル。なんだけど、本作のヒロインは店長であって、という意外性が良い。店長のビジュアルとキャラクターが2人と比べて一段階大人で、そのギャップが楽しい。バイトの2人だったら甘酸っぱいラブコメとかで全然ありそうなんですが、ここに店長が絡むと途端にしとっとした別の魅力が生まれる。年上女性の落ち着いた魅力ももちろんあるんですが、年上女性視点のコメディみたいな感じもあってそちらも楽しい。1人だけ差のある大人だからこその “やっちまったぁ…” とか最高でしたね。女性の賢者タイム
 そんな店長が年甲斐もなくあたふたしてるのも可愛いし、そんな店長の牙城を崩すべく猪突猛進なアプローチをしてくる彼も良い。そのアプローチに対するまんざらでもない感じのリアクションがまた素敵。男の方が子供っぽく迫ることで店長が冷静さを取り戻す感じとかすごくリアルで良かったです。からの “もう一回だけよ?” のコマとか最高でしたね。土下座して頼み込んだ際、一番嬉しい返事がアレなのではないだろうか。

『かかるかどうか』ヤギコム

 バニーガール。コスプレとしては王道中の王道って感じですが、マジシャンの助手というのが意外と珍しい気がします。んで、マジックショー用の催眠の練習から……というエロ。催眠術ってエロ漫画的に一大ジャンルですけど、本作はあくまでもマジックショーの一環なので、催眠術のレベルが割と現実的というか、そこまで荒唐無稽に振り切ってない。具体的に言うと、ヒロインの意識が残ったまま。このポイントが意外と珍しかったんじゃないですかね。まぁ私がそれほど詳しくないってのもあるんですが。さらに言うと性感が○倍、みたいな話ではなく、「触った場所が火照る」「正直になる」という感じだったのも良かった。このくらいの催眠術だったらマジで現実世界でもあり得るのでは? と妙な説得力。催眠は成功しないとヒロインは主張したいので、この催眠をかけた時点で男側はどっちに転んでも勝ちなんですよね。その意地悪な追い込み方も面白かったです。そして、何と言っても正統派バニーガールとしての魅力もバッチリで非常に眼福でございました。カフスまであるのが良いよなぁ。必要最低限しか脱がさないのも非常にありがたかったです。

『じゃじゃ馬奥様♡絶倫クマさん』SAVAN

 下着メーカーの制作チームのチーフ、とその夫(役員らしい)。バリバリ働くヒロインと、主夫的な印象もある夫が2人きりになると……というギャップがエロい。二面性を極端に、デフォルメして描くというよりは、元のかっこいいイメージも維持しつつ、エロが盛り上がるつれて徐々に表情が変わっていく、という機微が良い。漫画だともっと主従逆転とかそういう分かりやすさに振れそうなんですが、この生々しい夫婦生活っぷりが良かった。気づけばヒロインが元のイメージとはかけ離れた顔を見せている、というグラデーションですね。
 あと、当然下着のデザイン的な魅力もあって、最終ページでお掃除フェラにいそしむヒロインを背中から映してるのも素晴らしかったです。エロ下着の意外と見ることのなかった背面側。あと面白かったのは、下の方を脱がずにずらして行為に至るには下着に伸縮性が必要、というリアリティのある言及があった点。あれも地味にファタンジーだったりしますよねw(可能ではあるもののデメリットの方が大きい)

『もっとリードして!』トウ

 消極的で常に受け身の彼氏にストレスを感じるヒロインの話。するとある日突然、彼がやたらと積極的で……。ヒロイン視点で進行するので、彼氏が完全に他者として描かれる良さがあったと思います。暴力的では決してないけど、普段とのギャップにちょっとハラハラしてしまう面もあって、それ込みでいつも以上に興奮するヒロインが可愛い。一方的な攻めなんだけど、ラブラブな雰囲気が維持されてるのとか絶妙なバランスだったと思います。もっとダークな感じになりかねない話だと思うんですが。
 そして、最高だったのが、急に本気出してきた彼の真相。冒頭の場面でヒロインが相談してた友人が根回しして彼女のリクエストを彼氏が実行していた(舞ちゃんグッジョブ)。要するに演技で、しかも結構無理してた、とラストに明らかになるのが良い。さっきのもっとダークな感じになりそうって話とも重なるんですが、こういう話だとこれをキッカケに彼氏がSに目覚めてしまう、みたいな話が分かりやすいというか、想像しやすかったんですよ。安易にそうしないのが本作とても良かったと思います。次回以降2人はどうなってしまうのか、問題が完全に解決したとは言えないんだけど、彼は多少無理もしてでも頑張った、という事実が彼のの愛情としてめっちゃ良い。彼にはSの資質があって2人の性癖が合致する話にも良さはあるんだけど、努力という点においては本作のような「無理してました」の方がハマってたと思います。あんだけ頑張ってくれるなんて良い奴やんけ……みたいな感慨。

『からかいテンプテーション』いちまつ

 バスケ部のマネージャー(たぶん)が他の部員との距離感がおかしい。異常空間の中にまともな感覚が主人公だけ、という疎外感、そしてちょっと寝取られ的な感覚もありつつ、ある日突然ヒロインに誘惑される。オタサーの姫じゃないけど、ヒロインの魔性性がめちゃくちゃ良いんですよ。薄暗い雰囲気がピッタリ合うというか、性的な目で見ていたことを気づいてたと逆に指摘される際の逆転感とか素晴らしかったと思います。薄暗く、後ろ暗くて悲劇の予感しかしない、けどエロには抗えない……という雰囲気からの急にコメディっぽいラストを迎えるので笑いました。まさかの穴兄弟エンドw いや、ある意味で究極のハッピーエンドとも言えるのかもしれないんですが。このオチを踏まえてもう1回読み返すと、序盤の場面で他の部員がヒロインを抱き抱えてる場面とか印象がガラッと変わりますね。あーアイツも既に……。

『貫通ディザイアー』小中えみ

 小中先生、前作も衝撃的でしたが、本作がまさかのピアスネタなので驚きました。それも支配の象徴としてのピアスというよりも(そういう意味合いもありますが)、ピアスそのものに対するフェチのあるヒロインなのが衝撃。彼女も全身穴だらけだし、彼氏に対しても穴開けたがる。開けた後の話ではなく、開ける行為にフィーチャーする内容なのも驚きました。マジでめちゃくちゃドキドキする。そこにねちっこい耳責めの要素も加わって、耳を愛撫しすぎて敏感になってしまう。その状態で針を通すというのがまたすごい。単に穴開けるだけでもドキドキするのに、そんな状態でやったらどうなってしまうのか、という異様なまでの迫力。2人はあくまでもラブラブなカップルだし、彼の方はすっかり調教されて穴開けてイッちゃうんですが、それでもヤバいことになってる、というドキドキ感がしっかりあるのが最高でした。彼の方にはその趣味はない、ないけど彼女が好きだから付き合ってて、そうしてるうちにすっかり開発されてしまった、という現状がエロい。もう完全にヒロイン優位な関係性なんですが、プレイ中に彼がある種の逆転を果たす(ラストはバック)。その逆転のロジックが彼女の乳首のピアス。弱々しくもそこを攻めれば一応主従は逆転する。そのままバックで攻めるんですが、バックは男性の攻めが象徴的に描かれる体位であると同時に、2人が向き合わない体位でもあるので、ちょっとヒロインが1人で快感に浸ってるような印象もありました。それを彼氏が必死に追いかけてるというか。彼氏の愛は報われるのか……という意味でのハラハラもあるんですが、最後の最後に急に甘いラブコメ、それもコメディ多めのラブコメになるので最高。あのままだとチンコにも穴開けられちゃう危険性があるんですが、それなのにあんだけ微笑ましいオチになるのずるいわw

『うす紅』デルタナイン

 幼馴染が神社で。物語性は極めて希薄で、全編エロなんだけど、ちょくちょく2人の過去がフラッシュバックして、それが今セックスしてる様子と重ね合わされる。物語はないけど2人のバックグラウンドがチラチラと見えてくる構成。これめちゃくちゃ面白かったです。2人は実は……みたいな物語的に分かりやすい仕掛けがあるわけではなく、あくまでもあんな無垢な関係だった2人が……という感慨だけが抽出されたような作品。夏祭りの日に花火を見ながら2人で手を繋いだ甘酸っぱい思い出と挿入中の今が見開きのページで比較されるのとか最高でしたね。花火の「パンパン」という音が今では……という落差。もうあの頃には戻れない的な切なさもありつつ、あのときのトキメキの上に今があるという関係性の濃さも感じられる。
 エピローグ。最後の最後に会話で思い出が出てきて終わるのもオシャレなエンディングだったと思います。ここだけ思い出の方が下ネタになってるw

『彼女の冴えたやり方』森シンリスク

 ロリコンの気がある主人公と、低身長の幼馴染。ヒロインの低温感、めちゃくちゃ可愛いですね。お姉さん的ポジションとしての冷静さもありつつ、ホレた弱み全開である意味ではめちゃくちゃ子供っぽくもある。表情が動かなくて一見すると何考えるか分かりにくくもあって、そんな状態のまま風呂場で迫ってくる、というシチュエーションが良い。彼女にもポンコツな面はある、と事前に示しつつ、風呂場でのシーンは主人公視点で彼女のをことを掴みきれないまま振り回されつつエロパートへと進行していく。エロが進行することで初めて彼女の表情が崩れていく盛り上がりもバッチリでしたね。と同時に身長差カップルの危うい雰囲気というか、彼女の体は大丈夫なのか的なハラハラ感もありつつ気持ちが止まらなくなっていくのも熱い。そして、セックスが終わったあと、風呂に入りながらイチャイチャして、そのまま2回戦突入してフェードアウト、という終わり方も良かった。変態趣味とかを抜きにして2人がイチャイチャしてる感じがとても好き。

『昔なじみな家出娘』白菊

 妹の友達が家出して主人公の家に転がり込んでくる。家出娘ものって定番のジャンルですけど、そこに妹の友達という属性を加えたのが良かった。現実味がグッと増すし、通常の家出娘ものとは別の「手を出しちゃダメ」感も生まれる。
 本編は既に居座り続けてる状態の話で、いつものようにずるずるとエロが始まっていく。この日常の中のエロの説得力、生々しさが最高でした。まぁあんな状況になったらそりゃそうか……的な納得と驚きが入り交じった感覚もあって、そこに初めてではないからこその積み重ねてきた関係性の良さ、エロさ。いつもやってる関係だからこその、身のない会話も良かったですよね。ずぶずぶの関係だからこそ逆に本音は見せづらい、みたいな距離感。からの最後に最後に冷静になってマジな話に戻る、というギャップも最高。めちゃくちゃハッピーエンドやないか。日常のずるずる感からの今後の新しい関係性に向けた輝かしさも感じさせるエンディングが素晴らしい。

異世界はこう抜く』F4U

 第23射。ぶんぶく茶釜。タヌキがめっちゃ可愛い。ちょっと予期してなかった可愛さに直面して動揺がw ただ、茶釜に精液が溜まってるとか、それを蒸発させるとか想像するだに気持ち悪い話になる。えげつない系の話は過去にもあったけど、精液の蒸発ってまた一段とヤバいw 臭すぎるだろ。むせるだろ。
forms.gle

 終わった。また今月もめちゃくちゃ遅かったでござる。『モンハンライズ』の発売ですべてがめちゃくちゃになったんですが、そんな『モンハンライズ』もすっかりやることがなくなってしまいました。いや、かなり前からなかったんだけど、それでもすがりつくようにやってた……のもそろそろ飽きました。
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