北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC X-EROS(コミックゼロス)#90 の感想

COMIC X-EROS #90 2021年 6月号
COMIC X-EROS #90 2021年 6月号

 駆け足で進めます。と思ったら今号めちゃくちゃボリュームあるのな。短めの作品も多いんですが、その分作家数がすごいことになってる。100号と間違えてるのでは。

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『濡れています♡ひなみ先生』いづれ

 フルカラー8ページ。安心安全いづれ先生のおねショタ。
 家庭教師。既に関係を持ってしまったところからスタートで、エロへのハードルが下がりきった状態の話。ヒロインの誘惑、ショタのリアクションがそれぞれ可愛くて心が洗われるようである。やはりおねショタ。
 前半はヒロインが後ろから手コキ。手からこぼれる精子の描写がめちゃくちゃエロいです。からの本番なんですが、今度はバックなんですよね。意外とショタの攻めがハード。これも非常に良い。からのエピローグで初めて向かい合い、抱き合う。そこでショタが可愛いこと言ってくるからたまんねぇんだよなぁ。ヒロインの「ずきゅーん」も可愛いんだけど、2人とも可愛い。世界平和。

「世界迷作官能童話劇場」

 童話をお題に7人の作家がそれぞれカラー1ページ。1枚絵で描く人もいればコマを割る人もいて面白いです。
 UREC先生の「白雪姫」の衣装が完全にDズニーなのでハラハラしました。怖い、怖いぞw

『SEXしないと出られない部屋です。』駄菓子

 設定だけ有名だけど、ちゃんとした作品って読むの初めてかもしれない。とはいえ、すっかり定番の設定なのでどうなるのかと思いきや、一捻り利いたオチになるので面白い。バッドエンド的な後味ではあるんですが、あの最後のだけなかったら、こういうサービス普通にあっておかしくない……は言い過ぎだけど、重宝するカップルは普通にいそう。もうちょっと指令がソフトだったら、ですけど。
 オチを踏まえてもっかい読むと、冒頭の場面で困惑してる2人の真意が分かる。初読時はいきなり部屋に閉じこめられて不条理な命令を下されることへの困惑だと思ったんですが、実は元々セックスはするつもりで来てたのですね。もちろん初めてにしてはプレイがハードすぎるので大変なんですが、あのオチで一気に可哀想というニュアンスが消え失せる。見事なオチだったと思います。

曲尺手さんと大縄くん2』Ash横島

 「曲尺手さんとデート編」。続編。前作は歪んだ形で結ばれることになる話だったんですが、今回はかなりストレートに初々しいカップルとしてのデートになってて驚きました。普通のデートの描写も丁寧なんですが、そのデートの最中にセックスを意識してしまって悶々とする感じとか良いなぁ。微笑ましい。あの2人がこんなに可愛いカップルになるとは。
 ラブホに入って、我慢できずにそのままなだれ込む。服を脱ぐのすら我慢できずに、というのが熱い。2人とも我慢してたってのが良い。溜めて溜めて、感情が爆発するように一気にドン。互いにメロメロになった状態でのデート、からのセックスなので、とにかくイチャイチャの度合いが高いんですよね。前作はあんなにひねくれた心理をしてたのに、という変化が愛おしい。
 最初と最後の学校パートで妙にキャラが立ってるトヨオカ先生も魅力的でした。本筋からしたらまったく関係ないんだけど、魅力的な世界を構成する一員という感じですごく好き。つやつや顔の真相とは一体……(そういう作品ではないw)。

『西條院家のメイド私情』軽部ぐり

 メイドでスク水魔改造的なアイディアなんですが、意外とビジュアルの収まりが良いというか、「こういうのありそう」感も少し。一応スク水もモノトーンだから、ということなのか?(そもそもそういう問題じゃない)
 御曹司の方からセクハラ繰り返す形で接近するんですが、ヒロインのツンデレというか仏頂面が良い。欲望ダダ漏れの男と、気持ちを押し殺すヒロインという対比が魅力的だし、だからこそヒロインの気持ちが漏れ出したときの顔が本当にエロい。マジちょっと衝撃的なくらいの迫力。ため込んでた感情を爆発させるようにヒロインが主体的にエロが進行していくのが最高でした。後半ヒロインは好きというのを全開にしてるんだけど、男の方はよく読んだらセクハラのノリで一貫してるのですね。なのであのオチになってしまう。初読時は相思相愛のイチャイチャに見えたんだけどなぁw
 てか、最後にほぼ全身の姿が見れる通常のメイド服もめっちゃ可愛いっすね。。シンプルながらスカート短くておそらく主人の趣味が反映されてるのではw

『ちょろかわきららちゃん』ます

 先生が可愛いきららちゃんに誘惑される……と思ったらきららちゃんがおじさんに騙されるので笑った。そっちかいw まぁ、よく考えたら先生が誘惑されたくらいでロリに手を出すってのもおかしな話なのでこっちの方がリアリティがあるのかもしれない。リアリティとは。
 きららちゃんが可愛いを追求する、という体裁でエロに突入するので多種多様な衣装が出てきて楽しい。しかも、1日の出来事ではなく、しばらくの期間の話なので、おじさんの家にやってくるヒロインの私服が数コマだけ出てくるとか本当に贅沢。エロ漫画だから衣装なんてどれか1つで終わってもおかしくないのに。
 最後まで何も気づかず騙されっぱなしで終わるのでハードなプレイになっても作品はハッピーなノリをキープしてるので不思議なバランス。あれだけのことがあっても底抜けに明るいきららちゃんはちょっとした超人なのでは……。

ゼラニウムさんじゅうろう

 陰キャの主人公が実は学年でも有名な美人と付き合ってる。荒唐無稽っちゃ荒唐無稽な話なんですが、その自己評価と現実の捻れにうまく折り合いを付けられてない主人公の心理描写が丁寧過ぎるので説得力を感じてしまう。そんな卑屈な彼を優しく包み込んでくれるヒロインの魅力もあるし、ただ優しいだけじゃなくちょっと意地悪な言い方をしてくるのとかも良い。ヒロインが主体的な関係ではあるけど、彼女は積極的に上に立とうとはしてない、と思う。彼女は対等な関係を望んでるけど、主人公がマジ卑屈なのでエロパートに突入するときはやっぱりヒロインが積極的になって……という機微が良い。
 というか、1ページ目、2人ので出会いが描かれる回想の場面、寝てる主人公にヒロインが声をかけるんですが、それが “あ ガチ寝だった?” 。教室で寝てるのが彼のキャラクターを象徴してるし、そこにウソ寝だと思って突撃してくるヒロインの姿勢も良い。他人に対して壁を作りまくる主人公と、それをまったく気にしないヒロインというのがこの場面だけで十二分に伝わってくる。

『続・掌の上で私と…』変熊

 催眠アプリでヒロインをめちゃくちゃにしてたと思ったら、ヒロインはそのことを知っていて……。前回の段階で十分ヒロインのヤバさは描かれてたんですが、今回はそこをさらに突き詰めていくというか、彼女のヤバさがバレたあとに2人がどうなっていくか。最初からずっとヤバい。ちょっとしたホラーみたいな印象ですわ。
 逆転するような話なんだけど、催眠をかけ返されるような話ではなく、あくまでも催眠がかかるのはヒロイン。男の方がかなり激しく、支配的なプレイになるんだけど、本当に支配してるのは……という表面的に描かれてることとは逆の物語になってるから面白い。
 そして、男の方が完全に被害者的なスタンスになるのではなく、彼は彼で異常な世界へと足を踏み入れ、諦めるというか居心地の良さを感じるようになったのかは分からないけど、狂った2人の間ではハッピーエンドを迎える、みたいなラスト。もうめちゃくちゃなんだけど、2人の間だけは関係性がキレイに完結してる。単に逆転みたいな話で終わらなかったのが意外で面白かったです。絶対もっとホラー的な印象が強くなると思いました。

『熟女居酒屋~おかわり~』gonza

 短めなんですが、スタートダッシュがすごいので十分すぎる濃さ。居酒屋ということでカウンター席ですべてが完結するのもショート作品ならではの統一感で良かったと思います。あの限定的な空間であれだけバリエーション豊かなプレイが展開できるのは普通にすごいw

『西宮さんの射精管理R』ちゅーりっふ。

 続き。オープニングから西宮さんの私服かわええ、と思ってたら脱いだらまたすごかったw 冒頭の場面から地続きなのが感じられてまた良い。
 今回も怒濤の乳首責めで支配される喜びが堪能できる……と思ったらまさかの逆転。下克上的な展開になるんですが、徐々に2人がイチャイチャしてるような雰囲気に落ち着いていく感じが素晴らしかったです。ただ、これまでの調教で主人公が覚醒してしまい、正直西宮さんでも手に余る……みたいな不気味なショットが印象的に描かれるのがマジ最高。 “僕がしたいことするんでしょ” のコマとか芸術的だったと思います。ラストのチンコの影が顔にかかるのも好き。こういうの1作に1つ出れば大満足なんですが、それがバンバン出てくるからすごい。
 逆転から2人が対等になっていく話なんですが、そのキッカケが西宮さんの方の乳首というのが良い。言われてみれば乳首は性感の部位として男女が唯一共通してるのかもしれない。性器は違うし、アナルも前立腺の有無があるし。まぁ、唇はあるけど、それだとエロという感じが薄く、開発って感じじゃない。 “も… もしかして” “ちーちゃん…も?” という秘密がバレてしまう、という展開が生まれるのは乳首ならではだったと思います。続編として意外な展開ではあったんですが、見事だったと思います。前半で主人公が使われた乳首ローターを後半では逆に使う側になって……とか面白い展開だよなぁ。ガラッとひっくり返る展開で、その前後がキレイに対称になってるというか。

『How to 尿検査』ぐりえるも

 新作嬉しい。ショートだけど相変わらずめっちゃ良い。
 尿検査のために保険委員が採尿を実演する。あくまでも採尿なので本番はないし、何なら胸も出さない。1アイディアのみで完走する感じがショートならではの良さだったと思います。尿検査前はシコってはいけない、というのは割とお馴染みの情報だと思うんですが、それを踏まえたオチがつくので笑った。これはうまいw
 尿検査は当然したことあるんですが、出始めの尿は採取しないって情報が初耳な気がする。当時大丈夫だったのだろうか。忘れてるだけでちゃんとしてたらいいんだけど……と変な不安が湧いてきました。出始めの尿をそのまま採取してた気もしないではない。再検査ならなくてよかったです。

『さいみんクエスト 特別編』背徳漢

 スピンオフ。催眠にかからなかったとある男子の話。このシリーズは一応主人公がいて、それが事件を解決する話ではあるんだけど、催眠の惨状が一気に学校全体とか街全体に広がるスケール感も魅力だと思うので、今回の学校の中の他の人、というアプローチは腑に落ちるものがありました。
 シリーズの主人公ではないので正義感は一切なく、集団催眠で大変なことになった世界で最大限おいしい思いをしようとするだけ、というのが良い。スピンオフショートならではのオチのない良さ。催眠によって密かに好きだった子とやりまくれるようになるんですが、そのことに関して良心の呵責とかはまったくないのが軽薄で良い。
 逆に言うと、主人公が目を離したらその間にヒロインが別の男子とやっちゃう可能性もあったんですが、無事催眠の事件は解決したのでそこも大丈夫。ただ、後日またすごいことになるんですが、そのときはどうなったのだろうかw

『ハッピー・イミテイション』鬼頭サケル

 44ページと大ボリューム。すげぇ。最初のページをめくるといきなり見開きがドンと来る時点で大作の予感がしますね。まだこの段階ではどんな話になるか予想できないのに(ヒロインが誰かも分からない)、期待感は膨らむ。
 彼女と幸せにやってた主人公が、彼女の女友達に誘惑される。彼女と友達の友情がなにやら怪しい雰囲気だったものの、主人公と彼女とエロが普通に描かれるのでどこが主軸なのが分からない、分からないがもう既に十分エロいぞ、というのが長尺作品ならではの味わいで最高でした。ショートにはショートの良さがあるし、ロングにはロングにしか出せない良さがありますね。
 ということで、女友達による寝取り。というよりも乗っ取りみたいな感じですかね。主人公に興味があるのではなく、主人公の彼女に興味があって、彼女になりたい。その心理としては分かるけど、ここまで実行されると不気味に感じざるを得ないという話に、今度は主人公の彼女から見た寝取られみたいな要素が加わってくるので面白い。もうこうなってくると主人公がどんどん蚊帳の外になってる気がしてくるし、もはや主人公ではなかったのでは? とか思えてくる。とはいえ、主人公の彼女の友達に誘惑されて堕ちていってしまう魅力も間違いなくあるんですよね。何やら怪しいけど、誘惑には抗えない、という男の情けない心理にフォーカスしても魅力的な作品。
 本作の特徴としては、本作の物語を最も積極的に動かす存在である、主人公の彼女の友達(説明が長いw)の表情から心理を読みとりづらい。全編を通して何考えてるか分からないバランスになってるんですよね。そこが不気味だし、そこが底知れない魅力でもある。
 そして白眉はラスト。最後は彼女とセックスしてるんですが、挿入した直後に彼女が恐ろしい話題を切り出してきて終了。ここで彼女の顔が見切れる構図、問題のネックレスが中心になる構図になっていて……というのがマジ不気味で最高。一応髪の色が違うのですが、髪型も同じになってしまってるので、絵だけで見たら2人の区別がつきづらい状況になってるのが見事。というか、そもそも最終ページはすべてのコマにおいて彼女の顔が描かれてないですよね。彼女が何考えてるか分からない不気味さという表現でもあり、彼女の人格、人生が乗っ取られつつある、みたいな恐ろしさでもあったと思います。

『日曜日』こっぽり生ビール

 10ページ。これはショートになるのだろうか。
 恋人の日曜日。何もイベントが発生せずだらだらと過ごす日曜日。そのだらだらのままじんわりとエロに移行していく感じがめちゃくちゃエロい。完全に日常としてのセックス。何なら暇潰しとしてセックスに至ったような印象すらある。この「とりあえず」始まっちゃう感じが恋人のリアルとして生々しい、恋人との生活で最も幸せな瞬間と言っても過言ではないのかもしれない。もしくはめちゃくちゃ憧れる奴w 別に2人の関係に大きな変化があるわけでもないし、この話が終わったあともこの話が始まる前と同じ生活が続いていくだけなんだけど、特に意味はないセックスなんだけど、特に意味はなくセックスすることがマジめちゃくちゃ輝かしいというか、最強ですね。

『大山くんと小森ちゃん2』さつきあしゃ

 「コスプレえっち編」。続編でショート。結構久しぶりなんですが、前作すごい好きなんで嬉しいです。そして、コスプレをするのは大山くんの方だ! というのが最高。互いにコスプレするでもなく、大山くんのみ。しかも逆バニーw 男の逆バニーに意味はあるのか、そもそも男の逆じゃないバニーをよく知らないんですが、それでも大山くんは可愛いから問題ない。序盤から気になって仕方なかったウサギのシッポがどうなってるのか、がラストの射精に繋がるクライマックスで明かされるのも良い展開でした。ショートだし、シンプルにセックスして終わっちゃう話なんだけど、ちゃんとキレイにオチが用意されてる。

『きょうのふろく 出張版』れゐぢ

 weekly快楽天でお馴染みですね。ゼロスに出張。てか、そもそもれゐぢ先生、ゼロスにエロ漫画載せてたから凱旋でもあるのか。このままゼロスのギャグ枠として定着してもおかしくないんですが、そうなってしまうとweekly読者としては寂しい気持ちもある(わがまま)。
 ちゃんと女の子は可愛いし、しっかりエロも入れてくれるところが嬉しい。エロギャグだと思ったら普通にめちゃくちゃハッピーエンドじゃねぇか! みたいな1本目が特に好きです。結婚式での笑顔が眩しい……。

『コウイ室』ななもと

 更衣室でコウイする話。主人公が水泳部の顧問で、オープニングに衝撃的に出てくるヒロインがスクール水着なので生徒に手を出したのかと思ったら、そうではない。ヒロインは幼馴染で、主人公が学生の頃に結ばれ、更衣室で初めてに至る。その関係が教師になった今でも続いていて、という話。現在と過去が交互に描かれる構成がめちゃくちゃ面白いし、それがストーリー的にも面白いと同時に初々しい特別なこととしてやってる過去と、すっかり日常となって行為も激しくなってる今の対比としても最高。ちゃんと髪型が違うので一目で区別がつくようになってるのも細かい(部活現役時代は髪を結う)。過去は主人公の方が部外者だったんですが、現在の方ではヒロインが部外者になってるのとか、いちいち良く出来てるんだよなぁ。大人になっても母校の更衣室をヤリ部屋にしてるってのが変態度高くなっててレベルアップ感もあるし、2人の関係の歴史を感じるようでもある。すげぇ変態だし、見つかったら相当ヤバいことになるんだけど、教師が生徒に手を出す話ではないので、そこらへんは常識的というか、誠実だとも言えるのかもしれないw

『僕の理想の森川さん』七尾ゆきじ

 プロローグ。図書室での読書好き同士の交流。これは2人が結ばれて図書室でやっちゃう話ですわ……とか思ってたらラストが衝撃であった。BSSかよーん。この衝撃1つのみで形成されてるショートという感じですね。完全に騙されたw

『なまいきアイドルとわからせおじさん』おそまつ

 なまいきアイドルが猫かぶってる状態の姿が普通に超魅力的で、この世界の住人だったら絶対騙されてファンになってる……と思った。いや、それほど猫かぶるのがうまいアイドルってわけでもないんだけど、あの外面モードが良いんだよなぁ。もちろん、そこが良いからこそ実態とのギャップが映える。
 タイトルだと「わからせおじさん」が超強いみたいな感じありますけど、実際はおじさん単独の話ではなく、会社が超ヤバいw 枕もやってるし、何なら今回のような「わからせ」も会社のシステムとして組み込まれてるっぽい雰囲気すらある。そして、その行為の様子を撮影してるらしいのでもう何重にもヤバい。会社ぐるみのわからせだし、おじさんは会社の歯車の一つに過ぎない、という奥行きが底知れなさ、逃げ場のなさとしてとても良かった。
 枕は抱き合わせでやるので、ヒロインより下の立場のアイドルもいるし、逆にヒロインが支える子もいて、それがちょくちょく名前が出てきた麻衣の方もどうやら闇を抱えてる、もしくは今後狙われそうな雰囲気があって不気味。
 最終的にヒロインがわからせられて終わるんですが、快楽堕ちみたいな話ながら堕ちたあとにどうなった、どう従うことになったのかをその場でヒロインが語ったりはしない。エロパートは絶頂で終わり、エピローグで会社の傀儡となったと思われる姿が描かれる。ここでアイドル同士で感動的な雰囲気になってるのが逆に不気味ですよね。恐怖とか快楽漬けで従ってる感じがこの場面だけだと感じ取れない。

『休み時間の物体X』ヲルト

 続編。ショート4ページ。かなり久しぶりの続編をショートで、というのは『大山くんと小森ちゃん2』と同じパターンですね。今号のゼロスはお祭り号みたいな感じになってるので、それ用の企画という感じでしょうか。いろんな作品が読めるのは嬉しい。
 と思ったら本作は次号に新作が載るらしい。予告でもあったのか。今回は本番ナシ終わったんですが、それは次回ってことですね。

『もちもちこねこね♡修行中』北原エイジ

 女装。元々女装趣味があるわけではない男性の女装。あと、ショタじゃないですね。ショタよりも一歩踏み込んだテーマな気がします。顔は中性的で女装状態が普通に可愛いってのはあるんだけど、身長は高いし、腹筋も結構しっかりある感じなので安易に男性性ゼロ、というわけではない。ここらへんこだわりを感じる。
 あと一応、ヒロインのサンタコスも出てくる、という保険w イメージの中なんですが、大事なサービスショットだったと思います。男女の体の違いを強調する意味でも必要だったのかな。
 そして、女装も良いが女装に興奮しているヒロインも良い。明らかにヒロインの方が暴走してるし、我慢できなくなってる機微が丁寧に描かれてますよね。正常位で挿入かと思ったら我慢できなくて騎乗位に、という流れ最高でした。挿入直前の緊張感からの、感情の爆発。
 全体的にパンギャグ、パンダジャレみたいなのが満載なのも面白かったです。くだらないんだけど、その軽いノリがとても良い。

『【悲報】種配りおじさんがヤバイとSNSで話題に』hal

 RTしたらお金がもらえるというアレ。たしかに胡散臭いものは感じてたけど、ここまで意地悪に描くかね、と爆笑でした。正直痛快でもある。
 hal作品の特徴でもあると思いますが、露悪的なノリが全面に出過ぎた結果、ちょっとした寓話性みたいなものも感じるんですよね。単純化された話をハードなエロで描くから、現代のエロお伽噺みたいな雰囲気が生まれてるというか。そこらへんが毎回楽しいです。今回はさらに、紹介人という第三者が加わることで地獄みが増すというか、人間の汚い部分がより強調されてるようで最高でした。マルチみたいな感じですかね。
 それと本作で特徴的だったのが、快楽漬けにする際に使うアイテム。まったく知らなかったんですが、クリ版オナホールみたいな感じなんですかね。ビジュアル一発で用途とその威力が伝わってくる禍々しさがあるので面白かったです。女性向けのエロオモチャだけど、男根の代替品ではない、というのも新鮮でしたし、アイテム自体がものすごく小さくて、バイブほど直接的なチンコ感がないのも逆に不気味さを醸ち出してたと思います。

『私はイきたくありません!』KENTO OKAYAMA

 ペットが亡くなったショックで自殺しようとしてたら死神と出会う。セックスを通じて生を実感する自殺阻止もの。エロ漫画の中でたまぁに出てくるジャンル。
 komifloのコメント欄に作者降臨してて、ペットロスが実体験らしいので驚きました。たしかにエロ漫画だともっと大げさな設定になりがちなイメージあるので、この設定には説得力を感じてたんですが。そんな実体験を考えるとラストの、めちゃくちゃ優しい結末の味わいがさらに増しますよね。死神出てくるしすげぇ現実離れした話なのかと思ったら、というどんでん返し。女性同士で潮吹きまくりで、ある種の大味さもあって楽しい作品……かと思ったらラストは心にしみ入る良い話。このバランスすげぇな。主人公側のドラマの決着としても面白いし、悪役的でもあった死神の印象がガラッと反転するのも見事だったと思います。優しいキャラしかいない。

『春霊のお願い』「タカシ」

 今回の「タカシ」先生はポップ路線だ。さすがに本作は冒頭の場面で一目瞭然! と思ってたらkomifloコメ欄でビクビクしてる人いて笑った。さすがにこのお化けの可愛いデザインは大丈夫やろ。まぁ身構える気持ちも分かるけどw てか、白のターンの作風が普通の作品よりもより明るいというか、可愛らしい雰囲気になるからすごいですよね。普通の作品も描ける、だけではない。
 可愛らしい世界の話なんだけど、ヒロインがお化けのせいでエロくなってしまったのでエロパートは激しい、というかめちゃくちゃ多い。あっちこっちでやりまくりである。そのギャップがエロさ、可愛らしさの両方を強調していたと思います。
 そして、オチ。幽霊の正体に関する真相が衝撃。ゼロスの掲載順的な話になりますけど、まさかペットロスものが2連続するとは。ただ、たしかに言われてみるとあの幽霊の可愛い感じ、人懐っこい感じは犬っぽさだったのですね。てか、あの幽霊めちゃくちゃ可愛くてエロとは別の魅力が生まれちゃってるんだよなぁ。ものすごい簡素なキャラデザなのに仕草や言動がいちいち可愛い……。

『続あねはら』草津てるにょ

 ややこしいけど、3作目。3作目にして新機軸というか、物語が次のフェイズに移行した感。ヒロインの旦那が出てくる。というか、本作は彼の視点で進行するので何なら寝取られですよね。視点を変えるだけで作品の雰囲気、方向性がガラッと変わるので面白い。
 あと、前から思ってたけど、本作で一番闇が深いのって親父だよね。めちゃくちゃ不気味、というかラスボス感のようなものがある。今後親父が大々的に出てくるかは分かりませんが、今までの3話、直接は登場してないのに印象に残るんだよなぁ。

『ハートブレイク・ワンダーランド』ニコライの嫁

 オタク女がマッチングアプリでイケメンと出会う。ヒロインのオタク設定の描写がめちゃくちゃ細かいというか、徹底したネットでの予習の精度が高いので面白い。この手の話ってやっぱ悪い男に引っかかって快楽堕ちみたいな感じのものを想像してしまうし、実際本作でもそういう流れになるんですが、そこから最後に一捻りしてくるので笑った。冒頭の場面でヒロインがイケメンの魔力に当てられて妄想が暴走するんですが、そこで考えることが大体合ってるんですよね。ネットでの下調べは正義だったw もちろん想像を超える快楽に彼女が屈服するような味わいもあるんだけど、彼女がただ騙されるだけではない、というバランスに収まったのがめちゃくちゃ良かったです。男の方も彼の目的を完遂して大満足なんだけど、彼以上に考えが深かった、というオチ。ある意味、どっちも目的を果たしただけのハッピーエンドですね。不思議な話だw
 あと、ヒロインの細目描写が印象的。化粧でごまかしてるんだけど、元々の性格、そして自信のなさが現れたのか彼に翻弄されだしてからは細目ガチなんですよね。化粧の効果がなくなったというよりは、表情の問題なんだと思います。オタク特有のうまく笑えない感じとかすごい生々しくて良かったです。他人事ではないw

『全てはあいの為に』りんごくらぶ

 思いっきりダーク系……かと思ったらそうでもないバランスで面白かった。ヤバい女に捕まった的な話なのかと思ったら男の方のリアクションが妙に明るいんですよね。このディスコミュニケーションが面白いし、あくまでもプレイだったというオチも笑いました。暗い雰囲気でヤンデレかと思ったら普通に可愛らしいカップルの話だった、というギャップが良い。暗い雰囲気がめちゃくちゃハマってるというか、雰囲気あって魅力的だったんですよねぇ。どこまで演技か分からないけど、それを意図的に出せてるんだったらマジすごいw

『はじめて♡キャンプ』ヱゑ

 キャンプ場でエロいお姉さんに捕まる。登場時からほとんど痴女だろって感じだったんですが、このキャンプ場のオーナーなのでセーフ。そもそもそういう目的の客が利用するキャンプ場だったとうオチ。ある意味で広大な蟻地獄ですね。気づいたときにはもう遅くて逃げられない。
 キャンプ場という特殊なシチュエーションの魅力というか、説得力がすごい。テントの中が明るすぎるのでセックスしてる様子がシルエットでバレバレ、とかちょっと衝撃でした。見たことはないけど、この業界ではあるあるなんだろうな、みたいな説得力。キャンプは半分野外みたいなものなので室内と屋外の境が曖昧で、ずるずると裸のまま外に出ちゃう感じも生々しくて良かったです。
 あと、エピローグでヒロインがかなり全うな雰囲気を出してきてキャンプ良い話みたいな感じにしてきてたも良いですね。エロにハマったのではなく、キャンプにもハマった、というの良い。冒頭の痴女ルックからのギャップはずるいっすわ。

『あまやどり 続』タカハシノヲト

 後編。1ページ目からエロ全開だし、タイトルの出てるコマでのショタの顔が可愛いので困った(困らない)。
 ヒロインが2人なので絶対的に彼女らが優位で、それに振り回されるショタも可愛いという全方位的に可愛い作品なんですが、ヒロインたちも子供は子供なので好奇心とか悪戯心でちょくちょく理性から外れてる感じが出てるのが魅力的。ショタに何かをされたからではなく、ショタを攻めてるうちに彼女らの中で気持ちが暴走してしまい徐々に制御を失っていく、みたいな。ショタを奪い合う感じではあるんですが、そこまでギスギスした感じになってないのも良いバランスですよね。ショタ的には2人のヒロインに交互に攻められてまともに思考ができないレベルなんですが、ヒロイン視点だと今後はエロに対して積極的でいかに快楽を得るか、快楽を追求するかという話になるので面白い。そんなヒロイン2人だけど、小悪魔的な子と、姉という対照的なキャラクターなのも最高。本能のままに誘惑してくるかと思ったら、優しく双方向的なセックスになったり、とエロのバリエーションとしても楽しいし、物語の展開としてもバッチリ。そしてショタが可愛い。全方位的に可愛い作品でした。

『性技のミカタ!』終焉

 4ページショート。アメコミヒーロー風、具体的に言うと何とかガールって感じですかね。どこか健全な爽やかさみたいな雰囲気もあって好きです。まぁもちろんエロいんですが。スーパーパワーがどうのみたいな描写は一切なく、エロテクのみで犯罪者を屈服させていくのが痛快。ページは短いのにアナルにまで発展するのでちょっと笑いました。盛り込みすぎですごい。
 からの再犯率というオチがキレイにつくのも最高。ショートならではの勢いを感じる。

かくしごと姫』JJune

 同性からの人気が高い王子様キャラのヒロインが……という時点でもう最高。冒頭の日常パートで様々な表情が見れてもう勝ったな、みたいな感覚。
 からのエロパート突入でさらに意外性。ボーイッシュだったのに彼氏の前では……という話ではあるんですが、単に女扱いされてるだけでなく、ちょっと、というかかなりダークな雰囲気があるのが良い。冷静になって読むと別にそこまで酷いことしてるわけではなく普通に恋人同士のイチャイチャって話なんですが、おそらく漫画的技巧、あとはJJune先生の前作からの来る勝手な先入観ですかね。具体的に作品の色調が薄暗いってのもあるんですが、この不気味な雰囲気の中のソフトSMみたいな感じからの最終的な着地が超甘い。むしろ独りのときの方が甘いラブコメみたいな雰囲気あるんじゃないかしら、というレベル。恋人で、仲は良いとはいえ、完全に相互理解してるわけではない、という関係性が良かったです。絶妙。この感じありそうで意外と珍しい気がします。

『みつめて☆エンジェル』ザシャ

 チア部の新米顧問が生徒たちにからかわれる。ザシャ作品の女性グループというか、女性コミュニティ、良いよね。キャッキャウフフの中にあるエロの香りが非常に魅力的。そうかそうか天国だな……と思ってるとその中で唯一エロからかいに否定的な部長が実は本作のメイン。エロ漫画だから最初のエロイタズラしてくる子たちに身構えちゃうじゃないですか。これは騙されたわ。てか、彼女たちはマジで冗談のつもりでやってたわけなのですね。逆に意外w それも良い。
 ということで真面目な部長と。体育倉庫で2人きりになってからの少しジメッとした、徐々に2人の距離が狭まっていく緊張感のある展開が醍醐味。冒頭の子たちはカラッとした感じだったんですが、そことは対照的ですね。マジでエロいこと狙ってる子はむしろ……というところにリアリティを感じます。いや、リアルとか知りませんがw
 真面目部長が必死のアプローチをして主人公が折れる話なんだけど、この折れる瞬間、何か劇的なことがあるわけではなく、ずるずるっと始まってしまう。説明的な内省もないからこその味わいがあって良いですな。気づいたときには既に手遅れだったみたいなものも感じる。互いに溜め込んだものを噴出させるように気持ちをぶつけていくのも良いし、そこで互いに「ごめん」と言ってるのがまたね、良いのよね。冒頭の子がメインだったら絶対に「ごめん」みたいな話にはならないw
 真面目同士のキレイな関係という感じでもなくて、特に主人公側には暗いもの抱えてそうな雰囲気あるし、 “ポンポンもってみて” のところで越えちゃいけない一線越えた感もありますね。単に桜井さんのことを求めるならまだ、キレイなものを感じる余地もあったけど(生徒に手出してるから厳密にはダメだけど)、ポンポンを要求することで「チア」という要素をプレイとして求めちゃってるんでアウト。もう戻ることはできない一線みたいな味わいがありました。直前の『かくしごと姫』もそうだったけど、可愛いキャラクターに可愛い話とも見れるんだけど、スパイスとして暗さが混じっているのが絶品でした。

『メルティガールズ』塩おにんこ

 ショート8ページ。『いつもと違う夏』の後日談。そっちは水泳部の先輩たちが外でやってるのを見てしまい、それに当てられて自分たちもセックスに至ってしまう話だったんだけど、本作は逆。その先輩たちが外でやる話で、『いつもと違う夏』のヒロインが目撃する。先輩たちは変わらず日常的に外でやってるということですね。『いつもと違う夏』の主人公カップルはあんなことがあったけど、初々しい関係を続けているというのが良い。エロ漫画だと飛躍してエロ的なレベルアップを遂げがちだけど、本作は元々レベルが高い側のキャラに交代することで元のヒロインの初々しさをキープし、エロ漫画の内容的にはレベルアップする。やり慣れてて、何なら見られてることに気づいちゃう強キャラ感。そして、見られてることを意識することでいつも以上の興奮を得る……というのを目の演技だけで表現してるのが素晴らしかったですね。あの視線のやりとりはマジ秀逸だったと思います。もっと分かりやすいセリフとかで説明しそうなもんなんですが、多くを語らないことで味わいが増したし、先輩の格上感も出たと思います。

『使用禁止にゃワケがある』秋白秋乃

 8ページショート。旧校舎のトイレには出るらしい……という怪談風なんですが、ヒロインの好奇心が強すぎるのでどこか明るい雰囲気もあるのが楽しい。最後にヒロインは負けてホラー的なオチがつくんだけど、ヒロインが勝ってコメディっぽいラストになってもおかしくなかったと思う。思うというか、ちょっとそういうのも見てみたかったかも。それだけヒロインのギャル的なキャラクターが魅力的だったんですよね。謎のチンコ見つけてあそこまで積極的になれないよ普通w

『訳あり!ご近所お付き合い』東雲龍

 職を失い主夫をしてると隣の大学生が迫ってくる。不倫ものではあるんだけど、主人公の失職設定が特徴で、自信をなくしてる主人公のところへヒロインが慰めにやってくる。甘やかす、という方が適切かもしれない。誘惑に屈してしまう感情に説得力が増してたと思います。それでもヒロインは大学生で年下なので主人公がその気になったら簡単に優位に立てて、みたいな関係性も込みで魅力的。
 主夫を始めた途端に近づいてくるんですが、理由としては隣人なので壁越しに嫁との喧嘩を聞かれてたから。そんな壁越しの声、という要素がオチとして再利用されるので唸りました。短めでシンプルな話ではあるんですが、短いからこそ逆に隙のなさが光ってたというか。

『おとなのじかん』川島よしお

 第8回。これは巻末固定の予感かしら。
 死んでおっぱいに転生する8コマ。最後の2コマが地獄すぎるので笑った。よく考えたら当たり前の展開なのかもしれないけど、男が漠然と抱くおっぱい幻想が、別の男の欲望によって打ち砕かれるのが面白すぎる。それと、2コマ目に出てきたイメージの中の女の子がめちゃくちゃ可愛くて好きです。
 新体操のリボン。後半の4コマが本題で、1文字、2文字、3文字で完成という流れなんですが、3文字完成するまで気づかなかったので悔しいw 「ち」「ん」は普通にリボンの軌道として全然ありそうなんだよなぁ。そっからの「ぽ」であり得ないの度合いが爆増するので三段オチとして見事すぎる。「こ」でも可能そうだけど、「こ」だと自然すぎてオチとしては弱いのでしょうね。
 ラスト、交換日記。訛りが強すぎて理解しづらいが実はロマンチック……なのか? 原文と訳が真横のコマに配置されてるのが何気に見事ですよね。芸が細かいというか、親切設計。あと、よく見ると9コマ目、ちゃんと勃起してるっぽいので笑いました。おがってやがるw


 終わり。やっと終わった。私が感想書くのが遅いってのが第一ですが、今号のボリュームが異常だったと思います。ショート多用で作品数を稼ぐスタイルが感想泣かせでありました(倒錯した感想)。90号でこれだと、100号はどうなってしまうんだ……と約1年半後が楽しみなようで恐ろしくもあるw
 ちなみに、あまりにブログ更新が遅れたのでアンケートが期間切れです。次号発売までじゃなくて、1ヶ月で締切なのですね。
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