北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2019年11月号の感想

快楽天 2019年 11月号

 どうやら紙版と電子(というかkomiflo)版で修正の度合いが違うらしい。もちろん細かい事情は知りませんが、事情があるなりにギリギリを探ってる感ある。
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『オトナのいっぽ』さめまんま

 フルカラー8ページ。さめまんま先生すごい好きなので新作嬉しいです。面白い漫画を描く人という認識だったんですが、どうやらイラスト単体でも勝負してる方と知り驚きました(にしては漫画が面白すぎる)。今回も冒頭の、チェリーのヘタを結んだものと舌ピアスが同時に見せられる場面とか見事ですよね。あそこで彼女の圧倒的な大人感、そして性的強キャラ感が伝わって一気に引き込まれる。
 今回のももちろん漫画ではあるんですが、フルカラーということでイラストの比重も大きかったように思います。特に序盤にあるガラスにおっぱい押しつけるショットとか迫力えぐいでしょ。ガラスの向こうから彼女が年上のお姉さんが誘ってくる、という場面なんですが、この「ガラスの向こうから」というのが意味深で。当たり前ですが漫画は平面の表現世界じゃないですか。その中でガラスという別の平面に密着して……というのが良い。要するに漫画の向こうから誘われてるような感覚になりますね。komifloだったらスマホで読む人も多いでしょうが、その場合はスマホのスクリーンが劇中のガラスと同化するわけで。恐ろしい場面やで……
 もう1つ感動したのがコンドーム描写。装着の場面も射精の場面もあのゴムの質感、生々しさがヤバい。komifloだと今号、修正が緩和されてて良かった。見れて良かった。あと、精子の溜まったゴムが修正の黒海苔を乗り越えてるのとかちょっと面白かったですね。なるべく修正を減らそうとする努力なんだろうけど、ゴムの立体感が生まれてるようなw
 最後の最後にメガネなのも大好物でした。彼女が意外な表情を見せる、の記号としてのメガネ。

『Short Cat Girl』40010試作型

 電車で向かいに座るJKのパンツを見てシコってたら……。てか、電車でシコる主人公のハードメンタルよ。強い。
 オープニングのタイトルが出るまでの流れも見事で、パンツを覗こうとするので当然横長の長方形のコマになるんですよね。座った子のスカートの中に視線が集中するので。んで、よっしゃ見えたぁぁぁ、となったところでスマホのシャッター音。逆に彼女もオッサンのことを見てたことが明らかになってページいっぱいに伸びた縦長のコマがどーん。同じ縦長で車両を俯瞰するショットがどん。車内に小さく響きわたる “きもっ” 。そしてタイトル。完璧。
 全編にわたって主人公のモノローグが多く、心の中ではギャルのことをバカにしながら、けど実際は彼女のバカにされつつ責められて……という話で、主人公はひたすらにその変態性を心の中で叫び続け、流されるように実行していくんですが、クライマックス。彼が “おじさんじゃなくて……” “パパって呼んでみて…” と本作で最も変態な発想を声に出す。それまで受け身だった彼がついに能動的になる場面。ここで彼女の方からからキスしてくるんですよ。この盛り上がりがとにかく最高でしたね。変態行為の積み重ねのようで、展開としての妙もしっかりある。主人公が自身の最も醜いであろう願望を発散することで、逆に彼女は気に入ることになる。前に “ほんとおじさん私好みの変態さんだ” とあるんですが、それとも関わってきますね。彼女は家出少女で宿を提供してくれる都合のいい人を探していて、そこに飛んで火にいる夏のおじさん。ホイホイと釣られたわけですが、2人の相性、というか互いの希望が奇跡的に合致したわけですね。単なる変態行為の積み重ねとしても見応えバッチリなんですが、そこにしっかりドラマの積み重ね、感情の盛り上がりもあるので読み進めるにつてどんどん魅力が増していく作品だったと思います。
 快楽天は右ページで終わることが多いんですが、本作は左ページで終わる。唐突なエンディングで良かったです。情報量としては必要最低限なんだけど、それが意味することは……と考えると再びワクワクが高まっていく。

『年下彼女と』なぱた

 やたらセーラー服の作品が増えてるんですが、本作もセーラー。タイトルの通り年下彼女がセーラーなんですが、冒頭の2つの買い物の場面で、このカップルの年の差を強く強調してくるのがうまい。食事を買う際は兄妹と間違えられ、その次にコンビニ(ドラッグストア?)でゴムを買うときは彼女を店の外で待たせる。前者では妹ではなく彼女だと訂正してたけど、結局世間の目は気になるわけで。この場面が2人のキャラクターの説明にもなっていて、いけない関係という意識を強める場面として効果的。2つの店で彼の態度が違うことで、彼のことがちょっと怪しくも思えてきますよね。この「クズ男に捕まっちゃった?」というハラハラも本作を支えるスパイスだったと思います。最終的に衝撃的なオチがーというわけではないんですが、このちょっと不安になる感じが良いですね。彼女の真っ直ぐな姿勢にむしろ彼の方がほだされちゃってたと思うし、そうすると結局はただのイチャコラじゃねぇかって話なんですが、その機微が良いんですよね。別に彼が謝るとかそういう分かりやすい展開があるわけではないんですが、感情の変化、グラデーションは確かに感じる……気がするw(明確ではない) このバランスが秀逸だったと思うし、それが本作の奥行きだったと思います。

『セフレちゃん』八尋ぽち

 『セフレ』の続編。タイトルのデザインの関係で「セールちゃん」にも見える。ルー大柴現象。
 タピオカ口移し!! ヤバいでしょこれ。衝撃的すぎて読んでて声漏れました。あの小さい粒を液体と共に相手の口に流し込む、とかエロすぎてちょっと気を失いそう。あと、この件で真に恐ろしいのは、世のカップルはこれ普通にやっててもおかしくないって点ですよね。チョコのキスとか割と有名ですし。この発想に至らないほどタピオカも口移しも縁がないからなぁw
 前作は暗闇の中というシチュエーションが印象的に描かれたんですが、今回でもそう。ただ、そこにヒロインの感情がなく、恋心が分からないというドラマが乗っかるのが良いんですよね。ぶっちゃけ既に恋に落ちてるのは明確なんですが、暗闇でエロに至ることで彼女の表情が見られないんですよ。気持ちを隠すことと表情を隠すことが重なる。自認と他認の話が生じるんですよね。続きものとしてふさわしい物語の内容なんですが、それが前作のエロのテーマと交えて語るのが秀逸。

『Fukkin beach!』みそたぬきインカ帝国

 ファッキンビーチだと思ったら腹筋ビーチだったでござる。ややこしくて笑ってしまいましたが、主人公はお腹フェチということで、分かる。たしかに女の子のお腹良い、可愛い、エロい。肉付きがいいお腹も好きだし、引き締まった腹筋の美しさも大好きです。ヒロインは鍛えすぎてコンプレックスなんですけど、ただの美ボディやんけ、という感じで最高です。正常位の場面での腹筋にチカラ入ってる感じも説得力感じますし、フィニッシュ後の仰向けで脱力して寝そべる場面での、だらけた体勢でも引き締まった腹筋キレイでしたね。今まで「ちょっと好きなんだよねぇ」程度のフェチでしたが、本作で本格的に目覚めてしまったかもしれないw
 さすがに挿入してからは腹筋を撫でるようなことがないのも良かったと思います。さすがに彼女が可哀想に思えてきちゃうので。ただ、それでも否が応でも腹筋に意識が行ってしまうような構図が多いので、そっちの楽しみ方としても充分でしたね。
 エピローグで水着披露なんですが、くびれヤバいですね。あの腹筋ならこのくびれも納得です。

『俺たちには先生がいる!!』オクモト悠太

 水泳部の先生。キャラの立った部員が3人それぞれヘッポコぶりを披露してからの “めんどくさぁ…” の1ページ目で笑いました。少年漫画でもありそうなデフォルメの効いた部員からの、それに引いてる先生という温度差。
 訳も分からないまま先生が搾り取る。3人を相手にするのに、最後まで先生が表情を崩さない優位性が魅力的でした。それと同時に先生の真意が最後まで分からないんですよね。なので最後のオチでズッコケてしまうとういうか。中盤に出てきたライバル校のメガネくんが笑っちゃいますね。成長を見抜いた風の強キャラ感出してたのに、期待に応えられなくてごめんw
 ただ、余裕を持つことの重要性を語る上でもあのライバル校とのくだりはちょっと面白かったです。いくら煽られても学校に帰れば先生とのエロがあると思えば耐えられる……どころか全然気にならない。ちょっとこれはあるよね。心の拠り所というか。オタサーの姫によるサークルクラッシュも原理としてはこれに近いのかな。悪影響になってしまったらそうなる、みたいな。
 徹底的に先生の優位が保たれるので、どこまでやっていいのか部員たちが探り探りな感じも良かったですよね。中出しいいんだ、の場面めっちゃ好きですw そこから徐々にワガママになっていってプレイがエスカレートし、3人が同時に動き出すという展開も盛り上がりますね。
 エピローグ。先生が良い顔してテキトーなこと抜かすので笑いました。場面の美しさとナレーションで語られる現実のギャップw

『PITCH CAMP』スミヤ

 本編読む限りだとあまり感じなかったんですが、「ヘンタイ彼女シリーズ始動」らしい。これの続きとなるのか、別の特殊趣味ヒロインがオムニバス的に描かれるのか。どうなんでしょうね。
 家庭内別居という言葉がありますが、本作は家の中でテントを張る。テントに閉じこもることが彼女の心情表現にもなっててすごい面白かったです。直接は喋らずLINEを通じて語るという一手間も面白い。要するに本音と建て前って話ですよね。そこからまさかのレイプ展開になって驚くんですが、さらにそれがプレイだったと明らかになる。オモシロが過ぎるぜ。あのテントは心のメタファーでそれを強引に押し開けて入っていくのがレイプの表現として秀逸だったんですが、そのこと全部をひっくるめたプレイ。彼氏の方が “俺 こういうのはあんまり好きじゃないんだよ” って言ってるのが笑えますね。ちょっと分かるわw 遠慮してしまうというか。そんな彼も徐々にハマっていく……いったのかな? と匂わせ程度の描写なのも良い。主に彼の表情だけですよね。
 そんな表情。ヒロインの表情が本作の肝だったと思います。レイプだと思ったら彼女のリクエストで、という捻りが根幹にある作品なんですが、それを描写として支えるのが彼女の表情。プレイとして嫌がるんですが、顔を見ると嬉しそうなのが漏れちゃってて、というのが可愛いし、燃えます。あと、ガチレイプは苦手という人も安心w
 テント張ったりと面倒臭いのが可愛くもあり荒唐無稽に思えますが、ちょっとこのプレイとしてレイプを望む女性、もしくはカップルってリアルにもいそうな気がします。マゾ的な願望ではなくてもちょっとあるんじゃないかしら。あり得ない非日常感として惹かれるみたいな。もちろん男の方でも女性に強引にって願望の人いるんじゃないかしら。

『性徴期モデル』いーむす・アキ

 ショタ!! 女装!! ありがとうございますありがとうございます……。アバンの1ページでショタだと明かさずに可愛い表情を見せたのも良かったです(けどガニマタ)。1ページ目の大写しがショタなのありがてぇ。
 からのショタの色気に当てられた衣装さんが摘み食い。「そっちとやるのか!」と意外に思ってたらちゃんと最初の予想通りの方ともやってくれる。「こんなん誘ってるだろ!」と思ったら、あとでホントに誘ってたと分かる。予想は裏切りつつ、期待には応える。一見矛盾した2つをクリアしてくれるのでありがてぇ。ショタを愛でる際に攻めたいのか攻められたいのかという2択が悩ましいと思いますが、本作は「どっちもあるよ」ととにかく優しい。前後編にしてもいいような話だと思うんですが、1話にまとまってるのですごい……。女装もいいけど女装なしでも捨てがたい。両方がある。ありがてぇ。これは今号で圧倒的な優勝ですね(そんなシステムはない)。

『帰ってきたゆうくん♂』昼寝

 タイトル的に「再びショタか?」とか思ってたら衝撃であった。この掲載順は意図的だろw 竿役の振り幅が異常。「ゆうくん」って聞くと何となくショタのイメージが湧きますが(偏見)、「雄くん」だとしたら話は別ですね。雄々しさの権化やw
 そんな筋肉。元々はナヨナヨだけど、ヒロインのために鍛え上げた、という話。ヒロイン目線だと筋肉フェチみたいな印象にもなりますが、ゆうくんからすれば筋肉こそが彼女のための努力の結晶であり、愛情が具現化したものとも言えそうですよね。上京中のゆうくんの物語にも思いを馳せてしまう。筋肉以外にも口数少なく男らしいんですが、それも彼女のためにそう演じてる、というかそうなるように努力してきたわけで。ゆうくんにドラマありやでぇ。
 基本的にはヒロイン視点で筋肉フェチの話。筋肉っていうか極端にデフォルメされた「男らしさ」ですね。瞳にハートが宿る描写はよく見ますが、瞳の中が無数のハートで埋まるのは珍しいと思います。頭いっぱいに埋め尽くされてる感。結構壮絶なことになるので「大丈夫?」と少し不安になるんですが、そんな不安をはねのけるほど彼女が幸せそうなので笑いました。
 あと、ちょくちょくイメージとして出てくる昔のゆうくんの姿が笑えますね。最後の最後に違う部分ではなく「しつこさ」という一致が語られるのもうまいです。

異世界はこう抜く』F4U

 第12射。ウンディーネ。水の精霊だそうです。泉の女神様の男版って扱いですね。
 劣情の滝つぼに溺れたのを助けるところから始まるんですが、まくら嬢が「抜く」ことを忘れてなくて……と話が飛躍していくのが楽しい。というか、今回のまくら嬢セリフが多く、それが実質の言葉責めになってるのでいつもとまた違う色気がありました。スイッチが入って徐々に嬢の顔になっていくのがエロい。

『水泳部のサキュバス達3』ぼっしぃ

 フルカラー8ページ。3話目ですね。内容としては1話目、2話目のヒロインが同時に。男子たちも続投ですね。特に1話目の方は密かなカップル感も魅力だったので嬉しいです。
 男子部員の逆襲なんですが、そこで行われるのがオモシロ体位の発表会なので笑いました。せっかくなんだからもっと素直に楽しめよw
 性的には大勝利したけど水泳としては……というオチが奇しくも『俺たちには先生がいる!!』と同じなので笑いました。どこの男子部員も情けないw まぁ、満足しちゃって水泳のモチベーション上がらないのも分かるけど。

『番犬くん』えーすけ

 青春純愛路線。告白されるのを避けるための番犬くんと。設定が面白いし、その導入、そして2人のプラトニックな意味での仲良しっぷりも微笑ましい。けどそれって可哀想じゃない? と友人に言われて意識してしまうようになる、ここまでで4ページ。超スピーディーかつ濃密だったと思います。話の捌きがうまい。ここまでのページがまさに起承転結って感じで見事です。悪魔の一言をささやいた友人がまた良いんですよね。最後にも良い出番あるんですが、彼女もちゃんと生きたキャラクターになってる。序盤と最後の耳打ちが対称になってるのがまたオシャレなんだよなぁ。
 恋する話ではなく、異性として意識するようになり恋に気づく話というのが良い。友人から恋人への境にいるのがドキドキしますね。そこで男らしさの象徴として出てくるのが腹筋なので本作関係ない部分で笑っちゃいました。今号多いな、腹筋。そして彼女のために鍛えた筋肉。セックスアピールの部位として女性のおっぱいの対になる男性の部位はどこかと考えたことあるんですが、割と筋肉が当てはまるんじゃないかなと思うんですよ。服の上から感じられることもあるし、脱いだ際の感動もある。触りたくなる魅力があるのも同じですし。
 そして、筋肉の次に男らしさの象徴として出てくるのが当然チンコ。めちゃくちゃ甘酸っぱい雰囲気からさらに次のステージへ移った感ありますよね。そして、肝心のいざ挿入の場面はすっ飛ばしたのも鮮やかでしたね。友達から恋人への変化が本作の肝であり、一番盛り上がる部分だと思うんですが、その分水嶺となる挿入の瞬間は描かない。放物線って頂点に近づくにつれ登りの傾斜が緩やかになり、速度も落ちるものですが、本作はそこを省略してるわけですね。どこまでも登っていきそうな勢いや予感を描いて、煽って煽って省略。あとは加速のついた落下の場面。
 プレイ中に彼女の方はキスにハマってる描写が繰り返されるのも良かった。当たり前ですけど分かりやすく愛情の表現ですよね。それを要所要所で彼女の方から求めてくる。彼女側の心境の変化として象徴的ですね。最高。

『役得☆トゥナイト』ボボボ

 酒癖最悪のクソ上司を自宅に送ったら奥さんからご褒美。男2女1なんですが、要するに知らない世界に足を踏み入れる、案内される話ですね。初めてキャバクラ連れてってもらうとかと構造としては同じだと思います。ただ、インモラルで、知られざる世界っぽさもあり、魔窟的でもあり、ちょっと奥さんにアリジゴク感もあるかな。先輩が慣れてて余裕を保ちながら満喫してる風なんですが、結局のところ奥さんが最も強キャラの風格あると思います。基本的に男側が奥さんを責め立てる展開になるんですが、受け入れてる、どころかそれを誘ってるようでもある奥さんの魅力、そして魔力ですね。
 主人公は童貞ということもあり残りの2人が張り切るんですが、この関係はやっぱ先輩に風俗連れてってもらうのと雰囲気が近いのかな。先輩に見守られながら挿入ってのはイヤだけど、男性社会のリアルを感じなくもないですw そして、その後、主人公を励ますように奥さんから騎乗位で……という場面最高ですね。結局攻められるのが好きなんじゃんという話になっちゃうんですがw とにかくあの騎乗位で入れる場面は素晴らしかったです。個人的にベストショットですね。

『いいから脱いで!』SAVAN

 兄妹。ガチの近親相姦かー?? と思ったら1コマだけ兄が「義母さん」と言ってましたね。ギリギリセーフw いや、ここまで情報を削ぎ落とされると1文字あるかないの違いなので設定にそこまで深い意味があるのか、とか変なこと考えちゃいます。まぁ、ここまで極端に減らしてるのは「一応言い訳はしたからね」ってことですね。「気づかない人がいてもそれは読み手の責任だからなー」みたいなw
 本作ヒロインがいつも以上に可愛くて好きなんですが、おそらく冒頭の○クドナルドでのガールズトークが効いてるんだと思います。あそこでエロい話はしてるけど、直接的なエロは描かれない、ただの仲の良い女の子2人の会話が表情豊かに描かれることによってヒロインのキャラクターが完全に立ったんだと思います。本作に限らないけど、ヒロインにエロ以外の側面、エロ以外の人生が描かれるとグッとキャラクターに奥行きが増しますよね。そんな彼女があんなことに……と結果的にエロさも増えると思いますし。エロが始まってからもコロコロと表情が変わって可愛いんですが、平常時とエロ時では見せる表情が違いますよね。当然ながら。その差がエロいです。

『甘やどり』Noise

 おねショタだ、やったーw 『性徴期モデル』と違い、何も知らないショタを誘惑して初めてを奪う。まぁ、『性徴期モデル』の序盤だと似てるんですが、あれよりもイケナイコト感は多いと思います。おそらくショタ側の色気による印象の差なのかな。
 ショタショタ言ってますけど、ショタに当てられてしまったヒロイン側も当然魅力的です。 “……ああ” と気づく場面がとにかく最高ですよね。あそこで彼女の中で何かが弾ける。かなり満喫してますよねw 彼女がおっぱいを出すのもかなり遅いので笑えます。2人の優劣がハッキリと現れてる。おっぱいを出してからは受けに回るというか、ショタに攻めさせる。好き勝手やりたい気持ちはあるけどそれをグッと堪えて誘惑して彼が動くのを待つ、という感情がすごいリアルで良かったです。

『じゆうけんきゅう』雲呑めお

 か、可愛い……。オープニングでヒロインの可愛さにやられてしまった。エロいし、エロで彼の協力を得ようとするしたたかさもあるんですが、トータルしてとにかく可愛い。天真爛漫でエロとは無縁な可愛さを感じてしまう……矛盾。
 食べ物による精子の味の研究。彼氏の方は宿題が終わってるので共同の研究ではないってのがポイントですね。あくまでも彼女の宿題に協力してるだけ。なので “悠斗はぴゅっぴゅってすることだけ考えてればいーから!” となる。はーっ、エロ。彼女のは宿題という体裁があるけど、彼の方は自由に性欲の発散。このアンバランスさですね。彼女はエロが目的ではないけど、というのが「これは健全なことなのかもしれない」と錯覚しそうになるw
 そっからのダイジェストの見開きも圧巻でしたね。とにかくクチ。夏休みが残り1週間ちょいというタイムリミット感も相まって彼女の一生懸命さが出てました。タイムリミット感は青春そのものでもありますよね。彼が序盤で “こりゃ同じ学校進学すんの無理かもなあ…” と言ってましたが、この夏の終わりの先には確実に青春の終わりがある。それを予感しながらとりあえず今は……というのが魅力的だし、だからこそエロいです。
 最終日。精力剤でチャレンジしたら彼が暴走。彼が抱きしめてきて、腰に勃起したチンコを押し当て、顔を近づけてドキドキ……というこの3コマ。純愛っぽい2コマの間にチンコのコマが挟まってるのが秀逸。顔を近づけたのでキスするかと思ったら、彼女を机に押し当てて挿入。バックなのが象徴的ですね。今はキスよりも入れたい、という二者択一。それでも入れてからちゃんとキスするし、会話もして愛し合うのでマジ最高です。めっちゃ仲良しやん……泣けるw 強引に挿入された彼女のリアクションを見て少し冷静になったんでしょうね。この感情の変遷がリアルで良いですよね。

『クロッチよりも愛してる…?』いとうえい

 パンツが好きすぎる彼氏とそれに振り回される彼女の話。彼女視点ということでいいと思う。ドツキ漫才が楽しいんですが、しっかり恋人として安泰なのが明示されるのも良いですね。ホレた弱みじゃないですけど、彼にホレれてる件を疑いようもないレベルで示してから本題開始。なので、その後の変態行為に付き合ってあげるのが彼女の愛情表現と受け取れるんですよね。困惑しててちょっと可哀想でもあるけど、彼の期待に応えることで2人は恋人として深く結ぶつく話でもある。ちなみに、彼のパンツへの偏狭的な愛も「彼女のパンツだから」と明示される。彼の変態行為も彼なりの愛情表現であるわけですね。歪んでるけどw
 んで、パンツ活動、そしてセックス。当然ずらし挿入。すごいのが徹底的に彼女のパンツがメインなんですよね。「挿入したら同じじゃん」とか言いそうになるんですが、読めば読むほど違う。ひたすらパンツがメインとなる構図のコマが続く。正確には彼の視点ってわけではないんですが、彼の意識の現れなのでしょう。ぶっちゃけさ、パンツのアップにすると当然彼女の顔が映らないわけで、そんなコマがかなりの割合で差し込まれると漫画として独特の読み味になってたと思います。

『フェイク・リリィ』こめざわ

 クラスで憧れてる女子2人が百合なんじゃないかと疑ってる主人公が2人に挟まれる。百合に加わろうとする男は嫌われがちですが、男女構成としては同じでも本作は全然違うので面白いですね。むしろ百合関係を愛でてるんだけど、2人に強引に巻き込まれる。ビッチだし百合じゃないのでガッカリしてる彼の気分を盛り上げるために2人が百合を演じる。この発想、この展開マジ最高でしたね。単に女2の3Pで女性たちがキスしてるのとは違う。劇中で百合好きの男に「見せる」というのが最高。見せ物として「どうすか? エロいっしょ?」と誘惑する意味でやってるのが百合の美しさが堪能できるようであるんだけど、その2人はその先にチンコのことを見据えてる。矛盾してるけどどっちの意味でも美味しい。強い。最高やんけ。
 何やかんやあったけど最後の最後に “やっぱ百合じゃん…” となるのも最高。百合だけどチンコは欲しい、みたいな感じですかね。男はいらないけどセックスを楽しむためにチンコは欲しい、百合で互いのことは好きだけど2人にチンコはついてないので外部発注する、みたいな。見せつけるために百合を演じてたけど、意外とあれは本心でもありノリノリだったという。普段あそこまでサービスしてるか怪しいので、今回の件で2人の中でも進展があったのかもしれませんね。

『音が響く日』利行

 めっちゃオシャレなタイトル。街中の、自宅で行うピアノ教室の先生が描かれ、それに憧れる主人公。めっちゃキレイな話かと思ったらページをめくるとヒロインがハードめなオナニーしてるのでビビったw 防音設備が整ってるから好きなだけ声をあげて、ってことだったんですね。タイトルの印象ガラッと変わるなぁw
 最初、ヒロインが焦ったように “音が漏れてたかしら?” と話しかけてくるんですが、それは近所迷惑で申し訳ないからではなくマジモンの危機意識だったわけだw
 男の方も下心があってピアノに興味があるとウソつくんですが、それの比じゃないレベルで彼女の方が邪な気持ちにまみれてる、というギャップが楽しい。今号の快楽天でも女性側の変態趣味って作品はありましたけど、外面とのギャップという意味では本作が随一ですね。アリジゴクに捕まる話ではあるんだけど、男の方も好きなんだし「まぁいいだろw」みたいな気持ちで悲壮感がないのも良い。

『トランスちんポーター歩』ゲズンタイト

 運び屋3つのルール、って『トランスポーター』古いなw さすがにステイサムの代表作は更新されただろうに。
 かと思ったら魔法のランプ。ビーストの後崎さんといい、魔法のランプを題材にする作品はなぜギャグに偏るのかw
 願い方が難しいという割と定番のギャグになるんですが、そこからの飛躍がすごい。主人公がコツを掴んでからの満喫ぶりw それとこのうまく願い事が伝わらない、けど真面目に聞いてくれて全力で答えてくれるランプの魔人側がキャラ立ちしてくるのも良いですよね。感情はあまり表に出さないけど、それなりに意志疎通はできるし仲良くなれてきた……気がする。そっから、魔神にも気持ちよくなってほしい、となる展開が原作準拠なので笑える。丁寧だw そしてセックスは互いに気持ちよくなって心の繋がりを感じられるのが最高、というエロマンガとしてめちゃくちゃ教訓に満ちた話をしてくるのも笑える。そりゃそうだけど、そうなんだけど、作品のテンションとのギャップがw
 個人的には最後のページに出てきたショタ魔人がとても好きです。ええやん。平常時の魔人も全うなイケメンで驚きましたけど、ショタはもっとええやん。

「読者コーナー」

 扉がゲズンタイト先生なんですが、すごく良い!! 女の子可愛いし、彼女が乗ってるメカメカしさにすごくワクワクします。まさか快楽天読んでてメカの魅力に出会うとは。
 感想へのリアクションの中で作中のピアス考察が出てきてすごく面白かったです。ピアスバージンなので知識もまったくないんですよね。知ってる人だとピアス描写にも違いがあるのか。「ピアスをしてる」以外の情報を読み取れてなくて申し訳ない気持ちになります。思わず読み返しちゃったんですが、ピアス描写めっちゃ小さいですやん。それでも気づく、読み取るってすごいな。

「次号予告」

 4号でのHamao先生の表紙イラストの乳首が見えますね。あの表紙好きだったので嬉しいです。まぁ、あれは修正ありきでデザインされたとも思うんですが。
 あと、次号から3号連続で「ネーム交換コラボ祭」。面白いこと考えますね。どの作家がいるか、だけでは終わらない雑誌ならではの試みで面白いと思います。楽しみです。

forms.gle

 アンケート。面白かった作品3つ。『性徴期モデル』『じゆうけんきゅう』『フェイク・リリィ』。あれもこれもと悩むんですが、悩むと設定的なオモシロに背中押されがちです。それはそれで偏りがあって如何なものかとは思うんですけどね。

 終わり。割と早く終わった気がするんですが、全然遅いですね。もっと急いで、淡泊に書きたいんですが、どうも書き始めるといろいろと手を出してしまいます。面白いんだよなぁ。とにかく次はホットミルクです。ちゃっちゃとやりたい、やろう。
 あ、そういえばかなり前のことですが、快楽天クロニクル展いきました。ってブログに書いたっけ? 面白かったです。
kitaku2kitaku.hatenablog.com