北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC X-EROS(コミックゼロス)#80 の感想

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 1ヶ月遅れです。隔月化してなかったらもう次号が出てるw

『いつもの通勤路』駄菓子

 後編。後輩とのセックスが日常化してる感じがエロいっすね。前回もそうだったけど、メガネを外す行為が仕事からエロへとスイッチする儀式のようになってて面白い……と思ったらラストでは外さないのか!! これはやられた。彼女の中で区別がつけれなくなった、エロが職場まで浸食してきたことの表現としてバッチリですよね。タイツの股部分が破けたまま仕事してるのもそうなんですが、境がなくなってしまう。逆に後輩くんの方はエロが進むにつれて仕事が出来るようになっていって……というのも面白いです。
 カーセックスに特化したのは意外でした。前回もそうだったんですが、あれは成り行きの関係で自然だから、程度だと思ってました。最後までカーセックス一本槍とは。ただ、最後の最後、カーセックスを卒業してヒロインの家に行くことを約束して終わるのも良かったですね。あそこまで壮絶なことやって、失うものがそれなりにあったと思うんですが、まさかのハッピーエンド感w
 夜景の見える展望台……駐車場でのカーセックス。上段見開きの場面も圧巻で、その高揚感で彼が射精するのも面白かったんですが、やはり夜景というシチュエーションが良い。露出の方向で、街全体を見下ろしながらの露出という意味がメインだとは思いますが、夜景だとやっぱデート感も少しありますよね。歪んではいるけど、夜景デートだと考えると順調なのか?? みたいな余地が良いです。その味わいがラストに繋がりましたね。

『すりぃぷらぁにんぐ』あきのそら

 後編。妹が寝てる間に兄が……という話だったんですが、後編は妹視点!! この視点の交代が見事でしたねぇ。前編26、後編30ページの前後編なんですが、56ページで1本の読切だとこういう仕掛けは出来ない。ちょうど今号に64ページの特大読切ありますけど、前後編ならではの方法もあるわけですね。
 悪戯するハラハラとワクワクの話だったんですが、妹視点なので知らぬうちに悪戯されちゃって心身共に大きな変化に戸惑う話になったのが面白い。男目線のままヒロインが快楽堕ち話もありますが、後編で女目線にシフトしたのは効果的でしたね。エロの最中のモノローグの量がまた全然違うのが印象的でした。前編の兄は割と少ないんですよね。思ってることをそのまま行動に移せてるからだと思います。今回の妹は寝たフリをしたまま待つことになるので、自然とモノローグで語りまくることになる。この「オイオイどこまでやるんだよ」という驚きの部分が良かったです。驚きつつも期待してる。
 エピローグ。寝落ちした兄のチンコを妹が……という睡眠姦が逆転するので最高。2人の関係性がフェアになった感ありますね。関係性がより深まったというか、全うな恋人っぽい関係に近づいたというか。その兄の寝落ちの際に妹の方からキスをするのがまた良いんですよね。キスは寝てる間に兄の方から一度してて、妹が起きてもっかいしてたんですが、最後は兄が寝てる状態で。前後編の視点についてもそうですが、2人の関係性が対になるような話になってるのが秀逸だったと思います。

『発情ホームタウン』軽部ぐり

 上京しての大学デビューに失敗した主人公が田舎に帰るとモテ期到来。
 エロマンガに限らず美少女を武器にした漫画はヒロインの登場シーンが1つの勝負で、ある種の様式美になってると思うんですが、本作はその「登場シーン」という仕組みで全力で遊んだ作品だと思います。とにかく何度も登場シーンがある。基本的に読切を想定して読みますので、「また新しい人出てきた!」と驚きっぱなしでした。これ、シリーズ化も期待しちゃいますけど、登場シーン大喜利に特化した実験的な作品と見るのもアリだと思います。まぁ、それぞれの女性キャラに魅力的なキャラデザ、設定を作ってるのでそれを使い捨てていくのは贅沢すぎる話なんですがw
 そんな登場シーン。最初のヒロインがフルフェイスで登場するので爆笑でした。全段ぶち抜きでパンチラもしてるけどフルフェイスw あのインパクトすごいし、読み進めると登場シーンでメタ的な仕掛けを持ってきたのも納得ですね。それに女の子としては可愛いんだけどどこか垢抜けてない、平たく言うとダサいのが田舎っぽさでもあったと思います。可愛さよりも実用性なのが田舎らしい価値観というか。けど可愛いじゃん! というのが男心くすぐられるポイントでもありますね。彼女の可愛さを知ってるのは俺だけ! みたいな感覚。
 大人のお姉さん、学校の先輩という2人も良いんですよね。「やらないんかい!!」と思わず大声出してしまいそうになるんですが、それくらい2人が魅力的です。普通の作品に出てきてもおかしくないキャラクターしてるだけどなぁw
 2人の女性キャラが出オチ的な扱いで笑えるんですが、よく読むとこの2人、主人公に好意を示す際に必ず「東京」について語ってるんですよね。東京への憧れを主人公を通じて満たしてるに過ぎないわけで、本当に主人公のことを好きなのか怪しい。メインヒロインの琴音も東京のことは最後に語り憧れてることが分かるんですが、大事なのは主人公が上京する前から好きだったという点。明確に違いますね。東京から帰ってきた主人公が好きな2人と、東京は関係ない1人。ギャグっぽい印象も強い作品なんですが、この細かい部分が丁寧に作られてるのが素晴らしかったです。
 ラスト。ラストも登場シーンなのかよ!! と爆笑しました。ホントこの仕掛けずるいよなぁ。楽しすぎる。今までそんなに意識することなかったけど、登場シーンってかなりワクワクするもんですね。そこに気づくとか天才かよ。

『ベストカップルコンテスト』ぐりえるも

 企画ものAVみたいなエロイベント。なんですが、そこにカップルじゃない主人公カップル(矛盾)が参加することになり、イベントを通じて2人がカップルになっていく、というドラマがあるのが良いですよね。このカップルじゃなかった、認めてなかった2人が次第に……というドラマはAVは不可能な領域だと思います。
 主人公たちの他に2組のカップルが参加してるんですが、この2組が決して噛ませ犬的な、背景的な存在では終わらないのが良かったです。チャラいカップルと、真面目だけどイチャイチャな身長差カップル、どちらもすごい魅力的なんですよね。こいつらが主人公で1本読みたい、とか思ってしまうレベル。
 さらに素晴らしかったのは、司会の女の子。彼女もちゃんと脱ぐんですよ。冒頭から登場してキャラも立ってるので「この子も可愛いな」とか思っちゃうじゃないですか。その期待に応えてくれる。ゲームとかで攻略非対称だと思ってたキャラが意外といけた、みたいな高揚感ありますね。しかも、最後にはしっかりセックスまで行くから最高ですね。相手どうすんだよ、とか思いますが、黒子でした。そういや黒子たちも冒頭から出ずっぱりですねw
 お題のクリアの仕方が各カップルに個性が出てるし、お題に失敗した際の脱ぎにもいちいち捻りがあってマジでバラエティー的な魅力が強いからすごい。クリアできるのにあえてパスするくだりとか面白かったですよね。展開がしっかりしてる。単に企画(設定)が面白いだけではなく、ちゃんとそこでの展開やキャラが良いわけで。
 クライマックスでは他のお題を一気に。これ、冷静に考えると普通のエロマンガだったら当たり前にこなしててもおかしくない内容なんですよ。よく考えたらこのお題自体に特別な魅力があるわけではない。フリがあって回収する気持ちよさ、怒濤の勢いでお題をクリアしていくピタゴラスイッチ的な連鎖が楽しいわけですよね。

『田舎に暮らそう!』焼きトマト

 64ページ。さらにカラーが2ページ。特大ボリュームやべぇ。『すりぃぷらぁにんぐ』『いつもの通勤路』が前後編あわせれば同じくらいのページになりますけど、やはり切れ目なく最後まで突き進んでいくのは読み味として大きく違いますね。この唯一無二な感覚の時点で勝ちだと思います。日常とエロの境がなくなって渾然一体となっていくので、読んでて「いつまで続くんだ」みたいな不思議な感覚になるんですよね。もちろん良い意味で。ページ数感覚がなくなるというか、忘れるので「これ中盤? 終盤?」とマジで混乱するw
 ページ数が多いということもあり、キャラが多い。男女4人ずつ。それなのに5ページ目では既にセックス始まってるのが驚愕でしたね。長尺なのにスタートが全然ゆったりじゃないw 最初に人物紹介はあるんですが、むしろ最初の乱交の場面の方が人物紹介として機能してたと思います。それぞれキャラ立ってるんですが、そのキャラの立ちがエロと不可分なんですよね。だからエロと物語進行が同時に行われる。
 中盤のドラマを支えるのが主人公ではなく、クラスの中で心を閉じていた不良っぽい少年、というのも面白かったです。最初は先生に優しくされたんですが、その次に主人公とやることになって、そのまま本気で好きになってしまうとか急に甘酸っぱいので面食らいましたw その後、ダイジェスト的に場面が飛ぶところで主人公のことをずっと目で追ってる感じとかめちゃくちゃ良いんですよね。そういう感動があるとは思ってもいませんでしたw
 あと、最高だったのは主人公のビジュアルの変化。金髪(でいいのかな)だった髪が徐々に黒く染まっていき、体も日焼けで黒くなり、と文字通り「田舎に染まっていく」を体現してたのが素晴らしい。その後、大胆に髪をばっさり切って……と思ったらクライマックスの場面では元の髪型に戻ってる(が黒髪)というのも最高でした。田舎の色に染まって、その後その色を自分のものとして消化した感じありますよね。この変遷も長尺ならではの味わいだったと思います。

『夏のマモノ』flanvia

 夏の、学生の、野球の全国大会。甲○園ですねw そこで夏のマモノを自称する女の子と出会うんですが、彼女が関西弁なんですよね。やはり甲○園。
 彼女が絶頂する度に奇跡が起きる。彼女がイクと球場の方から歓声があがるのがシュールでしたね。見られてるんじゃないか心配になるw
 彼女はエロ大好きなんですが、最初から泥酔状態なので終始目がすわってるのも良かったです。楽しんでる感が強いので読み味として非常に良い。チンコを見て見惚れる場面とか最高でした。チンコも透明化すれば修正しなくていいんだなぁ。
 そのまま彼女をイカせて試合に勝利して終わるのかと思ったら、終盤すごい展開になるので笑った。まさかのキャプテン追加とは。実際にやってるのを見てるので説明が省かれてるのもうまかったですね。
 からの大オチがひどいw この手の作品で最後に不思議な存在が忽然と消えるのはよくある展開ですが、あの状況で消えたらどのように思われるか、というのが見事でしたね。あれは間違いなく野球史に残る奇跡だわw

『むいちゃいました! FINAL』右脳

 シリーズ最終話。タイトルは露出趣味を認めさせる、の意味。これがすごい面白いテーマですよね。キャラクター造形においてツンデレって一つの定型としてあると思うんですが、その二面性をエロ要素多めに再構築すると……みたいなものを感じる。開発するのとちょっとニュアンスが違うのも良いですよね。あくまでも自認と他認の話。前話は瞳先輩が圧倒的な強者として主人公たちを支配する形になっていたので、彼女に開発される話に見えてもおかしくないのですが、本話ではさらにテーマを突き進めて瞳先輩は最初と最後に出てくるだけ、というのが良い。種はまいて、あとは育つのを待つだけ、というスタンス。
 ということで、本話の見所は主人公が「認めさせる(むいちゃう)」側に立った点だと思います。涼ちゃんのことを一方的に攻めて、彼女だけ脱がせたプレイ序盤のパートが象徴的だと思います。そこまでは彼のワンサイドゲーム。……だったんですが、途中から主人公がそのことを満喫していき、同じ快楽を得ているのでは? と自認の念が湧いてくるので俄然面白い。プレイとしては一方的な攻めで、最後まで決定的に自認をするわけではないんですが……という余韻で終わるのが素晴らしい。認めずにケンカしてる様は微笑ましいんですが、この状態が永遠に続くとは思えませんよね。完落ちする未来はそう遠くないんじゃないかな、というバランスで終わったのが良い余韻だったと思います。

『ナースな彼女の××管理』いづれ

 射精管理かと期待したら射精管理だったので嬉しい。
 ナースとそういう関係になる話ではなく、恋人がナース。病室でイチャイチャするのに理由はいらないところから話が始まるのが良かったと思います。話が早いってもありますが、ナースとそういう関係になる話だけでは終わらず、そこに濃密なプラスアルファが来る。むしろそっちの方がメインテーマなんじゃないか、というくらいのバランスでしたね。ナース設定はむしろ入院中なので主人公に自由はない、という設定のための土台みたいな印象すらあります。まぁ、もちろんナース姿めっちゃ可愛いんですがw
 射精管理なんですが、元々彼女が過激な人だったのではなく、主人公が寝言で元カノの名前を言ってしまったことっで彼女がキレる。原因は彼女にはなく、むしろ主人公の方にあるのが自業自得とはちょっとニュアンス違うけど良かったと思います。まぁ、寝言なので責められないとも思いますが。
 射精管理なので、我慢してからの一発目が最高に盛り上がるんですが、あの場面良かったですねぇ。完全に管理しきれず暴発なんだけど、まさかの中出し。我慢してたのは主人公だけでなく、彼女の方も我慢してた、となるのも良かった。我慢からの解放ってのが最高に気持ちよくてこのジャンルの魅力だと思いますが、彼女の方にも同じ気持ちよさがあったわけで。SM的な関係ではありますが、その前に単なる恋人のイチャイチャでもあって、その良さが出てますよね。

『先生の事情 アーリーデイズ』ミナギリ

 新刊記念で『先生の事情』の後日談……と同時に知られざる過去について語られる4ページ。たった4ページなのに複数の時制が出てくるのが面白いですよね。そもそも『先生の事情』が回想と現在が同じくらいの分量で描かれた作品だったわけですが、今回はハメ撮りで過去が断片的に描かれる。たった4ページとは思えない密度の情報量なので驚きました。すごい面白い試みでした。逆に言うと4ページにしてはめっちゃ作るの大変じゃない? という贅沢さも感じます。

『北條雅美の多淫なる日常』ヨシラギ

 おねショタかつ女装。最高じゃないですか……。ショタが忍者設定で、あらすじレベルで考えると「それ意味ある?」という感じなんですが、彼はプロとしての自信と誇りがあるからこそ女装に対して抵抗がなく、それでいて命令に従う理屈になってるから面白いですね。忍者設定は割とトンデモ寄りなので驚きますが、忍者じゃなかったら導入以外の場面でいろいろと説明や理屈付けが必要だったと思います。完璧な女装をしてもおかしくない、という理由での忍者設定。そんな省略があったとはw
 てか、風魔小太郎ならぬ風間小太郎なのも笑いました。本作読んだら小太郎って名前がショタっぽく感じてしまうw
 タイトルはヒロインだし、オチも彼女のさらなる秘密が明らかになって終わるんですが、エロパートの主役は小太郎くんだよなぁ。まぁ、もちろんヒロインは体の魅力がすごいので、絵としてメインになるのはそちらが多いんですが、やっぱり小太郎くんなんだよなぁw

『RE:夏休み』KANZUME

 オトナ保育園に迷い込む話。最初のめくりでいきなり見開きなのでビビりました。『世にも奇妙な物語』チックな話ではあるんですが、絵面のインパクトがとにかくすごいw 抜けるような青空の下やってる、ってのがまたね。せめて建物の中でやればいいのに、園庭。あり得ないはずなのに隠す気もなく行われてる。
 この驚きの開幕を見て、ママ先生の母性にノックアウトされるような話を想像したんですが、案外そうでもない。もちろん先生ともやることになるし、それがクライマックスなんですが、その前に先生ではない「子供」の2人とやることになるんですよね。オトナ保育園という設定だったら先生と園児プレイをするのが普通(?)だと思うんですけどね。ここがすごい。そもそも本作はオトナ保育園も大事だけど、その前に「子供に戻る」という部分がメインなのでしょう。だから子供同士で仲良くやるパートも必要なわけで。意外なら腑に落ちる展開で面白かったと思います。あとやっぱメガネの子がいるのが嬉しいです。おっぱいの形も乳首の形状もそれぞれ違うのも個性が感じられて良かったです。複数人のエロの醍醐味ですね。陥没乳首とかプレイ内容に組み込まれやすいとは思うんですが、特に言及されることはなく、絵として描かれるだけで終わるのが贅沢だったと思います。陥没がメインテーマになってもおかしくないんですけどね。

『愛部屋 ~女上司と部下の俺~』東雲龍

 性格のきつい女上司と出張先で一泊。最高だと思います。大好き。トラブルで相部屋することになったので上司の方が酒飲んでヤケになってるのもシチュエーションとして良いですよね。12ページと短めなんですが、最初からグイグイ来るので話が早いです。
 感じ悪い口調のままセックスに至るというおかしな状況の魅力もバッチリでした。SMでもなければ、下克上でもなく、快楽堕ちとかでもない絶妙なバランスだったんじゃないでしょうか。ワンテーマでシンプルにしたおかげで短いのが気にならないというか。むしろ充足感もあるレベル。やっぱあの感じ悪い上司にグイグイ来られる関係性が良いので、そこが維持されるのが良いんですよね。もちろん関係性が変化するドラマもそれはそれで魅力なんですが。

『離婚調停劇』鹿成トクサク

 エロギャグ路線を突き進む作家とは知ってて、それを楽しみにしてたんですが、本作はその路線の最高傑作なんじゃないかしら。WEEKLY快楽天での『からくり師と姫』がギャグだけでなくキャラクターの魅力もあり、連載なだけあって物語的な盛り上がりもあるので、ぶっちゃけあれは越えないだろうとか思ってたんですが、エロギャグ特化で越えてきたなぁと。トリオコントとしてマジ秀逸だと思いますし、それでいて終始セックスしててエロに事欠かず、エロ的な決めショットもあって、そして何よりギャグ的な展開がめちゃくちゃ多い。ちょっと驚くほどに濃厚。3人の関係性、情勢がめまぐるしく変わるんですよね。1対2の構図が何度も入れ替わる。基本的にツッコミは1人なんですが、ツッコミ役が翻弄される単調な話ではない。
 個人的に一番笑ったのは「二親等同時顔射」になるかな。パワーワード連発なんだけど、弁護士設定が忘れた頃に生きてくるw あとヒロインのデフォルメ顔も好きなので、デフォルメ顔でのツッコミが入るのも刺さりました。やっぱ可愛いよなぁ。

『POV神待ち少女 #2』けんじ

 えっ、続編やんの?? とタイトル見てマジ驚きました。前作めちゃくちゃ好きだったんですが、POVという手法があまりに特殊なので、POVシリーズが続くなら分かるけど、POVのままあの話の続きってのが信じられなかったです。そして、最後まで読んだら作品設定がいきなり壮大なものへの広がっていくので衝撃ですよ。まさか『カリゴゴ』みたいな裏社会を上り詰めていく話になるとは。いや、話もめっちゃ気になりますけど、POVを維持したままで大丈夫?? と余計な心配をしてしまいます。POV手法は完全にものにしていて、どんな話にもフィットできる、みたいな自信なんですかね。超特殊な手法で長い物語をやれるだけでもすごいことだと思います。
 前作と大きく違うのは女の子が2人いる点ですよね。序盤とか特に2人が話しててそれが状況説明とかになってるんですが、そうなるとPOV感が少し弱まりますよね。普通の会話シーンを正面から映してるようなもんなので。ただ、冷静になって考えるとPOVが徹底されてて、そのルールが1コマも外れてないからすごい。芸術的とすら感じるレベル。特にスマホでの画像を見ることでPOVでは本来あり得ない回想とかイメージショットを実現してるんですよね。そういうテクニックが当たり前のように組み込まれてるからPOVであることを忘れそうになってしまうw
 逆にセックスが始まってからはPOV感が常にあってそっちの楽しさがバッチリですね。ちょっと引きの画になる感じとか良いですよねぇ。本格的に3Pが始まってからの片方に挿入しながら、もう片方にキスして、みたいな場面はマジ圧巻でした。話の広がりも気になるけど、やっぱPOV良いよなぁ。

『いっしょ暮らし』ミカリン

 へそゴルフ!! なんだこれはw ちょっとこのアイディアが天才的すぎる。この子は将来大成するでぇ……。
 まずカップルの日常として良いですよね。こんな日常ねぇよ!って話ですが、この異常事態に対して彼氏が普通に乗っかる感じが素晴らしいです。彼らなりにうまく行ってる感。失敗したらムキになって “ちょっと待って もう一回!!” とか言うのが仲の良さ表現として秀逸。
 へそゴルフで白眉なのは、ゴルフなのでコースを読む点。コースの傾斜をじっくりと読み、そこからボールの動きを計算するのがゴルフですよね。なのでじっくり女体を舐めるように眺めることになる。ここでようやく「へそゴルフめっちゃエロいやん!!」と気づかされる。この時間差も良いし、事前に彼女の体を立体的に把握することで、その後のエロパートの説得力がグッと増すじゃないですか。この女性の体の実在感、素晴らしかったです。

『ママハン ~叶秋穂編~』七尾ゆきじ

 2話目。息子たちによる壮絶な母へのハント……かと思ったらまさかの前日譚。オリジン。しかも発端は母サイドにあった、というのが闇が深い。思ってたよりも闇が深い。コンセプトがハッキリしてるのでぶっちゃけ続編があっても中身は想像がつくというか、エスカレートしていくだけだと思ってたんですが、予想外の角度からガツンとやられました。
 前話で出てきた主犯格の子や、前の被害者と思われてたハメ撮りについて詳細が本話で明らかになるのも良いですよね。数珠繋ぎ的に連鎖してるのかと思ってたけど、あのハメ撮りは最初の人のものだったわけで。これまた意外でした。最初のビデオを何度も見せてるかの可能性もあるので、前話が2人目とは限らないのかな。
 てか、マジで2話目の展開として予想外すぎるのでちょっとシリーズへの関心が俄然高まってきました。続きが全然想像できないし、何がどうなったら物語が締まるのかもサッパリです。2話目でここまで振り回されることになるとはw

『木茂田恭介の事件簿 ~失われたザーメン~』山田こう

 タイトルの通り探偵モノ。犯人とエロいことになるんだろうなぁ、と何となく想像が付くんですが「犯人はこの中にいる」でリストアップされる容疑者が成人女性、成人男性、ショタ、ロリと多岐にわたるので笑う。ちょっとショタも見たいかな……と思ったらコナ○くんギャグぶっ込んでくるので油断ならない。特に冒頭のボケが散らかってる感じ最高ですね。テンションは高まる一方だけど、あまりの情報量に混乱というかパンクしそうになるw
 ということで犯人はロリ。犯人が明らかになって彼女とのエロパートに入るんですが、そこからは急に丁寧というか、ギャグが減るのですごい。生意気なロリに好き勝手される系の作品として本格的。まぁ、要するに性欲お化けの彼女のペースで話が動いていることの証拠ですね。なので、終盤探偵が逆転するようになるとギャグが増える。ギャグというかパワーワードがすごい。生命への冒涜で有罪は笑った。今まで童貞だったのによく言えるなw
 オチ。最初は探偵が2人いてややこしい気もしたんですが、もう1人の探偵(コナ○くん)がオチに関わってくるのも見事だったと思います。周到。

『サマーバケーション』gonza

 都会から沖縄の離島へバカンス。「帰りたくない」と「別れたくない」という意見が合致して孕ませよう、となるのが正しいようなおかしいようなw リゾラバ的なキレイな話にもなったと思うんですが、どこか極端でギャグ的なのが魅力ですね。音対策としてテレビの野球中継(たぶん甲子園)をつけ、 “打ったぁあああっ!!!” と同時に射精とか爆笑でした。テレビのくだりがそれだけで終わるのも潔いですよね。
 昼から夜、そして朝。さらには場所も移動しながら徹底的にやりまくる、というのも良かった。ひたすらやり続ける話になるので、下手したらバカンス設定が稀薄になりかねないと思うんですが、そこをうまいこと回避してましたよね。夜の海が挟まれるのもギャップとして効果的だったと思います。
 あんだけやっといてヒロインが意外と冷静で、というオチが意外。何良い顔してんだよw とか思っちゃいますが、年上女性のこの一枚上手感、ちょっと好きです。理想と現実を割り切って受け入れてる感というか。バカンスだから楽しいと知ってる、みたいな。しかしあんなパンツ置いてかれたら彼の一生、というか性癖ゆがむだろうなw

『いつもと違う夏』塩おにんこ

 水泳部。日焼け女子と競泳水着がテーマなのかと思ったんですが、2、3ページ目がとにかく秀逸。主人公カップル、特にヒロインの子供から大人へ成長していく過渡期という表現がめちゃくちゃうまい。まずはペットボトルの回し飲みを間接キスで恥ずかしがるかどうかを語っておいて、そっから先輩カップルの青姦を目撃。衝撃的な大人の姿を見て性について意識するようになる女の子の話……だったらまぁ分かるんですよ。その前に回し飲みのエピソードを入れたのが秀逸ですよね。ストーリーテラーとしての資質を感じる。本来ならゆっくりと大人になっていったであろう遅めの姿を見せてからの、外部からの衝撃がドン。そういう土台作りがうまいからいざエロパートが始まってからの感情が生々しいんですよね。具体的な説明がなくても序盤の描写から想像ができるというか。もちろん絵としても情報はあるんですが。最初は全然楽しそうじゃないんですよね。怖そうでもあり、けど何かに突き動かされてるので止めることも出来ず……という2人の姿がリアル。航の方は普通に思春期到来してるっぽいので、同じエロを行っていても2人の気持ちの高まり、感情はちょっとずつ違うんですよね。それがエロの盛り上がりと同時に徐々に近づいていって……というのがマジ最高。エモい。

『アフター同窓会』よこはまインカ

 同窓会は同窓会でもヒロインは先生。しかも「昔から好きでした!」みたいな単純な話じゃない。この倒錯というか、複雑な感情が良かったですね。積年の恨みでもあるんですが、主人公の恨みのロジックが好きの裏返しっぽくもあるんだけど、その発散の方法があまりにねじ曲がってるのでどうなってしまうのか全然読めない。基本的に主人公の恨み節のようなモノローグが多用され、それで物語が進行していくんですが、それが果たして彼の本心なのか、と読みながら疑っちゃうんですよね。このバランスが良かった。書いてある文章がそのまま真相とは限らない、みたいな。読んで感じる印象を高度にコンロールされてる感。そして、それが明らかになってクライマックス……なんですが、そこから安易に良い話に行かないのがなぁぁ。後味わっる!!(大好きw) ようやく主人公は自分の気持ちに気づき、素直になれたけど、時すでに遅し。しかも最後に代わりとして抱いてる女の子、おそらく冒頭の場面にいた2人だよなぁ……というのも闇深いですよね。
 あと、単純に先生のヒロインとしての魅力もバッチリなのがすごい良かったです。主人公と違って真っ直ぐなのがあらゆる言動に現れてました。ラブホの安いセーラー服でコスプレする感じも安さ、似合ってなさが逆に良かったです。鬱屈した主人公にとって先生は眩しすぎて憧れつつもその感情を処理できなくて余計にこじれてしまったのかな、と容易に想像できますよね。

『クノイチストライク』里崎

 現代社会に潜む忍者……ではなく忍者同好会。結局のところコスプレかい、と言いたくなりますが、よく考えたらコスプレの方がエロいかもしれないw
 リアル忍者ではなくあくまでも忍者に憧れてる忍者好き。だからこその荒唐無稽な展開になるし、多少無理してでも忍者としての任務(誤解)を全うする、背伸びしようとする姿勢が生じるのが良い。忍者同好会設定は「現代に忍者いないですしw」という逃げではないんですよね。しっかり同好会じゃないと成立し得ない話になってるからうまい。うまいと言えば、冒頭の場面で出てきた巨漢が実は部長でオチでもしっかり活躍するってのも最高ですよね。ヒロインのこと大好きでちょっとお父さん気質まで発揮してて可愛いw あんだけの場面でキャラ立ちしてるんだからすごい。もちろんヒロインも可愛かったのもありますし、同好会の日常とかも気になってきますね。かなり楽しそうな予感、満喫してそうな予感。部長の前だとヒロインが別の顔を見せるってのがホントうまいんだよなぁ。

『イイ先生もラクじゃない?!』秋白秋乃

 真面目な女教師とギャル。主人公は先生なんですが、単なる堅物ではなくチャーミングな存在なのが良いですよね。備品泥棒の疑いを抱いてからのビビりながらも立ち向かっていく場面が秀逸だったと思います。あんだけ怖がりながらも消火器持って立ち向かうとか感動じゃないですか。エロ漫画じゃなかったら泣いててもおかしくないw
 からの男性教師たちとの乱交。プレイとしてマスクをしてるんですが、完全に正体がバレバレなので笑いました。ちょっとほのぼのとした印象すら湧くから不思議w あとこれはエロ漫画で一定数ある「竿役に顔も人格もいらねぇんだよ」的な効果もありますよね。それにしては普段の先生のキャラが透けて見えるような場面もあってちょっとキャラ立ってるんですがw まぁ、メインとしては、無数のチンコが出てくるけど基本的には主人公とギャルの2人の世界で他の先生たちのチンコは2人が間接的にセックスするために存在する、みたいなニュアンスなのかもしれません。 “センセーがタスケにきてくれたのがー” “あたしイチバン感じちゃった” というセリフが印象的ですよね。チンコは出てくるし、すごい数のチンコが出てくるんですが、基礎的な構図としては百合なのかもしれない。オモチャの代わりにリアルチンコが出てくるというだけで。

『とある週末』makki

 すごい良かった。巻末らしい落ち着いた雰囲気もありつつ、エロとしては大ボリュームで、そこから幸せな日常に始まっていく、というのが最高。ゼロスの締めとしてふさわしいと思います。
 makki先生めっちゃ良いやん!! となったのでkomifloで過去作探したら#77のカラーピンナップを発見……が完全に本作だったんですよね。予告ビジュアルみたいな感じだったのか。嬉しかったと同時に、油断ならねぇなとw
 酔った勢いで女上司と一晩……がオープニング。そこが本編でもいいんですが意外ですね。冷静になって土下座してからの続きが本編。この冷静になった状態でエロを選択するってのがアガりますね。どうせ1回やっちゃったわけだし、という踏ん切りなんだとは思いますが。とにかくこの「まだ終わらない!」という展開が本作の味噌で、本作はひたすらその繰り返しで構成されてると思います。ワンナイトかと思ったら続いて、朝から夜までぶっ続けでやったあと改めて告白したら今度はナマで、再び朝になってさらにもう1日!!となって終わる。ひたすら延長延長で盛り上げていく。ずっとやってるだけではあるんですが、その間2人の感情や関係性には変化が生じていてしっかりドラマも盛り上がってるんですよね。ナマでやる直接描かれる中では最後のパートではついに2人が下の名前で呼び合うようになり……とかエモが過ぎるよw 愚直なまでの主人公の姿勢が実を結び、晴れて中出しして終わり、ではないんですよね。中出ししたあとの主人公の誠実な姿勢もめっちゃ大事だったわけで。オチとしてピル飲んでて子供は出来ないと分かるんですが、要するに彼女はナマで子供が出来るかもと主人公を騙し、試してたんですよね。 “愛してるなら口だけじゃないって証明して…っ” というセリフが印象的で、そこを境に下の名前で呼ぶように変化するんですが、口だけではない証明というのは中出し及びその後の言動ということだったのでしょう。したたかさというか年上感、良いですよね。好き。愛し愛されな関係にはなったけど精神的な上下感は良い意味で残ってる。
 タイトルが「週末」なんですが、要するに金曜の夜に酔った勢いで。土曜が1日かけてやりまくり。土曜から日曜にかけての間に恋人になり、改めて日曜を満喫しますかとなって終わる。やりすぎで死にませんか?(賢者モード

「読者ページ」

 投稿イラストにも修正入ってる。気づかなかったけど、今までもあったのかしら。白抜きと黒棒の2種類あるんですが、前者は投稿者の自主規制ってことかしら。


 総括としてアンケートのリンクを貼って、と思ったら期限切れで爆笑しました。これが1ヶ月遅れ……!!
 面白かった作品3選としては『発情ホームタウン』『離婚調停劇』『とある週末』になりますかね。一応私はアンケート送ってあるんですよ。読んだのはとうの昔なので。ただ、リンクが消失してるw

 腰の重さがとんでもないことになってたんですが(途中まで書いて放置したまま再開できずにいた)、いざ書き始めれば楽しいのでね、そのことも思い出せたので今月はもうちょっと書ける記事を増やせたらいいなぁと思っております。次は快楽天かホットミルクになっちゃうけど。
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