北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2019年12月号の感想

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 更新遅いけど、最近の中では早い方です。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

『ハーモニアス』Hamao

 横縞ニーソで足コキする際、チンコにかかった黒棒修正と渾然一体となるので笑った。偶然で済ませてしまいそうだけど、Hamao先生だと意外と狙ってたりして……と勝手なイメージ。
 変態趣味を彼女に満たしてほしいというのは男の理想で、彼女を作ることよりも難易度の高いことだと思いますが、それを達成するまでの話とも見れますね。打ち明けるのではなく事故的にバレる、という導入が強烈。好きなAVの趣味バレて、再生されるとか地獄すぎるのでやめてw
 そっから彼女がちょっと意地悪なモードに入るのが最高。怒っての意地悪だったんですが、それが徐々に彼氏のSM趣味とのすり合わせになっていく……というグラデーションが秀逸。「リアルでは求めてない」と言い訳する彼氏に「認めたらやってあげるのに」と迫るのとかマジ最高でしたね。意地悪なんだけど、彼氏からしたら夢のシチュエーションでもあってこの相反する2つが同居してるのが面白い。
 んで、足コキ。強くやりすぎると痛いので彼女が “こんな…感じ?” と良い案配を探ってく感じがリアルでエロいし、彼女がそこでちょっとした楽しさを見出してるっぽいんですよね。彼女は彼女でSの趣味に目覚めてきてるというか。タイトルが『ハーモニアス』は変態趣味の理解や同調ではなく、調和(彼女が違うパートを担当してくれる)ということで見事だったと思います。
 エピローグは彼女のオナネタについて。彼氏と一致して……とかイチャイチャが過ぎて最高なんですが、それに対して “上位互換!?” と彼氏がリアクションするので笑いました。たしかにそういう見方もできるかw

『クマとプリン』もじゃりん

 親友の妹とひょんなことから付き合うことに。本当にひょんなことなので笑いました。あと、ハッキリとは分からないけどまさか中学?? と思ったらそこだけは否定されるのも面白かったです。ハッキリとは言わない。入学式前日の場面のあと、どれだけ時間が経過してるのも分からない。けど15以上は確実です、と断言してくる。情報の小出しにそんな方法があったとはw
 ロリなのもそうだけど、親友の妹で子供の頃から一緒なので手は出せない。けど可愛いし好きなので一度触ったら我慢できない、という理性のブレーキ性能が良かったです。ここで「一度触ったら止められない」と事前に言い訳してたのがうまいですよね。ぶっちゃけキスだけならしてもいいとも思うし、我慢の限界でキスしてしまう場面でも「今のは我慢とか無理だわw」と納得がすごいんですが、事前に「一度触ったら」と言い訳しているので、そのままの勢いでセックスになだれ込んでも違和感がないんですよね。本当なら「キスで止めとけよ」って話なんですが、本作の熊は手ぇ出しちゃったんだけど、誠実な印象が崩れないまま終わるのですごい。
 タイトルにもある「プリン」。金髪の生え際が黒くなってることなんですが、要するに時間経過の象徴ってことですよね。別に2人が付き合うことになった日に染めましたとはハッキリとは分からないんですが、ともかく「こんなになるまでプラトニックな関係でした」という2人の過ごした時間を感じさせてくれる。2人の時間は2人の愛情の深さとも言い換えることが可能ですね。すごいオシャレな演出だったと思います。

『終わりの電気羊』藤丸

 年末に単行本が出るということで水没世界のシリーズも完結に向かうんだと思います……と思ったらタイトルが電気羊!! 『ブレードランナー』やんけ!! 前作『金糸雀の坂道』からSF色がグッと増したと思うんですが、ついにSF名作からタイトル引っ張ってきましたね。最高。もうこのタイトルだけでアガってしまったw
 冒頭にいわゆる「壁尻」的なシチュエーションが描かれるんですが、手の甲のソーラーパネルをガレキの向こうに差し出してた、とロジカルに組み立ててるのも面白かったです。壁尻って荒唐無稽にならざるを得ないと思うんですが、納得できる理屈ですごい。
 既存の水没世界を描いた作品群を1つに集約させる展開がやっぱり本作の見所でしょう。時代も場所もバラバラでまとめることなく終わるのかと思ったら、あれらは小説の一部だったという衝撃。やば。直接それらの世界が繋がっていたとも違った方法でマジ見事ですね。多少の矛盾などは生じても問題ない作り。水没する世界という背景が一致する理由として腑に落ちました。すごいことしやがるなぁ。
 そんな話がセックスを交えて語られるのも最高なんですが、しっかりギャグもあるからいろんな感情が喚起されてすごい。チンコしゃぶって童貞見抜かれるくだりとかマジ笑いました。処女膜の童貞版、実在したのか……

『応援交際』石川シスケ(原案ネーム:ひげなむち

 ネーム交換コラボ企画。第1弾。
 もう冒頭1ページ目から素晴らしいです。ヒロインのアップのみで構成されたシンプルな4コマで、何も明確な事実は明かされないんですが、最後に強烈に嫌な予感がして終わる。そしてページをめくると……。そこで出てくるタイトルが『応援交際』ってのがまた最高。不穏さがハンパないw
 主人公が近所のセフレおじさんで闇深すぎるんですが、ヒロインが大人になり、恋人を作るようになり別れを予感すると何か良い話っぽい雰囲気も漂ってるので不思議。浮気はダメと教えるくだりや避妊について教えるくだりでちょっと「おじさん誠実で良い人や……」とか錯覚してしまうw 第一印象の反転というか、優れた作劇にかかれば人の印象など容易に操作できるという事実に震えた。
 からの衝撃のオチ。たっだ1コマでそこまでひっくり返せるか、という衝撃。エロ漫画特有の自由さすごいw あそこだけ漫画のジャンルが違う感じマジ最高ですね。

『家庭×教師』mogg

 「Lesson1 先生」。シリーズらしいです。先生、生徒、お兄ちゃんで3話構成かしら。
 タイトルの通り、家庭教師。女子生徒と女性教師。めっちゃ可愛い生徒とそれに見惚れる先生。生徒がちょっかい出して、先生の理性が揺らぎ……みたいな序盤のパートが百合として素晴らしいです。女子同士のコミュニケーションとしてファッションショーごっこみたいなの始めるの良いよなぁ。ああいうのは男にはないし、男女の関係でもないと思う(あってもプレイになってしまうというか)。
 からのお兄ちゃん。百合の間に混ざる男……かと思ったら違った。シリーズだから今後は分かりませんが、少なくとも本作は徹底して先生の視点かつ内省的な視点。エロパートもあり、挿入の絵もばっちりあるんですが、先生の内省描写。要するにただの妄想オナニー。この場面がマジすごい。序盤は「このまま百合で終わればいいのに」とか思ってしまったんですが、後半ひっくり返りました。現実と妄想が混ざり合って区別がつきづらくなる描写が圧倒的でした。それが漫画ならではの方法で描かれるので圧巻です。夢とか妄想の表現としてこれかなりすごいレベルに達してる気がする。現実と妄想を行ったりきたりするんですが、先生が暴走するキッカケは「見られる」なので、妄想の中の住人に見られてもそれは現実のオナニー行為と矛盾しないんですよね。なので本当に読んでて「これは現実?」とか一瞬戸惑ってしまうレベル。その境が曖昧になる感じが妄想の中へ没頭していく感覚としてすごいリアルだったと思います。
 マジこれめちゃくちゃ面白いことになってるんじゃないかしら。惜しいのはシリーズだからといって、次回にこれと同じようなことは出来ない点ですね。まぁ、mogg先生の手腕がえぐいことになってると思うので普通に超期待です。思えば前作も『猿の惑星』やっててビックリしたんだよなぁ。油断ならねぇw

『さ迷う人へのファンファーレ』ICHIGAIN

 初単行本発売記念で『talking』の続編。ちなみに単行本収録作では『ロクでなし』が圧倒的に好きです。
 女優ということで冒頭の場面、劇中劇のタイトルが連発するんですがそのタイトルがいちいち面白いので最高でした。「学校の開眼」とかマジ観てみてたいw
 セフレ関係に危機感を感じるユシユキサンに対して、そんな理性を徹底的に破壊してくるサツキ、という誘惑のパートが最高でした。過去のデータも解析して、今晩に向けた準備も万端。ここまでされたらもう無理だろ、と納得してしまうほど詰められるんですが、要するにこれ「役作り」なんですよね。なぜ彼女がこんなにも誘惑がうまいのかというと、一流の女優だからであって、という理屈が秀逸でした。助走に過ぎないと思ってた序盤のパエリャーの場面で実はピルを飲んでて……とか見事ですよね。あそこから彼女の手の上で転がってたわけで。そりゃあれだけ興奮すんのも納得ですわ。チンコの中を精子が走る描写が相当良かったです。あんな方法もあるのかw

『陶酔して…』白菊

 デビュー作らしいんですが、めちゃくちゃ良かったです。まぁ、よそで何かしらの活動をしてたんだとは思いますが(じゃなきゃおかしいくらい面白い)、それにしても新しい場へのデビュー作がこれってすごい。
 要するに、とにかく事実だけが淡々と描写される。説明的なセリフもナレーションもモノローグも一切ない。最初、序盤だけだと思ったんですよ。途中から主人公の語りとか入るとか思ったんですが、そのまま完走。いや、すごい。やりきる勇気もそうだし、やりきれる技量。極端な大コマもないし、コマ枠も基本は直角オンリー。最後のエピローグに飛ぶ場面でフェードアウト的な意味で斜めになりますが、その1ヶ所のみですね。他は直角。それによってとにかく淡々とした印象が喚起されたと思います。どちらか一方の人物の視点に立って語られる話じゃないので、感情移入というよりはその人物の感情を想像する、みたいな距離感ですかね。酒の勢いで上司と部下が結ばれる、という普通に考えたらすごい劇的な物語ではあるんですが、それをクールな第三者視点で最初から最後まで。そのおかげでフィクション臭さがないんですよね。リアリティーというか生々しさがすごい。

『狐日和』さくま司

 狐の神様と。おねショタかと思ったら違った。神様の方は年を取らないんですが、2人とも印象が冒頭の場面と大きく違うので驚きました。可愛いショタがピアス多めにあけてて驚いたんですが、それでも神社に足繁く通ってる、というギャップですよね。再会を果たしたら少年のようにうろたえるくだりもギャップで良かったと思います。逆に、神様の方は言動、接し方が大きく変わる。おそらく彼女自身は何も変わってないんですが、どの面を見るかという話なんだと思います。迷子のショタを相手にするときは多くは語らず神秘的な雰囲気になっただけで、再会を果たしたときは、主人公が通い詰めてたことを知ってる風なんですよね。つまり、彼女は常に神社にいて、主人公が来るのを見ていた。そんな日々が続いたので、一方的に親しみを感じていたのでしょう。このギャップであり、キャラクターの奥行きが素晴らしかったです。多面性が描かれるの好きです。
 エロ本を介しての2人のやりとりが少年少女のようで微笑ましかったし、そこから積年の恋心を爆発させるようになるまでの流れが最高でした。最初は神様が好奇心でエロを始めるんだけど、それに付き合ってるうちに主人公の方もエロと気持ちを我慢できなくなって、というグラデーションがリアル。コンドームの話をしてから最終的には生になるんですが、「交尾」と称するのも良いし、そこでの体位がバックってのも動物的で良かったです。ケモであり、人間ではない相手をする設定をそう料理したか、と感心してしまいます。

『LET's SUPPORT!』ぼーかん

 エラにエロマンガの手伝いをしてもらう。エロマンガのためだからと写真を撮るくだりが最高でした。彼女に促されるままに、という意外性もそうだし、画面越しのエロさが説得力ある。どこをどう撮るか、みたいな客観的な思考が混じるのも心理的な効果としてはあるんですかね。右手でズームしてるように見えたんですが、画角にどう収まるか、どれだけエロい写真を撮れるかを追い求めてる風なのがエロに前のめりになるようで良かったと思います。
 彼女が性に積極的なのはカルチャーギャップとして語られるんですが、徐々に育ちとか関係なく母性がやばい人なんじゃね? となってくるのが印象的でした。もちろん彼女の意志、ワガママもあるんですが、主人公のことを包み込んで甘やかしてるような雰囲気もありますよね。「育ちが違うから」を心の言い訳として思考停止というか、エロに没頭していく心理の流れがリアル。

『青春リビドー山』位置原光Z

 第15回「シックスナインわよ」。シックスナインに積極的な姉と、否定的な弟。最初はボケとしての姉との漫才的な掛け合いかと思ったんですが、過去にはやってんだ……と驚きますね。直接のエロは描かれないけど、あっこの2人はもうそういう……みたいな背景を想像してしまう良さ。今日は断れるかもしれないけど、今度はまたやるんだろうな、という雰囲気がまた良い。

『塩田先輩は塩対応』馬鈴薯

 いきなり深キョンラムちゃん出てくるので笑った。それも割と唐突w
 感情表現が苦手な塩田先輩。そんな彼女と付き合ううちに決して塩ではないと気づき始めるんですが、全編にわたってオーラルセックスというか、リップ、舐めるのが面白い。要するに塩だからってことだと思います。ちゃんと舐めれば塩以外の味もするよ、みたいな。設定とエロを一致させたのが素晴らしかったです。彼らが「舐め」にハマるきっかけとなる犬の大和もめちゃくちゃ可愛かったです。正直もっと見たいw
 ラスト。塩田先輩が神対応になることが明らかになる。これめちゃくちゃうまくて最高でした。落語的なオチでやられたw komifloのコメ欄に最後にナレーションで明かすのは野暮だ、という人がいてちょっとその意見も分かってしまう。たしかにこれ自分で気づいた、予期してたら「わざわざ言わなくても……」となると思います。ただ、私は恥ずかしながら気づけなかったのでありがたいですw この選択の難しさはこれに限らず常にありそうですね。説明しすぎると野暮だけど、気づかないくらいなら……説明した方がいいに決まってる。作品内では説明ないけど、作者がツイッターとか単行本のコメントで明かすとかも面白いかもしれません。って考えても仕方ないんですがw

『first step』雛原えみ

 セックスをさせてくれない彼女からエロ自撮りが送られてきて……というオープニングが最高。すぐに誤解はとけるんですが「ダークな話かよ!」と一瞬ビビりましたw
 本作は完全に男主人公の視点で、そのモノローグやセリフがちょくちょくおかしくて笑えるんですが、複雑な心理を抱えているのはヒロインの方ですよね。彼女はなぜあんなことをしたのか、というのを常に考えながら読んでしまう構成が素晴らしく、その煽りがうまいので真相がすべて明らかになり隠し事のないイチャイチャが始まった際の「やったぜ」という高揚感がやばかったですw 荒唐無稽な設定なのかと思ったけど、女子コミュニティの問題(というほどじゃないけど)に悩んで結果としておかしな行動をしてしまった彼女のことがとにかく愛おしくなります。
 初体験の挿入にローションを使うのもリアルというか、問題に真摯に向き合ってる感として最高でした。愛で痛みを乗り越えるだけじゃないロジカルさが好きです。それでいてローション使ってるんだからより気持ちいいだろ、というエロ的な都合の良さもありがたいですよね。あと、ローションオナニーで宇宙を感じてる主人公で笑いました。ちょっと可愛さすら感じてしまうというか。愛のために使えてローションも本望w

『三姉妹の事情』藍夜

 新刊発売記念で新刊のタイトルにもなってるシリーズの続編であり集大成ですね。三姉妹とその彼氏が1つずつボタンのかけ違いのようにカップリングがずれていって……がそれぞれ1話ずつ描かれたんですが、今回は3組が並列に。この同時に複数の場所で行われてるのが最高ですね。あの家が不気味で、魔窟っぽい雰囲気で好きです。本話は特にあっち行ってもこっち行っても、というのがセックスに至るまでの説明的な展開がかなり省略されて描かれるので、6人の新たな日常という感じで怪しげでもあり、甘美。話が進むに従ってどんどんまともなセリフがなくなっていき、場面が代わる代わる。そして最後は言葉にならない満足感を得た三姉妹がそれぞれ描かれて、という暗い色調にしたラストページが圧巻。かっこよすぎるでしょ。思えば長女編のときもラストめちゃくちゃかっこよかったんですよね。これはシリーズ名物でもあり、その魅力がさらにレベルアップした感あってとにかく圧巻。

『おしえて!しゅりぺでぃあ』外山じごく

 ヤリチンが開発しようと狙った子が実は……という4ページ目が最高なんですが、本作で一番驚いたのはそこからもう1回逆転するんですよね。ちゃんとヤリチンのターンが終盤に来るのが意外。ヤリチンがヤリチンとしてのスキルをしっかり発揮し、主導権を握り返す。なんですが、開発してやろうとか言ってた割にはオモチャ込みで何とか逆転してその後も彼女の魅力に没頭していくんですよね。ヤリチンがクズ性を発揮してというよりは、ヤリチン時代に培ったスキルを生かして心機一転みたいなニュアンスだったと思います。裏の裏は表みたいな話なんですが、最初の「処女の可能性大」がそのものズバリで正解なのも笑いました。言ってしまえばそのまんまな話だったわけですが、2度ひっくり返るので楽しめてしまう。
 逆転って言いましたけど、あくまでも処女故の弱みみたいなもんなので、性的好奇心は相変わらずなオチがあった通り、伸びしろとしては彼女の方が恐ろしいと思います。結果として変態同士でフェアな関係になったとも言えるんですが、ヤリチンが攻めれば攻めるほど同じだけ返ってくると予告されるのが最高ですね。「スヤ…」じゃねぇよw

『Sister Cupid』Noise

 『おしえて!しゅりぺでぃあ』のラストカットがおそらく「HOTEL WANI」だと思うんですが、本作のファーストカットが「HOTEL wani」なので笑いました。終わりと始まりが繋がったw
 ピュアな交際を続けてると姉がセックスするようけしかけてくる。家を継ぐのがイヤだからという理由なんですが、最終的に “……アタシも早くカレシ見つけよ” となるのが最高でした。結局姉の方が先に結婚してもおかしくないw
 そんな急に冷静になるようなラストが印象的だったんですが、この姉との距離感が本作の魅力だったと思います。エロについて介入してくるわけですが、直接姉とセックスするまでは至らない。ただ、手でチンコ触ってくる。彼女のおっぱいを使ってパイズリの補助をしてくる。挙げ句フェラもしてくる。「それアリなんかい!」という衝撃ですよね。それに対して弟が抵抗を示したりしないのも本作独特の空気を作っていたと思います。エロに夢中でそれどころじゃなかったのかな。もちろん全然違うんですが、今号の『青春リビドー山』とも通じるものがあるかな。姉のフェラは何も言わず楽しんじゃうんだ……みたいな。
 パイズリとも関わってくるんですが、姉は小さい。自分で出来ないパイズリを疑似体験する、という意味では姉視点のドラマもちょっと味わい深かったと思います。ただ、先に脱ぐのが姉なせいもあり、そしてその際の下着がなかなか可愛かったこともあり、ちょっと「小さいのも良いな……」みたいなチャンネルが開く感覚ありました。あの姉の脱ぎの場面すごい良かったですよね。黒ギャルでメガネってのも大好きなんですが、ひょっとしたら本作で一番好きな属性は胸の大きさの方だったかもしれない。

『地球が半周まわったら』翁賀馬乃助

 翁賀先生マジ大好きなんですが、本作まずタイトルが良い。『7月の黄金比』もオシャレだったと思うんですが、オシャレタイトル路線としては本作が最強かもしれない。夏フェスで行きずりの関係(ただしフェラまで)になった人と冬に再会を果たす話で「地球が半周」ってのは半年を意味してるんですが、このタイトルだと次の半年後また会えるのかな……という余韻が生まれますよね。さらにいうと、夏と冬の間である秋の今このタイミングで快楽天に掲載されてるってのがまた素晴らしいんですよ。夏でも冬でもない季節外れの作品に思えるけど、それは間違いで今この夏でも冬でもない秋に読むのが最高。
 初挿入時のセリフが “でも…会えたじゃん” なんですが、本作は一言で言うなら「会えた」ドラマですよね。それをタイトルは示してる。
 タイトル最高の話とも通じるんですが、基本的に夏フェスのときのエピソードは扉とその左ページのみで描かれる。扉が激烈にエロいのでもっと見たくなるんですが、基本的にあの思い出を共有した彼女と再会した今が超エロいという話なのでこの分量で良かったんだと思います。短いけど記憶に強烈に残ってる感。
 夏はめっちゃエロかったけど……と意識しまくりな状況でエロいのかエロくないのか分からないまま一緒にラーメンをすする緊張感も素晴らしかったし、そこから “この後セックスするじゃん?” と言い出されるのも最高。彼女のが一枚上手な感じが良いですよね。おそらく夏フェスのときもだと思いますが、基本的に彼女にリードされるがままなんだと思います。主人公はやるかやらないかの駆け引きにドキドキしてたけど、彼女は遙か先を行っていたわけで。
 あと印象的だったのは2回戦目に突入する際の “ウチと続き…したかった?” 。当然これは夏フェス時のフェラの「続き」という意味で彼女は発してるんですが、「今の続きをこれから」という意味も生じてしまいますよね。主人公だけがそれを感じてるのかと思ったら、彼女にそれを見抜かれて、合意からのナマ。それを考えるとあのセリフは「今の続きする?」みたいなニュアンスも込みだったのかなぁ、とか考えてしまいます。彼女の真意は分からない、は言い過ぎかもしれませんが、彼女の方が基本優位に立ってるのが本作の魅力なのでそういう意味でも象徴的な場面だったと思います。
 からのエピローグ。具体的な方法や可能性(連絡先は聞けず終まい)はないけど、 “また会えるよな!” となるのも最高だし、彼女もそう思ってる。そして、この冬を越すためのアイテムを彼女から授かって……というのがなぁ!! 要するにこの冬の間ずっと彼女のことを考えることになるわけじゃないですか。それは生殺しすぎるw

『パッシング・ダーク』

 誰も来ない廃トンネルで露出を楽しんでたら、誰か来る。通常の露出だったら人と遭遇したその瞬間裸を見られることになるんですが、本作の場合はタイトルの通り暗いので、時間差が生じるんですよね。この冒頭の場面が秀逸というか、「そんな展開がまだ残されてたのか」と衝撃でした。間近に来ても彼は彼女の存在に気づかない。ぶつかるくらいの距離でようやく存在に気づき、そして彼女の姿に気づく。ドキドキの最高潮としては「気づかれた!!」というその一瞬がピークじゃないですか。その一瞬が暗闇というシチュエーションのせいでぐいーっと数十秒、下手したら分レベルにまで引き延ばされてる。彼女の体感として「長く感じた」ってのは分かるんですが、それが現実として長くなってる。
 とにかく廃トンネルというシチュエーションが最高で、その魅力を作品に十二分に落とし込めてるのが素晴らしかったです。トンネル内に音が響くのもそうなんですが、本作のハイライトは何と言っても最後の挿入したままトンネルの外へ歩み出す場面でしょう。「露出」と一言で言ってしまえば同じなんですが、トンネルの中と外ではその露出の度合い、レベルが大きく異なりますよね。それを文字通り一歩ずつ高度な露出にしていくのが絵として、エロのプレイとして描かれてるのが秀逸でした。そして最後の最後にトンネルの外に出ると新しい世界が目の前に広がってる、ということですよね。これがなぁ、うまいよなぁ。そしてこれから新たな日常が始まる……という余韻を持って終わるのも素晴らしかったと思います。もう彼女はトンネルに閉じこもらなくていいわけですから。

『激白ワンダフル』小中えみ

 komifloコメ欄で夏生くんが人気なので笑いました。分かる、分かるぞw 犬系の可愛い男子という意味では『塩田先輩は塩対応』と同じなんですが(まさかのネタ被りなので笑いました)、本作の方が心理的な葛藤が丁寧に語られてるので、キャラ萌えという意味では本作の強いと思います。
 付き合ってる彼女にM願望があると告白する話。2回目の告白ってのが良いですね。ここのドキドキ感が素晴らしかったです。付き合うまでも大変だけど、付き合ったあとに性癖を打ち明けるのはせっかく得た交際という事実を捨てることにも繋がりかねないのでよりドキドキする。
 んで、その告白が成功……大成功すぎてビビるw 要するに主人公の悩みにフォーカスしてたけど、同じ悩みを同じくらい彼女も抱えていた、というわけですよね。そういう意味でめちゃくちゃ良い話だし、ものすごいハッピーエンドだったと思います。主人公の想定を上回るほど彼女がSで引いちゃう、みたいな話ではないんですよね。彼女がノリノリで驚きはするけど、そのことを満喫するし、彼女もめちゃくちゃ幸せそうで、という変態なりのイチャイチャ。
 犬モチーフということで首輪もするし、「待て」もある。ナマだから「待て」というの面白かったです。そして我慢できたからご褒美としてゴムをつけて好きなだけ腰振っていいよ、となる展開がフレッシュ。エロマンガだとゴムありからのレベルアップとしてナマって展開が多いと思うんですが、本作は逆。逆なんですが理屈として正しいし、好きなだけ快楽にふけれる、という意味で説得力、迫力ありました。そのゴムありでの挿入がバックなのも良いですよね。いわゆるワンワンスタイルw

『鮫田兄弟』昼寝

 昼寝先生、前作も強烈な存在感だったんですが、あれはどんなにハードになっても「相思相愛だから」という話だったじゃないですか。それが一転、本作は問答無用の不条理レイプ。振り幅w そして、それを最後の掲載に持ってくる意地悪さよ。さっきまで「犬系男子可愛い」とか言ってたんですけどね。まぁ本作も犬かw
 状況も分からないまま犯されるので不条理感すごいんですが、それが徐々に明らかになっていくので話の展開としては前作よりも面白かったと言えると思います。そこは疑いの余地がないんじゃないかしら。尻文字で人としての尊厳を否定するのもそうだし、何と言っても四男の登場ですよね。あの尻文字のくだりは思いつきでやってる風でしたが、四男のためという意味で布石だったのですね。あの部屋の扉が閉まり、ロッカーの扉が開く場面の絶望感はんぱなかったです。
 そんな四男の存在もそうなんですが、年上が絶対的に偉い、と兄弟の中で序列がしっかりある感じも不気味で良かったです。外道なんですが、兄弟の中では関係性がしっかりしてる。そして、その上に父親がいるのがセリフでのみ言及されるのも地獄の底知れなさとして効果的だったと思います。

「第11回エロマンガグランプリ(仮)結果発表」

 ここで紹介されてる『ラブテンフューチャー』、こないだWEEKLY快楽天に載ってたやつだ!!(進研ゼミ) 普通にすげぇ面白かったんですが、賞としてはダメなのかぁとか思ってしまいました。WEEKLYはそういうのの発表の場にもなってるのですね。

forms.gle

 終わり。アンケートをまとめとしますが、面白かった作品3つ。『家庭×教師』『陶酔して…』『地球が半周まわったら』かな。優勝は『陶酔して…』。あれはすごい作品でした。
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