北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC HOTMILK(コミックホットミルク)2022年1月号の感想

 今年最後の更新になります。今年もいろいろありました(虚無な文章)。
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『8ギガバイトの愛情』淡水犬

 8ページのフルカラー。こういうショート漫画って勢い任せでセックスするのみ、みたいになりがちなのに本作はやたら情報量が多いw 助手くんが博士の実験に一方的に手伝わされるので何をされてるか分からないような視点で物語で進むので、ひたすら「どういうこと!?」というテンションで続くんだけど、クライマックスで “セックスをォォ” マルチタスク進行するなぁーー!!” と強烈なツッコミが入るので気持ちいい。読者の気持ちの代弁として強すぎる。
 あと、首の裏のプラグというのが時期的に『マトリックス』連想不可避でした。「自分は実は○周目の存在」と明らかになるのもそれっぽい。あと、単純に1ページ目で見えた謎の機械は首の裏に接続されていた、となる絵的な伏線も見事でしたね。

「HOT MILKY NOVEL」森乃ばんび ICHICO

 12月ということでクリスマス。つまりサンタ。おねショタで、おねが姉妹。おねおねショタ。妹なのにおね、という矛盾が成立する。同じおねでもそれぞれお姉さん像が違うのが最高でしたね
 。ヒロイン2人がサンタで、ショタがトナカイ。当然ショタも可愛いのでありがたい。やはり森乃ばんび先生回は良い……。ヒロインの方がショタの魅力にやられちゃってる感とかおねショタの理想型の一つだと思います。
 公式サイトで聴けるボイスドラマ。声優2人体制でこれまた贅沢。「えっ何このコーナー終わるの?」とか少し心配になってしまった。年末スペシャルということでいいのだろうか。2人のおねキャラの違いが如実に現れてて最高なんですが、変な意味での今回最大の聴き所はラスト。エピローグの部分ですね。NGテイクが入ってるので笑いました。すごい自然な感じで間違え、正解を導き出して言い直してるので妙に生々しいというか、プロの現場のリアルを垣間見たような不思議な感覚。今回は声優が2人なので2人の冷静な対処するプロ感がまた良い。個人的にすごく好きなのでこのまま保存しておいてほしいw エロパートじゃないので興が醒めたみたいなことにはなりませんし。そもそも無料コンテンツなので文句とかつかないので大丈夫。満足感がすごい。

『秘密の保健室』2no.

 保健室の先生と生徒。保健室の先生って定番ですけど、本作だとヒロインが生徒の方で意外。言われてみれば白衣って性差のないコスチュームなので別に逆があっても不思議じゃないですよね。目から鱗でした。そんな先生が色気まき散らすようなセクシー系ではなく、むしろ少し抜けてる可愛い系なのも新鮮。ただ、ヒロインは単なる愛玩的な視点で恋に落ちたのではない、とはっきり分かるような描写が丁寧に散りばめられてる。パイズリで一発出したあと、ヒロインが精子を指ですくって舐める場面とかめちゃくちゃエロいんですけど、それを見た先生が “縛らないと髪に付きますよ” とヒロインの髪を縛るのでやられた。そりゃホレられますわ、と激しい納得。単純にヒロインビジュアルが変わる良さもあるんですが、それがキャラクターの魅力、そしてドラマの変化として自然に織り込まれてる。
 保健の先生ということでゴムを標準装備してるのも良かったんですが、そのゴムに対するヒロインからのリアクションがあり、セックスのあとにもう一発、と延長戦に入る展開も最高。ああいうボーナスステージ突入みたいなパート良いですよね。好き。

『僕たち3人の日常』みずゆき

 後編。前編では主人公が徐々に非日常へと迷い込んでいく怪しげな雰囲気が魅力だったんですが、後編がその非日常が日常となった世界。前編に続いてどこか薄暗い雰囲気はあるものの、それを吹き飛ばすほどに享楽的。完全にセックス目的の3人の関係というのが本当にエロい。
 セックスは何回か描かれるんですが、その合間に本来だったら日常であるはずの学園生活が描かれて、それが良いアクセントになってたと思います。心ここにあらずというか、常に学校生活を終えてからセックスすることで頭がいっぱいになっちゃってる感。挙げ句、学校生活の合間にもやり始めてしまう始末。生活のすべてがエロによって上書きされていく感じ、堕落的な雰囲気もあるんですが、その苦みも込みでとにかくエロい。男主人公が主張の少ないキャラクターなんですが、それが逆にエロの純度をひたすら高めたような印象に繋がってたと思います。

『かなあみごしのなつやすみ』神楽もろみ

 金網! 圧倒的なまでの金網。物語、エロ描写的にも超フレッシュなんですが、単に絵としての迫力もやばい。金網の画圧。常にヒロインは金網越し、というコンセプト自体がすごいし、それを完遂してしまった事実も信じがたい。もはやコンセプチュアルアートみたいな感覚すら湧くレベル。
 金網の迫力で忘れそうになるけど、おねショタで、それもミステリアスなお姉さんに狂わされてしまうショタの話。正直めちゃくちゃ好みですわ。そして、そのミステリアスの表現として金網が十二分に機能してる。すぐそこにいるけど、触ることも話すこともできるけど、決して抱きしめることはできない、手の届かない存在。それが金網越しのヒロイン。よく屋上でバックでやってたらヒロインの胸が金網に押しつけられて……みたいな表現はありますけど、本作は金網の向こう側だから全然違うw それがおねショタ特有のエモさに繋がってて素晴らしかったです。ちょっとした発明なのではないか。発明だとしても大変すぎて後続が現れないかもしれないんですがw

『汗だく密室ギャルペアー☆』ナスムスビム

 ギャルとおチビ。絵面はおねショタ的でもありますね。ヒロインの方がおチビの可愛さに当てられてしまう展開とか、大好物なものがありました。ガサツに思えたヒロインだったのに、徐々にエモい雰囲気に変わっていく過程がめちゃくちゃ魅力的。エロへの助走パートってやっぱ良いですよね。物語形式でエロを楽しむ上での醍醐味だと思う。
 ヒロインのガン攻めでエロが始まるんだけど、次第に逆転するようになる展開も熱い。小さいのにヒロインを覆い支配するような体勢になるのが良いし、その快楽に溺れていくヒロインの描写も最高。
 密室に陥った理由はものすごくしょうもないオチがつくんですが、密室経験を経たエピローグでの2人がまた良い。そういえばまだ2人の下の名前を知らなかった、というある種の叙述トリックみたいなオチが秀逸。ここで初めて2人の制服姿が描かれることで、2人の新しい日常がここから始まる、みたいな感慨にも浸れる。

『クリスマスの夜に。』森万平

 クリスマスの夜に彼女に振られた主人公が、前日に彼氏に振られたヒロインと出会う。行きずりのワンナイトなんですが、キラキラ純愛もののように描かれててすごい。ギャル的で自分の強いヒロインのキャラクターは魅力的で、それ故に軽い関係ではあるし、ラストもそううまくは行かない現実的(これも夢のような話ではあるがw)な決着になるんだけど、2人の関係、2人が結ばれていく過程がとにかく美しい。この関係、この話をこの雰囲気で描いたのすごいな。衝撃であった。「勘違いしちゃうだろ!」的な話ではあるんだけど、そういうふざけたノリは一切ない。
 根が暗そうな男主人公と、とにかく明るくて強い自分を持ってるヒロインのギャップも魅力的。そして、だからこそのセックス時における2人の会話の少なさ、セリフ量の格差が良い。静かに黙々と盛り上がっていくんだけど、最後には名前の連呼。熱い。そこで用いられた名前がエピローグでも再び活きてくるのとかうまいよなぁ。2人とも本名だったということはもう付き合っちゃえよ!! とか私なんかは思ってしまうんですが、悩みから抜け出せた爽やかさのみが残る余韻も素晴らしい。行きずりの関係がどこかスマートというか。大人だ……。

『悩んでいても仕方ない』アスヒロ

 水泳部。短い回想をちょくちょく挟む前半が特徴的だと思うんですが、場所が現在の場所(屋上)と同じ。似たような過去の状況がフラッシュバックする、という感じでかなり面白い読み味。パッと見だと物語が一直線に進行してるようにも見えるんだけど、回想によって話に厚みが生じてる。それほど多くないページ数で、それもエロパートに大部分のページを割く、という前提があるのでその中でどう物語を濃くするか、の実験にも見えて非常に面白い。決しては読みづらかったり、難しくなってるわけではないのが良いですよね。
 そして、屋上。水泳部なのに屋上オンリーで完結する。ヒロインの水着が一切出てこないのがかなり意外。意外なんだけど、ガッカリにはならない。なぜなら日焼け跡という水着の痕跡があるから。逆転の発想のようで、ちょっと目から鱗でした。運動部なのに運動してない瞬間のドラマ、という意味でも独自のエモさが生まれてたと思うし、それでも(エロ漫画としての)水泳部らしさを感じさせるバランス。
 冒頭の場面では屋上からプールを見下ろしてたのに、ラストでは遠くの山と空を見通すようになってるのも、主人公の精神的な解放が感じられて良かったです。屋上ならではのドラマですね。

『本懐のあざ』梅久

 後編。前編では男側の呪いみたいなものが解放してしまい首締めに至る話をヒロイン視点で描いてたんですが、今回はそのことを激しく後悔してる男視点。エロ漫画なのでプレイ内容が変態的な方向へ加速するものだと予想してしまうんですが、視点人物の目指すものは真逆。ただ、ヒロインがそのプレイに魅了されてしまったので誘惑してくる。前編も後編も振り回される側、心理的に受けの立場の人物に寄り添った進行になってるのが面白いですね。やっぱこういう受け主人公、良いよねぇ。両者の視点を描くことで、今回の受けによって前編における攻めが救われる、みたいな話になってるのが熱い。
 さらには後編では他者としての立場になったヒロイン側のドラマも濃い。言うても『本懐のあざ』の主人公は彼女なのでしょう。中盤で母親からの呪いを強烈に描いたのもインパクト充分でしたし、その呪縛からの解放を髪型の変化で示したエピローグも素晴らしい。読み返して気づいたけど、前編は髪を結われるところから始まってたんですね。あの三つ編みが母親による支配の象徴であり、自分で結ったシンプルなおさげが解放の象徴、という対比。

『おやすみとおはようのスキマで。』山崎かずま

 一人部屋デビューする妹の話。一人部屋になったら好きなだけオナニーする、と決意する冒頭の場面で笑った。なんかテンプレとして、男の一人暮らしってイメージがあったけど、当然性別に違いはないし、一人部屋でも発生する心理ですね。ただ、もちろん一人暮らしではないので同居人がいて、それが兄。変わった設定のようにも感じましたが、蓋を開けてみれば極めて兄妹ものらしい、兄妹ものならではの内容になってたと思います。兄妹が接近し、一線を越えるキッカケとして、この「一人部屋でオナニー!」という冒頭の宣言が利いてる。
 今まで兄に隠れてオナニーしてきたけど、すべてバレてた、というのも妹の未熟さが感じられて微笑ましい。全体的に兄の方が一枚上手、というパワーバランスになっていて、それが兄に攻められるエロ的な魅力でなりつつ、妹の隙だらけな側面が可愛いというキャラクター的な魅力になってる。セックスじゃなくて互いにオナニーしてるだけ、という兄の言い分は無茶苦茶なんですけど、それが押し通されてしまう関係性ってことですよね。それに流されてしまい、言うとおりの結果に満足してしまう、という妹の可愛らしさ。チョロさとも言えるかも。

『神子の叫び』ケオヤ

 みこのさけび。海外から日本にやってきたシスターが神父に狙われる。聖職者の性犯罪はリアルに問題になってる奴だから困りますね。てか、現実だと被害者がシスター以上に最悪だったりするので闇が深い。って何の話だ。
 1ページ目のヒロインの明るい表情がとても魅力的で、このページだけ見るとジャンルを勘違いしてしまう。そんなシスターが最終ページでは……というコントラストが秀逸でした。モブ子供たちの良い感じにデフォルメされた描写もジャンル詐欺してましたね。
 1ページ目から巨大な胸が印象的だったんですが、ブラの描写もど迫力。と思ったらそのブラを最後まで外しきらずに完走するのでさらに驚き。ブラをずらすことで巨乳を強調する効果もあったと思います。
 貞操帯が出てくるのも面白い。その鍵について、ちょっとした仕掛けのような展開になってるのも見事でしたね。十字架をもてあそぶクソ神父、というのも強調される。
 そして、そんな貞操帯を外した際のヒロインの陰毛描写も凝りに凝っててすごい。すごい細かいバランスを攻めてくる。神父のチン毛とまったく違う描写になってるのでもはや感動とかそういう域。

『検査にご協力ください!』まんす

 男子禁制のランジェリーメーカーに商談しに行ったら勃起してしまい警備部に捕まる。我ながら何を言ってるのか混乱してくるw たまに、たまぁに学校の生徒会とか風紀委員でこれと似たような話してる作品ありますけど、本作は警備部ということでより専門化された役職になってるのが良い。女の園に男がお邪魔する商談という設定もうまい。特製ユニフォームが最初から印象的なんですが、まさかの変身展開まであるので笑いました。平時の状態で既に突飛なのに、さらに飛躍してくるとはw
 そんなぶっ飛んだ設定で押し切るような作品かと思ったら、2人のキャラクター描写、そして2人の交流についてが意外なほど丁寧。シチュエーションはあり得ないんだけど、その中で2人のやりとりは真面目で、最終的にはちょっと感動してしまいそうなくらいの交流に至る。もっとパワープレイみたいな作品になってもおかしくないというか、なって然るべきだと思うんですが、まさかのギャップが良かったなぁ。狂った世界なんだけど、住人は至ってまともで、2人ともめっちゃ良い人。

『おねショタナマ配信中!』めーすけ

 おねショタ、可愛い、ありがとう。1ページ目でショタの立ち絵が描かれてるあたり信頼できる……。可愛いを自覚してるショタ、良い。
 からの2ページ目、どう考えてもヤバい人(ヒロイン)が登場するので笑った。ただ、自分の魅力を人に見せつけて悦に浸る、という意味では2人とも似たもの同士なんですよね。ヒロインの方が大人で、その実現方法がえげつないってだけの違い。
 その方法が配信。ショタとしては巻き込まれ型の物語なんですが、同時に自分にとって最高の居場所を見つける話だったとも言えるんじゃないですかね。それはそうと、初めて配信中と気づいた際の油断した表情をカメラに撮られてるショタ、超かわええ……。
 第三の登場人物と言える視聴者たちがコメントで参加してくるんですが、みんな妙にキャラ立ってるので好き。オモシロ系のコメントもあるんですが、基本みんな好意的なスタンスなのが良いですよね。ショタとしては未知の世界なんだけど、その異常な世界なりにピースフルな雰囲気が形成されてる。無料配信から有料配信に移行することでエロの度合いがパワーアップする展開も面白かったなぁ。ヒロインがマスクを外すという違いが生じるのも良い。より深い、変態な世界に入ってしまった感覚ですよね。
 劇中のコメントでもあったけど、視聴者からしたら寝取られじゃないですか。実際、配信を扱ったエロ漫画だと視聴者の寝取られを描く作品も多いと思うんですが、本作は驚くほどに平和。そのノリが最後まで維持されるのが本作の魅力だったと思います。とんでもない世界に足を踏み入れる話なんだけど、ちょっとほのぼのとした印象も受けてしまう。まぁ、それもすべてはショタが可愛いおかげなのでしょうね。

『壁ドン』青点

 兄の友人と……と同時に隣の部屋で兄がやってる。兄貴があのキャラクターでロリコンってのが妙に面白い。シスコンをこじらせた結果なのでは? とか勝手なこと考えちゃう。
 開けっぴろげにイチャイチャしてる兄カップルと対照的に妹たちは緊張感のあるやりとりを経て接近していく。兄カップルの描写があるおかげでこっちが余計にピュアピュアしてるような印象になりますね。
 そんな中、2人の中が決定的になる瞬間である、 “芽依のお部屋に行こぅ” のコマが素晴らしい。超エロい。それまでは初々しい2人の様子を見守るような雰囲気だったのが、ここで急に主観視点。ヒロインを上から、逆向きに見下ろす変則的なアングルが急に飛び出るので本当に迫力ある。初読時マジでびっくりしました。
 タイトルにもあるように、壁越しに2つのカップルが同時進行。この同時進行ぶりが圧巻。壁の向こうの2人の様子を描くコマが重なるように差し込まれる。漫画ならではの演出ですよね。漫画以外のメディアでは成立しないような見せ方で、壁越しの2つが並列に描かれ、目に飛び込んでくる。部屋の暗さが違う(慣れてる2人は暗いってことなのかな)というパッと見でどちらの部屋か分かるような工夫も見事でしたね。髪も色も髪型も違って、服の残し方も違うんですが、まずは部屋の暗さ。分かりやすいし、2つのコントラストが強調されるしで最高でした。

『便所えんこう令嬢』愉快田うちお

 タイトルで韻を踏むなw
 謎の招待状に導かれた先は公衆トイレ。そこに謎の令嬢がいて、プレイのお品書きを渡してくる。法外な値段に驚くも、中にはあり得ないほど安いプレイもあって……。タマ舐めが200円は破格だけど、タマ舐めだけでイクのには鍛錬が必要ですねw 自らシゴくのはアリなのでいいのかもしれないけど、生殺し感がすごい。
 からの次々に格安のプレイが提示される。最初は「ラッキーじゃん」とか思いながらそれをこなしていくものの、徐々に彼女側の真意、要するに彼女がやりたいこと、やってほしいことをお品書きを通じてリクエストしてるに過ぎないということに気づく。最初はちょっとデスゲームものというか、不条理なルールを与えられてその中でどうエロに興じるかの話かと思ったんですが、それが徐々に彼女との心理戦が繰り広げられることになる。面白い設定だなぁ。令嬢ヒロインが自らの変態的な欲望を満たすために男を利用する話……ってだけなのにこんな独自の設定を持ってくるのがすごい。公衆トイレという密室が一種の異世界、日常から断絶した空間になってるのも面白い。ヒロインの目的が見えてくることで徐々に主人公が暴走気味に激しく攻めるようになる、という流れも良い。超特殊設定ならではのオモシロ。その盛り上がりがエロの盛り上がりと合致してる。
 ただ、盛り上がりすぎて暴発。70万円の顔に出しちゃった……と「やっちゃった」の極みなんですが、おそらくこの焦りはヒロイン側にもあるんですよね。予想外なのは彼女も同じ。ただ、彼女は大満足なのでアドリブで言い訳を思いつき何とかごまかした……という感じだったのではないか。70万円って別にお金が欲しくて設定した数値じゃないから、という彼女の心理が透けてくるようで面白い。互いにゲームを楽しんでたのに、「やべっ」と互いに引いちゃう瞬間の空気が超リアルなので好き。エロ特有の暴発感w

『Sweet smell』ギョウザテイショク

 ジムのパーソナルトレーナー。妙に密着が多くてドキドキしていたが、実は彼女は匂いフェチで彼女もドキドキしていた。男が勝手にエロ的なロマンを感じてしまう瞬間ってあるけど、それに対して女性側もエロを感じていた(経緯は別だが)というのは良い感じで夢のシチュエーションと言えそうですね。男のファンタジックな願望に対する「でも彼女が匂いフェチだったら……」と理屈で説得力を持たせてくれる。
 ヒロインの本格的なんだけど、露出が多い衣装というのも好き。リアルでもあり、男の願望も込みという良いバランス。しかも、本作最後までおっぱいを出さずに終わるんですよね。すごいこだわりを感じるポイントだ。エロ漫画でうっかりそんなことするはずがない、からこその明確な意図。「脱いじゃったらただのセックスだろ」という感じですかね。シチュエーション、設定を全力で味わうためのノー乳首。
 トレーナーなのでヒロイン主導でエロが進行するんですが、挿入後、主人公が逆転。嗅ぐ嗅がれるの立場が逆転することで好手逆転というのが面白い。単に「俺も嗅ぎたい」ではなく、嗅がれると思ってなかったヒロインが嗅がれることで……という彼女のリアクションも大きな魅力になってるのが良い。さらには変態趣味の共有という意味もあるので、彼女との繋がりがより深くなった、という感覚もあって非常に良い。単に行きずりの関係では終わるのはもったいない、みたいな余地。

『たえちゃんとじみこさん』玄鉄絢

 第26話。冒頭の場面から鏡(もしくはガラス)が印象的。二面性とか、外面とかそういう意味を感じ取ってしまう。そんな中、白眉だったのがキスシーン。本作は「始まるのか!?」という助走のくだりが毎回本当にエロいんですが、今回出てきたのがキス。鏡の前でキスするんだけど、鏡に映ったのは1人だけ目を開けている姿。 “これ” “お芝居だから” というセリフの直後にキスするんですが、それを言われて方が目を開けてる。この味わいの深さよ。良すぎるでしょ。片方だけ冷静という2人の気持ちの違い、温度のギャップが静かながら確かに感じられる。

『真珠姫 ~万由子のケース~』clone人間

 前編。ややこしいんですが、今回の前後編が「万由子のケース」って認識でいいんだよね。前編が「万由子のケース」ってことではないよね。後編も万由子との話になりそうだし。
 まったくの無関心の嫁というのを示すヘッドホンしてゲームに夢中、という冒頭の場面が「これならバレない」という意味を持つようになるのが面白い。ここで嫁と会話が成立してないからこそ、義母のいる風呂場に行ってしまう、という物語の始まりとしても秀逸。最短距離でヒロインの裸が出てくるんですが、決して助走が雑なわけではない。スピーディーだが丁寧。やっぱ読切漫画って面白いなぁ。
 ということで、義母と風呂場で。主人公はメガネなんですが、風呂場でのメガネ問題ってあるじゃないですか。頭を洗うときは当然メガネを外すんですが、その後もう一度かけ直すということは何かしっかりと見たいものがある……みたいなことを感じてしまう。セックスの際、部屋を暗くするか明るいままか問題とも近いんですが、メガネだとそれが個人の話になるので面白い。
 風呂ということで、事後、2人がシャワーを浴びながらキスをするのがいやらしくて好き。シャワーは事後処理のためなんだけど、2人とも後ろ髪引かれてるので……というねっとり感。

『鬼ゲーム』さいこ

 第2話、後編。それは第3話なのでは? とか考えちゃうけど、劇中のゲーム2日目が第2話ってことなんでしょうね。
 いきなりエロシーンから始まり、後半は次話に向けた物語進行って感じでしょうか。よくエロ漫画ってバトル漫画にたとえられることがあると思うんですが、本作はもう直接的なバトル要素がふんだんに出てくるので面白い。エロシーンもめちゃくちゃバトル漫画っぽい展開を見せるんですが、その後直接的なバトル漫画的な話になる。バトルスタイルに個性のあるキャラが集まってくるワクワク感ってもう完全にバトル漫画ですよね。デスゲーム設定なので、人間模様とか心理戦とかそういうのを予期してたらド直球にバトル漫画化していくので別の意味で楽しみになってきました。楽しみ方が分かってきた感。各キャラも立ってきたし、ゲームの真相みたいな部分にも近づいてきましたね(もしくは劇中のキャラが気にするようになってきた)。シリーズものならではの盛り上がりを感じます。

コアマガあほすたさんあほすたさん

 性器にウナクールはやばいw 男女の違いとか関係なく絶対にやばい。断面図がぶっ込まれるのにも笑ったわ。エロ漫画雑誌らしさ。
 からの親子の話、それも親としてかなり真面目な話に飛躍するので笑う。アンチ『巨人の星』みたいな話で正論この上ない。それが実体験かつ、実行中というのがエッセイ漫画の良さですよね。ただ、最後に超良いことを言いながら実写オチになるのにはやっぱ笑った。パワープレイすぎる……。

『母性天使マザカルカノン』1億年惑星

 第50話。デスゲーム。1ページ目が単独で成立してるというか、ちゃんとオチがついてて、2ページ目以降で「デスゲームやりたい」の夢をみんなで叶えていく話になる。みんなで作るのでデスゲームらしさがより強調されてるというか、定番の詰め合わせぶりがすごいw 3ページ目とか全コマがあるあるで形成されてるので異常。文字通りすべてのコマ。それでも漫画って成立するんだな、と変な感動をしてしまったレベル。
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 終わり。今号は金網のインパクトが圧倒的すぎて優勝だったと思います。
 もう次号の表紙が発表されてたりするけど、気にすんな。見たら負けだぞ。良いお年を~。
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