北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC快楽天 2020年2月号の感想

快楽天 2020年 2月号
快楽天 2020年 2月号

 あけ、おめこ、とよろ。

kitaku2kitaku.hatenablog.com

「表紙」幾花にいろ

 ここまで乳首も陰毛も出さないのはリニューアル後初めてじゃないかしら。「必ず出そう」とルールになってるのかとも思ったけど、解禁になっただけなのですね。ビーストの方は「必ず挿入してやる」という強い意志を感じるのですがw

『カリユグ』YUG

 表紙パロ企画が巻頭に引っ越してるので笑った。新年ネタだから今号限定と考えられるけど、ずっとこっちになるのかしら。後ろの方でひっそりとやってたのが完全にビフォーアフター的になるのでビビるw

『逆デリヘルはじました♡』松河

 女子校に通う双子の姉に惚れてる先輩たちの元へ主人公が逆デリヘル。先輩たちは女子寮に住んでるので秘密の花園感がさらに増し、双子とはいえ女装して進入するのでそっちのドキドキもスパイスになる。ついでに言うと男の娘要素まで入って全部盛りかよってレベルですね。まぁ、女装は割とすぐに脱ぐし、体つきががっしりとした男を感じさせる体型なのでそっち系は主目的ではないのかな。顔のアップのコマとかちょっとドキッとするものもありますけどね。
 んで、逆デリヘル。先輩たちは1-2-1の計4人で、当然最後には全員が集まる。松河先生、以前の『僕の備品生活』でも似たようなハーレム構造(恋愛ではない)の作品やっててそちらも最高だったんですが、本作も贅沢すぎてちょっとビビる。こんな充実していいの? 後でなんか要求されない? みたいな危機感すら覚えるw
 最初の1人、次の2人は本番はナシ。そういう決まりではあるもののどちらからもめっちゃ誘惑されて……というのが楽しい。最初は先輩の方がフェラに夢中になっちゃって時間切れ。2組目だと誘惑に屈したものの、2人のどちらから入れるかを決めかねてるうちに早漏。この徐々に本番に近づいてる感が期待を煽りますね。当然3組目では我慢できるはずもなく……良い。主人公を理性を壊す最後の一押しは “今だけ弟くんはあたしのカレシって事でどう?” 。彼の生真面目さを逆に利用した形なんですが、この後この抜け駆けがバレて全員で行うことになるんですよね。そうなるともう「恋人だから」の言い訳が通用しないじゃないですか。この論理的な展開が見事でした。言い逃れができない状況に自然と追い込まれてる感じがグッときます。
 4人も同時に相手すると当然あぶれる女性が出てしまうんですが、ここで百合要素投入。どんだけ盛るの……と驚くんですが、事前に女子校だから肉欲を鎮めるために同性との関係を持つ人もいるって説明されてるから丁寧。突発的な百合行為ではなく、元々女同士も嗜んでた人たちがチンコを手に入れる話。納得という意味でもそうなんですが、女同士に慣れてるからテクニックも筋金入り、とエロ的な説得力でもありますね。そんな女同士に抵抗がないのは2組目の2人で、その2人が1組目を攻める……とキャラクターの個性、関係性までしっかりしてるから隙がない。みんなエロくて、みんな百合で、という画一的なキャラクターではないんですよね。それぞれに違いがあって、それらが集まると、という化学反応が楽しい。
 最後、姉がオチをつけるのが笑えるんですが、要するにアイスで弟を売ってたわけですね。まぁ、本来なら弟もうまみがある話なので、ひどい姉という感じもしないんですが。おそらく姉としては女子寮に住んでないから同性に手を出すほど性欲が有り余ってるわけじゃないんでしょうね。それなのに先輩たちに好かれてしまったから迷惑してたわけで、彼女の言い分もちょっと分かってしまうw

『俺たちが付き合ってることをまだ誰も知らない』えーすけ

 komifloコメ欄ではえーすけ人気が爆発してるんですが、ちょくちょく年末の挨拶が混じってるので笑いました。人は良いものに出会うと礼儀正しくなる。
 妹の友達とこっそり付き合ってる話。絵だけで年下感はバッチリ出てるし、冒頭の “ばいばい” という幼さを感じるくだりで「はい好きー!!」と完落ちしてしまうんですが、その後、 “でもR15じゃなかったっけ?” という映画の会話で彼女の年齢について間接的に説明されるのがうまい。ここでまだ3ページ。話運びがうまい……。このタイトルが出る3ページまでで本作がどういう作品で、この後何が行われるかが大体分かるんですよね。期待を膨らんだところで場面が移り、いざ。
 ちなみに、例の映画は『ジョーカー』な気がします。たぶん。
 ヒロインのキャラクターだけでお腹いっぱいなレベルなんですが、そこに主人公の拘束への興味が加わる。 “痛くしないなら” の前提で始まって、最初はくすぐりとかでライトだし、主人公の顔も明るかったんですが、徐々に責めの魅力にハマっていく。このグラデーションが見事だし、「たしかに痛くはしてないからセーフ」というバランス。こいつ今後ヤバいことになるんじゃね? とか思ってると、目隠しを外すあたりから雰囲気がまた戻るのが面白かった。決してダークな作品ではなく、変態で、割と本格的かつ真に迫るものがあるんだけど、初々しいカップルの微笑ましさも間違いなくある。相反する2つが成立してるのですごい。
 妹にバレる!! というサスペンスからそれを脱する「寝たフリ」というアイディアも見事でした。あの場面こそタイトルの『俺たちが付き合ってることをまだ誰も知らない』にふさわしい絵面でしたね。からのエピローグでの誤解も微笑ましい、かつエロい。完璧かよ。

『交感』ひげなむち(原案ネーム:きい)

 ネーム交換祭りのラスト3作目。3人の中でも水と油な印象のある組み合わせがココですよね。そこに「交換」のキーワードを踏まえたタイトルを持ってくるんだからニクい。
 とか思ったらラストで他作に繋げてくるのでヤバい。実は前日譚でした、的な作品はエロ読切だと多い手法なんですが(今号も桃月先生でありました)、それをネーム交換祭りでやるとは。きい先生やりおる。挑戦的というか、これ単行本収録ってどうなるんでしょうね。作画の方の先生の作品として扱われると思ってたんですが、本作は完全にきいユニバースとして構築されちゃってる。オモシロが過ぎる。
 かつて関係を持ってしまった先生と再会する。先生が “今何センチくらい?” と主人公を見上げながらポーズ取るショットがあまりに可愛いんですが、読者に対してはここで初めて左薬指のの指輪が明かされる。もちろん主人公は知ってたことなんだけど、その情報開示の順番、手際が見事ですね。エロ要素はないけど「めちゃくちゃ可愛い」と感じさせるのが、その後のインモラルな関係への助走として重要だったと思います。
 んで、いざ本番となるんですが、挿入のあたりから現在と回想が渾然一体となる構成になるので圧巻。斜めにコマを割りまくるのも冷静じゃなくなる表現として決まってるし、そこに差し込まれるかつての思い出ってのがマジ最高。決して良い思い出とは言いにくいもので、何なら呪いのような存在でもあるんだけど、初恋の成就でもあり、同時に失恋でもあって、それを踏まえて今再び先生を抱いている、という迫力。光と闇が交互に来て混ざり合う感じが素晴らしかったです。終わったあと、先生がベッドの上に膝立ちするショットがあまりに美しくて、キレイな恋だったんだなと強引に思わされる感じも秀逸だったと思います。
 ネーム交換祭り面白かったですね。気軽には出来ないのかもしれませんが、機会があったら是非またやってほしいです。雑誌という媒体の醍醐味も感じますね。今回はきい先生の我の強さというか主張の強さが特に面白かったです。一番クセが強い作家は実は、みたいな。あと、今回のタイトル、前回の「シスケ参上」もそうですが、全力で楽しんでる感がすごいw

『抱きしめたいっ』Hamao

 タイトルからしてド直球な甘酸っぱさの極みみたいな作品なんですが、直球すぎるからかkomifloコメ欄で勝手にバッドエンドを予期してハラハラしてる人がいるので笑いました。順風満帆な作品なので「なんでだよ」ではあるんですが、ちょっと気持ちも分かる。こんなうまく行くはずがない、みたいな心理が働くというか。
 ちょっとドキッとしてしまうレベルの身長差。ただ、冒頭の場面で学校の名前に「高」の文字までが収まってる。2人は同じ学校なので合法。やったぜ。そんな幼さを感じさせるヒロインなんですが、中盤のおっぱいを見せる場面での下着があまりに色気がないというか、オシャレが始まる前という感じで驚きました。リアル路線というか。下着になる際、2人が反対を向きながら服を脱いでたりと初々しくて最高なんですが、あの下着はまた別の衝撃でした。
 タイトル。クライマックス、射精後に2人が抱き合う場面はヒロインの方からなのでこのタイトルはヒロイン視点と考えていいと思うんですが、本作で最初の「だきっ」は先輩の方なんですよね。告白の返事をする場面では男の方から抱きしめる。双方向的なニュアンスもあるのでしょう。ドラマ的に一番重要、盛り上がる場面はこの2つだと思うので、シンプルながら作品の本質をとらえた良いタイトルだったと思います。
 そんな告白の返事。真田先輩は彼なりに告白を誠実に受け止めるために熟考期間を設けたのですが、その間にヒロインの方が猛アピール。告白してからアピールするのがかなり新鮮でした。それまで接点がなかった関係なので一目惚れに近いとは思うんですが、まず告白をして、返事をもらうまでの間に好きになってもらおうってのがとても良い。先にアピールすると「この子は俺のことが好きなのか?」みたいな思考が生まれますけど、先に告白してるとその可能性が潰れますねw
 返事を保留した件を先輩が反省してる様子があったのも誠実で良かったと思います。てか、キレイの純度が高すぎてすごいw

『かんこう』亜美寿真

 『交感』ではなく『かんこう』。
 快楽天での前作がドンバマリだったので楽しみにしてました。冒頭の場面で前作のカップルが食事してて嬉しい。
 前作ではデートが散々な結果に終わり彼女の機嫌を損ねつつそれでも「するけど!!」とセックスという結果が固定だったんですが、本作は逆。すべてが順調、理想の関係でいざ!! と思ったら生理でキャンセル。気持ちの準備は出来てるけど体の準備が出来てない、そして彼の方もそれを受け入れ、紳士的に振る舞ったけど “「がっかり」もにじみ出ちゃってただろうなぁ” と反省までする始末。どんだけ良い奴だよ。
 からの5日後に再びデートの約束。いつもは花金でお泊まりだけど、次は水曜。この前のめり感。そして、最初からセックスありきの約束ってのが燃えますね。あまりに燃えるのでオナ禁を決意するので笑いました。笑ったんだけど、ちょっと誠実さも感じるバランスですかね。そわそわしてコンドーム(可愛いw)を買うくだりとか、 “性欲消えたかと思ってたのに夜になった途端やべえええ” とか爆笑でした。良い奴なのは明らかなのに、どこかおかしくも思える。
 エロ漫画でオナ禁ってまぁある話だし、射精管理とかも一つのジャンルだと思いますが、この生理でキャンセル食らってからの自主的なオナ禁ってのがすげぇ新鮮で良かったです。しかも、生理後だから付けなくてもいいかなぁ、と気合い入れて用意したコンドームをキャンセルするくだりにまで連結するのでヤバイ。話の論理的な展開がえげつない。彼は誠実なんだけど、それに対して “慎重すぎるのかなって思う時があって” と彼女が言い出すのも見事ですね。話に無駄がなさすぎる。
 オナ禁後は気持ちよすぎる、という描写も丁寧で迫力あるんですが、いざ挿入したときに彼女の体が透過して「なにこれ気持ちよすぎる」と感動する彼の方を丁寧に描いたのは笑いました。エロ漫画で女性の体が透けるのってかなり珍しいのではないかしら。ただ、事前に彼女は大ゴマで見せてるし、あそこでどんだけ気持ちいいのかを意識させたのが効果的だったと思います。絵的なエロも大事だけど、物語である以上心理描写でよりエロく感じさせるのも同じくらい大事。
 エピローグ。安全日に疑問を感じる賢者モード。これもすごい。どんだけ良い人なんだこいつw それを踏まえた2人のイチャイチャに繋がるのも見事でしたね。単なるキャラ表現で終わらず話として、2人としての展開に繋がって落ちる。

『お姫様の結婚』南北

 エロ漫画ってクライマックスでエロをやるのがマストで、各ジャンルや型がかっちりある世界なので、読んでる途中で「このあと○○する話なのね」と大体分かるじゃないですか。それが悪いわけではないんですが。それなのに本作は完全に「そうなっちゃうのかよ!!」と驚いてしまったので悔しいw 既存の型を逆に利用した、みたいな感じですかね。不倫だと思うじゃないですか。2度目に読むと佐竹くんのイケメンオーラで笑ってしまうのでずるい。ひょっとしたら一番哀れなのは彼かもしれないw
 よく考えたら、 “佐竹くんの愛撫は太雄くんとそう違いは無いのに” だったんですよね。そういう作品だったら太雄くんにはない快感を与えられるのが佐竹くん、となってたと思います。佐竹くん、特にうまいわけでもなく当て馬にされるのであった。ドンマイすぎるw
 ということで太雄くんの闇が深すぎる話へ。突然知らない顔が現れたというよりは、よく考えたら彼の言動には一貫性があった、と最後に分かるのが恐ろしいですね。何があったらあんな風になってしまうんやw
 タイトルにもなってる「お姫様」。「女性をお姫様扱いする」と「女性をモノ扱いする」がイコールだったんですね。これはマジ目から鱗の転換でした。美和ちゃんが償いのつもりで “か…家事もこれからは…” “ちゃんとするから…っ” と言ったら “必要ないよ 僕より家事下手だもの” と返されるのとかマジ絶望感ありましたよね。優しくて理想の夫だと思っていたスキルが「絶対に敵わない」という別の見え方をする。

『家庭×教師』mogg

 「Lesson2 兄妹」。前回は疑惑レベルだった兄妹の関係が明らかになる。妹と兄の話なので、主人公である先生は除け者なんですが、それでも「お風呂に入ってる先生」の話を2人がするんですよね。前回は直接のセックスはなく、妄想を大迫力で描いたのが素晴らしかったんですが、今回はむしろ先生が想像される立場になる。ただ、今回の兄妹のセックスも先生の妄想で、それが現実と合致してしまう、みたいな解釈も可能かな。とにかく2つの場面、2つの層を同時並行的に描くのがめちゃくちゃうまいし、そこが魅力なシリーズだと思います。まぁ、最後には3人で……というのを期待してしまうので、そうなると1つの場面に収束するんですが。
 んで、兄妹。前回と同様に妹が誘惑するのかと思ったら、お兄ちゃんも意外と前のめり。妹が先生の話をするのに嫉妬もしたり、先生のエロさに興奮したりと複雑な心理が入り交じってるのが面白いです。妹は妹でこじれた心理してるんですけどね。基本的に3人しかいないんですが、よくもまぁこんなにも複雑な心理になりましたねw
 兄妹の方はやはり子供という側面が強調されてると思うので、その複雑な心理を彼ら自身も整理できてないんでしょうね。その自分でも分かってない故の暴走って感じがすごい説得力あって良かったです。なかなか狂った事態にはなってるんですが、リアルを感じる。

『いぶらぶ』ボボボ

 三田さんと戸中井さんの名前で笑った。最初は三田さんがトナカイの格好してて「ややこしいよ!」とか思ったんですが、ホテルに行ったらあるべき姿に戻るので安心しましたw エロサンタコスも面白かったですね。ベーシックな格好から何枚か着るの忘れたらああなる、みたいな感じかしら。あなる。すごい変わったサンタコスではあるんだけど、悪い意味で突飛ではない。
 日常を壊すのはヒロインの方で、主人公がツッコミ役に回るのかと思ったら、主人公も “ヤレればなんでもいいわー” というスタンスなので笑った。まぁその意見は分からんでもないけどw 彼女も狂ってる(非日常)けど、彼は彼でなかなか狂ってる。
 日常パートの余韻としてクリーム。ケーキ売りのバイトだったので、そこで拝借したクリームを使う。テキトーに買ってきたものではないので味は保証されてますね。地味に嬉しいw
 英語で中出しはcreampieと言うらしいんですが、中出しせずにクリームパイを作り出してるので笑いました。改めて思うけど、あの英語表現思いついた人、うまいw
 エピローグ。あんだけ盛り上がったのにフラれるのか……。ズッコケ的なオチなのかもしれないけど、「あんだけやったのに割り切れるんだ……」と考えると彼女のエロさをより感じるかもしれない。

『青春リビドー山』位置原光Z

 第16回「はだかの王様」。バカ同士で盛り上がる前半パートもめっちゃ楽しそうで好きなんですが、ラストのその服を踏まえたエロい使い道で爆笑しつつ、膝を打ちました。王様と大臣天才かよw(けど服は見えない)
 序盤で質量を感じるくだりを描くことで「服は実在する」と存在を確定させたのがフリとしてうまかったですね。あそこで元ネタの童話とは違う軌道に乗った感ある。

『薄布の向こう側』ぼっしぃ

 フルカラー3ページ。新刊『水泳部のサキュバス達』発売記念ですね。同じ水泳部の別の話。男優位のまま終わったけど、今回のレナはサキュバス的な暴走をしないのだろうか。レギュラーじゃないとか?
  “フリマ転売騒ぎがあってから持ち出しが制限されてて大変なんだぞ!!” とありましたが、過去作の子がやったのか、別の子なのか。気になるw
 タイトルの通りスクール水着そのものをフェティッシュに描く作品。胸も出さずに終わったのが特徴ですね。それよりもスク水が好き。そんな水着の魅力を引き出すために、制服を脱がすと下から水着が出てくる。1ページ目がめちゃくちゃエロかったです。
 からの “ゴムいらず!!” は笑った。正直言うと、ちょっと考えたことあるw 実現可能だったのか……(ムリダヨ)

『披瀝』幾花にいろ

 表紙とまるで別人なので笑った。コメントにもあったけど、無の状況だからたまたま表情がなかったってだけなのね。
 感情が顔に出まくるヒロインと、顔に表情が出ない後輩。マンガチックウなデフォルメ、キャラ立ち、エロとは直接関わってこないメンバーの個性もしっかりあるので一般漫画みたいな印象ある。たまたま超エロい回を切り取って読んでるというか、エロ同人というか(詳しくないけど)。少年マガジンでやってる将棋のやつとかかなり近いものがあるんじゃないかしら。
 てか、男1女3の状況で始まるエロ漫画なのに「これはさぞエロいことが……」と予感させないのが逆にすごい。漫画力が高いというか。エロ以外の要素で漫画が持つ。
 まぁとにかく、ヒロインが多彩な表情を見せるだけで漫画が持つというか、それだけでめちゃくちゃ魅力的。麻雀やってるだけであんだけ魅了されてしまうんだからずるい。冒頭の “大ー丈夫! 三野瀬あたしのこと大好きだもんな!” “な?” “そうですね” で2人の関係性を端的に描いているのもうまい。いや、最初は “そうですね” に裏の意味も感じたんですが、マジでそのままの意味でしたねw
 4人いたメンバーから2人抜けて2人きり。そこから対戦型のカードゲームに移行するんですが、ここで2人の距離が物理的にも心理的にも少し近づく。象徴的でうまいし、そこから2人の境であるテーブルを乗り越えてくる場面で胸の谷間が見え、ここで初めて2人の間にエロの予感が走る。2人が近づくことで、その近づいてった果てにエロがあると気づく。感じる。このエロの予感ってのが読んでてすげぇエロいと思います。エロ絵ではなくエロ漫画を読む意味を感じる。
 面白がって誘惑を始めたのはヒロインが先だけど、いざコトを始めようとするのは後輩が先。この入り組んだ攻防も楽しいし、そこに表情筋の有無という要素が加わる。
 めちゃくちゃエロいことになってる最中に爆笑するのも面白いし、そんな彼女でさえもフィニッシュに近づくとエロに集中するようになり……という表情が見物だったと思います。そっから「まだ続けんの?」と不意打ち食らうのも笑いました。表情が読めないと強いw
 からのエピローグ、オチが最高ですよね。「そりゃそうだ」と納得しかない。それでいてキャラ萌えも強く、ニヤニヤが止まらないオチ。

『おくれんぼうのサンタクロース』外山じごく

 こないだの「かいらくどん」扉の2人やんけ!! てっきりコスプレしてるのかと思ったらマジのサンタとトナカイでした(妖精的な存在らしい)。まさかあの扉を予告として使ってくるとは。油断ならねぇ……
 サンタが窓ガラスぶち破って入ってくる時点で相当面白いし、オープニングの景気付け、本作のフィクションラインの設定(かなり高め)として機能してると思うんですが、その先。その窓ガラスを魔法で戻すことで彼女たちが本物であることの説明してしてるんですよね。主人公が超常的な存在に疑問を抱かないと説得力がないけど、その言い争いを長々と描くと退屈。その問題をクリアしたのが窓ガラスの破壊&再生だったと思います。おかげで主人公はすべてを受け入れ、次のページではチンコぽろん。話が早いw 1ページ目がセリフのない空からのショットのみでゆっくりしてるんですが、そこからの勢い、語り口のうまさが異常。エロ関係なく読切漫画としてのレベルがすごいと思う。冒頭4ページでギャグを交えながらすべての説明が終わる。キャラの魅力も伝わる。強い。
 サンタがトナカイのことを差し出す形でエロに発展して、2人のヒロインのコントラストが楽しく、少し2人の百合関係にチンコを貸し出すような形になってるのが魅力的。なんですが、トナカイの子が自らセックスを求めるんですよね。主人公ははパイズリで満足してるんですが(清々しい感謝の言葉がウケるw)、トナカイちゃんはさらなるエロをご所望。この受けのキャラで、少し幸薄なキャラかと思ってたら想像以上にエロかった、という意外性が最高。グッときます。強気で基本攻めの立場にいたサンタの方は主人公の不意打ちによって新たな顔を見せるし、そこからトナカイとの百合に突入するのが最高。キャラクター(ヒロイン)の多面性がありますよね。
 個人的な好みになりますが、最初の射精の前に金玉を攻めるくだりがあったのが嬉しい。単純に好きってのもあるんですが、これから出る精子はここに溜まっている、水源はここですよー、という意識させられるのがエロ漫画的にも非常にエロいと思います。こんだけ溜まってるんだから数発は余裕でいける、という確認作業というか。
 エピローグ。おまけにスイッチもらえるとか最高ですねw あと、サンタの子がオフモードみたいな格好(髪型)してるのが地味においしい。

『後輩ちゃんひとりじめ♡』桃月すず

 komifloコメ欄で『お嫁ちゃんひとりじめ』の前日譚だと気づかされました。有識者は頼りになる。『お嫁ちゃんひとりじめ』はそこそこ前の作品なんですが、なぜか最近読んだような気が……と思ったらkomifloの特別企画で過去の作品の復刻みたいな特集やってて、その中の桃月先生の作品が『お嫁ちゃんひとりじめ』だったのですね。これは意図的な連携ってことでいいんですかね。ありがたい選出なんですが、同時に油断ならねぇなとw
 ということで過去編。お嫁ちゃんの学生時代、彼女が後輩ちゃんだった頃の話になるんですが、冒頭にセーラー服出てくるのが快楽天リニューアル後だから出来る過去編(たぶん)って感じで面白いです。
 からの3年後でまた制服が変わる。めっちゃ贅沢やんけ。たった2作品しかないのにヒロインの衣装の数がすごい。時代の動きを服装で表現してるんですが、読者的にはそれが眼福。ありがてぇw
 カップル2人のキャラクターがしっかりしてて、男の方の心理もかなり丁寧に描かれる。3年前に性的に迫ってしまったことをウジウジと悩んでいて、それが誤解だった(歓迎されてた)と知ることでタガが外れる。今号だと『かんこう』でナイスガイ故のオナ禁が描かれてて面白かったんですが、本作もそれと似てますね。3年の反省が発散に向けたフリになってる。3年も悶々と溜め込んだんだからそりゃもうすごいことに……という説得力が魅力だったと思います。『お嫁ちゃんひとりじめ』では主人公の方からイタズラするのがメインで、それに振り回されるヒロインが可愛い作品だったと思うんですが、『後輩ちゃん』で明かされる出自がその真逆だったのが面白い。まぁ、3年我慢したことでこじらせてしまったのかもしれませんw 3年前にすれ違うことなく仲良くなってたらもっとストレートにイチャイチャするカップルになってたかも、とか妄想するのも楽しい。
 学校生活の日常の中で性的に迫る日々を送って、それでゴールかとも思ったんですが、主人公は告白してないことを悩んでるのが意外でした。もうしたも同然だろと思ってたんですが、そこで再びウジウジ悩むのが可愛らしいし、誠実さも感じる。そして、そんな悩みをヒロインが見抜くことで彼は救済される。『お嫁ちゃん』ではかなり主人公からヒロインに対して一方的な印象があったんですが、『後輩ちゃん』を読むと逆ですね。むしろヒロインの方がリードすることで主人公が奮起する、させられる。主従が逆転するというか、広い目で見たらすべて彼女の手の上で踊らされてるみたいな気になってきます。二部作として良く出来てるというか、『後輩ちゃん』を読むことで『お嫁ちゃん』の新たな見え方が生まれたと思います。

『病ンヤン』Beなんとか

 病んでるヤンキー。ヤンデレ的な意味かと思ったら普通に風邪引いてるので笑った。そっちかよw いやヤンデレ的な意味での病みも少しはあるのかな。咳してた口でフェラしてもらうのは少し抵抗も感じるんですが(潔癖)、逆に言うとその一線を越えるエロさも感じる。2人の関係のズブズブ感。公に自慢できるようなものではない感。
 マスクしてる場面もあるのですが(可愛い)、冒頭の場面ではネックウォーマー。不良感の表現でもありつつ、マスクとして使っちゃう雑さもあり、そして何よりずらして口を出したときのエロさがヤバかったですね。フェラするためだけに出すんだ、みたいな。あの場面で一気に掴まれました。
 家に移動して全裸。健康的とは真逆の不健康そうな体型、だけど巨乳というアンバランスさがすごい良かったです。あの体つきのリアリティーえげつないですね。ロリ巨乳とは別物。全体的にデフォルメは強めの作品なんですが、あの体だけ生々しいのが大迫力でした。実在感がえぐい。

『おっきくなったね。』いちまつ

 冒頭に背景として登場するワンコがめちゃくちゃ可愛い……と関係ないところに心奪われてたら、ヒロインがワンコパジャマ着てきたのでビビりました。別物として可愛いw パジャマ特有のあのモコモコ感、良いですよね。あんなに可愛いのに寝るとき限定とかもったいなくない? とか考えてしまうんですが、そのレアリティーも魅力の一因なんですかね。そんなパジャマを脱いだら直でおっぱいどーん!! の場面ヤバかったです。さっきまでフードしてたのに急に露出がマックスまで行ってしまう落差。
 久しぶりに会ったら大きくなってた親戚の女の子。彼女が性的に迫ってきて、最初は大人として対応しなければと悩みながらもおいしい思いをしてたんですが、最後の一押しとして「やることやってんだ……」と事実を知る場面が衝撃的。ここをメインに打ち出したら寝取られの亜種みたいになってたと思うんですが、本作ではそうではなく、彼女にある種の失望をすることで理性が決壊する。我慢しても仕方ない、みたいなヤケクソ感ですね。どのような誘惑にどういう風に折れるのか、はエロ漫画の魅力だと思いますが、その説得力が本作はすごかった。勝手な清純イメージが崩壊してからの冷静さを失う感じ。かといって、その後の場面でダークな印象になるわけでもないのが特徴的だったと思います。あくまでも彼女は手を出しちゃいけない存在のままで、ダメだと頭の片隅で感じつつそれを背徳感というスパイスにして楽しんでしまう。からのエピローグで賢者モードw ベタな誤解だとは思うんですが、説明の少なさ(絵で済ます)、主人公のリアクションで笑ってしまいました。あれは焦るわw

『お姉さんに任せない』Noise

 田舎の幼馴染と再会。久々の再会作品が連続するのが味わい深いですね。本作はヒロインが年上で、その年上感の表現がめちゃくちゃうまい。単なる大人っぽさだけではなく、女性特有の包容力みたいなものがそれこそ悪魔的に描かれたと思います。あの半分呆れつつ、満更でもない感じで優しく、しかし控えめに受け入れてくれる感じ、すごい。ヤバい。年上の強さを感じる。おねショタとも、人妻、女上司ともどれとも違うが、どの良さも少しずつブレンドされてる感。Noise先生、ちょっと前の『バイト先の奥さん』でも似た年上ヒロインの魅力を生々しく描いてて最高だったんですが、幼馴染で再会でという関係性が本作の特徴で、そこの機微が素晴らしかったですね。年上ヒロインの世界、奥深い……
 komifloコメ欄でも話題になってましたが、最後の “やん” が良いんだよなぁ。あのノリが最高すぎる。

『蜜月のあと』翁賀馬乃助

 『蜜月』の続編だーやったー!! 前作すごい良かった。マジ好き。ナース服でのセックスがないのも全然肯定派だったんですが、本作ではついにナース服解禁。それも自宅でってのが最高でしたね。わざわざ、家に持ってきてってのが「プレイ」であることを意識させられてエロい。院内でエロいことになるドラマも好きですが、エロのためだけにナース服を着ることの強さ。
 前作だとあまり意識してなかったんですが、2人の生活環境、人間性の落差、ギャップが強く出てるのも関係性の掘り下げとして嬉しい。言われてみればガテン系とナースなのであまり接点はないですよね。病院の外の物語になることでそのことがより際立ったと思います。家汚いし、鍵かけないし、約束忘れて寝てるし、となかなかヤバいギャップを目の当たりにするんですが、そこからキレながらのフェラになるのが最高。そんなのも気にならないくらいラブラブ、そしてエロが優先されてる。そのフェラのせいで見る淫夢で新キャラ出てくるのも読者的には眼福でしたね。翁賀先生過去作の一覧とか見ると毎回驚くんですが、キャラも物語もバリエーション豊か過ぎて驚きます。球種がえぐい。
 いよいよ本番のナースコス。本職だけどw 前作でも印象的だったエロの予感をさせる場面からページをめくったら、真っ最中という飛躍が本作でも決まる。『蜜月』名物!! という感じですね。単なる話の続きではなく、同じ演出を見せることでシリーズを感じさせる手法は新鮮でした。
 フィニッシュ後、セリフは最小限にねっとりとキスを交わす場面も緩急として素晴らしかったと思います。フルスロットルまでの飛躍がヤバかっただけに、あそこで急にスローになられると別の意味でエロい。エロいし、恋人としての関係の深さも感じますね。
 序盤で描かれた2人の落差、それを乗り越えて2人はうまく行くのか、少なくとも彼の家はアリなのか、というのをエピローグで語るのも見事だったと思います。あの引っかけはずるいわぁ。翻弄されてしまうw

『FOOLS』肋骨

 冒頭2ページのバカネタで笑ってしまった。互いにバカなので相性いいじゃねぇか、みたいなものまで感じる。
 不良のライバルとしてケンカしつつ仲も良かった(自覚はない)ものの、ヒロインの方が急に女らしくなって……。冒頭のドヤンキーモードも可愛かったの惜しい気持ちもあるんですが、男たちにチヤホヤされて可愛い格好しちゃうメンタリティーがもっと可愛いので最高でした。ヤンキーらしさは残しつつ、けど可愛いと言われるのが癖になってる感、キャラクターの奥行きとして素晴らしかったです。クラスに女子は1人だけとセリフで出てくるんですが、そのせいもあって女扱いされる喜びも濃いんでしょうね。オタサーの姫のヤンキー校バージョンw
 変貌ぶりが楽しいんですが、中盤にまともに制服着てるショットも入るし、ラストにまさかの可愛い特化の変貌を遂げるのも爆笑しつつ最高でした。あの筋力ありそうな脚とニーソの組み合わせ。あれは新しい世界が開きそうな気がするw 学校では元通りジャージってのがまた可愛いですよね。主人公に見せるためだけの格好、というのがいじらしい。
 河原でケンカして仲良くなるクラシカルな展開をエロ漫画でやってるのがおかしい。中盤バトルが始まりそうな雰囲気まであるので驚きました。吹き出しで丁寧にパンツ隠してるのが非エロ漫画感w

『裏庭大学ラグビー部』昼寝

 2019年の最後に発売された快楽天の最後の作品としてラグビー。ワンチームやめろw
 昼寝先生特有の隙間を埋め尽くす圧倒的熱量が本作でも炸裂してるんですが、本作はその熱量が設定、物語と今まで異常に合致してるのが面白かったと思います。多人数のラグビー部が一丸となってヒロインに襲いかかるんですが、スクラムで互いの体の境がなくなったような感覚がヤバかったですね。さらに、匂いフェチのヒロインを誘惑する匂いの充満ってのも絵が充満してる昼寝イズムにばっちりハマってたと思います。中盤の非エロパートの終わり、ヒロインが入室する直前の場面で白背景になるんですが、それがその後の怒濤の展開へのフリとして決まってましたね。
 部員を目隠しで当てる場面から始まるんですが、漫画としては各男キャラに区別を感じないというか、分かるわけねぇだろなバランスで描かれてるのが最高ですね。そっからスクラムになるので笑う。笑ってしまうんだけど、作品のコンセプトを濃厚に感じるのでうまいw

「読者ページ」

 読者ページの範疇かは謎ですが、快楽天25周年記念のサイン色紙プレゼント祭りが圧巻。単純に漫画家のサインのデザインを見るのが好きってのもあるんですが、直筆イラストがそれぞれ凝っててじっくり眺めてしまいます。代表作のキャラが描かれたり、「25」のポーズが大喜利めいた印象すらあります。「25」ネタでは石川シスケ先生が天才的でマジ笑いました。強すぎるw
 サイン色紙群はプレゼントですが、space caimanにて展示中らしいので、見に行きたいです。

forms.gle

 終わり。新年になって10日も経ってしまいました。もうちょっと早く更新したいですね。今年はそこらへん頑張ります。あと単純に更新の数ね。はい、マジで。
 ということで最後に振り返りがてらアンケート。面白かった作品3つは『かんこう』『お姫様の結婚』『おくれんぼうのサンタクロース』ですかね。続編とか好きな作家をどう扱うべきか悩むんですが、とりあえず除外して考えてみると。とはいえシリーズならではのオモシロもあったわけで……難しいよね。よし、2回送るか(ダメだろ)。
kitaku2kitaku.hatenablog.com