北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

COMIC HOTMILK(コミックホットミルク)2022年7月号の感想

 本記事に限らないけど、1日3本くらいのペースでシコシコと書き進めております。残り20くらいだと気が遠くなるけど、残り10を切ったあたりから途端に「もう終わったも同然じゃん」という感覚になってくるからバカなんだと思う。
kitaku2kitaku.hatenablog.com

パパ活アプリ』ケミガワ

 フルカラー4ページ。アプリで出会ったのがギャルで即ホテル。「エロい子で最高!」かと思ったら実は彼女は良い子そうで……となり、最終的にはアプリを介さない付き合いに発展する。都合の良さの極みなんだけど、願望の具現化としてひたすら純度が高い。冷静に考えたら無茶苦茶なんだけど、そこが良さだよね。

「HOT MILKY NOVEL」核座頭 ICHICO

 金持ちの子供と怪盗。怪盗設定が珍しすぎて面白いんですが、それ以前におねショタなのでガッツポーズ。ナイトキャップ、可愛いよね。大きめなパジャマによるダボダボのシルエットも良い。
 本コーナー史上初と断言していいかはちょっと記憶に自信がないんですが、途中で回想パートに入る構成ってかなりレアだと思います。それほど分量のないコーナーなので最初から最後までエロになるのは必然だと思うんですが、途中に回想、つまり2人のエロが始まる前の場面が描かれる。これによって2人のキャラクターがより魅力的になったと思います。ショタも悩みを抱えていて……と互いに穴を抱えた2人が近づき合うドラマが非常に良い。

『お隣さん』BUTA

 黒ギャルかつおねショタ! 良さしかない……。田舎とおねショタというのも最高だし、縁側に寝そべる黒ギャルという絵面もギャップがあって最高。
 ショタがしっかり告白するのも偉いんだけど、告白はしたけどエロパートではヒロインがリード、というおねショタらしい良さもバッチリ。そこからショタが文字通り前のめりになる展開になるのも感動的。ヒロインの優しく攻める様も素敵だけど、優しさは受けに回ったときにも感じられる。エロパートにもそのキャラクターらしさ、2人の関係性ならではのものがあるのが良いよね。セックスしても物語が止まらないというか、セックスの最中こそドラマチック。
 「行かないで」とはならずに、ショタの方から東京に行くことになりエピローグも良かったし、すぐに行くのではなく1年後ってのも良い。事後の場面の寂しさが台無しにはならず、それでいて純度の高いハッピーエンドでもある。

秋桜が咲いた日に』荒井啓

 第3話。寝取られから始まった妹との蜜月関係という一筋縄では行かない1&2話だったんですが、3話ではそこから時間が経った状態で、今度は兄貴の方に別の女性の存在が近づく。妹との享楽的な関係も最高にエロいんですが、会社でのはみ出し者同士が惹かれ合うドラマにも別の魅力があって素晴らしい。2人のヒロインのドラマが対照的かつ、肉感の描写とかにもコントラストがあってすごい。柔らかそうな妹、からの肋骨が透けてしまうような同僚。(妹と比べれば)小さめの胸の描写とかも細かすぎるのでもはや感動してしまうレベル。
 2人もヒロインがいてエロ漫画的には贅沢すぎるんですが、ストーリー的には2人の間で揺れ動くことになる。別の女性に手を出すのは背信行為なんですが、そもそも妹との関係がキレイなものとも言えないのでむしろ主人公的にはこちらの方が全うな道なのか……? と余計に揺れる。
 からの妹との関係に大きすぎる変化が生じてエンド。エロ関係をどうするかではなく、「妹を守る」についての物語が動き出したのが面白い。めちゃくちゃ良いクリフハンガーやんけ……。

『オカズメグミ』蛹虎次郎

 1話。前後編ではなさそう、という認識でいいのかな。『秋桜が咲いた日に』と同じですが、どれだけ続くんだ……と先が見えない感じが面白い。
 生徒の顔でアイコラ作成するのが趣味の先生だったが、生徒にバレる。ギャルっぽい子と優等生っぽい子の2人(妹と姉)なんですが、2人のコントラストが魅力的。当然のように前者がガンガン攻めてきて、序盤の物語は彼女がツイグイ引っ張っていくんですが、本当にヤバいのは……と明らかになっていくのが面白すぎる。姉の方がラスボスの風格ありすぎて妹が踏み台になりそうな雰囲気もあったんですが、実際に余所者扱いされるのはむしろ主人公の方。まさかの百合関係であり、主人公はそこに巻き込まれた(利用された)形。順調にエロいことになるのですぐにセックスに至るのかと思ったら、1話目では本番ナシ。今後どうなってしまうんでしょうね。姉妹のキャラクターがとにかく立ってるのでそういう意味でも楽しみです。

『シシクッタ』トリブリ

 オタサーの姫が既に喰われてる。部室での黒マスク姿も魅力的で、それをずらしながら……というエロパートも好き。そんな黒マスクは基本的に物語全般で着用してるんですが、終盤のエロパートで彼女がマスクをずらしたときに感じる印象が前半とはまったくの別物になる。この転換が鮮やかでした。ビフォーアフターを強調するアイテムとして見事だったし、本性が明らかになる、という盛り上がりも最高。終盤、マスクを外した直後に彼女が取る行動が……というのが本作で一番怖い瞬間でしたねw ちょっと「ざまぁ」的な痛快さも感じてしまうんですが。
 ヤンデレの逆襲によるクズ男ざまぁ的な展開がショッキングだったんですが、この逆転後のセックスの内容が意外。騎乗位のままヒロインが優勢になって終わるのかと思ったけど、男が意地を見せて(というか生存戦略としてw)正常位に戻す。前半のクズ男が支配的なパートではバックもしくは駅弁状態だったので、ここで初めてまともな正常位による恋人のような体位。抱き合いながらフィニッシュに至るんですが、下にいるヒロインの抱きしめるチカラが異常で、立てた爪によって傷を負う、というのが2人の関係性として象徴的になってて素晴らしかった。一見すると男が上にいるけど、実際に支配してるのは下にいるヒロインの方。正常位なんだけど、顔の位置はむしろヒロインの方が上にある場面もあったりするのが見事だったと思います。象徴的な一瞬を1コマに切り取る漫画らしい演出。

『あたしらDTだってPP活マジyo-you!』一弘

 ギャル3人組の元へ筆下ろし希望の金持ち陰キャが現れる。優しさとか一切ない攻撃力強めのギャルのキャラクターが痛快すぎて最高だったんですが、彼女らが金のためにやる気を出してガンガン攻めてくる、という展開が享楽的すぎて最高。最初に応じてきた黒ギャルの子がガサツさの中にほんのり優しさを見せてくる感じも良かったし、それが金のための演技だったというのがさらに良いw 圧倒的に強い。その強さに翻弄されるのみ、という良さ。
 3人が交互に、ターン制で進行するんですが、そのことによって彼女たちが互いに競い合う形になり、エロがどんどんエスカレートしていく。サービスが加速していくのが多幸感。それが最終的にはお金ではなく楽しむことが優先され、クライマックスでは怒濤の4P。そりゃこの人物構成だったら4Pになることを期待して読んでましたけど、実際になるとテンション上がるし、ヒロインたちのキャラクター、強さが一切ブレることなく最後まで突っ走ったのが本当に良かった。いや、冷静に考えればあれの相手できる陰キャくんの体力、精力が異常で、彼も相当な強者だとは思うんですがw

『片想いは突然に』DIN

 冴えない男性教師と優しい優等生。ひょんなことから意気投合し、恋人としてではなく仲良くなっていく序盤の美しさが魅力的なんですが、本作のエロパートに至る前に闇イベントが発生する。あんなキレイな関係を築いていた2人なのに、エロに発展するのには闇に触れるという意外性。意外ではあるけど、真面目な2人だからこそ真面目なままだったら絶対に結ばれない、ということでもあったんでしょうね。キレイな関係ではあるんですが、教師と生徒なので常識的に考えればあり得ない2人じゃないですか。だからこそ「悪いこと」と分かった上でエロに至るドラマが適切だったというか、飲み込みやすさに繋がってたと思います。「不倫されて可哀想だから」という言い訳も用意されて、いろいろと周到。決して2人の関係が清廉潔白とは言わないが、少なくとも2人の関係性、2人のドラマとしてはキレイなものとして結ばれ、ハッピーエンドを迎える。意地悪な表現を使えば欺瞞なんだけど、真面目先生と真面目生徒の関係をキレイなものとして描こうとする工夫というかアイディア、物語がとても良かった。もっと享楽的だったり、インモラル全振りみたいに作品になってもおかしくなかったと思うんですが、このバランスに収まったというのがめっちゃ好き。
 あと、ヒロインがシャツを脱ぎ切らず、ブラもずらすだけ、ネクタイは垂らしたまま、というのが個人的にめっちゃ良かったです。パンツも脱がずにずらして挿入、と徹底されてる。生徒という属性が物語的に重要なのでそれを強調し続けるため、という効果もひょっとしたらあったのかもしれません。

『部室にて』玉置勉強

 大学のサークル棟にてセックスが連鎖していく。サークル棟の中でも日陰よりというか、オタク色の強い部室。オタサーの姫的な現象が起きてるのかもしれないけど、そういう詳細は省いて「隣でセックスしてる」という事実が去来する。最初はドン引きして、はっきり言って迷惑なんだけど、エロい雰囲気が徐々に壁をすり抜けて伝染してくる感じが妙にリアル。ここの説得力が絶品。
 壁越しに聞こえるということは向こうにも聞こえてるというわけで、勝手に張り合う意識が生まれて内容がどんどん過激になっていくのも良い。だが、壁の向こうは元々3Pしてるだけあって対抗意識とかはないので、乱交を申し込んでくる、というオチが酷すぎるので笑った。向こうは向こうで達観してるというか、部室での行為に慣れてる感じがある。
 声が伝わるのでは壁だけではなくドアの向こうもそう。同じ部員たちは入室前に確実に気づくので、真面目な彼らは入ってこない、とタカを括って遠慮しなくなる、という言い訳のような理屈も好き。
 壁、ドアと来て最後の最後は床。下にも部室は存在するんだが、エロゲー愛好会には女子部員がいなかった……という救いがなさすぎるオチ。komifloのコメ欄で「最後のページはこの漫画見てシコってる俺たちのメタファー」と言ってる人がいて膝を打ちました。鋭すぎるw

『逆レ番長』ミヤシロヨースケ

 前編。学園内で逆レを繰り返す番長の話。なんだそれは……という感じなんですが、1ページ目で大体のことは分かってしまう。ハイコンセプトだw
 マッチョ女性に一方的にやられたい、という願望を煮詰めたような作品で実際にそういう良さが十二分にあるんですが(一部の体位が格闘技みたいなビジュアルになってて最高)、読み進めてると意外と本話のヒロインの優しさも見えてきてギャップにやられてしまう。捨て犬を拾う番長かのようなギャップの魅力だ。男の願望に全力で付き合ってくれるのとか優しすぎるし、自信のないメガネ童貞に対して優しく包み込むようなクライマックスとか「こんな話だったの!?」という衝撃を受けた。あれだけの体格差があるのにラストは正常位でフィニッシュという意外性。一応男が攻めてはいるが、実際に支配してるのはどう見ても下にいるヒロイン……という絵的な説得力が素晴らしい。
 からの初代番長が登場して後編に続く。強キャラ登場煽りがヤンキー漫画としてちゃんと面白いのがずるいw

『戒』山崎かずま

 家庭教師として訪れた館に住むお嬢様と褐色メイド。そんなお嬢様がドエロで、主人公は蟻地獄に落ちたようなものだった……という話で、それだけでも充分面白いんですよ。ヒロイン2人もいて贅沢じゃん、とか思ってたら最後の最後ですごいオチがあるので歓喜。そういう仕掛けのある作品とは思わないじゃんか……。とはいえ、オチを知った上で最初から読み返すとメイドがもうそういう風にしか見えないんですよね。実は描き分けがしっかりされていた、という技量と鮮やかすぎる伏線にもうちょっと感動みたいなものすらある。序盤で主人公が2人の裸を妄想する場面があるんですが、そこでの構図、メイドの裸の描き方にもしっかりオチに向けた意図が隠されてたのですね。いやぁ、ホント見事だわ。まぁ、そもそもな話、先生がいないときは2人でやって完結してた、みたいな背景というか、教師を雇う前のバックストーリーも想像できますね。
 お嬢様的にはロリコン相手にメイドの正体を明かして絶望感を与える、というのも趣味の一環なんでしょうね。いやしかし、メイドさんが本当に可愛いから困った……。

『淫雨に濡れてⅡ』DYTM

 第3話。マッサージモノという新ジャンルに手を出すだけの回かと思ったけど、話的にめちゃくちゃ大事というか、もはや第二シリーズの本題がようやく始まったような雰囲気。こんなことになるとは……。たしかにね、ユリさんがエロの世界に順応してきたというか、慣れてきた感じはあるのでそのまま異常な日常を楽しむだけだったら面白くはなかったと思うんですよ。そこに長期的な計画を持ったゼミ生が現れる。前回までは「メガネ女性素敵~」みたいなのんきな印象だったんですが、ラスボスみたいな怪しさを醸してるのでビックリ。
 衝撃だったのは中盤での語り手のスイッチ。まさかの旦那視点の語りが始まる。今まで諸悪の元凶みたいな感じではあるものの、血の通ったキャラクターという感じではなかったので、ここにきて物語にがっつり絡んでくるのが面白い。学生に手を出した時点で胡散臭い奴、という扱いなのが良いですね。それと同系統のものが今も続いている、という。女性のゼミ生が物語に絡んでくるのもそこと大きく関わっていて、旦那(教授)と異性であるゼミ生、というのが明らかに今まで登場したゼミ生キャラとは一線を画す。言われてみれば当たり前の話なんですが、「これまでとは毛色の違う強キャラ」という感じ。ゼミの新たな顔が見えるという意味でもそうだし、長期シリーズとしての面白さが一気に増してきたような回でしたね。

『たえちゃんとじみこさん』玄鉄絢

 第28話。既に恋人関係の2人とその友人が顔合わせ。既存の関係性を持つキャラクターが出会うことでまた新たな関係性が生まれるのが面白いし、本作の場合、それがそのままエロになる。ということで、今回ものすごい乱交になるんですが、ちょっとスワッピング的な要素もあってめちゃくちゃエロい。大人な存在がリードし、誘惑する感じも素敵。 “乃子ちゃんはねー” “イクときいつもキスをせがむんだよ” と2人で観察しながら迫る場面とかマジで絶品でした。享楽ぶっぱな回でそういうエロさもあるんだけど、やっぱこういう助走みたいな部分のじっくりとしたエロさが本作素晴らしいですね。
 乱交かつスワッピング的な雰囲気があったんですが、最終的には恋人関係の2人に戻っていく構成も超燃えるというか、もはや感動とかそういう読み味になってたと思います。そして先ほどのキスのセリフが活きてくる。

『ふたりの間の白い靄』はがー

 田舎のバス停。甘酸っぱくも爽やかな学生の2人のキャラクターが瑞々しく、タイトルのページでヒロインが持っているペットボトルが爽やかさを助長する……と思ったら違った。ペットボトルが意味するものはもっと直接的で、「飲んだらどうなるんでしょうねぇ?」という話であったw
 この設定、この2人なのにそんなマニアックなテーマをぶち込むのが衝撃だったんですが、よく考えると2人がマニアックな性癖を抱えてるわけではないんですよね。エロとは無縁だった2人として動物的な行為を交わすことになる、という橋渡しとしてのおしっこ。あの事故があり、思わぬ接触をしたからこそ2人は互いに意識するようになり、一線を越える。ものすごい変態なテーマなんだけど、物語はストレートに甘酸っぱい。この水と油みたいな話がしっかり成立してるから面白い。
 通常のセックスの先に変態プレイがあるのではなく、順番が逆なので、2人にとって(ヒロインにとって)エロとおしっこの因果関係がバカになっちゃってる感じがものすごいリアル。こういう順序で結ばれるカップルが本当にいたらマジでこういう問題(性癖)が生まれてそう。
 公共の場所でところかまわず放尿してた2人が最終的にはトイレに行き着いて、セックスの最中の放尿を適切に処理するようになる、という展開も2人がカップルとして適切な付き合い方を獲得する話として的確だったように思います。今後は恋人として、日常的にエロいことをすることになるだろうし、おそらくその際には放尿もプレイとして取り入れるようになるのではないか。末恐ろしいカップルが誕生してしまったものよ……みたいな余韻も感じるんですが、表面的な話としてはめちゃくちゃ爽やか。

『性処理委員会活動記録』しろすず

 「オナホ部活動記録」。学内の性処理を担う通称オナホ部。学校の日常風景の中で当たり前にエロが存在してる絵面が魅力的かつ、男子からの誘いがめっちゃフランクなのが良い。とにかく日常として馴染んでる様子が窺える。
 そんな日常業務感あるのがオープニングで、第2幕として童貞くんの筆下ろし。日常感を描いたあとだからこそ、童貞くんが特別なものとして依頼してくるギャップが映える。緊張してる童貞くんと手慣れた様子でサクサク進めていくヒロインのギャップも最高ですね。ヤリ部屋に入る際、ノールックで鍵を閉めてて、ルーティンとして染み込んでるのが感じられる。ヒロインのことを「オナホさん(ちゃん)」と呼ぶのどう考えても蔑称だと思うんだけど、この童貞くんすらその呼称を使っていて狂った世界というのを感じられて楽しい。恋に落ちてもおかしくないくらいのドキドキ感だったのにw
 からの第3幕。今度は先ほどの童貞くんと対極に位置するであろうヤリチン教師。毎度毎度振り幅がすごい。見事な構成だったと思います。てか、たった20ページで読切3本読んだに等しいような充実度。第1幕では制服のまま、第2幕では丁寧に脱ぐ描写があっての裸、そして第3幕ではコスプレとしての体操服、とヒロインは1人なんだけどビジュアルのバリエーションが豊か。普段使ってる体操着ではなく、教師持参のものなので……とブルマなことにも意味があって芸が細かいw

『鬼ゲーム』さいこ

 第4話。No.1の鬼。話運びもビジュアルも、そして演出も、完全にバトル漫画なのよ。本作は前からその気があってそこが面白かったんですが、本話はその方向性が極まった印象。戦士同士の相互理解みたいなものまで描かれちゃって話として尖りすぎてる。本話が突出しすぎてて今後の話がどうなるのかちょっと心配にもなってくる。いろんな意味でインフレがすごい。
 No.1鬼はどんなセックスをするのか、という部分なんですが、ノーハンドで駅弁体勢になり、ノーハンドのまま挿入に至る、というウルトラC。アイディアの勝利ですね。セックス描写なはずなんだけど、バトル漫画のノリ引きずってる感じも含めオモシロが強いのよ。射精と共にヒロインが吹っ飛ぶ、というラストも「K.O.」と表示されてもおかしくない雰囲気。

『慟哭の檻』唄飛鳥

 第7話。これまでコミュニケート不能な、完全に上の存在として描かれてきた男が母親に孫のことを聞かれて不穏なリアクションを取るとこから始まる。明らかに今までと雰囲気が違うというか、男の弱み、動揺、人間性みたいな部分が垣間見えるようで本作の核心に迫るような感じがして面白い。こういう物語が動き出した瞬間というか、物語のフェーズが変わった瞬間が感じられるのはシリーズモノならでの味わいですよね。その後、いつも通りあまりにも激しいエロパートになるんだけど、孫が欲しいんだったらアナルとかスカ要素にこだわる必要は1ミリもないわけで(膣内放尿とかもってのほか)、今までとはちょっと見え方が変わってくる。
 前話から始まった女性が複数いることでのオモシロが本話ではさらに加速。堕ち度の違う2人の女性、の他にさらにもう1人。この女性が闇深すぎるし、男が露骨に動揺してパワーバランスが崩れてる感じもめちゃくちゃ面白い。からのこの2人でセックスになるんですが、それを眺める前話からの2人、というパートも良い。相変わらず堕ち度の違いが重要になってきて、それがそのまま2人の関係性になり、その2人のセックスに至る。そういうオモシロもあったのか。本シリーズでそういうのも描くとは。

『一途』猫乃ふぐり

 坊ちゃまとメイドさん。おねショタなんですが、ちょっと良すぎでしょうこれ。好きすぎるというか、優勝と言わざるを得ない。メイドかつおねショタ、とジャンルとしてど真ん中ストレートすぎる内容なので「あーはいはいそういうのね」となりかねない危険性もあったと思うんですが、本作はカチッとした型の中で魅力的なキャラクターと、その関係性によるドラマが丁寧に描かれてて良さしかない。良さの純度が高い。
 2人の間の、ある種の緊張状態がオナバレにより決壊し、関係性が一気に変化し、接近していく。ので、前半は完全にヒロイン優位。ほとんどショタ狂いみたいな雰囲気で、その様も魅力的。そんなヒロインの狂いっぷりに説得力を与える坊ちゃまのキャラクターも素晴らしかったですね。
 そんなヒロインの支配的な関係だけで終わっても大満足だったんですが、そこからさらにストーリー的に深堀される。役割としての関係性ではなくなる、という展開を2人揃ってパジャマ、というビジュアル一発で示すのが見事。思えば先生の前作はコスプレイヤーがコスプレしない作品だったので手法としての一貫性も感じます。パジャマになるだけで途端にオフ感、本音感が出るし、2人の関係が対等になったからこそ最後は互いに全裸になってのセックス、という流れが激アツ。ヒロインがリードするんだけど、体位は常に坊ちゃまが上の正常位やバック、というのも最高だったというか、2人のドラマとして的確すぎる。体格差があるのに坊ちゃまが上、という絵面がもう良すぎるんだよなぁ。

『ゲノム』古賀亮一

 RPG番外編。転職の神殿。職業大喜利みたいなのが延々と繰り返されるのが楽しいし、前半のAVネタの連打も笑ったんですが、やっぱエルエルが登場してからはツッコミによるオモシロが明確に増しててより好き。 “それのどこで給料が発生するんですか!!” とか良すぎ。ちゃんとここらへんキャラの魅力というか、キャラによるリアクションの違いがあって面白いです。そもそもRPG番外編ってのはキャラだけ別の世界に引っ張っていくような豪腕設定なので、元々のキャラの魅力がより際立ちますね。

コアマガあほすたさんあほすたさん

 あほすたさん、闇深編集列伝。単位に高圧的な態度ってだけでなく、そこに女性ならではの悩み(端的に言ってセクハラ)が絡んでくるのが地獄w かと思ったら仕事もあほすたさんもまったく関係ない人間関係のトラブルによるしわ寄せとかもあって笑う。地獄のバリエーションが豊富すぎるのよ。せめてもの救いと思えるのは問題起こした人が全員クビになってるところでしょうか。予防できなかったのは大問題だけど、最低限の自浄作用は機能してる。ここがフィクションでないことを祈る。
 いつも柱の人物紹介でイトーさんについて「いいやつ」って書いてあるけど、この4文字が重い。いいやつ大事……。

『母性天使マザカルカノン』1億年惑星

 第56話。マリトッツォ屋で一儲け(できない)。相変わらず4ページの密度が最高に笑えるし、オチの高級食パンがまた絶妙なチョイスしてて好き。あるあるとして納得はできるけど、「そろそろそれも怪しくねぇか?」でもある。
 ウチの近くの駅、それほど栄えた感じではないんですが、タピオカと高級食パンの波は来ました。今はフレンチトーストもある。
 それはそうと、3D猫になったカノンちゃんが常軌を逸した可愛さに到達してると思う。堂々とビルの骨格から飛び出てるのも漫画ならではの強さを感じる。
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 終わり。またまた随分と遅くなってしまいました。こんだけ遅れるとアンケートへのリンクがあと数日で次号分へと更新されそうで怖いというか申し訳ないんですよね……。