北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2024 No.04の感想

 1月くん、置いていかないで……。
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「表紙」おそまつ

 表紙初週にインタビュー掲載なので「漫画は期待すんなよ」というスタイル。思わず今回の表紙キャラの作品読み返したんですが、めちゃくちゃ面白かった……(改めて)。ヒロインの無垢さと竿役のクズさが良いコントラスト。それでいて竿役のキャラクターが妙に凝ってるというか、キャラクターとしての解像度が高くて面白かったです。
 からの今回の表紙に戻るとありがたみが増します。カラーも嬉しいし、来週以降の楽しみもありがてぇ。インタビューの内容的に緊縛ネタ不可避な気もするw

『わからずや』多紋サカキ

 恋人ができたらしいとの噂を機に会うのを躊躇ってた幼馴染(たぶん)のお姉さんと再会。話してみたら恋人がいたことはないらしく、ワンチャン……と期待してたら恐ろしいほど話が早く進む。あまりにエロへのハードルが低く、あまりに手慣れた様子から「恋人はいなかったけど……」と察せられる感じが絶品。そこに対して主人公がリアクションを取る話ではなく、あくまでも読者が勝手に察するバランス。エロ漫画でよくある「初めてでこんなエロいわけないだろ」問題に対する回答のようにも思えてくる。
 過去の多紋作品、元気いっぱいのヒロインがとにかく可愛い印象だったので、本作ヒロインがダウナー系で驚きました。そして、その異様なまでのハマりようにも驚く。ダウナー系のお姉さん、良いよね……。戯画化された下まつげ描写も好き……。
 恋人はいたことないけど経験豊富でセックスへのハードルが低い。ということで暗い雰囲気になってもおかしくないんですが、本作は主人公のひたむきさによって後半から一気にラブコメ的な魅力を放ち出す。このギャップも良かったぜ……。ダウナー系ギャルという感じだと思いますが、話としては地雷系の子が光堕ちするのと似た感じだったかもしれませんね。地雷系と違ってメンタルが心配になる要素もないのでマジでハッピーなラブコメという感じ。
 主人公のひたむきさの象徴であり、ヒロインの人生において欠けていたものとして「好き」というセリフが出てきて、後半は2人の間でそのテーマについて攻防してるのも良かった。お姉さんとして照れをごまかしたり、はぐらかしたりするヒロインに対して「好き」と伝えることに執着する主人公。まぁ、この構図の時点で勝負は見えてるんですが、そんなヒロインのことを『わからずや』というタイトルで包んだのも可愛らしくて好き。ヒロインが最後までお姉さんぶろうとした姿勢を崩さなかったのも、個人的にはめちゃくちゃ良かった。ありがてぇぜ。

『夜勤あやかし』untsuku

 まさかの2週連続でビビった。ゼロスでの『鳥籠』シリーズの続編も待たれる状況で、まさか別の新作が来るとは。それも初期作『深夜のアルバイト』の続編。8ページなのでショート扱いになるんでしょうが、全ページがエロなので短い印象は全然なかったですね。
 調べてみたら初期作どころかデビュー作だったのですが、デビュー作らしく、作者の名刺代わりの一作みたいな印象も強い。要するに大量のピアスの衝撃とスプリットタンの衝撃。黒マスクでも隠せないピアスと、マスクの下に隠れてたスプタンという二重のインパクトが最高で、それ以降untsuku作品というとそっち方面を期待してしまうし、実際に多い。『鳥籠』は超珍しくロリ系で、まっさらな体(物理)で、しかも先週の前日譚ショートでは本編の暗さがおそらく意図的に除去された内容でひたすら可愛さだけが凝縮してたんですが、その意外性の翌週に超王道untsukuヒロインとも言える本作が来たのがあまりに良い。
 コンビニバイト中にやっちゃう話で、そこに客として現れるのが『壁一枚』の竿役。よくある過去作とのクロスオーバーかと思いそうなもんなんですが、イヤホンしてるので音に気づきにくいという必然性が生まれてるのもキレイ。音楽好きでお隣さんと仲良くなる話でしたよね。ついでにスマホというキーアイテムを持たせてるのも心憎い。

エロマンガアカデミー」

 #60。おそまつ先生による「緊縛のすゝめ」。特殊プレイとしての認知度はかなりメジャーな部類だと思いますが、実際に詳しいかというとそんなことは全然ない緊縛。身近な未知という感じでめちゃくちゃ興味深いテーマでした。緊縛(モノ)愛が伝わってくる内容も面白かったんですが、同時に作画コストがえぐいというので笑った。ジレンマすぎる。難儀なジャンルだ……。特に背中側の情報量、複雑さが語られてて面白い。たしかに実際にどうなってるのかまったく想像できない……。何をどう結んだら芸術的に体を縛る例のあの形になるのか、何もかもが分からない。結構有名なジャンルだけど、実際にやるにはマジモンの技術が必要になる、という意味でも面白い世界ですね。ただのSMだったら入り口自体は誰にでも開かれてるけど、緊縛はそうはいかない。緊縛をガチると加虐のニュアンスからはどんどん離れていくというか、別の美に注目するようになっていく。極論としてすべての緊縛は和姦、というのも言われてみれば超納得なんですが、暗く淫靡なイメージと乖離してて目から鱗でした。
 特殊技巧が必要な世界なので資料も大変……という話から自撮りの件が出てきてビビる。たまに噂とか、それこそエロ漫画の題材とかでは聞いたことあるけど、マジでそんなことあるんですね。不思議すぎる現象なんですが、今回の件に関しては緊縛好きという狭い世界なので身近に感じて応援の気持ちが湧いちゃう、みたいなこともあるのだろうか。資料的価値、及び緊縛の芸術性を分かってる人に見てもらいたい、みたいな。すごい世界だ……。


 終わり。weeklyと快楽天本誌がほぼ同日ってのが読者的には嬉しいんですが、ブログ書くことを考えると一気に追われるような気分になります。しかも明日は月曜日(当たり前だ)なので本館でジャンプ感想も書くんですよね……。
 とりあえず、次次号のweekly記事までには本誌の感想も終わらせたいです。
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