北区の帰宅部の媚薬

エロマンガ(雑誌)の感想を書きます

WEEKLY快楽天 2022 No.44の感想

 ドイツに勝ったのにコスタリカに負けました。なんでやねんw
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『拝啓、アナルヴァンパイア先輩。』ドラムス

 後編。前編の段階で、寝取られはなさそうだけど、アンハッピーエンド(別れ)は避けようがない印象だったので気になっておりました。それが蓋を開けてみたら見事なまでのハッピーエンドで、しかもちゃんと「アナルプレイにドハマリしてた2人」というのが物語に組み込まれててすごい。てか、タイトルの「アナルヴァンパイア先輩」がそのままの形で劇中に出てくるのでマジびっくりですよ。そっから良い話に着地するから驚くし、「アナルヴァンパイア先輩はいなくなった」という文章にある種の叙述トリックが仕込まれてるので面白い。もはやアナルではない、というハッピーエンド。見事なアイディアだったなぁ。
 物語のゴールとしてアナルではなく前の穴が出てくるんだけど、実際にエロ漫画の描写として出てくるのはアナル限定、という割り切りも良かった。あとは、中盤にちょっとだけ出てくる猫コスが衝撃的な可愛さでしたね。似合いすぎだろ……。2人のプレイがどんどん享楽的に、過激になっていくんだけど、ただエロいだけではなく、別れを確信したからこそその現実から目をそらすかのように没頭している感覚。ただハッピーなだけではなく、常に暗い感情が漂い続けるのが良いスパイスになってたと思います。主人公が暴走しそうな不穏さもあったんだけど、プレイの中では命令できるのに、一番言うことを聞いてほしい海外行きの件は止められなくて……というのも最高にドラマチック。あのまま怖い話に行くのかと少しビクビクしてたんですが、あの暴走しそうなハラハラ感が彼のメンタルのギリギリ感の表現になってたのですね。エロ漫画的に尖った特徴がそれとは別に物語的な機能も担っていてめちゃくちゃ面白かったです。

『アイドル・プランニング epilogue』木瀬樹

 後日譚。結婚した先の、新婚感もありつつちょっと惰性も入った日常感が絶妙。表紙イラストが「超オシャレだけどラフな部屋着」という感じでファンタジーだと思ってたんですが、新婚だからこそ見られる相手が常にいる、という感じでもあったんですね。冒頭の場面とか、可愛いの圧が強すぎる格好と掃除機の組み合わせが悪くてちょっとおかしいんですが、そんなあり得ない日常が成立してるのが(元)アイドルとの新婚生活。前作の衣装も可愛かったし、劇中に出てくるアイドル衣装も最高だったんですが、本作の衣装はそれと対照的でありながら引けを取らないくらい魅力的。
 話としては、夫が下半身パンツの状態でリモート会議してる間に……。パンツ状態でのリモート会議ってオモシロとして扱われがちだけど、エロ漫画だったら当然別のことに発展するw 夫のパンツ姿を見てヒロインがムラムラ来たとは言いませんが、魔が差したことの要因にはなってそう。仕事と夫婦間のエロがシームレスに繋がる感じが実にリモート時代って感じで好き。ヒロインの徹底的なまでの自宅におけるオシャレというのが、夫のスーツ(上半身)と良い対比になっててとても好き。表紙イラストの時点で良かったけど、本編の中で見るとその良さがより増してくる。
 前作に続いて、ヒロインが積極的になり、そこからの逆転。本作は短めなページ数ということもあり、この逆転展開が異様な早さで繰り返されるのが定番感あって楽しかった。即オチが一回で済まないw

エロマンガアカデミー」

 28限目、すずのもく先生による「表情だけで抜かせる」。扉(?)イラストは『ふふぶ』のとすな先輩である。超嬉しい。作者自身のお気に入りとしても名前が挙がっており、さらに嬉しい。やっぱとすな先輩よ。ダウナーな平常時とエロ時のギャップが最高。
 テーマとしては表情。顔は本来性的なパーツではないのだが、やはり対人コミュニケーションにおいて最重要なパーツであることは間違いなく結局顔が一番エロいのでは……と常々感じていたので今回のテーマがありがたい。キャラクターが最も現れる場所だから漫画としてはどうしても顔が強いよね。
 顔描写における飛び道具とも言える汁についての話も面白かった。こだわってるが、やりすぎになってしまうと台無しなので、という話はどのジャンルにも当てはまりそうな極意ですね。こだわりたいけど……というジレンマ。それに対して具体的な汗の数を自分で設定するという話も技術面、実践面の裏話として素敵。たしかに漫画だと汗は数えられる……。今まで読んでて意識したことなかったけど、無意識下の印象として何かの効果は受け取っていたのだろう、と思うと奥が深い話。


 終わり。表紙イラストを担当した作品が2週目に掲載されることが最近多い気がします。何か意図があったりするのかしら。
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