- 『ほろ宵いと夏のせい ~seaside~』雲呑めお
- 『わからせタイトルマッチ!』さんじゅうろう
- 『よりみち #3』えーすけ
- 『おとなみならい』楝蛙
- 『いいんですか!? 倉持さん』オクモト悠太
- 『舌ピ』八尋ぽち
- 『デカくてコワくてエロい女』肉棒魔羅ノ進
- 『はぐれものども』依田キクない
- 『くしゃくしゃ』平丸あきら
- 『わたしも…』スミヤ
- 『エロ同人ならえっちしちゃう流れだよね』日向あお助
- 『発情⇔スイッチ』雛原えみ
- 『いっぱい食べるギャルが好き』すずきとと
- 『教えて委員長』ちゅーりっふ。
右手首(手の甲側)だけ異様に乾燥してるんですが、何ですかこれ?
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『ほろ宵いと夏のせい ~seaside~』雲呑めお
フルカラー6ページ。この後を描く(後じゃないかも)モノクロ本編が夏頃に掲載らしいです。カラー漫画とは別に表紙イラストも担当されており、そちらだとタイトルにもある酒要素がメイン。カラー漫画の段階でも酒が入ってる可能性はありますが、具体的に言及されてはいないので、それは本編ってことでしょうね。よく考えたらラストシーン以外、宵いでもない。本編の内容やテーマがしっかり決まってるということなので、本編が楽しみですね。
前から思ってはいましたが、めお先生のカラー良いですよね。夏の日差し、日陰、表紙イラストだと酒による紅潮など見所がひたすら多い。個人的には表紙の重ね着感が好きです。一枚絵の中に脱ぎの行程のドラマを感じる……。
あと、何気に珍しいと思うんですが、カラー漫画のコマ枠が白抜きになってるのがカラーの鮮やかさを強調しててすごく良かったです。ラストシーンのエモみも増してたように思います。カラーの白抜きコマ枠、初めて見たと思うんですが、ひょっとしたらどこかで見過ごしてただけかもw
『わからせタイトルマッチ!』さんじゅうろう
自称Sと自称Sの対決。2人の名前が「北風と太陽」のもじりになってるので太陽である竿役が勝利するのは確定してるようなもんなんですが、太陽モチーフの通り、ゆっくりと、遠回りに攻めていく。落ち着いたテンションのまま、着実に、効果的に快感を積み重ねていく描写が生々しくて圧巻。ゆっくりとした攻めってその一手が確実に効果を生むという確信があるわけなので、その人の強キャラ感がすごい。
『わからせ』と物騒なタイトルが付いてるものの、竿役にそこまで悪意や敵意がある感じでもなく、わからせた後も2人は今まで通り仲良しな感じがあって微笑ましい。序盤のラブコメ的なヒロインの言動が非常に可愛いんですが、その極端さはセックスを経たラストシーンでも健在。彼女がS的な趣味があるのはまぁ間違いないと思うし、実際にそういう経験もあるわけですが、相性の問題ですね。Sが2人いてマウント合戦になったら必然的に負けた片方はその関係においてMになってしまう。勝者側からしたら、Sを自称する人を負かしてMに落とす快感が普通のMを相手にするときよりも多そう……なイメージ(あまりS心は分からないけど)。
タイトルの『わからせ』。ジャンルとしてお馴染みの内容とはちょっと違うというか、プレイ自体がハードに過激化する感じではないんですよね。そこはやはり太陽モチーフを感じるあたり。乱暴にはならないけど、確実に相手に負けの立場を自覚させるように迫り続けるので『わからせ』のタイトルに偽りはなかったと思います。強く認識させるという意味で間違いなく『わからせ』。
『よりみち #3』えーすけ
人妻不倫シリーズの3作目にして完結編。たぶん。えーすけ先生のシリーズ作品ってご褒美的な側面が強いイメージだったんですが、本作の最後が急転直下というか、いきなり現実を叩きつけるかのような結末に至るので驚きました。人妻側の描写が少ないシリーズなのでそっち側を掘り下げて話を落とすことも考えられたんですが、あくまでも主人公側の視点に限定して、だからこその予想外で唐突な結末。まぁたしかに、人妻がバイト先の大学生に手を出した話だと考えると、相手が孕ませを意識しだした時点でこの関係はおしまい、となるのは自然ではありますね。ただ、「続きがあってもいいんですよ?」と少しだけ期待。まぁ、ヒロインが別の男を捕まえる話になりかねないんですが。タイトルが『よりみち』だと考えるとそれでもおかしくないですよね。
旅行。不倫関係で、社会的な地位も主人公の方が低いので、旅館で1日中相手を独占できる、というのがめちゃくちゃ嬉しく、その喜びが100%エロとして実行される。旅行の話を言い出したのはヒロインの方なので(これも意味深w)、当然彼女もノリノリで、彼女にまさに食べられるかのようなエロシーンの開幕が本当に最高。キスから始まってフェラへと移行する彼女の口と舌の描写は本当に素晴らしかったですね。今回一番好きかも。キスだけで堕とされる感覚があって最高。
主人公側の喜びも大きく、そして過去2作の蓄積もあるので徐々に逆転。彼のグイグイ来る感じがヒロイン的に良かったんだと思いますが、グイグイ行きすぎた果てに彼女の中の一線を越えた、許容量を越えたのがあの結末だったのかな……。そんな2人の逆転の変遷も味わい深い。逆転的ではあるが、主人公は常にかなり必死な感じがあり、精神的に優位に立ったような印象にはならない。ここらへんの機微も良かったですよね。また、彼がリクエストした制服も読者的に良いサプライズでした。過去作に出てきた要素をそのまま持ってきてエロ本番に至る。贅沢な話なんですが、大学生が人妻に夢中になる話として、彼女に高校生の格好をさせるというのが何気に意味深。2人のパワーバランスの逆転(を目指す)を象徴していたようにも見える。そこで十分クライマックス感あるんですが、そこからさらに一段階先があって……という展開も熱い。メガネも外れて、コスプレも脱いで、孕ませるという主人公の目的を2人で共有した状態でのラストステージ。あそこで見破られるくだりも良かったなぁ。一枚上手感もあるけど、主人公の必死さに魅力を感じてるのが伝わってくるようでものすごく好きな場面でした。
『おとなみならい』楝蛙
夏の家族旅行……先でおねーさんと出会う。おねショタ!! 恒例の家族旅行に嫌気がさしてきた背伸びキッズと旅先で出会う素敵おねーさん。良すぎる。強すぎる。旅行先の一夏の出会い、というのはものすごくエモいけど、主人公の場合はあくまでも家族旅行であり、自力の旅ではないのがまた良いですよね。家族の管理下から抜け出したい心理が働くけど、そもそも旅行が家族のものである。
そんな主人公の背伸び心を見抜いた上で優しく、それでいて少し意地悪に接してくれるヒロインが良すぎる。圧倒的大人感なんですが、あくまでもショタ視点によるおねーさんであって、社会的に見たらどこまで大人なのかはよく分からないというか。2人の交流の初手がおちんちん治療なんですが、これもヒロインが子供扱いしてきたからこそ成立したものですよね。そして、主人公が背伸びした無理した果ての出来事というのが何とも象徴的。
2人の交流が積み重ねられる場面も優しさと素敵おねーさん感に溢れてて最高なんですが、運命の最終日前日、川遊びということで初めておねーさんが水着のみになる。さっきの「北風と太陽」じゃないですが、関係性の先に次のステージに向かえた感じがあって最高ですし、そのエモさも抱えたままエロに至るのですがが、そのエロへの誘いが完全にヒロインの一方的なもの。主人公の背伸び心を見破るようなヒロインの視線の描写が本作は多いんですが、その果てに待ってるのが彼女からの誘い。主人公はエロまでは期待してなかったかも……という不均衡がほのかに感じられる。
そこまで直接的に前面に出てくるわけじゃないので、ひょっとしたら私の誤読かもしれないんですが、おねーさんに漂う悪い大人感、ここがすごく良かった。このニュアンスが本作には混じってるように思います。楝蛙作品で過去のおねショタだともっと双方向的でイチャイチャ感のある作品もあったと思うんですが、本作の2人には決定的なバワーバランスの偏りを感じる。それがおねーさんの魅力として強烈という話でもあるんですが、ちょっと悪い予感みたいなものが本当に魅力的。エロの誘いを境にそれまであった優しい言動が一気になくなるんですよね。動揺する主人公に対する配慮がなくなるというか、とにかく彼女のペースでセックスが進行する。彼女が快感に浸るモノローグはあるんですが、それを言葉にして主人公に伝えることはない。双方向的なコミュニケーションをしてる感じがセックスの最中だけない、というほのかな不気味さ。良すぎる……。騎乗位のまま胸を主人公の顔に押しつける体勢とか2人の体格差が活きてて最高なんですが、同時に2人が視線を合わせない、もっと言うと主人公の視線に蓋をするような形になってて味わい深い。そのまま騎乗位でクライマックスに向かうんですが、ここが最も象徴的で、のけぞりながらのオホ声。快感のデカさは間違いなく伝わってくるが、それまでの素敵おねーさん感はなくなり、1人で快感を堪能してるような印象。そこで主人公は押しつけられた胸を吸うことになるんですが、おっぱい吸うってめちゃくちゃ子供らしい行為だけどそれでいいのかw そして、ヒロインがそのことに対するリアクションをすることはなく、ひたすら挿入の快感に浸っているように見える。素敵おねーさんをそこまでよがらせた、と考えることもできますが、騎乗位のまま互いにのけぞり上に目線を向けてフィニッシュに至るため、この互いの目線の的外れな感じがすごく良かったです。おねショタで悪い大人系の作品というのは、それ自体特別珍しいわけではないんですが、その上で主人公の可哀想感にそこまでフォーカスしない独自の叙情になった本作は特筆すべきなのではないでしょうか。主人公としては一夏の思い出として素敵なものにはなったと思うし、何なら成長のドラマでもあると思うんだけど、だけど……という。
『いいんですか!? 倉持さん』オクモト悠太
クールな女上司と出張相部屋。出張相部屋モノって最近の流行だと思いますが、本作はそこに「ヒロインが温泉オタク」という要素をプラスしたのが発明。定番の展開から色っぽい雰囲気になるかと思いきやオタク心を爆発させるのが楽しすぎる。こういう圧倒的な明るさと楽しさはオクモト作品の魅力ですよね。結構マジで替えの利かない存在だと思います。「シュバ」のコマとかもう本当に好き。
エロとしては、湯上がりに急接近。倉持さんとしては、とりあえず温泉入れたのでもう事後なんですよね。それ故のだらしなさであり、そこからハプニング的にエロ。とはいえ、主人公が誠意を見せる形でエロの合意に至る感じとか、フェアかつハッピーで最高。温泉でポンコツな一面を見せたけど、このエロへの誘いのくだりでクールな大人な面を再び見せてくれるのも熱い……と思ったら最後にオチがつくので笑いました。自分で決めゼリフを反芻してるのが良すぎる。
そんな「実はポンコツ」なオチがついたものの、エロパートにおける、主人公視点の範囲ではかっこいい大人な顔を見せ続けてくれるのも嬉しい。主人公的には「あの倉持さんがこんなに……」と驚きつつ興奮して、その際はちょっとだけマウントっぽい展開になるんですが、基本的には対等なイチャイチャ感があり、その先に倉持さんの有り余った性欲の発露として極度に支配的ではないが上に立つ、というバランスもすごく好きです。かっこいい大人としての魅力を感じつつのイチャイチャという感じですかね。
『舌ピ』八尋ぽち
舌ピアスをつけてもらうと気持ちいい。なるほど、考えたことなかったけど、他人に舌触られるのにそういう感覚が湧いてしまうこと自体はめちゃくちゃ分かる。口内フェチの気はあると自覚してたんですが、舌ピの装着という部分に着目したことはなかった。そして、ギャル語の「ピ」と組み合わせたタイトルもシンプルながら見事ですね。ちょっともう設定の段階で超好き。
そんな2人がいよいよ一線を越えるきっかけというか、発端になるのが落としたコインが拾えない(ギャル爪なので)。しょうもなくて笑ったんですが、ちゃんとギャル要素をこれでもかを打ち出してくるの良いですね。竿役に助けられるイベントなんていくらでもあると思うんですが、ギャル爪。ついでに不条理事故として出てくるLUUPネタも好きw
エロパート。当然舌ピでのキスから始まるんですが、このキスシーンのねちっこさが最高。間違いなく本作の白眉ですね。メインテーマは舌ピなんですが、唇が触れる直前、唇が重なってのキス、と2度も連続したアップのコマで描かれるんですが、ここではまだ舌ピは見えず、ページをめくった先の3度目のアップで舌を絡める描写が入って舌ピがお目見え。ゆっくりとした助走と、舌ピ描写の焦らしが絶品。そして直後にフェラが始まるんですが、今度はいきなり舌ピ全開。そのフェラシーンが長いので最高。キスとフェラがそれぞれ3ページずつあるのめちゃくちゃ珍しいと思うんですが、本当に素晴らしかったです……。
なんだけど、舌描写のクライマックスはまだ残されていて、挿入しながら舌を触られる。これ、よその作品でこのプレイがいきなり出てきたら男の支配的なプレイになる他ないと思うんですが、本作だとヒロインが主体となるフェチ全開の場面になってるのですごい。ヒロインとしては舌を触られるのが快感だが、竿役としても当然彼女の舌が興奮材料になるのでウィンウィンですね。目から鱗が落ちまくるような作品でした。舌は好きなつもりでいたけど、めちゃくちゃ奥深い世界。
『デカくてコワくてエロい女』肉棒魔羅ノ進
マチアプで出会った女性がデカい。コマに収まってない巨躯なので笑ってしまった。てか、彼女が単身映ってるだけなのにしっかりデカさが伝わってくる扉のコマも素晴らしいですね。ただの設定ではなく、絵一発でデカさを分からせる実力。
コワい人かと思ったらデートパートで可愛い一面を見せ、しっかり心の交流を果たしてからエロに至るのも良い。良いが、結局コワかったw とはいえ、正直コワさも魅力の内ですよね。めちゃくちゃ良かった……。絵面としては完全にヒロインに支配される、コワい雰囲気なんですが、プレイ内容をよく考えるとまぁ女性優位なものとしてそこまで極端なわけではない、というのも良い。やはりひたすらデカいのでちょっとした行為で支配感がマシマシになってしまう。
一応正常位で主人公が優勢になるかと思ったら、下から彼女に抱き寄せられて、埋もれるw イチャイチャ感ある絵面に見えなくもないんですが、下から支配する、それも物理、というのが最高。そこからイチャイチャ風のちゅーになるんですが、体格差でちゅーしづらいのも好き。なかなか届かないのよ。主人公の方が強く追い求める形になるのも負け感あって良いですね。
エピローグ。いや事後というほど終わってない感じですが、ここでコワいけどやっぱり可愛い人、という一面で終わったのも良かった。というか、あの寒暖差食らったら狂ってしまうと思う。
『はぐれものども』依田キクない
weeklyでの『ひきこもりども』に続くおねショタシリーズとしての「ども」タイトルって感じですかね。おねショタという根本的に格差のある設定を、似たもの同士を感じさせる「ども」というタイトルで括るのが良い。
両親の離婚で母親の実家に引っ越したが、田舎だし、叔母さんに襲われるので困った。突然の田舎コミュニティでの居場所のない感覚、からの突然増える知らない親戚という距離感が魅力的な設定。叔母さんだけは田舎っぽくない派手さがあるのも良い。彼女は彼女で田舎に居心地のなさを感じているようで、その腹いせとして主人公に当たってる。ドラマ要素として田舎のダークサイドを結構容赦なく描いてくるんだけど、だからこそ居場所のない『はぐれものども』である2人の関係が輝いて見える。2人とも暗い感情を持ってるし、2人が近づく発端も暗い感情によるもの、なんだけど……という良さ。
ヒロインはそんな田舎のダークサイドを内面化してしまっていて、それ故のどん詰まり感なんですが、主人公はまだ子供なので、そんな田舎のダークサイドを目の当たりにした際に拒絶し、走り出す。激エモ。面積的にでかいスケール感も田舎設定ならではの魅力だったと思いますし、行き着いた先がヒロインのいる「雨の中のガソリンスタンド」だったのも最高。居場所のない2人にとってのオアシスのような魅力。同時に世間から目をそらして「ひきこもる」ような雰囲気もありますね。
主人公の圧倒的な良い子さ、ピュアさにヒロインが打たれてエロパート。 “……こんなのが” “あのお姉ちゃんの子だなんて” という彼女の負の感情を再確認してから始まるのもすごく良かったです。キレイな話ではあるが、ヒロインに悪さがあるのも間違いない。
エロパート。直前の作品じゃないけど、体格差のある2人なので、ヒロインの体のど迫力感も素晴らしいですし、ガソスタ店員としての正装状態から徐々に脱いでいく描写も最高でした。個人的に脱ぎ描写が好きってのもありますが、店員という彼女の社会性を脱ぎ捨てる描写はドラマ的にも意味深い。
ヒロインとしては捨て鉢のような心理で一線を越えることになるんですが、それを知った上で主人公は優しさを見せる。子供なので問題の解決に向けた具体的なものは何一つ提示できないけど、それ故に気持ちだけの輝きが眩しい。光のショタ。エロを通じて彼に懐柔されるというか、ある意味で逆転される話だったんですが、驚きだったのは事後。エピローグが2ページと少し長めなんですが、何とここで今度は田舎コミュニティのライトサイドが描かれる。失踪者の捜索というのが妙に田舎らしい話になったのも好き。ヒロインがこじれた原因である姉(主人公の母)が出てくるのは話の流れ的に分かりやすかったんですが、ここで同時に主人公の同級生も出したのが見事ですね。ちゃんと2人それぞれが「はみだしもの」になった人間関係を描いて、それらが復旧するという着地。まさかここまでキレイで感動的なラストになるとは思わなかったので天晴れです。
……とはいえ、本当の田舎コミュニティの怖さであり、問題の原因である親の件は解決せずに終わるのがリアルでしたね。というか、ラストの感動的な場面に出てきたのは全員「子供」という共通項があるのか。田舎社会のシステムはひょっとしたらクソで救いようがないかもしれないが、そこに住む人たちはそんなに捨てたもんじゃない、的な優しい結論。とはいえ2人の関係がバレたらせっかく良い雰囲気になった姉妹関係も泥沼不可避ではあるw
『くしゃくしゃ』平丸あきら
ドMを公言してたらSに捕まる。平丸先生が女性優位とは珍しい……と思ったら内容の方がめちゃくちゃ珍しくて歓喜。面白すぎる。「こんなに面白くていいんですか?」と読みながら思ってしまった。マジでどうかしてるほどに面白い。
要するに主人公は自意識をこじらせたコミュ障で、Mという自称は嘘。嘘というか、まぁ変態アピールで自分のキャラクターを作ってた、みたいな感じですかね。それを見抜かれた上で、本当の自分を認めさせられる。概要だけ書くと本号掲載の『わからせタイトルマッチ!』とコンセプトは似てると思うんですが、あちらは言うても仲良しの話だったのに対し、本作は徹底して仲が良くないw 悪意と表現するのが正しいかはちょっと自信ないですが、ヒロインが主人公に抱いていたものに好意は1ミリも存在しない。雑魚が粋がってるのでぐちゃぐちゃにしてやろう、という興味本位。困ったことに彼女が本物のSで、これ以上ない形で尊厳破壊されるのは間違いないんですよね。冒頭の場面で主人公が語っていたことはすべて叶ったと言える。それなのに……というねじれが作品として面白いんですが、まぁ一から十まですべて主人公が悪いって話ですね。そんな主人公の情けないキャラクター、心理、語りがめちゃくちゃリアルなのも良かったです。というか、エロ漫画(エロコンテンツ)を愛好するような人って多少なりともあのようなエロ語りが変な方向に加速しすぎて、特殊性癖自慢みたいな謎のブランディングに走ることってあると思うんですよ。もちろん主人公ほどみっともないかは別として。少しくらいはMだと思うけど、人と話すときやSNSで語るときのはドMだと誇張しちゃったりとか。それを見抜かれる話なのでとにかく耳が痛いw ブログに感想書いてるような人はもう逃げ場ないような話ですよ。クリティカルだったのは私だけじゃなく、そんなに珍しくないことを祈ります。
ということで、フェイクMが本物のSに捕まる。そこで本物のプレイを披露してくる話ではあるんですが、フェイク野郎に一番利くのは本物のS的な責めではなく、純愛プレイ。あまりに的確すぎる箇所を刺してくるので笑ってしまいそうなレベル。エロの話じゃなくても、実写のラブコメ映画のことはひたすらバカにするけど、オタクコンテンツの中で純愛が描かれると最大限に歓迎する、みたいな人めちゃくちゃ多いと思います。そういう人に響く、というか刺さって出血多量で大変な目になる作品。
ヒロインは主人公の嘘を見抜いた上で、嘘の純愛プレイで翻弄するんですが、彼女の本音の部分もチラホラ漏れ出てるので、そこに注目するのも面白い。いや、漏れ出てるというか、彼女には隠す気がまったくないので当然そこにある、という感じ。主人公と違うのは他人にそれを見せたがるとかどうかですね。ヒロインがSなのは本当だし、彼女の責めも本物、嘘の純愛プレイではない部分で彼女が本当に楽しそうにしてる瞬間があって、そこが悪魔的な魅力ですね。言い訳する主人公をキス(ほっぺw)一発で黙らせるくだりとかあまりに鮮やかなんですが、主人公がみっともなさすぎて、幼稚すぎて可愛く思えてくるのも事実。ヒロインはその部分を堪能してるわけですね。ちょっとだけSの気持ちが分かった気もします……。
主人公に認めさせて、いよいよ挿入。認めさせるくだりが一つのクライマックスなので、純愛プレイはそこまでで、挿入以降は彼女の悪意(というか本音)が常時開放されてるようで作品として味わい深い。主人公がまんまと気持ちよくなるのは当然なんですが、同時に彼女も気持ちよさそうにしてる。ただし、それはすべて彼女自身のコントロールによって得たもの。精神的な快感もあるんですが、肉体的な快感もあって、それは彼女自身の腰振りによって得る。1ミリたりとも2人が通じ合ってない感じが素晴らしかったです。事後に何か気に利いた会話をするわけでもなく、彼女が1人で静かに冷静になり、日常に戻っていく場面転換も最高。一方、主人公は戻ることのできないまま……というエンディングも良すぎる。今後平丸先生の単行本が出るとして、本作は表紙になるような作品ではないと思うんですが(珍しいタイプだと思うので)、とはいえひょっとしたら最高傑作もあり得るんじゃないかしら。そのくらい良かったです。
『わたしも…』スミヤ
付き合って2ヶ月、一線を越えれないでいたところ、彼女にAVを発見される。どこかで見覚えのある女優さんでしたね……。
それはさておき、そのAVをスマホで一緒に鑑賞することになる、という地獄の空気。からのスマホに余計な通知が入って余計に気まずいw バレな連鎖していくんですが、それをスマホ一つで完結してるのがキレイ。隠してた本性を見破られる話、という意味では直前の『くしゃくしゃ』から連続してるとも言えそう。ただし本作は、そこから「エロいアプリと知ってたということは……」と見破るの方向が逆転する。事故的なバレが連鎖し、互いにバレ合うことでなかなか越えられなかった一線をついに越える、というのが劇的。気まずい空気だし、ヒロインは全編を通じて “むかつく” という感情がキーになるんですが、結果オーライというか、めちゃくちゃ微笑ましいハッピーな話になってるので最高。魂が浄化されるようである。
ヒロインの “むかつく” の感情はいろいろ複雑ではあるんですが、その大きな一因としておそらく自意識過剰がある。見破る、バレる、という展開で作られた話なんですが、彼女はその点に過敏になりすぎてる、という感じじゃないですかね。とはいえ、若いとそうなるよね……と本当に微笑ましい。こういう感情って漫画だとオタク的なキャラクターとして描かれることが多いと思うんですが、普通の可愛らしい女の子の心理として描かれたのが最高。初めてということで、彼氏はかなり優しくしてくれるんだけど、優しくするという行為が彼女にとっては「見抜かれる」として受け取ってしまうので結局 “むかつく” 。最終的に彼女自身が自分のことに気づく、となってフィニッシュ。この流れも見事でしたね。物語的な着地がそのままエロの着地になる。ここで彼女が気づいたのは自身の声なので、彼氏からしたらめちゃくちゃ分かりやすい変化だと思うんですが、その点を指摘してこなかったのは彼の優しさなのでしょう。
『エロ同人ならえっちしちゃう流れだよね』日向あお助
エロ同人の即売会でSNSで交流のある読者と作家が出会う。ひょんなことから打ち上げまで付き合うことになるんですが、この距離感と事故性が良い。元々約束してたオフ会というほど近くはなく、初めましてなんだけど作品とSNSを通じて人間性は結構知り合っている(読者の方は特に知ってる)。派手なギャルの見た目に驚いたものの、作品と彼女の人柄には一致するものがあり、初めましての緊張感からの一気に心の距離が近づいていくようなドキドキ感。絶品でした。
読者である主人公が一方的によく知ってる関係なんですが、実際にエロに誘うのはヒロインの方、というバランスも好き。程良く知り合い、程良く他人という距離感の2人の関係性が魅力的なので、2人が上下になりすぎないのが良かったというか、エロい面が一方的にバレてるヒロインの方から誘ってくるというのも良い。というか、単純に作家というだけで読者からしたらリスペクトの対象なので露骨な態度にしなくても内面はうっすらと彼女の方が上、みたいな感覚が主人公側にはあったんじゃないですかね。キャラの濃い主人公ではないんですが、何気にかなり良い人だった気がします。下手すりゃ「オタクの夢でウヒョ~」的な話になってもおかしくないんですが、そういう意味ではかなり冷静で、それでいて朴念仁すぎることもない。人対人の交流としてかなりまともな感じが魅力的であり、なんだけど2人の繋がりはエロなので……という良さ。
感情表現が豊かで、それでいてしっとりとした雰囲気も突如として醸ち出すヒロインが魅力的。表情の多彩さもそうですが、目の演技っていうんですかね、とにかく彼女の本音が漏れ出まくってるのが可愛い。エロ同人を通じて一方的にエロの面がバレてるという話ですが、それがなくても彼女は感情を伝えるのがうまいというか、自然と漏れっぱなしなので次々とバレていく。というか、主人公側からしたら単純に心の距離が勝手に近づいたいくような感覚になるのでずるずると引き込まれますよね。あの可愛らしい人柄はちょっと強すぎる。一方的にヒロインの心の内がバレる話なんですが、エロパートが最終的にバックだったのも2人の関係性が現れてるようで好き。イチャイチャ感は強いので支配的な感じは全然ないんですが、彼女は逃げるが簡単に捕まってしまう、的な味わいもあったクライマックスだったと思います。最後のうつ伏せで体を伸ばすフィニッシュのコマ素晴らしかったです。
からのエピローグ。今度は主人公がバレることになるんですが(オナバレ)、そこで彼女の思わぬ一面が明らかになる。恋人がポルノでシコるのを嫌がる気持ちは分かりますが、エロ作家が対自作でもなるんだw 普通に今後もファンという関係は続くと思うんだけど、シコったら鬼詰めされるのつらいですね。
やや強引かもしれませんが、『くしゃくしゃ』からの3作品、話の内容もエロの雰囲気も全然違う作品ですけど、どれも「見抜く/バレる」というテーマが共通してて面白かったです。オナバレとか性癖バレという感じ。微笑ましいイチャイチャから初対面からの急接近もあり、オタクの嘘が殺される話まであって幅広い。テーマの一致は偶然ですが、思わぬ偶然で理解が深まったり、見え方が増えたりするのは雑誌ならではの魅力だったように思います。
『発情⇔スイッチ』雛原えみ
AVを観ながらセックスしてたら変な癖がついてしまう。本作のヒロインのスイッチがバレる話と括ることもできそうですが、本作の場合は完全にパブロフの犬というもっと即物的、というか動物的な反射なので可愛い。というか、恋人とAV観ながらって全人類の夢ですね。ただし、それが前提となる話であって、そのせいでおかしなことになる話。まぁ、2人のイチャイチャの蓄積が作り出したものなので、愛おしい思い出の顕現と言える……かもしれない。AVだと日常生活に支障が出ることもまずないと思いますし、微笑ましい範囲なんじゃないですかね。
雛原作品はいつもヒロインの衣装が可愛いよね、と思ってたら劇中でそのまんま言及されるので嬉しい。服着たまま始めるし、場面転換(別日)で別の衣装がまた出てくるのでお得。そちらも着たまま始めるのでガッツポーズでした。いや、話的に着たまま始めるのは予想できたかもしれないんですが。
舞台は漫画喫茶の個室。隣のスピーカーAVマンのせいでスイッチオン。「そんな地獄みたいなことある!?」と驚いたんですが、店員に注意された際のリアクションが妙に弱々しいので何か良かった。妙なところに人間臭さがあるというか。
そんな隣人が注意される展開。主人公カップルはバイブを使って隠密プレイをしてたところなんですが、ヒロインのスイッチがオンで期待が高まってるためバイブを動かさなくても感じちゃうのが可愛い。からの様子見で弱モード、の段階で隣人が注意されるんですが、竿役だけそのことにビビることになり、その間ヒロインはバイブで放置プレイ。この流れめちゃくちゃ良かった。シチュエーションのドキドキ感と、事故によって偶然生じたヒロインへの特殊な責め、弱く持続的な刺激によって限界を迎えてしまう感じもめちゃくちゃエロい。2人の間の理性のギャップも如実に現れてて本作の設定が輝いた場面だったと思います。イチャイチャの範囲で軽いイタズラとかはするけど、さすがにバイブ入れたまま放置、というのは普段だったら絶対にあり得ない軽く一線を越えたプレイですよね。
からの本番。ヒロインがもう余裕なくなってるのが可愛いんですが、逆に言うとバレないように気を配る余裕はなさそうなので竿役がその分頑張らなきゃいけないんですが、そろそろそっちも理性が限界で……というハラハラ感が良い。声が漏れそうになったのをキスで塞ぐのはイチャイチャの極みみたいな展開なんですが、ヒロインがどこまでもエロのことしか考えてないことの現れでもある。2人の温度差というか。そこから軽い逆襲として挿入しながらのバイブ(吸引)再び。さらにそのままキス、とめちゃくちゃテクニカルなことしてるのですごい。テクニカルというのはその分理性が残ってるということでもあるので、理性ゼロの彼女と理性を残したままの彼氏、それぞれの方向でエロが激しくなったいく、というクライマックスになってて熱い。
『いっぱい食べるギャルが好き』すずきとと
ギャルに料理を気に入られる。家庭科部の話で、ヒロインは食べる専門として部内で愛されてる風なのが良い。授業では生まれないほのぼのとした幸せな空気になっててめちゃくちゃ魅力的でした。主人公をからかった際に周りの女子たちも「キャーッ」と盛り上がってるのも最高。平和の極み。
休みの日にヒロインの自宅で。ほっとけなくて料理以外の面倒も見ることになり、その果てに料理。料理を食べさせる、と完全に一方的な関係ながら2人の関係はヒロインが完全に上な感じなのも良い。早くも専業主夫って雰囲気なんですが、夫にしては可愛い後輩感も強いのが良い。そんな主人公にヒロインが本格的に誘惑を始めるんですが、 “君が私をこんな身体にしたんだよ” のキラーフレーズやばいですね。手を握られながらむちむちの胸を強調されながら、という。これは落ちる。ヒロインが主人公のことを計画的に狙ってるというよりは、一挙手一投足が可愛いのでついからかってしまう、という感じだったのも魅力的。先輩としての破壊力も感じつつ、おねショタのおね感もちょっとあるというか。身体はヒロインの方がでかいんですが、その身体の大きさにドラマが関連してるのが最高ですよね。エロを堪能するのと同時にドラマ的な感慨も湧く。
エロパート。ヒロインが主人公を甘やかすかのような激甘な雰囲気なんですが、パワーバランスが偏りすぎてることもあり、どこか激しい感じもあるのが最高。激しくする意図は特にないけど、体格差と精神的(性格)な格差によってあまりに一方的かつ支配的なプレイにも見えてくる感じ。濃密なイチャイチャなんだけど、主人公の言うことが全然聞いてもらえてない感もあるのが良い。ただ、終盤にかけては主人公の主張が通るようになり、再びイチャイチャ感が増し、セックスの内容も双方向的なものになってフィニッシュ、というプレイ内容の細かい変遷も最高。キャラクターの魅力が十二分に堪能できるエロパートという感じだったと思います。
『教えて委員長』ちゅーりっふ。
委員長として真面目なキャラクターを求められすぎてストレスを抱えてるヒロインの前に、ヤリチンの転校生が現れる。 “転校生の槍間くんだ” の1コマでヤリチンという説明が済んでしまうスピード感が面白すぎる。そんな紹介なので極めて類型的なヤリチンキャラという感じなのかと思いきや、ちょっと彼のキャラクターもなかなか味わい深い。思った通りの野郎なんだけど、軽薄さの描写が妙に細かいというか、ヒロインとの対極としての軽薄さなので、彼の一挙手一投足に「最低だ……」と愕然としつつも、ヒロインとの対照的な関係性にはどこか(フィクションとしては)魅力のようなものも感じてしまう。これで彼に最低限の善人性があったら普通に良いカップルになれたと思うんですが、残念ながらそんなことはなく……。
真面目の仮面を押しつけられてきたヒロインが軽薄なヤリチン相手に困惑しながらも堕ちていく。肉体的には十分堕ちたという段階で放置が入るので面白い。一度焦らすことでヒロインから求めるようにし向ける……という遠大な計画ではなく、ヒロイン以上に都合の良い相手(生でできる彼女)ができたので普通に関係が終わってただけ、という無情さが面白い。こういう話ってもっとヤリチンくんが悪意をぶつけてくる話かと思ったんですが、ヤリチンが故にヒロインへの興味もすぐなくなる。そのことでヒロインは逆に自ら彼へアピールするはめになって……という地獄の連鎖になるのでお見事ですね。必死になってたのはヒロインの方だけ、というのが良いし、ヤリチンの元にはセックスの機会が自然と集まってくる、という話が無情。
エロパート。ヒロインは不慣れながらエロのアピールをする立場になってしまい、挙げ句それまでは一線を守ってきた生も提供することになる。この逆転が良いですよね。先ほども書いたけど、ヤリチンの方はヒロインに対して1ミリも執着してない、という圧倒的な不均等。それがそのまま2人のパワーバランスに繋がっていく。ヒロインが求めてないはずなのにいつの間にか全力で求めるようになってしまっている、という転落劇。
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終わり。関係ない作品を連続して読む楽しさは間違いなく存在するよなぁ、と感じた月でした。
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