一度動いて汗をかくといつまで経っても汗が引かない。湿度憎い。
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『サウナでととのいまシた!?』よちリョウタ
サウナ。世間で流行ってる割にエロ漫画では珍しい題材なので不思議ですね……ってサウナの中でやったらさすがに死ぬからか。何でも飲み込むエロの世界でも珍しい難題だったのかもしれない。
本作もさすがに中でやることにはならない。ただ、サウナが物語上の前段に過ぎないかというとそんなこともなく、間違いなく本作の見所の一つになってる。わざわざ扉まで用意されてて嬉しいんですが、サウナ内における水着ですね。それも水着披露の瞬間に盛り上がるように場面が作られてるのが良い。一度焦らしてからの、決意の脱ぎ。中から汗だくの体が飛び出てくる場面の迫力、素晴らしかったです。その後「まさか中でやるの!?」と思ったら健全ラブコメ作品でよくあるエロ誤解ギャグなので笑ってしまった。マジのエロ漫画でやったら騙されるでしょうがw
物語としては、雑誌編集部でライバルの2人がサウナ特集の取材に行く。サウナ門外漢なので「わざわざ男女に任せなくても」と思ってしまったんですが、カップルサウナというものがあるらしい。スケベだ……。いや、部屋付き露天風呂とかに比べると中で行為に至る恐れが限りなくゼロなのでむしろ健全なのかもしれない。
いつもいがみ合ってる2人だけど、根っこで仲が良いのは見え見えなので……という健全ラブコメ的な前半パート好き。互いに「良い身体」と評し合うのとか微笑ましい。それぞれ良い身体の方向性が違うのが良い。
仲は良さそうだがエロの気配はナシ……という雰囲気が崩れるのが、竿役からの “今日のことって彼氏に言ったの” 。探りのジャブ入れてきて、それにヒロインが “最近別れた” と返す。読者的には「彼氏いたの!?」となるんですが、同時に「だから手を出さずにいたのか」と腑に落ちる。からの別れたと知るのでそのブレーキが外れることに。このワンラリーで一気に物語が進行するのが劇的で良いですね。劇中の2人は1つの展開ですが、読者の中では2つの展開が瞬間的に行われるのでゆったりとした話運びからのギアの上がり方がすごい。
脱サウナでいよいよエロパート。彼氏と別れたしこれはもうそういうことだよな……と思ってると竿役が焦れったいのでたまらずヒロインが誘う。明らかにそれまでは竿役の方が上に立つ関係性(特にサウナだと)だったんですが、ここで一気に逆転。やはり彼氏いたヒロインの方が経験豊富だったというか、精神的には大人だったと分からせられる場面で超良かったです。まぁ、サウナでのぼせた直後なので襲えない、というサウナ経験者故の判断もあったのかもしれない……。
セックスの内容的には竿役が攻めに回る感じなんですが、それでも2人には対等感があって、ヒロインの魅力にあてられた竿役の心理描写が一気に増える語り口も魅力的でした。ヒロインと違って余裕がありそうな雰囲気出してるけど内心は彼女と同じくらい必死。そして、そもそもヒロインは元彼にフラれた際に、求められなくなったことを心の傷としてるようなので、今回のセックスそのものが、相手に求められること自体が彼女にとっての救いとなってる。この背景もおいしい。彼女が受けに回ったのは体力的な事情もありそうだけど、その相手に求められること自体が彼女にとっては感慨もひとしおで……というのがエロの説得力になってるのがめちゃくちゃ良い。物語とエロが不可分の関係。
『続けだものみち』鳩麦むんむん
くま獣人家庭教師再び。後日譚ショートではなくがっつりとした新作読切なので嬉しい。衣替えでヒロインの衣装が変わってるのも眼福。前作と違って、本作は帰ってきたら先生が寝てたのでそのままスタート、という違いも何気に大きいですね。前作は徹底的にヒロインの猛攻で進行する話でしたが、本作のヒロインはあくまでも事故的に始めてしまう。
てか、前作の一件があるので、もう2人はドロドロの関係かと思ったんですが、あれ以来何もなかったらしいので意外。そのことで先生の方が悩んでる、というのが面白い。何事もウジウジ悩むタイプなのが可愛いですね。しかも彼の悩みがいわゆる「ぬいぐるみペニス」そのもの。ぬいぐるみ当事者特有の悩み。そんな彼の寝姿を見て再びヒロインが我慢できなくなるんですが、寝姿というのはぬいぐるみ感の強い状態ですよね。それでも彼女はぬいぐるみ的な魅力だけではなく当然生物としての魅力を知ってしまったわけで……とネクストレベルに到達するのが良い。彼女は彼女で一応多少は我慢できるようになってるというか、勝手に薬盛るようなことはせず、寝姿を見て独りでオナる。そして、問題のむいぐるみペニスを求めるようになって、先生起床。予想外に良い話なので驚いてしまった。2人がそれぞれ前進してて、2人の関係性がより良いものになる。その儀式としてセックスに至る。
エロパート。2人の語りがそれぞれ交互する形で進行するのが良い。前作はエロパートはヒロインの心理に寄り添う描写が多くて、先生の攻めが暴力的(獣人はチカラが強いので)に感じられてそれが背徳的な魅力だったんですが、今回は2人がより双方向的な関係になってるのが分かる。それぞれの精神的な成長を感じてしまう。体格差とかチカラの差は当然あるので、エロの内容としては間違いなく先生が支配的なんだけど、前作との違いは決定的だと思います。エモめなモノローグもあるんですが、最中に互いに言葉を交わし、そのことで前進していく感じがあるんですよね。もちろん二度目の慣れもあるんでしょうが、互いに気持ちの整理がついた上だからなのでしょう。
前作もそうでしたが、日常パートにおけるヒロインのちょっとした言動が殺人的に可愛いのは変わらないので嬉しかったです。エピローグにおけるオチとか、ちょっと愛が重くて不安にもなるんですが、それでもあの可愛らしさには抗いがたいものがある。それに「抜け毛」というのは先生をぬいぐるみ扱いではなく生物扱いしてる証拠でもあるので、ギャグではあるけどちょっと良い話でもありますね。
『激神動バトローターG』ぱてくらー
続編あんのかよ!! もはや作品が存在することに笑ってしまう。
しかも続編、別のヒロインが出てくるのではなく、新キャラは少年。主人公のライバルポジのクール系。「あるある」なので笑ってしまうんですが、彼がちゃんとホビー漫画の住人としてまともな感性を持っていたので笑う。結局のところヒロインがただ独り変態な世界。今回の新キャラはあくまでもエロチャンスと知ったことで下心に突き動かされるだけの存在。下心が発生する分、主人公よりは性の知識があるようですが、最後のオチから察するに彼はセックスを知らないのかもしれない。興奮をセックスではなくバトローターで発散するのがホビー漫画の住人って感じで最高でした。しかも今回彼は射精せずに終わるのですね。射精も知らないと思われるのですが、そういう意味では主人公の方が進んでるので笑う。
てか、性衝動をローターバトルで発散しようとヒロインではなく主人公にぶつかっていくラスト、ちょっとだけBLっぽくて好きです。キッズBL。狂った世界の中で意外とピュアを保ってるのが良い。ふざけてるんだけど、3人がそれぞれキャラ立ってるというか、エロに対する知識やスタンスが細かく違ってるのが最高ですね。もはや「○○っぽい」だけでは済ませられないような魅力すら生まれてきている。
終わり。快楽天本誌の感想も終わったので、お暇でしたらそちらも読んでみてください。
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